委員会情報
委員会審査状況
デジタル化・地方創生調査特別委員会
( 委 員 会 )
日 時 令和5年7月19日(水) 午後2時~
会 場 第8委員会室
出 席 者
神戸洋美、杉浦正和 正副委員長
川嶋太郎、高桑敏直、島倉 誠、石塚吾歩路、政木りか、山田たかお、
かじ山義章、鈴木 純、山口 健、村嶌嘉将、大久保真一、古林千恵、
阿部武史 各委員
政策企画局長、企画調整部長、
総務局長、総務部長、財務部長兼財政課長、
人事局長、人事管理監兼人事課長、
情報通信(ICT)政策推進監、関係各課長等
<議 題>
新たな「愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略」について
あいちDX推進プラン2025の中間見直しについて
あいち行革プラン2020の進捗状況について
<会議の概要>
1 開 会
2 正副委員長あいさつ
3 委員自己紹介
4 委員席の決定
5 理事の設置
6 理事の指名
7 議題について理事者の説明
8 質 疑
9 今後の委員会活動について
10 委員による個別の県外調査について
11 閉 会
(主な質疑)
【委員】
キャッシュレス決済の導入について、どのような経緯で公の施設のキャッシュレス決済の導入を進めることにしたのか伺う。
【理事者】
あいち行革プラン2020の個別取組事項として、公の施設における利用者の満足度の向上に取り組むこととしており、その取組の一つとして、2020年度に使用料等のキャッシュレス化に関するニーズ調査を実施した。
ニーズ調査では、窓口で使用料等を現金で徴収している施設のうち、約8割の施設で利用者がキャッシュレス決済の導入を希望したことから、県民ニーズがあると考え、全ての公の施設でキャッシュレス決済の導入を進めていくこととした。
【委員】
キャッシュレス決済の導入を進めていくに当たり、どのくらいの公の施設で決済が導入できたのか伺う。
【理事者】
道路等のインフラ施設や県営住宅を除いた64の公の施設のうち、窓口で使用料等を徴収する施設が49施設ある。このうち、昨年度末時点で、愛知県立病院や愛知県国際展示場、愛知県女性総合センターなど、合わせて11の施設でキャッシュレス決済を導入している。
【委員】
残りのところはまだあると思うが、今後の予定を伺う。
【理事者】
窓口で使用料等を徴収する公の施設である49施設のうち、昨年度末時点で既にキャッシュレス決済を導入している11施設を除いた38施設で、キャッシュレス決済の導入に取り組んでいく予定である。このうち32施設については、現在、クレジットカードの読み取りに必要な決済端末の配備や決済端末の通信環境を整備するための工事など、発注準備を進めているところであり、今年度中にキャッシュレス決済が可能になる予定である。
また、残りの6施設については、指定管理者の施設予約システムの改修や、長寿命化改修工事による休館後の施設再開時に合わせて導入するなど、早期に導入していく。
こうした取組により、窓口で使用料等を徴収する全ての公の施設で、キャッシュレス決済を可能としていく。
【委員】
県がキャッシュレス決済のほかに徴収する方法として証紙を使う方法がある。キャッシュレス決済を導入していくに当たり、証紙の取扱いはどのようになっていくか伺う。
【理事者】
証紙により収納する手数料の科目数は現在125科目あるが、キャッシュレス決済の導入に当たっては、証紙の持つ機能をよく考えながら、県民の手数料納付の利便性を向上させていく必要もある。
そのため、証紙の今後の在り方は、会計局で、キャッシュレス決済の利用状況なども見極めた上で、手数料を所管する各局と調整を図りながら、引き続き検討していく方針である。
【委員】
県民の利便性向上はとても大事なことだと考えるが、行財政改革を進めていく観点も忘れてはならない。多くの施設でキャッシュレス決済を進めていくことは、利便性の向上には非常に価値があることだが、キャッシュレスと証紙が並存することになると、二重のコストがかかるかもしれない。また、証紙を販売している人々には、証紙販売手数料が支払われており、その手数料で運営しているところもある。そのため、キャッシュレス比率が高まるにつれて、証紙販売する手数料が減り、その運営が成り立たなくなることもある。利便性の向上を追求していけば両方あったほうがよく、行政コストを減らすことを考えれば、一方にしたほうがよいのかもしれない。
業務そのものの変革も含めて考えながら、キャッシュレス化やデジタル化を進めていくことが重要である。
【委員】
あいちDX推進プラン2025の県行政の効率化・DXの推進について、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を進めていく中で、決められたルールどおりに動くようにするためには、単純作業を確実に実施するようにしないといけないが、何をどこまで自動化するのか、また、それを実現するために、2025年までにどのようなロードマップを考えているか伺う。
【理事者】
パソコン上で定型業務を自動化するRPAについては、2020年度から本格導入しており、業務の効率化に取り組んでいる。これまでに、2020年度から2022年度までの3年間で、71業務で業務の効率化に取り組んできたが、今後も引き続き業務の効率化と生産性の向上に向けて、RPAの導入拡大について取り組んでいきたい。
具体的には、各局に対しRPAの概要や導入効果、運用マニュアル等を周知していくことで、新たな業務や類似業務への導入拡大を図っている。引き続き、各局にできるだけ多くの横展開を図れるように取り組んでいきたい。
【委員】
2022年度で71業務だが、現在考えている業務の総数は幾つか伺う。
【理事者】
現在、特に目標としている業務数はなく、できるだけ幅広く各局で取り入れてもらうように働きかけている。今年度、現時点で各局から19業務に導入したいという声をもらっており、引き続き各局に働きかけ、できるだけ多くの業務に展開していきたい。
【委員】
RPAを進めていく上で、ゴールが見えていないと実現できない。現場の業務の課題を把握して、その課題を解決することに向けて、RPAを有効に活用して業務を効率化することだと思うが、そのためには業務の管理能力も必要であるし、RPA導入の際には一つの部署の業務の自動化だけではなく、複数の部署に関わる業務を自動化することが重要と考える。その業務の効率化に対する視野を広げて、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の視点をプラスすることが、自治体のDXを進めていく上で必要だと思うが、御意見を伺う。
【理事者】
業務の見直しをBPRの観点でどう進めていくかについては、既に取り組んでいるところであり、業者に業務委託して、BPRについて本県でどう取り組んでいくべきか提案をもらいながら進めている。
業務の見える化を行い、その見える化した業務について、どのようなところをRPAで自動化できるか、ノーコード・ローコードツールで業務の効率化ができるかなど、提案をもらっており、そうした観点で、総務課でBPRの導入マニュアルを作成して各局に展開し、働きかけている。
引き続き、BPRをはじめ、RPAやノーコード・ローコードツールの活用について、各局と連携しながら県庁全体の業務効率化に努めていきたい。
【委員】
デジタル人材を育成するため、民間企業との人事交流や、新たなデジタル人材の採用などを現在行っているが、何人交流して、何人採用しているか伺う。
【理事者】
民間企業等職務経験者の試験のICT区分の採用は、2021年度の試験から行っており、2年度間採用している。2年度間で合計7人採用している。
また、民間企業等との人事交流は、現在4社と相互交流を行っている。
【委員】
全庁的にDXを推進していくためには、ゴールを先行型で考えること、BPRの視点をプラスすること、DXの人材育成を行うことの3点を同時にしていかなければならないため、視野を広げてDX化を推進してほしい。
生成AIチャットGPTについて本県としてどのように活用するか伺う。
【理事者】
チャットGPT等の生成AIについては、業務での活用等も期待できることから、今年6月中旬に愛知県DX推進本部内に生成AI活用検討チームを立ち上げて、現在検討を進めている。
【委員】
イレギュラー等が発生した場合、どの部署が対応するか伺う。
【理事者】
生成AIが作成する回答には、正確性が担保されないことが指摘されており、また、我々がそうしたものを使うことによる情報漏えいも懸念されている。そのようなマイナスの面についても、生成AI活用検討チームで検討を進めていきたい。
【委員】
あいちDX推進プラン2025の後半の取組に向けて、中間見直しに入っていると思うが、サイバーセキュリティ対策の必要性について、現状の認識を伺いたい。
先日も名古屋港でサイバーテロがあり、これから対策が必要になってくる。現時点で、サイバーセキュリティ対策の必要性についてどのような認識か伺う。
【理事者】
本県では、2003年3月に情報セキュリティポリシーを定め、統一の取れたセキュリティ対策を取るように努めている。情報セキュリティポリシーは、組織内のセキュリティに関する基本的な方針を明確にするとともに、組織が保有する情報の重度に応じたセキュリティ対策の基準を示し、職員の具体的な行動指針となるものである。
情報セキュリティポリシーに基づき、ネットワーク管理者や情報システム管理者等が、それぞれのネットワーク、または、情報システムの状況に合わせて、それぞれが実施すべき事項と職員等に順守させる事項を具体的に定めた実施手順を定めて、それに基づき、各ネットワークやシステムを管理していく形で、セキュリティを確保していく。
【委員】
サイバーセキュリティはかなり分野が広く多岐にわたることから、トラブルが起こったときにどの部署が対応するかも含めて、未知のことも多くて大変だと思う。しかし、おろそかにしていると、何かトラブルがあった際に対応ができない。あいちDX推進プラン2025の中間見直しにこの点にも検討してほしい。
【委員】
愛知県人口の将来推計について、どのように考えているのか。
【理事者】
愛知県の将来の人口の見通しについて、第2期愛知県人口ビジョンを策定しており、そこに人口推計を記載している。その第2期愛知県人口ビジョンで示す人口の見通しは、2060年に人口が約720万人になると推計している。
【委員】
2060年に人口が720万人になることの出生率に関する前提条件は何か。
【理事者】
第2期人口ビジョンを作成した際の前提となるデータについて、まず、合計特殊出生率については、本県の既婚者の予定子供数や、未婚者のうち結婚を希望する人の割合などから、県民の希望が叶った場合の出生率を1.8と算出している。
また、県民の希望する出生率である1.8が2030年に実現して、さらに2040年以降は、人口を維持していく出生水準、いわゆる人口置換水準の2.07に回復することを前提に置いて推計したデータである。
【委員】
昔から人口減少は、静かな有事と言われていたが、今は静かではない有事と言われる。今回、人口問題対策本部が設置され、庁内で人口問題に対する危機意識を共有するとのことだが、庁内で行っている場合ではない。
行政は政策を打って挽回するという思いがあるので、例えば、現状の出生率で将来どうなるかは出しにくいとよく聞くが、県民に対し人口減少という大変な課題の危機感を共有する意味では、2030年に1.8、それから、2040年までに2.07になるとは到底、この状況では思えない。そのため、現状のまま将来の人口減少が進んだ場合の危機感を共有しないと、この人口減少問題は対応できない。
本県として、人口問題対策本部を立ち上げて、愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略のその前提となる人口問題に関しては、今までを踏襲することなく大転換して、これから人口減少問題に取り組んでいくとの思いを県民に見せないと人口は増えてこない。人口が増えてこない中で人口減少に歯止めをかけながら政策を打っていくといっても、やはり絵に描いた餅になりかねない。
そのため、今後どのように人口問題対策を検討していくのか伺う。また、県民にこれからどうのように人口問題の危機意識を周知する予定か伺う。
【理事者】
検討体制については、庁内で人口問題対策本部を立ち上げ、庁内で危機意識を共有して連携強化を図っている。そのほかに、外部有識者による推進会議を用意しており、そこで外部の目から見た意見や助言をもらっている。また、市町村からも意見を聴く市町村連絡会議を今年度の5月から6月にかけて1回目を開催している。
また、今後、県民に対し人口問題の危機意識をどのように打って出るかについては、今は、新たな愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略骨子を作成した段階だが、これから素案として中身を固めていく中で、どのように県民に危機感を訴えていくか検討していきたい。
【委員】
これから知事を先頭に様々な人口問題対策を打っていくと思うが、県民に何言っているんだと思われないように、大変なことを今愛知県としては取り組んでいくので協力してほしいという土壌をつくってもらうよう、くれぐれもお願いしたい。
【委員】
新たな愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略に、外国人の人口の増減数を表したグラフが掲載されている。そのグラフの説明文によれば、外国人は2018年10月から2019年9月の1年間で2万人を超える増加であったものの、その後の2年間は新型コロナウイルス感染拡大に伴い入国規制等により、それぞれ前年比で減少となったとある。また、入国規制の緩和等に伴い、2021年10月から2022年9月の1年間は、再び前年比で増加に転じていると記載されている。
当然、引き続き外国人が増加することが予想されるが、このような外国人は、日本人の人口減少に伴い産業労働力を補うためには、どうしても必要であり、将来的にはその外国人の割合が増加してくる。
そこで、増加する外国人に対して、県としてどのように対応するつもりか伺う。
【理事者】
国立社会保障・人口問題研究所が、2023年4月に発表した日本の将来推計人口結果によると、日本の人口は2070年に現状から3割減の8,700万人に落ち込み、このうち1割を外国人が占めるとされている。また、本県は、東京都に次いで全国2番目に在留外国人が多く、かつ外国人比率が高い状況にある。
本県で人口に占める外国人の割合が増加していることや、日本全体で人口に占める外国人の割合が増加していくことを踏まえると、産業人材として、また、地域づくりの担い手として活躍することが期待できる一方で、今まで以上に多文化共生の取組の推進が課題となってくることから、外国人材の適正な受入れや共生に向けた環境整備が一層重要になると認識している。
そのため、新たな愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略では、外国人材の適正な受入れを基本目標の中に項目として新たに位置づけ、地域社会全体で外国人材を適正に受入れ、能力を最大限に発揮できるような共生社会づくりを推進していきたい。
【委員】
日本はIT産業がすごく遅れていると言われており、IT技術者をはじめ高度技術者を持った外国人材を、本県としても有効活用できるような環境整備をしてほしい。
【委員】
本日の午前中に愛知県内の建築業協会に現状、どのような課題があるか聞いたところ、建築業は人材不足で悩んでいる中で非常に懸念をしていることがあり、それは、現場の担い手として、外国人労働者が非常に貴重な人材になっているが、昨今の円安で外国人の研修生を含めて躊躇するケースが増えてきているそうである。
本県として、今後、外国人の受入れを積極的に進めていくとのことだが、県の力だけではどうにもならない部分も含めて、今後、どのように考えているか伺う。
【理事者】
新たな愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定するに当たり、外国人材の適正な受入れを基本目標の中の項目として新たに位置付けるよう進めている。具体的な取組としては、あいち外国人材適正受入れ・共生推進協議会の取組であり、あいち外国人材適正受入れ・共生推進協議会は、本県だけではなく、国の機関や経済団体なども構成団体に加わり、本県だけではなくいろいろな機関と連携した取組により、外国人材の受入れや共生に向けた環境整備を推進していくのが必要である。
【委員】
この問題はなかなか難しいと思うが、急激な円安など様々な諸課題が突発的に発生することもあえるため、国とも調整して、しっかりした愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略をつくってほしい。
あいちDX推進プラン2025の中間見直しでは、行政手続のオンライン化は2025年度までに順次オンライン化とあるが、現状はどのように評価しているか。
【理事者】
行政手続のオンライン化について、2021年5月に定めた行政手続のオンライン化に係る方針に基づき、オンライン化可能な行政手続は、原則オンライン化に取り組んでいる。
現状は、2022年度末時点で8,305の総手続のうち1,141手続がオンライン化済みとなっている。前年度から495手続が増加し、対前年度対比で約1.8倍となっている。
また、オンライン化の実施率は、優先して対応を進めている年間処理件数が多い5,000件以上の手続で45.5パーセントであり、半数近くまでオンライン化が進んでいる。
現状では、オンライン化は着実に進んでいる。
【委員】
2021年5月に原則オンライン化を目指す方針を示しているが、進捗状況に差があり、全ての行政手続にオンライン化を目指すことが本当に効率的なことかどうかも踏まえて、この点については全てを目指すことでよいか。
【理事者】
行政手続のオンライン化を目指す考え方に、現在、8,305手続を総手続として整理しており、全てオンライン化することを目指しているものではなく、個々の手続についてオンライン化の実現可能性やその効果を見極めた上で、効率的・効果的に取り組む。
オンライン化に向けた課題がある行政手続については、その課題の解消を検討しながら進めているが、現時点の情報通信技術では別の手段を取り入れることが難しいもの、手続の趣旨からオンライン化に適さないものなど、オンライン化することが困難と認められる手続については対象外としている。
また、過去の実績等から、今後対象となる申請等が行われる可能性が低い、または、極めて限定的なものからの申請等しか見込まれない手続については、効果は低いと考えられるため、特にオンライン化の実施を必要しないものと考えている。
例えば、2021年度で年間処理件数がゼロ件のものが、8,305手続のうちおよそ4,000手続ある。年間処理件数が極めて少ないものについては対象外として、これらを除いた手続についてオンライン化に向けた検討を進めている。
【委員】
オンライン化に向けた課題がある行政手続とは、具体的にはどのような課題と認識しているか。
【理事者】
オンライン化に向けた具体的な課題について、例えば、対面審査を要する場合という課題である。これは申請時に申請者と、対面により審査を行うことが求められるケースである。このほか、申請者以外の第三者が作成する書類の添付を求められる課題であり、住民票や医師の診断書など、紙資料の提出が求められるケースである。
こうした課題については、行政手続に係るオンライン化の方針に記載のとおり、例えば、対面確認を要する行政手続については、法令等に規定のあるものを除き、その必要性の精査を行った上で必要最小限の範囲とし、当該確認方法の代替手段や業務フローの見直し等の検討を進める。
なお、金銭納付が必要な行政手続についても、金銭納付がオンライン化する上での課題であったが、2022年度にあいち電子申請・届出システムの改修等を実施して、本年4月から116手続でキャッシュレス決済を可能とするとともに、オンライン化を実現した。
【委員】
申請が極端に少ないものや、対面審査や書類添付など課題があることも承知した。一方で、行政手続のオンライン化によって利用者にとっては距離の問題や時間の問題等も緩和され、また、窓口から遠いところの方や、日中仕事で時間が取れないが夜なら手続ができる人にとっては便利になると思われる。
そのため、オンライン化は県にとっても業務の効率化、省力化が見込まれることでもあるため、課題があるものは整理して、引き続きしっかりと進めてほしい。
【委員】
あいちDX推進プランの中間見直しについて、後半の取組のポイントの視点の一つに、ICTの進展やデジタル改革への対応があり、その考え方に急速に進展する情報通信技術の動向を把握し、業務等に活用できる技術の実装を検討していくとともに、アナログ規制の見直し等に対応する、とある。その中で、アナログ規制の見直しが分かりにくいため、その概要を伺う。
【理事者】
アナログ規制の見直しで、国が2022年6月にデジタル原則に照らした規制の一括見直しプランを示した。この中で、日本におけるデジタル化の遅れの背景として、法令をはじめとする我が国の社会制度やルールに、目視や実地監査といったアナログ的手法を前提とした規制が存在しており、このアナログ規制が広く社会に浸透していることがデジタル化を阻害し、デジタル技術の活用を阻んでいるとされている。
そこで国は、目視や実地監査、定期検査、点検、対面講習などの7項目に該当するアナログ行為や、申請届出時のフロッピーディスク等の記録媒体の指定について、2024年6月までに見直しを実施する。
今年6月16日には、いわゆるデジタル規制改革推進の一括法が公布されており、書面掲示規制及びフロッピーディスク等の記録媒体に係る規制についての見直しがされた。
【委員】
国のアナログ規制の見直しに合わせて、地方公共団体でもアナログ規制の見直しを行うことが求められているが、国からのこの見直しに関わる支援等があるか伺う。
【理事者】
国は、住民生活に密接に関連する行政サービスを担う地方公共団体においても、アナログ規制の見直しに取り組むことが重要である。そのため、地方公共団体への支援として、2022年11月に、地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアルを各地方公共団体へ通知している。
この中で、国が行う点検・見直しの概要や、地方公共団体が行う条例等のアナログ規制の点検・見直しに関する手順案などを示しており、このマニュアルに沿って地方公共団体も、アナログ規制の見直しに積極的に取組を要請している。
また、今年度、国はモデル自治体15団体と連携して、実際に条例規則等の点検・見直しを実施することで、アナログ規制の見直しにおける課題を調査している。
今年秋頃を目途にその調査結果を取りまとめることとしており、その調査結果を反映して、年内を目途に先ほどのマニュアルを改定して地方公共団体に示す予定である。
【委員】
本県のアナログ規制の見直しについての対応状況を伺う。
【理事者】
アナログ規制の見直しに対する本県の対応状況について、愛知県DX推進本部及びDX推進プロジェクトチームの体制で検討していく。
今後、各省庁が実施する見直しの実例や、モデル自治体による課題調査結果を反映して、年内に改定する予定の地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアルを参考にして、本県におけるアナログ規制の見直しを検討していきたい。
【委員】
あいちDX推進プランの中間見直しの後半の取組のポイントにも、急速に進展する情報通信技術の動向を把握とあり、情報通信技術については目まぐるしいスピードで進化し、普及していくことが予想される。最新の技術が登場すると目を奪われがちになるが、大事なことは、デジタル化やDXの目的である県民の利便性の向上や業務の効率化である。生成AIの活用やアナログ規制の見直しについても、このことをしっかりと意識して取り組んでほしい。
【委員】
あいちDX推進プランの見直しについて、後半の取組の策定や公表に向けて確認したいが、DXを進めることによって効率性や利便性を上げることが目的だと思う。その際、項目ごとに費用がどれだけかかっているか、人員削減や工数低減、利便性の向上などの効果がどれだけ上がっているかなど伺いたい。
あわせて、あいちDX推進プランの後半の作成に向けて、DXを進めるために様々な数値目標が掲げられているが、その目標を達成したことでどれだけのうれしさがあるのかが分かるような、副次的な効果を記載できるように取組を進めてほしい。
また、本特別委員会に対してだが、デジタル化という名前がついている委員会であるため、この委員会の運営についても、例えば、モバイルパソコンをこの場で使うことや、ペーパーレス化などに取り組んでみるなど、本会議では取り組めないが、特別委員会ではデジタル化に対して率先して取り組んでいくようなことができないかと考える。検討をお願いしたい。
【理事者】
DXを進めるに当たり、取組のコストと効果等については、様々な取組があり、明確に効果を示すことができるものもあれば、小さな取組であり効果はあるものの、数字に表すととても小さく見えてしまうものもある。そのような小さなものを積み重ねて進めていくのが、DXだと考えている。そのため、全ての取組について効果や費用対効果を示すことは難しい。
しかし、効果を示すことも重要なことだと考えるため、今後、中間見直しの中でそのようなことができないか検討していきたい。
( 委 員 会 )
日 時 令和5年7月19日(水) 午後2時~
会 場 第8委員会室
出 席 者
神戸洋美、杉浦正和 正副委員長
川嶋太郎、高桑敏直、島倉 誠、石塚吾歩路、政木りか、山田たかお、
かじ山義章、鈴木 純、山口 健、村嶌嘉将、大久保真一、古林千恵、
阿部武史 各委員
政策企画局長、企画調整部長、
総務局長、総務部長、財務部長兼財政課長、
人事局長、人事管理監兼人事課長、
情報通信(ICT)政策推進監、関係各課長等
委員会審査風景
<議 題>
新たな「愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略」について
あいちDX推進プラン2025の中間見直しについて
あいち行革プラン2020の進捗状況について
<会議の概要>
1 開 会
2 正副委員長あいさつ
3 委員自己紹介
4 委員席の決定
5 理事の設置
6 理事の指名
7 議題について理事者の説明
8 質 疑
9 今後の委員会活動について
10 委員による個別の県外調査について
11 閉 会
(主な質疑)
【委員】
キャッシュレス決済の導入について、どのような経緯で公の施設のキャッシュレス決済の導入を進めることにしたのか伺う。
【理事者】
あいち行革プラン2020の個別取組事項として、公の施設における利用者の満足度の向上に取り組むこととしており、その取組の一つとして、2020年度に使用料等のキャッシュレス化に関するニーズ調査を実施した。
ニーズ調査では、窓口で使用料等を現金で徴収している施設のうち、約8割の施設で利用者がキャッシュレス決済の導入を希望したことから、県民ニーズがあると考え、全ての公の施設でキャッシュレス決済の導入を進めていくこととした。
【委員】
キャッシュレス決済の導入を進めていくに当たり、どのくらいの公の施設で決済が導入できたのか伺う。
【理事者】
道路等のインフラ施設や県営住宅を除いた64の公の施設のうち、窓口で使用料等を徴収する施設が49施設ある。このうち、昨年度末時点で、愛知県立病院や愛知県国際展示場、愛知県女性総合センターなど、合わせて11の施設でキャッシュレス決済を導入している。
【委員】
残りのところはまだあると思うが、今後の予定を伺う。
【理事者】
窓口で使用料等を徴収する公の施設である49施設のうち、昨年度末時点で既にキャッシュレス決済を導入している11施設を除いた38施設で、キャッシュレス決済の導入に取り組んでいく予定である。このうち32施設については、現在、クレジットカードの読み取りに必要な決済端末の配備や決済端末の通信環境を整備するための工事など、発注準備を進めているところであり、今年度中にキャッシュレス決済が可能になる予定である。
また、残りの6施設については、指定管理者の施設予約システムの改修や、長寿命化改修工事による休館後の施設再開時に合わせて導入するなど、早期に導入していく。
こうした取組により、窓口で使用料等を徴収する全ての公の施設で、キャッシュレス決済を可能としていく。
【委員】
県がキャッシュレス決済のほかに徴収する方法として証紙を使う方法がある。キャッシュレス決済を導入していくに当たり、証紙の取扱いはどのようになっていくか伺う。
【理事者】
証紙により収納する手数料の科目数は現在125科目あるが、キャッシュレス決済の導入に当たっては、証紙の持つ機能をよく考えながら、県民の手数料納付の利便性を向上させていく必要もある。
そのため、証紙の今後の在り方は、会計局で、キャッシュレス決済の利用状況なども見極めた上で、手数料を所管する各局と調整を図りながら、引き続き検討していく方針である。
【委員】
県民の利便性向上はとても大事なことだと考えるが、行財政改革を進めていく観点も忘れてはならない。多くの施設でキャッシュレス決済を進めていくことは、利便性の向上には非常に価値があることだが、キャッシュレスと証紙が並存することになると、二重のコストがかかるかもしれない。また、証紙を販売している人々には、証紙販売手数料が支払われており、その手数料で運営しているところもある。そのため、キャッシュレス比率が高まるにつれて、証紙販売する手数料が減り、その運営が成り立たなくなることもある。利便性の向上を追求していけば両方あったほうがよく、行政コストを減らすことを考えれば、一方にしたほうがよいのかもしれない。
業務そのものの変革も含めて考えながら、キャッシュレス化やデジタル化を進めていくことが重要である。
【委員】
あいちDX推進プラン2025の県行政の効率化・DXの推進について、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を進めていく中で、決められたルールどおりに動くようにするためには、単純作業を確実に実施するようにしないといけないが、何をどこまで自動化するのか、また、それを実現するために、2025年までにどのようなロードマップを考えているか伺う。
【理事者】
パソコン上で定型業務を自動化するRPAについては、2020年度から本格導入しており、業務の効率化に取り組んでいる。これまでに、2020年度から2022年度までの3年間で、71業務で業務の効率化に取り組んできたが、今後も引き続き業務の効率化と生産性の向上に向けて、RPAの導入拡大について取り組んでいきたい。
具体的には、各局に対しRPAの概要や導入効果、運用マニュアル等を周知していくことで、新たな業務や類似業務への導入拡大を図っている。引き続き、各局にできるだけ多くの横展開を図れるように取り組んでいきたい。
【委員】
2022年度で71業務だが、現在考えている業務の総数は幾つか伺う。
【理事者】
現在、特に目標としている業務数はなく、できるだけ幅広く各局で取り入れてもらうように働きかけている。今年度、現時点で各局から19業務に導入したいという声をもらっており、引き続き各局に働きかけ、できるだけ多くの業務に展開していきたい。
【委員】
RPAを進めていく上で、ゴールが見えていないと実現できない。現場の業務の課題を把握して、その課題を解決することに向けて、RPAを有効に活用して業務を効率化することだと思うが、そのためには業務の管理能力も必要であるし、RPA導入の際には一つの部署の業務の自動化だけではなく、複数の部署に関わる業務を自動化することが重要と考える。その業務の効率化に対する視野を広げて、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の視点をプラスすることが、自治体のDXを進めていく上で必要だと思うが、御意見を伺う。
【理事者】
業務の見直しをBPRの観点でどう進めていくかについては、既に取り組んでいるところであり、業者に業務委託して、BPRについて本県でどう取り組んでいくべきか提案をもらいながら進めている。
業務の見える化を行い、その見える化した業務について、どのようなところをRPAで自動化できるか、ノーコード・ローコードツールで業務の効率化ができるかなど、提案をもらっており、そうした観点で、総務課でBPRの導入マニュアルを作成して各局に展開し、働きかけている。
引き続き、BPRをはじめ、RPAやノーコード・ローコードツールの活用について、各局と連携しながら県庁全体の業務効率化に努めていきたい。
【委員】
デジタル人材を育成するため、民間企業との人事交流や、新たなデジタル人材の採用などを現在行っているが、何人交流して、何人採用しているか伺う。
【理事者】
民間企業等職務経験者の試験のICT区分の採用は、2021年度の試験から行っており、2年度間採用している。2年度間で合計7人採用している。
また、民間企業等との人事交流は、現在4社と相互交流を行っている。
【委員】
全庁的にDXを推進していくためには、ゴールを先行型で考えること、BPRの視点をプラスすること、DXの人材育成を行うことの3点を同時にしていかなければならないため、視野を広げてDX化を推進してほしい。
生成AIチャットGPTについて本県としてどのように活用するか伺う。
【理事者】
チャットGPT等の生成AIについては、業務での活用等も期待できることから、今年6月中旬に愛知県DX推進本部内に生成AI活用検討チームを立ち上げて、現在検討を進めている。
【委員】
イレギュラー等が発生した場合、どの部署が対応するか伺う。
【理事者】
生成AIが作成する回答には、正確性が担保されないことが指摘されており、また、我々がそうしたものを使うことによる情報漏えいも懸念されている。そのようなマイナスの面についても、生成AI活用検討チームで検討を進めていきたい。
【委員】
あいちDX推進プラン2025の後半の取組に向けて、中間見直しに入っていると思うが、サイバーセキュリティ対策の必要性について、現状の認識を伺いたい。
先日も名古屋港でサイバーテロがあり、これから対策が必要になってくる。現時点で、サイバーセキュリティ対策の必要性についてどのような認識か伺う。
【理事者】
本県では、2003年3月に情報セキュリティポリシーを定め、統一の取れたセキュリティ対策を取るように努めている。情報セキュリティポリシーは、組織内のセキュリティに関する基本的な方針を明確にするとともに、組織が保有する情報の重度に応じたセキュリティ対策の基準を示し、職員の具体的な行動指針となるものである。
情報セキュリティポリシーに基づき、ネットワーク管理者や情報システム管理者等が、それぞれのネットワーク、または、情報システムの状況に合わせて、それぞれが実施すべき事項と職員等に順守させる事項を具体的に定めた実施手順を定めて、それに基づき、各ネットワークやシステムを管理していく形で、セキュリティを確保していく。
【委員】
サイバーセキュリティはかなり分野が広く多岐にわたることから、トラブルが起こったときにどの部署が対応するかも含めて、未知のことも多くて大変だと思う。しかし、おろそかにしていると、何かトラブルがあった際に対応ができない。あいちDX推進プラン2025の中間見直しにこの点にも検討してほしい。
【委員】
愛知県人口の将来推計について、どのように考えているのか。
【理事者】
愛知県の将来の人口の見通しについて、第2期愛知県人口ビジョンを策定しており、そこに人口推計を記載している。その第2期愛知県人口ビジョンで示す人口の見通しは、2060年に人口が約720万人になると推計している。
【委員】
2060年に人口が720万人になることの出生率に関する前提条件は何か。
【理事者】
第2期人口ビジョンを作成した際の前提となるデータについて、まず、合計特殊出生率については、本県の既婚者の予定子供数や、未婚者のうち結婚を希望する人の割合などから、県民の希望が叶った場合の出生率を1.8と算出している。
また、県民の希望する出生率である1.8が2030年に実現して、さらに2040年以降は、人口を維持していく出生水準、いわゆる人口置換水準の2.07に回復することを前提に置いて推計したデータである。
【委員】
昔から人口減少は、静かな有事と言われていたが、今は静かではない有事と言われる。今回、人口問題対策本部が設置され、庁内で人口問題に対する危機意識を共有するとのことだが、庁内で行っている場合ではない。
行政は政策を打って挽回するという思いがあるので、例えば、現状の出生率で将来どうなるかは出しにくいとよく聞くが、県民に対し人口減少という大変な課題の危機感を共有する意味では、2030年に1.8、それから、2040年までに2.07になるとは到底、この状況では思えない。そのため、現状のまま将来の人口減少が進んだ場合の危機感を共有しないと、この人口減少問題は対応できない。
本県として、人口問題対策本部を立ち上げて、愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略のその前提となる人口問題に関しては、今までを踏襲することなく大転換して、これから人口減少問題に取り組んでいくとの思いを県民に見せないと人口は増えてこない。人口が増えてこない中で人口減少に歯止めをかけながら政策を打っていくといっても、やはり絵に描いた餅になりかねない。
そのため、今後どのように人口問題対策を検討していくのか伺う。また、県民にこれからどうのように人口問題の危機意識を周知する予定か伺う。
【理事者】
検討体制については、庁内で人口問題対策本部を立ち上げ、庁内で危機意識を共有して連携強化を図っている。そのほかに、外部有識者による推進会議を用意しており、そこで外部の目から見た意見や助言をもらっている。また、市町村からも意見を聴く市町村連絡会議を今年度の5月から6月にかけて1回目を開催している。
また、今後、県民に対し人口問題の危機意識をどのように打って出るかについては、今は、新たな愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略骨子を作成した段階だが、これから素案として中身を固めていく中で、どのように県民に危機感を訴えていくか検討していきたい。
【委員】
これから知事を先頭に様々な人口問題対策を打っていくと思うが、県民に何言っているんだと思われないように、大変なことを今愛知県としては取り組んでいくので協力してほしいという土壌をつくってもらうよう、くれぐれもお願いしたい。
【委員】
新たな愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略に、外国人の人口の増減数を表したグラフが掲載されている。そのグラフの説明文によれば、外国人は2018年10月から2019年9月の1年間で2万人を超える増加であったものの、その後の2年間は新型コロナウイルス感染拡大に伴い入国規制等により、それぞれ前年比で減少となったとある。また、入国規制の緩和等に伴い、2021年10月から2022年9月の1年間は、再び前年比で増加に転じていると記載されている。
当然、引き続き外国人が増加することが予想されるが、このような外国人は、日本人の人口減少に伴い産業労働力を補うためには、どうしても必要であり、将来的にはその外国人の割合が増加してくる。
そこで、増加する外国人に対して、県としてどのように対応するつもりか伺う。
【理事者】
国立社会保障・人口問題研究所が、2023年4月に発表した日本の将来推計人口結果によると、日本の人口は2070年に現状から3割減の8,700万人に落ち込み、このうち1割を外国人が占めるとされている。また、本県は、東京都に次いで全国2番目に在留外国人が多く、かつ外国人比率が高い状況にある。
本県で人口に占める外国人の割合が増加していることや、日本全体で人口に占める外国人の割合が増加していくことを踏まえると、産業人材として、また、地域づくりの担い手として活躍することが期待できる一方で、今まで以上に多文化共生の取組の推進が課題となってくることから、外国人材の適正な受入れや共生に向けた環境整備が一層重要になると認識している。
そのため、新たな愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略では、外国人材の適正な受入れを基本目標の中に項目として新たに位置づけ、地域社会全体で外国人材を適正に受入れ、能力を最大限に発揮できるような共生社会づくりを推進していきたい。
【委員】
日本はIT産業がすごく遅れていると言われており、IT技術者をはじめ高度技術者を持った外国人材を、本県としても有効活用できるような環境整備をしてほしい。
【委員】
本日の午前中に愛知県内の建築業協会に現状、どのような課題があるか聞いたところ、建築業は人材不足で悩んでいる中で非常に懸念をしていることがあり、それは、現場の担い手として、外国人労働者が非常に貴重な人材になっているが、昨今の円安で外国人の研修生を含めて躊躇するケースが増えてきているそうである。
本県として、今後、外国人の受入れを積極的に進めていくとのことだが、県の力だけではどうにもならない部分も含めて、今後、どのように考えているか伺う。
【理事者】
新たな愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定するに当たり、外国人材の適正な受入れを基本目標の中の項目として新たに位置付けるよう進めている。具体的な取組としては、あいち外国人材適正受入れ・共生推進協議会の取組であり、あいち外国人材適正受入れ・共生推進協議会は、本県だけではなく、国の機関や経済団体なども構成団体に加わり、本県だけではなくいろいろな機関と連携した取組により、外国人材の受入れや共生に向けた環境整備を推進していくのが必要である。
【委員】
この問題はなかなか難しいと思うが、急激な円安など様々な諸課題が突発的に発生することもあえるため、国とも調整して、しっかりした愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略をつくってほしい。
あいちDX推進プラン2025の中間見直しでは、行政手続のオンライン化は2025年度までに順次オンライン化とあるが、現状はどのように評価しているか。
【理事者】
行政手続のオンライン化について、2021年5月に定めた行政手続のオンライン化に係る方針に基づき、オンライン化可能な行政手続は、原則オンライン化に取り組んでいる。
現状は、2022年度末時点で8,305の総手続のうち1,141手続がオンライン化済みとなっている。前年度から495手続が増加し、対前年度対比で約1.8倍となっている。
また、オンライン化の実施率は、優先して対応を進めている年間処理件数が多い5,000件以上の手続で45.5パーセントであり、半数近くまでオンライン化が進んでいる。
現状では、オンライン化は着実に進んでいる。
【委員】
2021年5月に原則オンライン化を目指す方針を示しているが、進捗状況に差があり、全ての行政手続にオンライン化を目指すことが本当に効率的なことかどうかも踏まえて、この点については全てを目指すことでよいか。
【理事者】
行政手続のオンライン化を目指す考え方に、現在、8,305手続を総手続として整理しており、全てオンライン化することを目指しているものではなく、個々の手続についてオンライン化の実現可能性やその効果を見極めた上で、効率的・効果的に取り組む。
オンライン化に向けた課題がある行政手続については、その課題の解消を検討しながら進めているが、現時点の情報通信技術では別の手段を取り入れることが難しいもの、手続の趣旨からオンライン化に適さないものなど、オンライン化することが困難と認められる手続については対象外としている。
また、過去の実績等から、今後対象となる申請等が行われる可能性が低い、または、極めて限定的なものからの申請等しか見込まれない手続については、効果は低いと考えられるため、特にオンライン化の実施を必要しないものと考えている。
例えば、2021年度で年間処理件数がゼロ件のものが、8,305手続のうちおよそ4,000手続ある。年間処理件数が極めて少ないものについては対象外として、これらを除いた手続についてオンライン化に向けた検討を進めている。
【委員】
オンライン化に向けた課題がある行政手続とは、具体的にはどのような課題と認識しているか。
【理事者】
オンライン化に向けた具体的な課題について、例えば、対面審査を要する場合という課題である。これは申請時に申請者と、対面により審査を行うことが求められるケースである。このほか、申請者以外の第三者が作成する書類の添付を求められる課題であり、住民票や医師の診断書など、紙資料の提出が求められるケースである。
こうした課題については、行政手続に係るオンライン化の方針に記載のとおり、例えば、対面確認を要する行政手続については、法令等に規定のあるものを除き、その必要性の精査を行った上で必要最小限の範囲とし、当該確認方法の代替手段や業務フローの見直し等の検討を進める。
なお、金銭納付が必要な行政手続についても、金銭納付がオンライン化する上での課題であったが、2022年度にあいち電子申請・届出システムの改修等を実施して、本年4月から116手続でキャッシュレス決済を可能とするとともに、オンライン化を実現した。
【委員】
申請が極端に少ないものや、対面審査や書類添付など課題があることも承知した。一方で、行政手続のオンライン化によって利用者にとっては距離の問題や時間の問題等も緩和され、また、窓口から遠いところの方や、日中仕事で時間が取れないが夜なら手続ができる人にとっては便利になると思われる。
そのため、オンライン化は県にとっても業務の効率化、省力化が見込まれることでもあるため、課題があるものは整理して、引き続きしっかりと進めてほしい。
【委員】
あいちDX推進プランの中間見直しについて、後半の取組のポイントの視点の一つに、ICTの進展やデジタル改革への対応があり、その考え方に急速に進展する情報通信技術の動向を把握し、業務等に活用できる技術の実装を検討していくとともに、アナログ規制の見直し等に対応する、とある。その中で、アナログ規制の見直しが分かりにくいため、その概要を伺う。
【理事者】
アナログ規制の見直しで、国が2022年6月にデジタル原則に照らした規制の一括見直しプランを示した。この中で、日本におけるデジタル化の遅れの背景として、法令をはじめとする我が国の社会制度やルールに、目視や実地監査といったアナログ的手法を前提とした規制が存在しており、このアナログ規制が広く社会に浸透していることがデジタル化を阻害し、デジタル技術の活用を阻んでいるとされている。
そこで国は、目視や実地監査、定期検査、点検、対面講習などの7項目に該当するアナログ行為や、申請届出時のフロッピーディスク等の記録媒体の指定について、2024年6月までに見直しを実施する。
今年6月16日には、いわゆるデジタル規制改革推進の一括法が公布されており、書面掲示規制及びフロッピーディスク等の記録媒体に係る規制についての見直しがされた。
【委員】
国のアナログ規制の見直しに合わせて、地方公共団体でもアナログ規制の見直しを行うことが求められているが、国からのこの見直しに関わる支援等があるか伺う。
【理事者】
国は、住民生活に密接に関連する行政サービスを担う地方公共団体においても、アナログ規制の見直しに取り組むことが重要である。そのため、地方公共団体への支援として、2022年11月に、地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアルを各地方公共団体へ通知している。
この中で、国が行う点検・見直しの概要や、地方公共団体が行う条例等のアナログ規制の点検・見直しに関する手順案などを示しており、このマニュアルに沿って地方公共団体も、アナログ規制の見直しに積極的に取組を要請している。
また、今年度、国はモデル自治体15団体と連携して、実際に条例規則等の点検・見直しを実施することで、アナログ規制の見直しにおける課題を調査している。
今年秋頃を目途にその調査結果を取りまとめることとしており、その調査結果を反映して、年内を目途に先ほどのマニュアルを改定して地方公共団体に示す予定である。
【委員】
本県のアナログ規制の見直しについての対応状況を伺う。
【理事者】
アナログ規制の見直しに対する本県の対応状況について、愛知県DX推進本部及びDX推進プロジェクトチームの体制で検討していく。
今後、各省庁が実施する見直しの実例や、モデル自治体による課題調査結果を反映して、年内に改定する予定の地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアルを参考にして、本県におけるアナログ規制の見直しを検討していきたい。
【委員】
あいちDX推進プランの中間見直しの後半の取組のポイントにも、急速に進展する情報通信技術の動向を把握とあり、情報通信技術については目まぐるしいスピードで進化し、普及していくことが予想される。最新の技術が登場すると目を奪われがちになるが、大事なことは、デジタル化やDXの目的である県民の利便性の向上や業務の効率化である。生成AIの活用やアナログ規制の見直しについても、このことをしっかりと意識して取り組んでほしい。
【委員】
あいちDX推進プランの見直しについて、後半の取組の策定や公表に向けて確認したいが、DXを進めることによって効率性や利便性を上げることが目的だと思う。その際、項目ごとに費用がどれだけかかっているか、人員削減や工数低減、利便性の向上などの効果がどれだけ上がっているかなど伺いたい。
あわせて、あいちDX推進プランの後半の作成に向けて、DXを進めるために様々な数値目標が掲げられているが、その目標を達成したことでどれだけのうれしさがあるのかが分かるような、副次的な効果を記載できるように取組を進めてほしい。
また、本特別委員会に対してだが、デジタル化という名前がついている委員会であるため、この委員会の運営についても、例えば、モバイルパソコンをこの場で使うことや、ペーパーレス化などに取り組んでみるなど、本会議では取り組めないが、特別委員会ではデジタル化に対して率先して取り組んでいくようなことができないかと考える。検討をお願いしたい。
【理事者】
DXを進めるに当たり、取組のコストと効果等については、様々な取組があり、明確に効果を示すことができるものもあれば、小さな取組であり効果はあるものの、数字に表すととても小さく見えてしまうものもある。そのような小さなものを積み重ねて進めていくのが、DXだと考えている。そのため、全ての取組について効果や費用対効果を示すことは難しい。
しかし、効果を示すことも重要なことだと考えるため、今後、中間見直しの中でそのようなことができないか検討していきたい。