委員会情報
委員会審査状況
経済労働委員会
( 委 員 会 )
日 時 令和6年10月3日(木) 午後0時58分~
会 場 第7委員会室
出 席 者
林 文夫、山口 健 正副委員長
神戸洋美、須崎かん、石井芳樹、近藤裕人、政木りか、丹羽洋章、
谷口知美、天野正基、鳴海やすひろ、大久保真一、喚田孝博 各委員
企業庁長、企業次長、技術監、管理部長、水道部長、企業立地部長、
関係各課長等
<付託案件等>
○ 議 案
第130号 令和6年度愛知県水道事業会計補正予算(第1号)
第131号 令和6年度愛知県工業用水道事業会計補正予算(第1号)
第135号 愛知県豊橋浄水場の公共施設等運営権に係る実施方針に関する条例の一部改正について
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第130号、第131号及び第135号
○ 閉会中継続調査申出案件
1 中小企業の振興、次世代産業の育成及び産業交流の促進について
2 労働者福祉の向上、職業能力開発の推進及び雇用対策について
3 観光振興及び国際会議等の誘致について
4 水道事業及び工業用水道事業について
5 用地造成事業について
6 経済産業局、労働局、観光コンベンション局、企業庁及び労働委員会の行政運営について
<会議の概要>
1 開 会
2 議案審査(3件)
(1)理事者の説明
(2)質 疑
(3)採 決
3 委員長報告の決定
4 一般質問
5 閉会中継続調査申出案件の決定
6 閉会中の委員会活動の変更の決定
7 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
【委員】
豊橋浄水場再整備等の事業について伺う。
2023年5月に計画の概要を公表し、その時点ではPFIを導入した再整備費の想定を300億円から320億円、バリュー・フォー・マネー(VFM)10パーセントと試算していたが、今年4月の公表時になってBTコンセッション方式の採用を追加した。まず、BTコンセッション方式を追加した理由と導入のメリットについて伺う。
【理事者】
コンセッションの範囲を追加した理由は、本年4月に豊橋浄水場再整備事業に関する実施方針案、これを公表した後に、さらなる効率化に向けた検討を加え、コンセッションの範囲を豊橋南部浄水場などの関連施設も含めたケースで費用削減効果の試算を行った。その結果、より高いバリュー・フォー・マネーが算出され、効率性の確認ができた。
また、これまでに民間事業者や学識者等から維持管理業務の範囲とコンセッションの範囲が混在するので、県と民間事業者の役割分担が複雑になっているとの意見があった。こうしたことから、本事業におけるコンセッションの範囲を追加するものである。
このメリットとしては、薬品、電力、資機材等の調達コストの縮減や効率的な人員配置、エネルギーマネジメントの高度化などの効果を期待している。
【委員】
浄水場は、安全な水道水を供給するというサービスを提供する水道システムの根幹を成す公共施設なので、飲料水として安全な状態にまで水質を改善させなければならないが、これまで公共施設として行政が責任を持って管理運営してくれているからこそ安心していられた部分もある。
先ほどの答弁でコンセッションの範囲を追加したと聞いたが、今回、南部の浄水場等の関連施設までコンセッションの範囲が追加された理由は何なのか教えてほしい。
【理事者】
先ほど答弁した、本年4月に実施方針案を公表した後、さらなる効率化に向けた検討を加え、コンセッションの範囲を含めたケースで費用対効果の試算を行ったことと、民間事業者や学識者等から維持管理業務の範囲とコンセッションの範囲が混在することで県と民間事業者の役割分担が複雑になっているという意見があったことでコンセッションの範囲を追加した。
また、今回、豊橋浄水場の再整備等事業についてコンセッション方式を採用した理由は、大きく三つある。
一つ目として、豊橋浄水場は老朽化が進行し、耐震対策が未実施であることから狭い敷地内で給水を継続しながら再整備を進めるが、沈殿池、ろ過池、管理棟といった各種施設を順次切り替え、造り替えていく複雑な工事を実施する。安全な施工と安定的な水道供給を両立してスピーディーに事業を進めるため、設計、施工と運営を一体的に実施できるBTコンセッション方式が最適と考えた。
二つ目として、浄水場では多くのエネルギーを消費する。カーボンニュートラル実現に向けた新たな技術や発想により、民間事業者から幅広い提案を出しやすくするため最適な手法であると考える。
三つ目として、長期間にわたり設計、建設から維持管理、運営までを一括して実施する。このため、民間事業者のノウハウを最大限に発揮させることができ、自由度の高い手法の採用が有利と考える。
こうしたことからBTコンセッション方式を採用することとした。
【委員】
地震などの災害発生時等に施設に何らかのトラブルや被害が発生した場合、これまでは公共施設であるため県で様々な対応ができたが、BTコンセッション方式を導入することによって民間事業者が即座に対応できるのか、復旧に時間を要するのではないかと心配である。そうした場合、民間事業者の責任において施設の復旧を図るのか、県の施設として県の責任において復旧を図るのか、早期復旧に対して心配はないか伺う。
【理事者】
まず、今回のコンセッション事業を担う民間事業者であるが、特別目的会社(SPC)を想定しており、設計、建設及び維持管理の各分野を専門とする複数の民間企業で構成される。
自然災害や水質事故に対しては、原則としてSPCの責任で対応することとし、契約事項に役割分担を定めている。
平常時には、SPCが業務継続計画(BCP)を作成の上、適宜、県と連携しながら訓練を行うこととして、コミュニケーションを図り、モニタリング等により県からの指導も加えながら危機管理体制を整えていく。施設被害等が生じた場合は、まず、被害状況を県とSPCの間で情報共有を図る。施設の復旧対応等については、原則としてSPCが主体となって進め、県も協力して対応していく。
万が一、大規模な災害が発生し、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の対象となるような施設被害が生じた場合には、県が主体となり国庫補助を活用しつつ、SPCと協力して復旧作業を実施していく。
県としては、水道水を安定的に供給する最終責任がある。SPCとの緊密な連携により速やかな復旧を目指し取り組んでいく。
【委員】
生命に不可欠な水の維持管理を民間事業者に任せて本当に大丈夫なのかと心配するところではあるが、料金設定など気になる点、関連する質問については、地元選出の委員にバトンタッチする。
【委員】
豊橋浄水場整備事業について少し細かくなるが、確認しながら質問する。
まず、この整備事業だが、金額から見てもWTO政府調達案件だと思う。恐らく外資の参入は妨げられないと思うが、それでよいのか確認する。
それと、外資参入の場合、円建てか、それとも外貨建ての契約になるのか確認する。
【理事者】
本事業は、大規模な建設工事を含んでいるためWTOの基準額を上回っており、外資の参入に対し内外差別的な措置は取らない。
なお、今後、入札説明書の公表を予定しているが、この中で入札参加を希望する民間事業者のうち設計、建設及び維持管理を担う事業者に対しては、我が国の水道法の管理水準に即した実績を有することを条件としていく。
取引に用いる通貨については、円のみとし、外貨建ての取引は行わない。
【委員】
外資参入は妨げられない。円建ても理解した。
続いて、今回、BTコンセッション方式では、昨今とにかく物価が高騰しており、当然長い期間なので、水を作っていくにもコスト増が見込まれる。そうした場合に、当初考えていた以上のコスト増によって、場合によれば民間事業者への運営費の支払い額が増えることも、もしかしたらあるのかと思うが、増額することはあるのか。
【理事者】
今回のコンセッション事業を担うSPCへの運営費は、県が受水団体等から一括して収受した水道料金の一部から支払われる。その額は、県が設定する上限額の範囲でSPCが入札した額を基に契約事項で定めることになる。
運営期間中の支払い額については、物価高騰などにより企業物価指数などの客観的指標に一定以上の変動があった場合に限り変更を想定するが、単純にコスト増となることをもって増額することはない。
【委員】
一定指数を見て比較し、変動があった場合は可能性があるとのことだが、その際、議会のチェックは、かかるものなのか、かけられないものなのか伺う。
【理事者】
この変更をするときは、県でチェックをする。県でチェックしたものについて議会でチェックする必要があればチェックすることもあり得る。
【委員】
あればあり得る、そういう可能性もあると理解してよいか。
【理事者】
可能性はある。
【委員】
質問を変える。コンセッション方式のSPCは事業主体となる民間事業者だが、水を作るということで、一定のノウハウを持った事業者に限られてくると思う。水を作る、浄水事業ができる事業者が少ないと思ったほど競争原理が働かず、経費等も思った以上に削減できないのではないか。そうするとSPCへの支払い額が高くなるのでないかといった声も聞こえてくるが、その辺りはどうなっているのか。
【理事者】
民間事業者間の競争は、再整備の工事期間や工事の方法等について、SPCからの提案に幅を持たせることで幅広い提案を受けられるよう、選択肢をできるだけ広げ複数の民間事業者が参画できるようしている。
それを受け、本年5月に開催した豊橋浄水場での現場説明会では、設計、建設、メンテナンス・オペレーションなど様々な分野から多くの民間事業者に参加してもらった。本事業に関心を持つ企業が多いこともあり、企業間の競争による質の高い事業提案が出されるものと期待する。
このことから、競争性が高いことに加え、BTコンセッション方式の採用により運営経費の削減が可能になるので、従来方式で行うよりもSPCへの運営費の支払い額は抑えられるものと考える。
【委員】
思った以上にたくさん説明会に来ていたと理解した。
話が変わるが、やはり運営主体が民間事業者であるので、場合によっては、事業者が破綻することも当然想定しておかなければならない。もし、そのような事態が起こった場合、県としてどのように対応するのか。
【理事者】
本県には水道水を安定的に供給する責任がある。このことは、豊橋浄水場等再整備等事業にBTコンセッション方式という手法を用いても変わることはない。
このため、本事業において、水道の安定供給に支障を来すことのないように、実施方針案にSPCへの経営状況等のチェック体制、事業実施中のモニタリングなどの対応を定めている。具体的には、まず、SPCとの契約前に外部の有識者で構成するPFI事業者選定委員会において事前審査を行い、経営状況が健全な民間事業者で構成するSPCを落札候補者として選定していく。事業開始後は、SPCの構成企業が単体で業績不振になってもSPC本体とは経営が分離されており、SPCとしては直ちに破綻もしくは事業が停止することはない。
また、SPCが行うセルフモニタリング、県側が行うモニタリングをそれぞれ確実に実施し、事前にSPCの財政悪化の兆候を捉え、指導を行い、自助努力により早期に改善を図ることで事業運営を継続していく。
なお、構成企業単体の事業破綻やSPCへの継続的な事業運営の不備が生じる場合は、県または県が承認する第三者への業務引継ぎを義務とし、あらかじめ契約事項に定め、事業の継続を担保していく。
このようにコンセッションの導入に当たりサービスの低下を招くことのないよう、県が最終責任者として水道水の安定供給を継続できる体制を確保していく。
【委員】
県がしっかりグリップし安定的に安全な水を提供していくと理解した。
最後に確認するが、今回、水処理の方法として、一般的に今まで使われてきたろ過方式だが、急速ろ過方式に加え、膜ろ過方式も想定していると聞いている。どちらの方式も一長一短あるが、愛知県として、最終的にこれで事業者を決めていくわけであるが、ろ過方式について県はどのように考えているのか。先ほどの答弁で、敷地も狭く、工事もしづらい、そういった制約のある中でどのような工事が行われるのかということにもなっていくわけであるが、どのように考えているのか。
【理事者】
ろ過方式の質問だが、まず、急速ろ過方式については、本県のほかの浄水場と同じ方式であり、信頼性は高く維持管理は容易だが、施設面積を多く必要とするため施工面での課題はある。膜ろ過方式については、企業庁で採用例はないが、全国的に採用例は多く、信頼できる水処理方式となっている。比較的コンパクトに対応できることが特徴である。
本事業では、再整備を行う水処理方式について、急速ろ過もしくは膜ろ過のいずれもSPCからの提案を可能としている。再整備工事では、敷地が狭く給水継続しながら切替えを繰り返すこととなる。そうした施工条件、維持管理性を勘案して、民間事業者からのノウハウを幅広く受け入れられるよう水処理方式の選択肢を広げている。どちらの方式を選択するかはSPCの提案によるが、施工面、維持管理性、水質の安全性、コストなど様々な面から提案内容を評価し、予断を持たず最適な提案を選定していく。
【委員】
両方式を県としては特段こだわらず、提案を見て決定していくことと思う。
最後に要望する。豊橋浄水場で作っている水を飲んでいるのが、この委員の中にも3人いる。公が作る水は、飲む市民や、県民から見れば、安心して飲めていたわけである。料金についても、急激に上がっていく、コストが上がるなどしてこれは仕方ないというようなことがない限りは、受水団体に対していろいろ交渉しながら水道料金を決めてきたと思う。
何にしても、とにかく安全、安心である、命と健康を保っていく、誰もが飲まなければならない水であるので、その辺りに公がやってきたことへの信頼性があったわけだが、今回、様々な理由の中でPFIのBTコンセッション方式を採用していく。民間事業は、どうしても営利を求めていくので、そこの辺りで大丈夫なのかと心配する人が出てくるのはもう仕方がない。ただ、先ほど、県がしっかりとグリップを握って、チェックするところはしっかりとチェックし指導するという答弁であったので、信頼し、この事業を進めていってもらいたい。
その先には、国が言うように、こうした水事業を行う民間事業者が増えてきたときは、場合によっては、日本のノウハウが蓄積されて諸外国に出ていくことにもつながっていくだろうことはもちろん分かるので、進めてもらいたい。
ただ、命と健康を保つ水であるので、しっかりと県がグリップを握って今後も進めていってもらいたい。
《一般質問》
【委員】
企業庁には、今議論があった水道関係で県民の命を守る水道をしっかりとやってもらう一つの使命がある。もう一方で、ものづくり愛知、産業立県の愛知県を支える、そこに新たな力をつけていくという意味で企業誘致、企業立地の関係のいわゆる開発をしている。その開発について質問する。
企業立地のホームページを見ると、売出し中として、中部臨空都市で二つ、それから、内陸用地で三つ、衣浦臨海用地で一つ、それから、東三河臨海用地で四つ売り出している。思い起こせば、2011年の東日本大震災での津波を受けて、臨海用地よりも内陸用地のほうの需要、人気が高まった。今売り出している内陸用地はこの三つであるが、実はもっと売れたのではなかったかと記憶している。現状、三つの内陸用地が豊橋市、豊明市と幸田町にあるわけだが、私の地元に近いところ豊明柿ノ木地区について確認する。豊明柿ノ木地区は分譲面積が5.3ヘクタールで調整中とあるが、これは現状どういった扱いなのか。
【理事者】
豊明柿ノ木地区の調整中の5.3ヘクタールであるが、これは分譲の受付を一旦閉じた後に契約事務をしているので、そういった意味で調整中のところと、あとは、まだ分譲申込みのない区画が2区画あるので、その2区画の面積も含めたものである。
【委員】
売れた分は、契約ないし引渡しに向けて進めており、売却分を含めて全部を載せているので調整中、そういう表現だと思う。ほかのページを見ると、12区画のうち7区画とホームページには書いてあるが、少し前に確認したところ10区画と聞いており、それで間違いないか。
【理事者】
そもそも豊明柿ノ木地区の分譲区画は、全部で12区画あった。令和4年度から分譲開始し、これまで2回分譲の申込みの受付を行っている。この2回で分譲申込みを行った結果、10区画が契約まで至った。あと2区画について、10月1日から分譲の申込みの受付を開始しており、ホームページ上でもそういったお知らせを始めているので、今後も一生懸命企業誘致活動に励んでいく。
【委員】
分譲のやり方はいろいろというか、どうしてその間を置くのか理由はよく分からないが、いずれにしてもまだ完成前で非常に売行きがよく、実際にもう入金もあると聞いている。ほかの地区もそうかもしれないが、豊明柿ノ木地区についてどうしてこのように早く進んだのか、分析しているか。
【理事者】
企業庁では、造成工事の着手をした後に、造成工事の完了時期が見極められた時期から分譲の申込みの受付を開始しており、これを先行契約方式と表現している。豊明柿ノ木地区もこれまでの地区と同様に分譲の申込みを受け付け、先ほどのとおり令和4年度に最初の第1回目の申込みを受け付けた。これは期間、例えば3か月程度の分譲申込みの受付期間を設けて、その間に申込みのあった企業を一括で審査し、分譲契約まで行くという形を取っており、1回目で7区画分譲ができた。昨年12月から2月にかけて、2回目の分譲の申込みを受け付けたところ、3区画に申込があり、1回目と合わせて10区画となった。豊明柿ノ木地区は問合せもいろいろ多い地区であり、何回かに分けて分譲申込みの受付を行っている。
【委員】
いろいろな手法もそうだが、実は、私の感覚で思うところがあり先ほどの質問をした。いよいよ豊明柿ノ木地区のすぐ横を計画道路が抜ける。豊明市から刈谷市のハイウェイオアシス、スマートインターにも抜けていく道である。これは昔からできると便利だという話があり、境川にはもう橋も架かっている。申し込まれた企業は当然見越してというか、目の前の完成が近づいているタイミングだったと思う。
結局、企業庁の企業用地の開発というのは、道路開発などに伴った形で進んでいく、先ほどの水道ではないが、やはり公がやるから安心できる、そういうことが多分あると思う。そういった意味でこういう土地が非常によい形で動いていくと思う。豊明柿ノ木地区から離れるが、新規開発地区というのが、海部郡、安城市と愛西市とで三つあるが、ここのページで聞き慣れない、立地エントリー申込み受付という言葉があった。先ほどの先行契約とは違うのか。立地エントリー申込みというのはどういった内容になるのか。
【理事者】
立地エントリー制度とは、企業庁では新規開発工業用地の造成、分譲に当たり、あらかじめ企業のニーズを把握し、区画割り等の参考とするために、詳細設計する段階で募集をかけている制度である。
【委員】
先ほどの先行予約は、区画割はあくまで企業庁が作り、それでよいから契約したいということで、立地エントリーというのは、区画割までも自分の好みでこういうふうにできたらやりたいと、そういう意味合いでよいか。
【理事者】
おおよその区画があり、基本的な道路の位置等は変えられないが、乗り入れ口等の関係で区画割ができるような場合は、企業の希望を取り入れている。
【委員】
先ほどの豊明柿ノ木地区の話に戻るが、道路ができるという見込みの下で企業が先行予約しており、当然、企業庁としては、道路の完成予定等のことは承知していると思うがどうか。
【理事者】
先ほどの説明の捕捉にもなるが、先行契約方式と立地エントリー制度という制度が二つあるが、立地エントリー制度は、契約手続に移行する前の制度になり、これは先ほど言った設計業務の中で、粗々の区画の図面は出来上がった上での話だが、その区画割りの参考にするためにエントリーという形で登録してもらい、その企業からの意見を造成工事に反映させていく。その後に立地エントリー制度は一旦締切り、先行契約としてエントリーに登録してくれた企業を優先して企業庁が土地の売買契約を結ぶ、というのがエントリー制度と先行契約方式とのすみ分けである。
先ほど近藤裕人委員の質問にあった道路の話であるが、企業庁は、市町からのあの場所でこういう団地を造成してほしいという相談の下に開発事業を始めており、豊明柿ノ木地区に限定して言うと、当初から道路の計画はあったので、市も当然に念頭に入れて工業団地を造っていくことで我々に相談にきており、立地企業からもそういった話を承知の上で話がきている。
【委員】
もう1回確認する。市は当然だが、これは県道である。他部局の所管であるが、やはり土地を販売する上で、買う企業はそこの土地についてこういう条件だからということが当然気に入って買うと思われる。そのため、その時期を企業庁が把握しているのかを確認するのではないか。
【理事者】
そういう前提で話をしてくるところはあるが、道路行政の話なので、この辺りでできるという話はするが、この時期までにできるというところまでは話をしていない。
【委員】
実は、ホームページの新規開発地区の※印のところで、開発検討中の地区についてはこちらを御覧くださいとあり、そこには日進市の東部地区、刈谷市の南部地区、半田市の北部地区、弥富市の南部地区の四つが、これから検討しますとあった。
地元の話をして恐縮だが、日進市の東部地区も今、進めてもらっている。先ほどの県道の話と一緒で、スマートインターチェンジができるため、この事業を進めていくことで動き出したと私は承知しているが、もちろん土木事業のことなので遅れることは多々あると思うが、令和6年度のスケジュールがちょっとずれ気味である。現状どうなっているか、やはりそのでき方によって企業の動きも当然変わってくると思う。先ほどの柿ノ木の土地は見るからに進んでおり、そういった情報もあった上でエントリー、あるいは、先行予約をしていると思う。
企業庁も、地元の自治体、私のところでいえば日進市も承知した上で道路整備、あるいはスマートインターチェンジの整備をしっかりと進める要望はしていると思うが、一体化してやっていっていくとより効果があると思う。日進市の東部地区についてどんな具合で今後どう考えているのか伺う。
【理事者】
日進東部地区については、令和2年2月に企業庁保有地約8ヘクタールを含む、全部で約19ヘクタールのエリアを企業庁が開発に向けて具体的に検討を進めていく開発検討地区に位置づけている。
計画区域内の土地については、現在、日進市が権利者を特定するとともに、地権者からの同意書の取得に向けて事務を進めており、現在、権利者数で約9割の取得率となっている。
造成計画について、現在、開発許可に必要となる都市計画法、森林法及び砂防法などに基づき、当地区の設計内容の確認と、諸手続に必要となる資料の作成、それから、関係機関協議を行っている状況である。
【委員】
豊明市もそうだが、尾張の東部地区は、南海トラフ地震が起きた際でも岩盤が硬いことで非常に昔からある意味安定的な土地だと言われており、早くからそういう注目もあったと思っている。コロナ禍でタイミングを逸してしまった部分もあろうかと思うが、そこに進出したい企業もかなりいると聞くし、それから、隣の長久手市や違うところでも、何とかよいものができないかといった声がある。そのような要望に対して、これからもしっかりと応えていけるような開発を進めていくよう要望する。
( 委 員 会 )
日 時 令和6年10月3日(木) 午後0時58分~
会 場 第7委員会室
出 席 者
林 文夫、山口 健 正副委員長
神戸洋美、須崎かん、石井芳樹、近藤裕人、政木りか、丹羽洋章、
谷口知美、天野正基、鳴海やすひろ、大久保真一、喚田孝博 各委員
企業庁長、企業次長、技術監、管理部長、水道部長、企業立地部長、
関係各課長等
委員会審査風景
<付託案件等>
○ 議 案
第130号 令和6年度愛知県水道事業会計補正予算(第1号)
第131号 令和6年度愛知県工業用水道事業会計補正予算(第1号)
第135号 愛知県豊橋浄水場の公共施設等運営権に係る実施方針に関する条例の一部改正について
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第130号、第131号及び第135号
○ 閉会中継続調査申出案件
1 中小企業の振興、次世代産業の育成及び産業交流の促進について
2 労働者福祉の向上、職業能力開発の推進及び雇用対策について
3 観光振興及び国際会議等の誘致について
4 水道事業及び工業用水道事業について
5 用地造成事業について
6 経済産業局、労働局、観光コンベンション局、企業庁及び労働委員会の行政運営について
<会議の概要>
1 開 会
2 議案審査(3件)
(1)理事者の説明
(2)質 疑
(3)採 決
3 委員長報告の決定
4 一般質問
5 閉会中継続調査申出案件の決定
6 閉会中の委員会活動の変更の決定
7 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
【委員】
豊橋浄水場再整備等の事業について伺う。
2023年5月に計画の概要を公表し、その時点ではPFIを導入した再整備費の想定を300億円から320億円、バリュー・フォー・マネー(VFM)10パーセントと試算していたが、今年4月の公表時になってBTコンセッション方式の採用を追加した。まず、BTコンセッション方式を追加した理由と導入のメリットについて伺う。
【理事者】
コンセッションの範囲を追加した理由は、本年4月に豊橋浄水場再整備事業に関する実施方針案、これを公表した後に、さらなる効率化に向けた検討を加え、コンセッションの範囲を豊橋南部浄水場などの関連施設も含めたケースで費用削減効果の試算を行った。その結果、より高いバリュー・フォー・マネーが算出され、効率性の確認ができた。
また、これまでに民間事業者や学識者等から維持管理業務の範囲とコンセッションの範囲が混在するので、県と民間事業者の役割分担が複雑になっているとの意見があった。こうしたことから、本事業におけるコンセッションの範囲を追加するものである。
このメリットとしては、薬品、電力、資機材等の調達コストの縮減や効率的な人員配置、エネルギーマネジメントの高度化などの効果を期待している。
【委員】
浄水場は、安全な水道水を供給するというサービスを提供する水道システムの根幹を成す公共施設なので、飲料水として安全な状態にまで水質を改善させなければならないが、これまで公共施設として行政が責任を持って管理運営してくれているからこそ安心していられた部分もある。
先ほどの答弁でコンセッションの範囲を追加したと聞いたが、今回、南部の浄水場等の関連施設までコンセッションの範囲が追加された理由は何なのか教えてほしい。
【理事者】
先ほど答弁した、本年4月に実施方針案を公表した後、さらなる効率化に向けた検討を加え、コンセッションの範囲を含めたケースで費用対効果の試算を行ったことと、民間事業者や学識者等から維持管理業務の範囲とコンセッションの範囲が混在することで県と民間事業者の役割分担が複雑になっているという意見があったことでコンセッションの範囲を追加した。
また、今回、豊橋浄水場の再整備等事業についてコンセッション方式を採用した理由は、大きく三つある。
一つ目として、豊橋浄水場は老朽化が進行し、耐震対策が未実施であることから狭い敷地内で給水を継続しながら再整備を進めるが、沈殿池、ろ過池、管理棟といった各種施設を順次切り替え、造り替えていく複雑な工事を実施する。安全な施工と安定的な水道供給を両立してスピーディーに事業を進めるため、設計、施工と運営を一体的に実施できるBTコンセッション方式が最適と考えた。
二つ目として、浄水場では多くのエネルギーを消費する。カーボンニュートラル実現に向けた新たな技術や発想により、民間事業者から幅広い提案を出しやすくするため最適な手法であると考える。
三つ目として、長期間にわたり設計、建設から維持管理、運営までを一括して実施する。このため、民間事業者のノウハウを最大限に発揮させることができ、自由度の高い手法の採用が有利と考える。
こうしたことからBTコンセッション方式を採用することとした。
【委員】
地震などの災害発生時等に施設に何らかのトラブルや被害が発生した場合、これまでは公共施設であるため県で様々な対応ができたが、BTコンセッション方式を導入することによって民間事業者が即座に対応できるのか、復旧に時間を要するのではないかと心配である。そうした場合、民間事業者の責任において施設の復旧を図るのか、県の施設として県の責任において復旧を図るのか、早期復旧に対して心配はないか伺う。
【理事者】
まず、今回のコンセッション事業を担う民間事業者であるが、特別目的会社(SPC)を想定しており、設計、建設及び維持管理の各分野を専門とする複数の民間企業で構成される。
自然災害や水質事故に対しては、原則としてSPCの責任で対応することとし、契約事項に役割分担を定めている。
平常時には、SPCが業務継続計画(BCP)を作成の上、適宜、県と連携しながら訓練を行うこととして、コミュニケーションを図り、モニタリング等により県からの指導も加えながら危機管理体制を整えていく。施設被害等が生じた場合は、まず、被害状況を県とSPCの間で情報共有を図る。施設の復旧対応等については、原則としてSPCが主体となって進め、県も協力して対応していく。
万が一、大規模な災害が発生し、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の対象となるような施設被害が生じた場合には、県が主体となり国庫補助を活用しつつ、SPCと協力して復旧作業を実施していく。
県としては、水道水を安定的に供給する最終責任がある。SPCとの緊密な連携により速やかな復旧を目指し取り組んでいく。
【委員】
生命に不可欠な水の維持管理を民間事業者に任せて本当に大丈夫なのかと心配するところではあるが、料金設定など気になる点、関連する質問については、地元選出の委員にバトンタッチする。
【委員】
豊橋浄水場整備事業について少し細かくなるが、確認しながら質問する。
まず、この整備事業だが、金額から見てもWTO政府調達案件だと思う。恐らく外資の参入は妨げられないと思うが、それでよいのか確認する。
それと、外資参入の場合、円建てか、それとも外貨建ての契約になるのか確認する。
【理事者】
本事業は、大規模な建設工事を含んでいるためWTOの基準額を上回っており、外資の参入に対し内外差別的な措置は取らない。
なお、今後、入札説明書の公表を予定しているが、この中で入札参加を希望する民間事業者のうち設計、建設及び維持管理を担う事業者に対しては、我が国の水道法の管理水準に即した実績を有することを条件としていく。
取引に用いる通貨については、円のみとし、外貨建ての取引は行わない。
【委員】
外資参入は妨げられない。円建ても理解した。
続いて、今回、BTコンセッション方式では、昨今とにかく物価が高騰しており、当然長い期間なので、水を作っていくにもコスト増が見込まれる。そうした場合に、当初考えていた以上のコスト増によって、場合によれば民間事業者への運営費の支払い額が増えることも、もしかしたらあるのかと思うが、増額することはあるのか。
【理事者】
今回のコンセッション事業を担うSPCへの運営費は、県が受水団体等から一括して収受した水道料金の一部から支払われる。その額は、県が設定する上限額の範囲でSPCが入札した額を基に契約事項で定めることになる。
運営期間中の支払い額については、物価高騰などにより企業物価指数などの客観的指標に一定以上の変動があった場合に限り変更を想定するが、単純にコスト増となることをもって増額することはない。
【委員】
一定指数を見て比較し、変動があった場合は可能性があるとのことだが、その際、議会のチェックは、かかるものなのか、かけられないものなのか伺う。
【理事者】
この変更をするときは、県でチェックをする。県でチェックしたものについて議会でチェックする必要があればチェックすることもあり得る。
【委員】
あればあり得る、そういう可能性もあると理解してよいか。
【理事者】
可能性はある。
【委員】
質問を変える。コンセッション方式のSPCは事業主体となる民間事業者だが、水を作るということで、一定のノウハウを持った事業者に限られてくると思う。水を作る、浄水事業ができる事業者が少ないと思ったほど競争原理が働かず、経費等も思った以上に削減できないのではないか。そうするとSPCへの支払い額が高くなるのでないかといった声も聞こえてくるが、その辺りはどうなっているのか。
【理事者】
民間事業者間の競争は、再整備の工事期間や工事の方法等について、SPCからの提案に幅を持たせることで幅広い提案を受けられるよう、選択肢をできるだけ広げ複数の民間事業者が参画できるようしている。
それを受け、本年5月に開催した豊橋浄水場での現場説明会では、設計、建設、メンテナンス・オペレーションなど様々な分野から多くの民間事業者に参加してもらった。本事業に関心を持つ企業が多いこともあり、企業間の競争による質の高い事業提案が出されるものと期待する。
このことから、競争性が高いことに加え、BTコンセッション方式の採用により運営経費の削減が可能になるので、従来方式で行うよりもSPCへの運営費の支払い額は抑えられるものと考える。
【委員】
思った以上にたくさん説明会に来ていたと理解した。
話が変わるが、やはり運営主体が民間事業者であるので、場合によっては、事業者が破綻することも当然想定しておかなければならない。もし、そのような事態が起こった場合、県としてどのように対応するのか。
【理事者】
本県には水道水を安定的に供給する責任がある。このことは、豊橋浄水場等再整備等事業にBTコンセッション方式という手法を用いても変わることはない。
このため、本事業において、水道の安定供給に支障を来すことのないように、実施方針案にSPCへの経営状況等のチェック体制、事業実施中のモニタリングなどの対応を定めている。具体的には、まず、SPCとの契約前に外部の有識者で構成するPFI事業者選定委員会において事前審査を行い、経営状況が健全な民間事業者で構成するSPCを落札候補者として選定していく。事業開始後は、SPCの構成企業が単体で業績不振になってもSPC本体とは経営が分離されており、SPCとしては直ちに破綻もしくは事業が停止することはない。
また、SPCが行うセルフモニタリング、県側が行うモニタリングをそれぞれ確実に実施し、事前にSPCの財政悪化の兆候を捉え、指導を行い、自助努力により早期に改善を図ることで事業運営を継続していく。
なお、構成企業単体の事業破綻やSPCへの継続的な事業運営の不備が生じる場合は、県または県が承認する第三者への業務引継ぎを義務とし、あらかじめ契約事項に定め、事業の継続を担保していく。
このようにコンセッションの導入に当たりサービスの低下を招くことのないよう、県が最終責任者として水道水の安定供給を継続できる体制を確保していく。
【委員】
県がしっかりグリップし安定的に安全な水を提供していくと理解した。
最後に確認するが、今回、水処理の方法として、一般的に今まで使われてきたろ過方式だが、急速ろ過方式に加え、膜ろ過方式も想定していると聞いている。どちらの方式も一長一短あるが、愛知県として、最終的にこれで事業者を決めていくわけであるが、ろ過方式について県はどのように考えているのか。先ほどの答弁で、敷地も狭く、工事もしづらい、そういった制約のある中でどのような工事が行われるのかということにもなっていくわけであるが、どのように考えているのか。
【理事者】
ろ過方式の質問だが、まず、急速ろ過方式については、本県のほかの浄水場と同じ方式であり、信頼性は高く維持管理は容易だが、施設面積を多く必要とするため施工面での課題はある。膜ろ過方式については、企業庁で採用例はないが、全国的に採用例は多く、信頼できる水処理方式となっている。比較的コンパクトに対応できることが特徴である。
本事業では、再整備を行う水処理方式について、急速ろ過もしくは膜ろ過のいずれもSPCからの提案を可能としている。再整備工事では、敷地が狭く給水継続しながら切替えを繰り返すこととなる。そうした施工条件、維持管理性を勘案して、民間事業者からのノウハウを幅広く受け入れられるよう水処理方式の選択肢を広げている。どちらの方式を選択するかはSPCの提案によるが、施工面、維持管理性、水質の安全性、コストなど様々な面から提案内容を評価し、予断を持たず最適な提案を選定していく。
【委員】
両方式を県としては特段こだわらず、提案を見て決定していくことと思う。
最後に要望する。豊橋浄水場で作っている水を飲んでいるのが、この委員の中にも3人いる。公が作る水は、飲む市民や、県民から見れば、安心して飲めていたわけである。料金についても、急激に上がっていく、コストが上がるなどしてこれは仕方ないというようなことがない限りは、受水団体に対していろいろ交渉しながら水道料金を決めてきたと思う。
何にしても、とにかく安全、安心である、命と健康を保っていく、誰もが飲まなければならない水であるので、その辺りに公がやってきたことへの信頼性があったわけだが、今回、様々な理由の中でPFIのBTコンセッション方式を採用していく。民間事業は、どうしても営利を求めていくので、そこの辺りで大丈夫なのかと心配する人が出てくるのはもう仕方がない。ただ、先ほど、県がしっかりとグリップを握って、チェックするところはしっかりとチェックし指導するという答弁であったので、信頼し、この事業を進めていってもらいたい。
その先には、国が言うように、こうした水事業を行う民間事業者が増えてきたときは、場合によっては、日本のノウハウが蓄積されて諸外国に出ていくことにもつながっていくだろうことはもちろん分かるので、進めてもらいたい。
ただ、命と健康を保つ水であるので、しっかりと県がグリップを握って今後も進めていってもらいたい。
《一般質問》
【委員】
企業庁には、今議論があった水道関係で県民の命を守る水道をしっかりとやってもらう一つの使命がある。もう一方で、ものづくり愛知、産業立県の愛知県を支える、そこに新たな力をつけていくという意味で企業誘致、企業立地の関係のいわゆる開発をしている。その開発について質問する。
企業立地のホームページを見ると、売出し中として、中部臨空都市で二つ、それから、内陸用地で三つ、衣浦臨海用地で一つ、それから、東三河臨海用地で四つ売り出している。思い起こせば、2011年の東日本大震災での津波を受けて、臨海用地よりも内陸用地のほうの需要、人気が高まった。今売り出している内陸用地はこの三つであるが、実はもっと売れたのではなかったかと記憶している。現状、三つの内陸用地が豊橋市、豊明市と幸田町にあるわけだが、私の地元に近いところ豊明柿ノ木地区について確認する。豊明柿ノ木地区は分譲面積が5.3ヘクタールで調整中とあるが、これは現状どういった扱いなのか。
【理事者】
豊明柿ノ木地区の調整中の5.3ヘクタールであるが、これは分譲の受付を一旦閉じた後に契約事務をしているので、そういった意味で調整中のところと、あとは、まだ分譲申込みのない区画が2区画あるので、その2区画の面積も含めたものである。
【委員】
売れた分は、契約ないし引渡しに向けて進めており、売却分を含めて全部を載せているので調整中、そういう表現だと思う。ほかのページを見ると、12区画のうち7区画とホームページには書いてあるが、少し前に確認したところ10区画と聞いており、それで間違いないか。
【理事者】
そもそも豊明柿ノ木地区の分譲区画は、全部で12区画あった。令和4年度から分譲開始し、これまで2回分譲の申込みの受付を行っている。この2回で分譲申込みを行った結果、10区画が契約まで至った。あと2区画について、10月1日から分譲の申込みの受付を開始しており、ホームページ上でもそういったお知らせを始めているので、今後も一生懸命企業誘致活動に励んでいく。
【委員】
分譲のやり方はいろいろというか、どうしてその間を置くのか理由はよく分からないが、いずれにしてもまだ完成前で非常に売行きがよく、実際にもう入金もあると聞いている。ほかの地区もそうかもしれないが、豊明柿ノ木地区についてどうしてこのように早く進んだのか、分析しているか。
【理事者】
企業庁では、造成工事の着手をした後に、造成工事の完了時期が見極められた時期から分譲の申込みの受付を開始しており、これを先行契約方式と表現している。豊明柿ノ木地区もこれまでの地区と同様に分譲の申込みを受け付け、先ほどのとおり令和4年度に最初の第1回目の申込みを受け付けた。これは期間、例えば3か月程度の分譲申込みの受付期間を設けて、その間に申込みのあった企業を一括で審査し、分譲契約まで行くという形を取っており、1回目で7区画分譲ができた。昨年12月から2月にかけて、2回目の分譲の申込みを受け付けたところ、3区画に申込があり、1回目と合わせて10区画となった。豊明柿ノ木地区は問合せもいろいろ多い地区であり、何回かに分けて分譲申込みの受付を行っている。
【委員】
いろいろな手法もそうだが、実は、私の感覚で思うところがあり先ほどの質問をした。いよいよ豊明柿ノ木地区のすぐ横を計画道路が抜ける。豊明市から刈谷市のハイウェイオアシス、スマートインターにも抜けていく道である。これは昔からできると便利だという話があり、境川にはもう橋も架かっている。申し込まれた企業は当然見越してというか、目の前の完成が近づいているタイミングだったと思う。
結局、企業庁の企業用地の開発というのは、道路開発などに伴った形で進んでいく、先ほどの水道ではないが、やはり公がやるから安心できる、そういうことが多分あると思う。そういった意味でこういう土地が非常によい形で動いていくと思う。豊明柿ノ木地区から離れるが、新規開発地区というのが、海部郡、安城市と愛西市とで三つあるが、ここのページで聞き慣れない、立地エントリー申込み受付という言葉があった。先ほどの先行契約とは違うのか。立地エントリー申込みというのはどういった内容になるのか。
【理事者】
立地エントリー制度とは、企業庁では新規開発工業用地の造成、分譲に当たり、あらかじめ企業のニーズを把握し、区画割り等の参考とするために、詳細設計する段階で募集をかけている制度である。
【委員】
先ほどの先行予約は、区画割はあくまで企業庁が作り、それでよいから契約したいということで、立地エントリーというのは、区画割までも自分の好みでこういうふうにできたらやりたいと、そういう意味合いでよいか。
【理事者】
おおよその区画があり、基本的な道路の位置等は変えられないが、乗り入れ口等の関係で区画割ができるような場合は、企業の希望を取り入れている。
【委員】
先ほどの豊明柿ノ木地区の話に戻るが、道路ができるという見込みの下で企業が先行予約しており、当然、企業庁としては、道路の完成予定等のことは承知していると思うがどうか。
【理事者】
先ほどの説明の捕捉にもなるが、先行契約方式と立地エントリー制度という制度が二つあるが、立地エントリー制度は、契約手続に移行する前の制度になり、これは先ほど言った設計業務の中で、粗々の区画の図面は出来上がった上での話だが、その区画割りの参考にするためにエントリーという形で登録してもらい、その企業からの意見を造成工事に反映させていく。その後に立地エントリー制度は一旦締切り、先行契約としてエントリーに登録してくれた企業を優先して企業庁が土地の売買契約を結ぶ、というのがエントリー制度と先行契約方式とのすみ分けである。
先ほど近藤裕人委員の質問にあった道路の話であるが、企業庁は、市町からのあの場所でこういう団地を造成してほしいという相談の下に開発事業を始めており、豊明柿ノ木地区に限定して言うと、当初から道路の計画はあったので、市も当然に念頭に入れて工業団地を造っていくことで我々に相談にきており、立地企業からもそういった話を承知の上で話がきている。
【委員】
もう1回確認する。市は当然だが、これは県道である。他部局の所管であるが、やはり土地を販売する上で、買う企業はそこの土地についてこういう条件だからということが当然気に入って買うと思われる。そのため、その時期を企業庁が把握しているのかを確認するのではないか。
【理事者】
そういう前提で話をしてくるところはあるが、道路行政の話なので、この辺りでできるという話はするが、この時期までにできるというところまでは話をしていない。
【委員】
実は、ホームページの新規開発地区の※印のところで、開発検討中の地区についてはこちらを御覧くださいとあり、そこには日進市の東部地区、刈谷市の南部地区、半田市の北部地区、弥富市の南部地区の四つが、これから検討しますとあった。
地元の話をして恐縮だが、日進市の東部地区も今、進めてもらっている。先ほどの県道の話と一緒で、スマートインターチェンジができるため、この事業を進めていくことで動き出したと私は承知しているが、もちろん土木事業のことなので遅れることは多々あると思うが、令和6年度のスケジュールがちょっとずれ気味である。現状どうなっているか、やはりそのでき方によって企業の動きも当然変わってくると思う。先ほどの柿ノ木の土地は見るからに進んでおり、そういった情報もあった上でエントリー、あるいは、先行予約をしていると思う。
企業庁も、地元の自治体、私のところでいえば日進市も承知した上で道路整備、あるいはスマートインターチェンジの整備をしっかりと進める要望はしていると思うが、一体化してやっていっていくとより効果があると思う。日進市の東部地区についてどんな具合で今後どう考えているのか伺う。
【理事者】
日進東部地区については、令和2年2月に企業庁保有地約8ヘクタールを含む、全部で約19ヘクタールのエリアを企業庁が開発に向けて具体的に検討を進めていく開発検討地区に位置づけている。
計画区域内の土地については、現在、日進市が権利者を特定するとともに、地権者からの同意書の取得に向けて事務を進めており、現在、権利者数で約9割の取得率となっている。
造成計画について、現在、開発許可に必要となる都市計画法、森林法及び砂防法などに基づき、当地区の設計内容の確認と、諸手続に必要となる資料の作成、それから、関係機関協議を行っている状況である。
【委員】
豊明市もそうだが、尾張の東部地区は、南海トラフ地震が起きた際でも岩盤が硬いことで非常に昔からある意味安定的な土地だと言われており、早くからそういう注目もあったと思っている。コロナ禍でタイミングを逸してしまった部分もあろうかと思うが、そこに進出したい企業もかなりいると聞くし、それから、隣の長久手市や違うところでも、何とかよいものができないかといった声がある。そのような要望に対して、これからもしっかりと応えていけるような開発を進めていくよう要望する。