委員会情報
委員会審査状況
県民環境委員会
( 委 員 会 )
日 時 令和6年6月24日(月) 午後0時58分~
会 場 第6委員会室
出 席 者
平松利英、村嶌嘉将 正副委員長
坂田憲治、伊藤辰夫、青山省三、いなもと和仁、ますだ裕二、
柳沢英希、高木ひろし、河合洋介、園山康男、阿部武史 各委員
県民文化局長、県民生活部長、学事振興監、人権推進監、
女性の活躍促進監、文化部長、関係各課長等
<付託案件等>
○ 議 案
第115号 財産の出資について
第121号 愛知県公立大学法人定款の変更について
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第115号及び第121号
○ 請 願
第 1 号 「小中高生の新型コロナワクチン接種後体調不良者への合理的配慮」について(県民関係)
(結 果)
賛成者なしをもって不採択すべきものと決した請願
第1号
<会議の概要>
1 開 会
2 口頭陳情(3件 陳情第20号、第21号及び第22号関係)
3 議案審査(2件)
(1)理事者の説明
(2)質 疑
(3)採 決
4 請願審査(1件)
5 委員長報告の決定
6 一般質問
7 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
なし
《請願関係》
なし
《一般質問》
【委員】
女性の活躍促進について伺う。
本年4月24日に、民間有識者でつくる人口戦略会議は、20歳から39歳の若年女性人口が2020年から2050年までの30年間で半減する市区町村を消滅可能性自治体として、全国の市区町村のうち4割強に当たる744自治体が該当すると公表した。そのうち愛知県でも7市町村が含まれており、この地域にも大きなインパクトがあったと承知している。
また、本県においても、総務省の住民基本台帳に基づく人口動態及び世帯数調査によると、20歳から34歳の男性100人に対する同年代の女性の数は90.2人と全国で11番目に少ないデータもある。
こうしたことから、この地域の活力を、今後とも維持、向上させていくためには、若年女性が県内に在住し、安定した職業生活や家庭生活を営んでもらうことが、大変重要ではないかと考える。
愛知県では、女性が元気に働き続けられる愛知を目指し、あいち女性の活躍促進プロジェクトチームにより様々な取組が行われているが、女性が本県で働き続けるために、県民文化局として、どのようなことに取り組んでいるのか。
【理事者】
本県では、委員が示したとおり、あいち女性の活躍促進プロジェクトチームを設置し、女性の就職や働き方改革の支援など、様々な施策を全庁横断的に推進しているが、県民文化局としては、女性の活躍を積極的に推進している企業等をあいち女性輝きカンパニーとして認証する制度を、大きな柱として取り組んでいる。
この認証制度は、企業トップの意識表明や女性の採用拡大、職域拡大のほか、仕事と家庭の両立支援等の取組を行うことを要件としていることから、認証の取得により、女性が働き続けられる職場環境づくりが促進されるとともに、企業が認証を受けたことを公表することで、企業イメージの向上につながり、女性の採用拡大等に寄与するものと考えている。
【委員】
あいち女性輝きカンパニーの認証制度により、企業においては女性が働き続けられる職場環境づくりを進めているとのことであるが、例えば企業が苦労して認証を取得しても、就職を望んでいる若年女性に認証の意味やあいち女性輝きカンパニーの取組内容の情報が届いていなければ、制度としての効果は半減してしまうのではないか。
そこで県として、あいち女性輝きカンパニーを認証していくだけでなく、女性にとって働き続けられる職場環境を整備している企業があることや、愛知県が進めている取組の内容を幅広く県内の若年女性に知ってもらい、まずは、愛知県で生まれ育った人たちに、県内企業を就職活動時における、第一希望や第二希望といった選択肢にしてもらうことが大切であると考える。
あいち女性輝きカンパニーの周知を県内の若年女性に広げるため、どのように取り組んでいるのか。
【理事者】
本県では、今年度初めて、県内52大学全てのキャリア支援担当者を対象に、あいち女性輝きカンパニーをはじめとした様々な県の取組について、直接説明の場を設けることにより、周知を図っている。
あわせて、県内の15大学で行われる就職ガイダンス等の中でも、あいち女性輝きカンパニーや県の取組についてPRを行っている。
こうした取組により、あいち女性輝きカンパニーと県内の女子大学生との接点を増やすことで、認証制度の効果をより高めていきたい。
【委員】
確かに、本県から転出する女性、特に東京圏に転出する女性は総務省の住民基本台帳人口移動報告によれば、2023年の1年間における20歳から24歳まで、いわゆる大学を卒業する年代の東京圏への転出者が2,425人と全ての世代の中で最も転出超過となっており、まずは大学生をターゲットとした周知を図っていることはよく理解ができた。しかしながら、県内の女子大学生だけではなく、県外の大学へ入学した学生や東京圏で就職したものの地元への転職を考えている若年女性に対して、あいち女性輝きカンパニーのPRに取り組むことも必要ではないか。
県内の女子大学生だけでなく、県外の大学へ入学した学生などの若年女性に対し、あいち女性輝きカンパニーの周知にどのように取り組んでいるのか伺う。
【理事者】
本県では、これまで以上にあいち女性輝きカンパニーの魅力を発信する場となるよう、本年2月に、あいち女性の活躍促進応援サイトを全面リニューアルし、あいち女性輝きカンパニーの女性活躍に関する情報を充実した。
また、県外に転出した大学生や若年女性を主なターゲットとしたSNSであるあいち私のWorkstyleを運営しており、特設サイトと同様に、あいち女性輝きカンパニーや県内で活躍している女性等の情報を発信している。
こうした取組により、県内の女子大学生だけでなく、県外の学生や企業等に勤める若年女性についても、あいち女性輝きカンパニーの周知を図っている。
【委員】
最後に要望するが、より多くの人にあいち女性輝きカンパニーの周知を図るため、特設サイトやSNSによる発信だけではなく、例えば県内外で開催される就職、転職フェア等、様々なイベント等に出展し、あいち女性輝きカンパニーをPRしてはどうか。イベント等に直接出展することで、若年女性をはじめとした広く一般向けに、直接的にアプローチすることができるとともに、企業側としては、女性の採用につながる機会を増やすことにもなると考える。
また、就職活動となると高校卒業と併せて社会に出る若年女性もたくさんいる。一度就職したら、まずはそこで3年頑張ろうというし、18歳で入社して3年たてば21歳で、まさしく総務省のいう20歳から24歳の中に当てはまっている。
そして、多くの中小零細企業では、大学卒よりも短大や高校卒業で入社する人も多数いるので、大学だけに限らず、県内の公立私立の高等学校にも、あいち女性輝きカンパニーの取組を周知できる仕組みを構築してほしい。
そのようなあらゆる機会をチャンスと捉えて、女性の活躍を促進する県内企業やロールモデルとなる女性について、しっかりと発信を続けてもらい、女性がより働きやすく、働き続けられるような企業や職場を増やし、持続可能な地域社会の形成につなげるよう要望する。
【委員】
断夫山古墳について質問する。
断夫山古墳については、令和2年2月定例議会と令和3年2月定例議会の議案質疑で取り上げたが、その後の進捗状況について伺いたい。
愛知県内に約3,100基、名古屋市内で約200基の古墳が存在すると言われている。断夫山古墳は、東海3県最大級の前方後円墳で、県営熱田神宮公園内にあり、昭和62年7月9日に国の史跡に指定されている。名古屋市中区選出の私が名古屋市熱田区の断夫山古墳について調べている理由としては、名古屋市中区から熱田区までは熱田台地でつながっており、この辺りにも名古屋城跡がある。さらに南の方に行くと白川公園遺跡、大須古墳群、岩井通貝塚、正木町遺跡、伊勢山中学校遺跡、高蔵遺跡、そして断夫山古墳がある。このように熱田台地で名古屋市中区からずっとつながっていることから、断夫山古墳の歴史が解明されれば、私たち中区の歴史も解明されることから、私も非常に興味深く断夫山古墳について質問している。
断夫山古墳は、昭和63年に測量調査が行われて以来、全く調査がされていなかったが、平成29年度から平成30年度にかけて、名古屋市が古墳の墓の部分である墳丘の測量調査と、地中レーダー探査を行った。その後、令和2年度から4年度にかけて、墳丘の周辺の地中レーダー探査を、愛知県と名古屋市が共同で行ったと聞いており、私もその発掘調査を2回見学に行った。
この調査で、現在史跡に指定されているよりもさらに広い範囲で周濠が確認できたほか、歴史の解明にもつながる土器も出土したと聞き及んでいる。
そこで、令和4年度まで実施された断夫山古墳の発掘調査の成果について伺う。
【理事者】
令和4年度までの3年をかけて名古屋市と合同で実施した発掘調査は、史跡への影響を最小限とするため調査範囲を限定し、考古学、遺跡探査を専門とする有識者からの指導、助言を受けて行った。
その結果、古墳の東側には、委員からも話があったとおり、古墳の周囲に掘削された堀、周濠というが、これを検出した。また、古墳の北側及び西側には周濠と、周濠の外側に造られた堤、周堤というが、これが存在していた可能性が高いことが分かった。
これにより、現在の史跡指定地より外側まで周濠や周堤が広がっていたことが確認できた。
さらに、周濠からは、尾張型埴輪と呼ばれる尾張の窯業技術を活用して生産された円筒形の埴輪が多く出土したほか、数は少ないものの、家を模した埴輪など形象埴輪の一部も出土した。
加えて、須恵器と呼ばれる窯で生産された陶器の破片等も出土した。時期は6世紀前半のものであり、断夫山古墳の築造時期が6世紀前半とする説を裏付けたものと考えられる。
また、史跡を破壊せずに行える地中レーダー探査も実施し、その結果、古墳の前方部で、古墳の表面を覆う石の可能性がある反応があった。
【委員】
今回の令和4年度までの成果を伺うと、今の指定されている範囲よりも外側から周濠が出てきているとのことで、さらに文化庁からの追加指定が得られる可能性が高くなったと思う。私も令和3年2月定例議会の議案質疑で要望したが、今回の発掘調査の結果を受けて、国から史跡の追加指定を受けられる可能性があるのか伺う。
【理事者】
発掘調査の結果、現在の史跡指定地より外側に、周濠、周堤が広がっていたことが確認されたことを受け、遺構の適切な保存のため、史跡断夫山古墳調査検討委員会において有識者に意見をもらい、本年2月に、史跡の指定範囲を、従来の約1万5,000平方メートルから約2万3,000平方メートルへと、およそ1.5倍に拡大する意見具申書を文化庁に提出した。
今後、国の文化審議会に諮問され、審議される見込みだが、早ければ近々の答申となることを期待している。
【委員】
現在の指定範囲より、さらに広い範囲で指定されるとなると、断夫山古墳の保存活用計画を早期に作成する必要が出てくると思う。また、この事業を進めるに当たっては、名古屋市教育委員会との連携も必要不可欠になってくると思う。
断夫山古墳の保存、活用に向けて、保存活用計画を作成する予定はあるのか、また、名古屋市とどのように連携して取り組んでいくのか。
【理事者】
これまでの発掘調査の成果を基に、今年度から令和8年度にかけて、断夫山古墳の保存、活用を進めていくための基本的な計画である保存活用計画を策定する。
計画の策定に当たっては、今年の秋以降、複数回有識者会議を開催して意見をもらう予定である。会議には、考古学やまちづくりの専門家、地域代表者などが参加し、広い視野から幅広く意見を聴きながら、適切な保存管理、活用及び整備、体制等について方向性を定めたいと考えている。
断夫山古墳は、管理者は県だが、名古屋市教育委員会とは、市単独での測量調査や発掘調査の成果を県に共有し、今般行った県市共同の発掘調査に主体的に参加してもらうなど、断夫山古墳の特徴を明らかにするための取組を連携して進めてきた。また、熱田区役所をはじめとした各部署では、活用に向けた取組も行っている。
史跡の本質的な価値を守りながらも、東海地方最大級の前方後円墳として活用を図り、地域の誇りの醸成を目指すという点で、愛知県と名古屋市の目的は共通しているので、今後も、保存活用計画策定に係る有識者会議に参画するなど、保存、活用に向けた取組を共同して実施したいと考えている。
【委員】
要望するが、県から意見具申しているということで、現在よりも広い範囲で史跡の指定を受けると、土木工事などの史跡の現状を変更することや、史跡の保存に影響を及ぼす行為をしようとする場合は、文化庁長官の許可が必要になる。一方で、手厚い保存、活用を図れるばかりか、国庫補助金を活用した保存整備が可能となることから、指定を受けるメリットは非常に大きいと考える。
そしてもう一つ大変重要な要望であるが、断夫山古墳は古墳の墓の部分に当たる墳丘などの周辺を発掘調査したことはあるが、古墳本体の発掘調査はいまだしていない状況である。
発掘調査が必要な理由は先ほどの答弁の中で須恵器が出てきたということで、この須恵器はろくろと窯を朝鮮半島から持ってきて作られた陶器であり、6世紀前半に作られたものであると言われている。須恵器は前方後円墳の副葬品として埋葬されている可能性が高く、6世紀前半は古墳時代の後期であるが、このときは前方後円墳の中に横穴式の石室が作られていると思う。その石室には通常だと数人が埋葬されていると想定されている。この本体の発掘調査によって、新たな歴史の解明につながる可能性が高いと私は思っており、是非とも、古墳本体の発掘に努めるよう要望する。
次は、本会議でも質問したが、今、県の中で、外国人留学生は国際課が担当しており、在留資格を持つ定住者の支援は就業規制課が担当している。そのような縦割りになっている中で、外国人留学生の生活支援という部分について伺う。
県民文化局では、外国人県民の生活を支援するため、様々な取組を行っているが、外国人留学生にこうした情報を届けるため、どのような取組を行っているのか。
【理事者】
多文化共生推進室では、外国人県民の生活支援の取組を始め、多文化共生に関する様々な情報を、あいち多文化共生ネットを通じて広く発信しており、英語やポルトガル語のほか、ベトナム語、ネパール語、インドネシア語など、合計13言語の自動翻訳に対応している。
また、県の多文化共生の取組を広く知ってもらうため、当室の職員が訪問して講義を行う多文化共生出前講座を実施しているが、昨年度実施した11回のうち6回は、外国人留学生が在籍する県内の大学で講義を行った。
このほか、多言語による一元的相談窓口を設置している愛知県国際交流協会では、施設見学を常時受け付けており、昨年度実施した5回のうち2回は外国人留学生が在籍する大学を受け入れた。見学には、合計58人の学生が訪れ、相談窓口の対応状況のほか、各種講座や交流イベントを始めとする協会の取組について、協会の職員が説明を行っている。
【委員】
外国人留学生は学校に籍を置いていることから、大学を通じて支援策を周知していくことが最も効果的であると感じた。そこで、外国人留学生に情報を伝えるためには大学との連携も重要だと思うが、愛知県の様々な生活支援の取組に関する情報をより早く、より多く外国人留学生に届けるために、今後どのような取組を行っていくのか伺う。
【理事者】
指摘のとおり、より多くの外国人留学生に生活支援をはじめとする県の取組を知ってもらうため、大学との連携を強化していく必要があると考えている。外国人留学生の円滑な受入れ及び外国人留学生と地域社会との交流促進を目的として設置されている愛知県留学生交流推進協議会には、外国人留学生が在籍する大学が多く参加しており、本県からは国際課が出席している。このため、今後はこうした機会も活用して本県の取組を紹介し、より多くの外国人留学生に生活に必要な情報が届けられるよう国際課とも連携して積極的に取り組んでいく。
【委員】
あいち県民の日の式典、フェスタ等に関係する様々なものについて伺う。
一昨年の2022年に、愛知県の県政150周年を記念して、県は現在の愛知県政がスタートした11月27日をあいち県民の日と定めた。昨年のあいち県民の日の中では、当日の11月27日には式典が愛知県芸術劇場の大ホールで行われ、私も参加した。11月27日の前の一週間、すなわち11月21日から27日の一週間をあいちウィークとして固定で定めた。27日を結びにして、前の一週間をあいちウィークと呼ぶということである。これは固定なので、毎年何曜日になるのか分からないが、ウィークなのでその中には必ず土日も含まれ、23日は祝日がある。休み方改革とも親和性があり、知事も政策としてやっているが、あいちウィークで1日学校を休みにするということが県民の日学校ホリデーであり、去年は愛知県内全54市町村が協力し、あいちウィークのどこかを県民の日学校ホリデーとして運用したという流れだったと思う。
昨年を例に挙げると、11月27日のあいち県民の日が月曜日だった。厳かで非常に格式があり、直前の土曜日・日曜日であいち県民の日フェスタを実施し、フェスタが盛り上がった次の日が式典であった。また、祝日である23日は木曜日であった。そうすると間の金曜日が残るが、ここを大体の市町村が県民の日学校ホリデーに充て、連休を長くする流れだった。現にほとんどの市町村が11月24日を県民の日学校ホリデーにしており、中には11月27日を休みにするという市町村もあった。
これに関して、昨年12月定例議会で大村秀章知事が提案理由の中で、初めて迎えたあいち県民の日について触れており、あいちウィーク、県民の日学校ホリデー、また市町村や民間事業者と協力して様々な取組をしたこと、フェスタが大いに盛り上がったことに加えて、県民の日当日の式典には、国会議員や市町村、多くの県民も参加し、式典では名古屋市立大学の千田嘉博教授による愛知の城から歴史を読み取る基調講演や、愛知ゆかりの著名人によるディスカッション、名古屋芸術大学のウィンドオーケストラなどもあり、あいち県民の日にふさわしい式典を開催することができたと述べていた。
まず一点伺うが、私も参加して最後までいたが、ガラガラで寂しいという印象であった。もったいないというのが正直の印象である。さきに言っておくが、後ろ向きな発言ではなく、応援したいという立ち位置にあるが、昨年のあいち県民の日、フェスタもだが記念式典の取組について、来場者数も含めた実施の結果とどのように受け止めているかを伺う。
【理事者】
昨年、県が主催したイベントについては、11月25日、26日の土日において、栄のHisaya-odori Parkテレビトーヒロバにて、あいち県民の日フェスタ2023を開催し、県内の高校生によるダンスや吹奏楽によるステージイベント、SKE48やTEAM SHACHIなど地元出身の芸能人による愛知の魅力トークステージなどを行い、2日間で約6,800人が来場した。
委員指摘の11月27日、あいち県民の日当日にも、愛知芸術文化センターにて、あいち県民の日記念式典を開催し、愛知県の誕生日を県民と祝うとともに、名古屋市立大学の千田嘉博教授による基調講演や県内ゆかりの著名人によるパネルディスカッションなどを行い、約800人の来場者を迎えることができた。
このような取組のほか、あいちウィーク期間中には、市町村や民間事業者からの協力を得て、県内の様々な文化施設などで体験イベントが開催され、名古屋鉄道やスーパーマーケット、ドラッグストアなどで、特別なサービスが提供されるなど、官民一体となって地元を盛り上げ、愛知の魅力の再発見につなげることができたと考えている。
【委員】
総じて、非常によかったということだと思う。受け止めについては、私も同じような思いはあるが、当日については少し寂しかったというのが正直な思いである。6,800人が来場したとのことで、フェスタが非常に盛り上がっていた、たくさんの人が来たと強調していたが、その土日を受けて次の日が27日だったので、その盛り上がりをぜひ式典にも持ってきてほしかったというのが正直な思いである。最後のウィンドオーケストラも非常に素晴らしく、去年の大河ドラマどうする家康で使った曲なども流れたが、最後の方はガラガラで、寂しかったというか、もったいなかった。
パネルディスカッションでも、人気アイドルの須田亜香里氏や公式アンバサダーの女優の河村花氏が出演しており、一般県民が無料で入れると聞いたら絶対人が来るのではないかと思うくらいのパッケージであったように感じたため、寂しかったと話しており、思いは大村秀章知事や県民文化局と全く一緒で、盛り上げてほしいという思いである。
昨年の県民環境委員会においても委員から質問があったが、県民にしっかり周知し、理解と協力もしてもらい、一緒に盛り上げていくことが非常に重要だと思う。先ほど一週間の暦まで紹介したのは、例えば市町村が協力するにしても、昨年は非常にわかりやすかった。県民の日学校ホリデーもこの一週間のうち、祝日と土日の間を指定しておけば4連休になるからである。今年は、11月27日は水曜日であり、ウィークとしては21日の木曜日からはじまり、土日は23日、24日になってしまうため、土曜日祝日は一番学生が損した気分になり、恩恵が受けられない。今年度も県民の日学校ホリデーは発表されており、土日にくっつけることで、22日の金曜日に指定しているのが35市町、月曜日に15市町が指定していると聞いているが、中には学校に任せるところもあれば、蒲郡市のように27日を県民の日学校ホリデーにするところもある。県民にとっても何かやっているというのは分かるが、中途半端にやろうとしても盛り上がらず、ましてや市町村に迷惑をかけるのは本末転倒であるため、愛知県として県民の日がどのようなものであるかを戦略立てて考えた方がよいのではないかと思っている。
県民の日学校ホリデーに関しては、教育委員会が所管だと思うが、県民の日のチラシを見ると、市町村でカスタマイズされていると書いてある。見方によっては無責任で、うちの町は休みいつなんだろうとか、知多でも5市5町あり、東浦町はすぐ隣が高浜市で、隣町と合ってないとなると困ると思うし、両親の職場が異なるということもある。
昨年の県民の日、フェスタも踏まえて、昨年の委員の答弁の中では、昨年末に県民の日について意識調査を行っていくとあったと思うが、実際1年目を行ってみて、あいち県民の日、あいちウィーク、フェスタを今年度もさらに盛り上げて、より魅力的にしていかなければと考えているが、その辺りどのような思いでいるのか伺う。また、指標として来場者の増加についてどのように工夫していくのかを伺う。
【理事者】
昨年度、事業実施後に行った意識調査において、今後の取組の参考となる様々なデータを結果として得ることができた。特に参考となるデータとして、あいち県民の日そのものの認知度を年代別でみると、50代以上は約8割であったが、20代は6割と少し低い傾向にあった。また、行政や民間の取組を知っていた人のうち、実際にそれを利用した割合が5パーセント程度であることが分かった。こうしたことから、いかに若者に対して訴求していくか、いかに集客を誘うかが、改善のポイントであると考えている。
そこで、20代を含む若者への訴求については、地元出身で若者の認知度が高い、新たなアンバサダーを起用して、よりイメージを一新したいと考えている。また、従来からの交通広告に加え、若年層に身近な媒体として接する機会が多い、インターネット、SNSによる広報を、昨年度以上に比重を置いていきたいと考えている。さらには、ロゴマークを活用した啓発資材を各イベントにて配布するなど、あいち県民の日独自のツールを活用して、市町村や民間事業者と一体となって積極的な集客に努める。
県が主催するイベントでは、より多くの人に来場してもらえるよう、土日に開催するフェスタについては、イベント会場として認知度が高く、より人の流れや滞留が期待できるオアシス21に変更する。また、県民の日当日に開催する「県民の日のつどい」、つどいは仮称であるが、県民の日当日に開催するイベントについては、夕方に開始時期をずらし、仕事帰りの人も来てもらえるよう平日開催でも多くの来場が見込めるように工夫する。さらに、こうしたイベントや連携事業の周知を、昨年度は9月下旬から順次公表してきたが、今年はもう少し早い段階から公表し、周知期間を長くとりたいと考えている。
昨年度の結果を踏まえ、より多くの人への認知度を増やし、より多くの人に喜んでもらえるあいちウィークにしていく。
【委員】
県民意識調査の結果も踏まえて、練られているとのことで期待しているが、その中で、気になっているのは関係団体との連携である。民間事業者にあっては、子どもは休みでも親は休めない、雇用という意味でも出勤をどうするかという対策はもちろんありがたいし、公共施設のサービス面、入場料や参加料、記念品をもらえるなども非常に大事だと思うし、財界への働きかけを行っていると聞いている。
市町村との連携については綿密になっているが、昨年委員の答弁の中では、18市町がサービス、公共施設を利用した、インセンティブなどのお得な何かをやっていたとあった。18市町だと寂しいとの話があとで出たと思うが、それを増やそうと調整していると聞いているし、名古屋市は人口が県の3分の1であり、名古屋市が乗ってきていないあいち県民の日とは何だろうと率直に思うため、一体感を出してあいち県民の日をやろうというときに、名古屋市との連携が取れていないことは非常に寂しいこと、逆に成り立たないのではと思うくらいの危機感を持っている。今ここで、県民の日学校ホリデーに名古屋市が今年は参加していない、しないと高々に宣言しているといったことをあげつらうつもりはないが、市民の発言は重たいものであり、県民の日を盛り上げようとする皆さんの立場からすると、水を差されかねない部分はあるのではないか。
昨年より盛り上げようとしているわけだから、民間事業者も含めて、市町村関係団体とより連携協力をとらないと盛り上がらないに決まっているため、特に人口の三割を占める名古屋市との連携は必要不可欠と考えている。愛知県として関係各所との連携について、どのように考えているのか。
【理事者】
まず、市町村に関しては、条例制定後から、あいち県民の日に向けた取組について、県内全ての市町村に対して、県の幹部が直接説明するなどの協力依頼を行った。その結果、9割近くの47の市町村において連携事業が実施され、初年度としては十分な成果が得られたと受け止めている。今年度は、より一層協力が得られるよう、市町村側へのメリットも十分意識した取組として、大学生を中心とした若者が自ら取材した地域の魅力を紹介するなど、希望する市町村の歴史や文化、食や産業に関する情報を若者目線で発信する企画を検討している。
民間事業者に関しては、昨年度は生活に身近な買物客への啓発を広げる意図により、主にスーパーマーケットなどの小売業を中心に協力を依頼した。今年度は、飲食関係やスポーツクラブからも、新たに連携を考えたいとの問合せもあったので、昨年以上に幅広い事業者にも協力をお願いしたいと考えている。
名古屋市との連携だが、今年度、名古屋市は県民の日学校ホリデーを実施しない方針を示し、その理由として、市教育委員会によるアンケートで、「3分の1の保護者が『県民の日学校ホリデーが有意義でなかった』としたことを重く受け止める」とのことから、事業連携も一旦見送るとされている。あいち県民の日の取組については、名古屋市との協力も大変重要である。
名古屋市とは様々な分野において連携している事業が多くあることから、今後も機会を捉えて情報交換を行いつつ、あいち県民の日の取組への協力が得られるよう、引き続き調整していきたい。
【委員】
名古屋市のことになると発言が濁ったが、気持ちは察するし、さりとて名古屋市がいない、名古屋市が協力的でない県民の日というのは考えにくい。県民の日を盛り上げるというのは、県民の日学校ホリデーだけではないため、ぜひ連携を取ってほしいと思う。
これで最後とするが、11月27日という日をどのようにブランディングしていくかが一番大事だと思う。県民の日を指定して頑張っていくだけではダメなので、位置付けをどうしていくのかを、昨年を踏まえ2年目3年目で確立してほしい。県民文化局だけで頑張ろうということでは、限界がある。名古屋市がどうかといっている場合ではないので、オール愛知、愛知県庁でもいいので盛り上げてほしい。
盛り上げ方は何でもいいと思っている。愛知県庁を開放してもよいと思うと言ったら、11月3日にもう開放している。しかし、27日も開放してよいではないか。最近朝ドラを見ており、東浦町でもロケがあったが、名古屋市役所の廊下や市政資料館では、80人の定員に対して3,600人も応募がありツアーを行っていた。こういった何かをやろうとしたときに、鶴舞公園のほか、愛知県はすごく魅力的なところや関心の高いところがある。いろいろな知恵を生かして盛り上げてほしい。
ロゴマークも、どんどん二次利用してほしいとの作者の意向もあると聞いており、公式アンバサダーも今後適切な時期に発表されると思うが、若い人たちにとの発言もあった。条例にもうたわれているし、魂だと思うが、「県民が地域の自然、歴史、風土、産業についての理解や関心を深めて、愛知への愛着及び県民としての誇りを持つ契機とする。」と書いてあるが、ただ仰々しい、重たいと若い人は絶対来ないし、そのようなことを言っても全然響かない。もちろん魂は大事で、思いを込めて制定したということは分かるが、仰々しいと感じるところもある。ハッピーバースデー愛知県くらいポップでもいいようにも思うし、11月27日は固定されており、あいちウィークは一週間と決めたわけだから、愛知県民として愛知県庁の事業としてどどのように取り組むかは腕の見せどころだと思う。
最後に、あいち県民の日、あいちウィークをオール愛知で盛り上げていくために、今後どのような方策を検討していくのか伺う。
【理事者】
あいち県民の日は、県民にとってなじみ深く、愛着を持ってもらえる日とするため、条例においても、その趣旨にふさわしい事業を実施していく。その取組として、昨年度は、県の事業が84件、市町村の事業が305件、民間事業者による協賛事業を61件実施し、県全体で450件の事業を行っている。
一方、先ほどの意識調査の結果にもあったが、あいち県民の日の若者への認知度が低い。先ほど委員が述べたが、若者を取り込んで、若者に来てもらうことが重要であり、また、市町村や民間事業者に事業の趣旨が、我々の努力もあるが、十分伝わっていない可能性も考えられ、そういったところにまだ改善の余地があると認識している。
オール愛知で県民の日を盛り上げていくためには、県庁各局はもちろんだが、市町村、事業者の協力が必要不可欠であることには変わりはない。今後も、各局で構成する連絡会議の場を通じて、連携の在り方について活発に意見交換を行うとともに、市町村や業界団体への協力依頼についても粘り強く今年度も行い、事業への賛同の輪を広げていきたい。
今後は、愛知県誕生の日であるあいち県民の日が、しっかりとまずは定着することが必要だと考えており、県民が郷土への理解と関心を深め、愛知県に住んでよかったと思えるように、地元への愛着が一層高まるよう、様々な取組を進めていく。
【委員】
小牧市にある愛知中央美容専門学校、美容師を目指す人たちが通っている学校が、5月末に突然閉校になったことについて伺う。
この専門学校は、学校法人が設置した学校ではなく、愛知中央美容協同組合という協同組合が設置した学校となっている。
この協同組合の組合員3社のうち、2社が、昨年8月から9月にかけて、相次いで破産手続を開始し、これを受けて協同組合は学校運営を継続するためにスポンサーを探したが、見つけられなかったとのことである。
学校としては、年度途中、しかも年度が始まった当初の5月にいきなり閉校するというようなことは極めて異例だと思うし、このようなことは度々あってはならないことであるので、幾つか伺う。
報道を見ると、愛知中央美容専門学校については、専門学校、美容師養成施設、協同組合などのいろいろな用語が出てくる。国の所管の関係もあり、県の中でもそれぞれの所管があると思う。どのような所管となっているのか。
【理事者】
愛知中央美容専門学校は、専門課程を置く専修学校、いわゆる専門学校であり、所管は、私学振興室となっている。
なお、当該学校は、美容師養成施設にもなっており、この美容師養成施設については、保健医療局の生活衛生課が所管している。
また、当該学校の設置者は、愛知中央美容協同組合となっているが、協同組合については、経済産業局の商業流通課の所管となっている。
【委員】
本委員会は県民環境委員会であるため、私学振興室が所管する専門学校の部分について伺う。
まず、昨年の8月と9月に専門学校を運営している協同組合の組合員3社のうち2社が破産したときに、その情報を私学振興室は把握していたのか、もし把握していたのなら、どのような対応をとったのか。
【理事者】
昨年8月にある事業者から、愛知中央美容協同組合の親会社が破産したことにより、愛知中央美容専門学校の経営を引き継ぎたいと県に対して相談があり、認可上の基準や手続について相談者に説明した。
翌日、当該協同組合の代表者に、親会社の破産の事実確認を行うとともに、今後の協同組合の解散及び学校の廃止予定について確認したところ、組合の解散予定はなく、学校も引き続き運営していく旨の説明があったため、今後の動向を注視することとした。
同年10月、当該専門学校の事務長から、学校法人化も視野に入れた今後の手続について問い合せがあったため、各認可事項等の説明をした。
このような相談内容から、県としては、当該専門学校が、学校法人化等の認可事項に関する手続を行い、学校運営を継続していくものと認識していた。
【委員】
昨年の学校への聞き取りでは、閉校となることは想定できなかったとのことだが、専門学校が閉校することを私学振興室はいつ把握したのか。また、把握してから、どのような対応をしたのか。
【理事者】
今年4月11日に、当該協同組合の代表者から、協同組合の構成員が破産したことにより、協同組合自体も破産手続の開始が決定される可能性があり、学校を継続することができない状態であるとの連絡があった。
美容師養成施設を所管する生活衛生課、協同組合を所管する商業流通課に確認と情報の共有を図ったうえで、翌日、私学振興室から学校に対し、生徒の処遇については、生徒の学習機会が奪われることのないよう適切に対応し、生徒、保護者への説明やフォローを適切に実施したうえで閉校に向けた準備を進めるよう指導を行った。
その後、5月9日に、専門学校に通っている生徒の保護者から、学校から閉校の説明を受けたとの連絡があったため、学校に確認したところ、5月9日に保護者説明会を実施し、5月31日で閉校となることを説明したとのことであった。
この説明を受け、学校に対しては、生徒の不利益となることがないよう、生徒、保護者への説明、フォローを適切に行うよう指導した。
また、生徒の学習機会の確保が最優先であることから、愛知県専修学校各種学校連合会等と連携しながら、愛知中央美容専門学校に対して生徒の受入れ可能な学校の情報提供を行い、閉校となる5月31日までに、生徒の受入先が確定できるよう調整を行った。
【委員】
これまで通っていた学校が、特に4月に入校したばかりの生徒にとっては、入校早々、入学金も払って授業に通い始めた途端に閉校というのは、本当に困った事態だと思う。悪意で取ればであるが、事前に経営が危ういことが分かっている学校が、どのみち駄目だが、最後に入学金と生徒だけ募集して取れるものを取ったうえで破産したのではないかと疑われるぐらい、不可解なタイミングだと言わざるを得ない。
通っていた生徒たちがどうなったのかが大変気になるが、生徒の行き先、転校状況等がどうなったのか伺う。
【理事者】
通っている生徒26人のうち、6月に転校した生徒が22人、来年の4月に再入学を予定している生徒が1人、退学した生徒が3人となっている。
また、通信の生徒61人のうち、6月に転校した生徒が57人、退学した生徒が4人となっている。
【委員】
他の美容学校の協力により、大半の生徒に追加負担が生じたものの、美容師を目指すという進路を諦めることなく就学を続けられるようにはなったようだが、今の経過を聞くと、専門学校は私学助成の対象であり、県が認可、あるいは助成してきたような学校が突然このような経過で閉校することは、経営責任を問わざるを得ないと思う。
5月末で専門学校が閉校して以降、県としてこの学校に対し、どのような措置をしてきたのか。
【理事者】
令和6年6月7日付けで、私学振興室、生活衛生課及び商業流通課より協同組合及び学校に対して、閉校に至った経緯、生徒及び保護者への今後の対応方針、教職員の処置、協同組合及び専門学校の今後の方針及びスケジュールについて、報告書を持参し、説明するよう求めた。
回答は、本日の午前に協同組合の代表者から、私学振興室、生活衛生課、商業流通課の各担当者が直接説明を受けたが、内容が不明確な部分等があったため、現在、内容を確認している。
【委員】
今後さらに少子化が進展し、学校の経営が厳しくなっていくことが予想される。学校の設立は、学校法人はもちろん学校法人以外も設立が可能であり、今回のケースのように、県の所管が分かれており、監督が行き届かない可能性もあるのではないかと思う。学校が突然閉校して、生徒が路頭に迷うことが二度と起こらないよう、県としてどのような対策を講じていくのか。
【理事者】
私立学校は、私人の寄附財産によって設立され、学生生徒からの納付金をもとに、学校法人自らの責任において運営されるものであり、私立学校法では、私立学校の自主性を尊重するという観点から、所轄庁の権限が制限されている。
このため、私立学校法や学校教育法といった法律上、今回の事案において、生徒の募集停止や休校といった命令を行うことはできなかったと考えている。
今回の事案を踏まえた、再発防止策等においては、まずは、しっかりと原因究明を進める必要があると考えており、その究明に努めるとともに、県として今後、どのような対応がとれるのか文部科学省などと連携しながら、検討していきたい。
【委員】
影響を受けた生徒の数が多くないため、大事にならずに済んでいるが、今後の一つの教訓として、どのような報告書が出て、文部科学省とも調整した上で、今後の学校経営について、県が指導、監督していくのかについては、引き続きまた当委員会で是非議論していきたいと思う。
6月12日の朝日新聞によれば、美容医療をめぐって健康被害などの相談が増加していることを受け、厚生労働省が、美容医療の適切な在り方を検討するための専門家による検討会を立ち上げ、美容医療の実態を把握して、医療安全を確保し、適正な診療を促すとの記事があった。また、記事では、不安をあおって高額な支払いをさせられたなどの相談も増えており、厚生労働省の検討会では、契約上の課題も取り上げる予定とされている。
私の印象としても、最近特に美容医療のコマーシャルが非常に目立つ。ほとんどは医療とは言いつつも自由診療であり、保険診療ではないため、これだけの広告費を投じるということは相当な収益が見込めることも想像できるが、医療という限りは、これは医療機関でもって医師が行う医療脱毛や脂肪吸引、二重まぶたの手術、整形外科といった美容の目的とした医療サービスのことであり、健康や保険の適用がない自由診療で価格も自由である。そのため、こうした消費者トラブルに発展するケースが当然多くなるのだと思う。
美容や健康への関心が高まる中、自由診療で行われる美容医療をめぐっては、高額な支払いなど、契約に関するトラブルの相談も増えていると聞いている。
また今後増えていくと想像しているが、昨年度の県内の美容医療に関する消費生活相談の状況を伺う。
【理事者】
県及び市町村には、年間約4万5,000件の消費生活相談が寄せられるが、そのうち、美容医療に関する相談は、2022年度は192件であったが、2023年度は472件で、前年度と比べて280件の増加、約2.5倍となっている。
相談内容の特徴は、「モニターになると安く施術を受けられるクリニックへ行ったところ、診察後、今日中に契約するようせかされて高額な契約をしてしまった。」といった相談が多く、他には、「クリニックで6回の脱毛契約をし、施術を1回受けた後、クリニックから休院の案内が届いた。その後、再開もされず、電話連絡も取れなくなった。未施術分の料金を返金してほしい。」といった相談も寄せられている。
2023年度の472件のうち、年代別では、20歳代と30歳代の相談件数が302件で、全体の約6割を占めている。
男女別に見ると、ほぼ同じ件数となっている。
【委員】
この美容に関して、類似としてエステティックというものがある。これは以前にも取り上げたことがあるが、このエステティックサービスは、医療分野ではなく、エステティックサロンで美顔や全身美容、脱毛、痩身、体型補正などを行うサービスであり、当然、医療行為はできないということになっている。
美容医療以外に、美顔、全身美容、脱毛、痩身、体型補正などを行うエステティックサービスについても、契約に関するトラブルの相談があると聞いている。
このエステティックサービスについても契約に対するトラブルが相当あると認識しているが、昨年度の県内のエステティックサービスに関する消費生活相談の状況を伺う。
【理事者】
エステティックサービスに関する相談は、2022年度は1,116件であったが、2023年度は846件で、前年度と比べて270件、約2割の減少となっているが、依然として多く寄せられている。
相談内容の特徴は、「お試しでエステサロンへ行ったところ、2年のコースを勧められた。執拗に契約を迫られて契約してしまった。」といった相談が多く、他には、「脱毛サロンで全身脱毛の契約をし、施術を終えたが、効果が感じられなかった。支払いはまだ残っているが、払いたくない。」といった相談も寄せられている。
2023年度の846件のうち、年代別では、20歳代の相談件数が541件で、全体の約6割を占めている。
男女別に見ると、女性が約9割を占めている。
【委員】
この被害を訴えている人、サービスを受けている人も圧倒的に20代、若い人に多い。しかも未婚の若い人が少しでも結婚したいというような中で、少しでも自分の見た目をよくしたい気持ちは分かるが、そういった人はあまり経済力もなく、高額な医療やエステのサービスを受ける際に、なかなか自己の支払い能力がない場合も往々にしてある。そういったことは事業者側も先刻承知なわけで、例えばクレジット契約を結ばせるといった形で、支払い能力関係なしに、とにかく契約でもと追い込むような手法もある。これに関しては先ほどの相談事例でも、あっせん解決という形で県が消費生活相談を受けた、県として介入して事業者側に注意を促すといった形での解決をする事例も増えているようである。このあっせん解決の中身は、エステの場合も美容の場合もそれぞれ違うと思うが、県は相談を受けてその本人にアドバイスするだけでなく、契約の相手方との間に入ってあっせんして解決へ導いていくことを、県としては相談窓口を設けている以上、より積極的に行うべきだと思う。
美容医療、エステティックサービスに関する相談に対し、県が介入してあっせん解決に至った事例について伺う。
【理事者】
美容医療、エステティックサービスに関する相談に対しては、まずは、県や市町村の消費生活センターでは、クーリングオフや中途解約が可能な契約については、その方法を案内するなどの助言を行っている。そのほかに、必要に応じて、相談者と事業者の間に入って調整を行い、解決を図るあっせんにより、救済に向けた支援を行っている。
2023年度のあっせん件数は、美容医療に関する相談では、あっせん件数は30件で、うち、解約や返金など、あっせん解決は29件となっている。
エステティックサービスに関する相談では、あっせん件数は55件で、うち、あっせん解決が51件となっている。
あっせん解決につながった事例については、カード会社に抗弁書を送付するなどして、代金の取消しを求め、解決につながったという事例がある。
【委員】
美容医療に関しては、やはり医療というのは単なるサービスのやり取りだけでなく、医療行為に関することであり、これは医師法といったものも関係してくる。県にも医療安全支援センターがあるが、この医療安全支援センターとの関係についても伺う。
【理事者】
美容医療に限らず、医療に関する相談、苦情に対応する相談窓口として、医療法に基づき、各都道府県等に医療安全支援センターが設置されている。健康被害に関する相談が寄せられた場合には、医療安全支援センターを案内している。
また、美容医療の施術が適切に実施されたかどうかといった相談が寄せられた場合は、公益社団法人日本美容医療協会などの専門機関の相談窓口を案内している。
愛知県消費生活総合センターでは、こうした機関と連携しながら、また、日々、最新の情報を取り入れながら、今後とも、県民の皆様が安心、安全な消費生活を営むことができるよう、しっかりと対応していく。
【委員】
本年4月に始まった県のファミリーシップ宣誓制度についてであるが、この意義については、大村秀章知事も本会議場で触れ、私も注目している。
県内市町村においても、2019年に西尾市が初めてパートナーシップ制度を導入した後、本年6月1日現在では、35市町がファミリーシップやパートナーシップ制度を導入するまでに増えている。
県がファミリーシップ制度を導入した4月以降、市町村におけるファミリーシップやパートナーシップ制度の導入にどのような影響を与えたのか、最新の状況について伺う。
【理事者】
本年4月以降の市町村における制度の導入状況であるが、安城市、犬山市、清須市、大口町、扶桑町、東浦町、武豊町の7市町で、新たに、パートナー及びその子どもを対象とするなどとしたファミリーシップ制度が導入されている。
また、豊橋市をはじめとする6市では、これまでのパートナーシップ制度から、ファミリーシップ制度へと制度が拡充されている。
さらに、幾つかの自治体からは、今年度中の制度導入を目指して、検討を進めていると聞いている。
【委員】
この制度の普及と大きく関わる事例として、本年5月に、長崎県大村市が、男性カップルの住民票の続柄欄に夫(未届)と記載したと報道された。これは、異性間の事実婚に使われる表記に準じた表記で住民票が受理されたというものである。
鳥取県倉吉市も昨年度から同様の対応を始め、栃木県鹿沼市も本年7月から始めると聞いている。
同性婚は、まだ法律上認めることはできないが、それに近い表記として、事実上の夫婦であると住民票上で証明するのは大きいと思う。
こうした扱いが、今後、県内市町村で広がっていくのではないかと予想しており、広げるべきだと思う。
県は、直接住民票を扱うわけではないが、ファミリーシップ宣誓制度を普及しようとしている立場から、住民票上の続柄欄に事実婚同様の表記が認められるという事例が広がっていくことについて、県としてどのように考えるのか。
【理事者】
パートナーシップ制度を導入している長崎県大村市において、同性カップルについても、住民票の続柄に夫(未届)や妻(未届)と記載するとしたことや、鳥取県倉吉市や栃木県鹿沼市でも同様の対応を進めていることについては、性の多様性の理解増進という点で、一歩踏み込んだ対応であると理解している。
住民票の続柄の記載については、市町村の自治事務であり、市町村がそれぞれ判断するものとなるが、こうした事例があることについて、県内市町村と情報共有を行いながら、愛知県人権尊重の社会づくり条例に規定する性的指向及び性自認の多様性の理解増進を図っていきたい。
【委員】
非常に前向きに捉えるという立場を表明したことを評価する。
この問題については、司法の場で、同性のカップルを事実婚と同様に扱おうとか、今までのような性別の法律上の扱いを柔軟化して、家族の多様な形を認めていこうとする判例が相次いでいる。
県としては、今年度から本格的に運用を開始したファミリーシップ宣誓制度の意図が、こうした市町村の扱いや、司法の動きとあいまって進んでいくよう、積極的にリードしていくことを要望する。
【委員】
伝統芸能及び民俗芸能に対する県の取組について伺う。
愛知県には、長い歴史と伝統の中で生まれ伝えられてきた伝統芸能や民俗芸能が多く存在する。これらは、それぞれの土地の風土やそこに暮らす人々によって育まれてきたものであり、地域の文化や生活の礎ともいえるものである。
しかし、過疎化や少子高齢化の急速な進行により、後継者不足に悩む伝統芸能や民俗芸能を行う団体は少なくない。私の地元である尾張旭市の文化協会は、愛知県文化協会連合会の東尾張地区に加盟しているが、同じく加盟している各市町の文化協会の会員数は減少の傾向にある。
さらに、各市町の文化協会が協力して開催している芸能大会についても、演者の高齢化などにより開催の負担が大きいとの理由から、県文化協会連合会から脱会する文化協会もあり、事務局である県に対して、芸能大会が継続して実施できるよう芸能大会の開催方法などの改善を求めていると聞いている。
さらに、私の地元である尾張旭市には、棒や木太刀などを使った民俗芸能で、県の指定文化財にもなっている棒の手があり、保存会により、次世代への伝承活動が熱心に行われている。棒の手の演技者たちの勇壮な演技は、時代を超えて、見る者の心を捉えて離さず、郷土の誇りとして、永く受け継がれていくべきものであるが、高齢化による後継者不足など、保存と継承のための環境は厳しさを増している。
こうした世代を超えて受け継がれてきた伝統芸能や民俗芸能などの次世代への継承や保存や維持が難しくなる中、県としてどのような取組を行ってきたのか。
【理事者】
本県では、2022年12月にあいち文化芸術振興計画2027を策定し、県民の文化芸術活動や鑑賞等の機会を確保すること、伝統芸能、文化財の維持、継承などを課題として掲げ、様々な取組を進めている。
まず、伝統芸能については、団体の活動の場を創出するとともに、多くの県民の皆様に知ってもらうため、昨年11月に栄のオアシス21において、日本舞踊や尾張万歳などのステージ公演や、三味線、箏の演奏、有松・鳴海絞りによる手ぬぐいの染め付けなどを体験できるあいち伝統芸能はじめてフェスを開催した。
さらに、日本舞踊や三味線など5種類の伝統芸能について、分かりやすく動画にまとめた小学生向けの教材も製作した。
また、民俗芸能については、県内に伝承されている民俗芸能を公開し、鑑賞する機会として、毎年、愛知県民俗芸能大会を開催しており、昨年度は、春日井市で棒の手をはじめ六つの演目を実施した。
さらに、子どもたちの民俗芸能への理解を深めるため、鑑賞にとどまらず、体験や練習、発表できる場として、昨年度は、小中学校5校で伝統文化出張講座を開催し、稲武廻り太鼓をはじめとする五つの民俗芸能を子供たちに体験してもらった。
【委員】
昨年度までの取組については分かったが、こうした伝統芸能や民俗芸能などを行う団体に対する取組は、継続して実施されることが重要であると考える。
そこで、今年度は、県はどのような取組を行うのか伺う。
【理事者】
まず、伝統芸能については、昨年度、名古屋市内で開催したイベント、あいち伝統芸能はじめてフェスに多くの人が来場し、大変好評であった。こうしたことから、今年度は地域を変えて、尾張地区、三河地区の2会場、大型商業施設で伝統芸能の鑑賞や体験ができるワークショップを開催する。
また、新たに伝統芸能のポータルサイトを開設し、県内の伝統芸能を体験できる施設などに関する情報や、後継者育成に取り組む文化団体の取組事例を掲載し、県民の皆様に伝統芸能を学ぶ機会を提供することで、文化団体の後継者育成を支援していく。
さらに、民俗芸能については、今年11月に岡崎市において、伝統文化に対する理解と認識を深め、無形民俗文化財の保存、伝承を図ることを目的として、近畿・東海・北陸ブロック民俗芸能大会を開催するとともに、引き続き、小中学校における出張講座を通じて、民俗芸能の保存と継承に取り組んでいく。
【委員】
県が様々な取組を行っていることは分かったが、冒頭の質問でも話したように、各市町の文化協会が県文化協会連合会から脱会も検討せざるを得ない理由の一つに、資金面が苦しいこともあると聞く。
また、2021年11月に、県が、県内居住又は県内に活動拠点を持つ文化芸術関係者を対象に実施した文化芸術活動に関する調査において、「文化芸術活動を行う上で、あると良いと思う支援策は?」との問いに、個人では64.5パーセント、団体では74.3パーセントが文化芸術活動についての助成金を挙げ、最も多い回答であり、文化団体の活動に対する助成金の必要性が明らかになった。
そこで、伝統芸能や民俗芸能を行う文化団体の担い手不足や後継者育成に対する取組に対して、県はどのような助成を行っているのか伺う。
【理事者】
本県では、県内に活動の本拠を置く文化団体が行う各種文化活動に対して、文化活動事業費補助金を交付しており、企画提案事業、誰もが参加、鑑賞可能な文化芸術事業、そして後継者育成事業の三つの取組に対して支援を行っている。
このうち後継者育成事業については、愛知県に古くから伝承し、愛知の文化の特色となっている指定文化財や、もしくはそれに準ずるものを保存伝承する目的で、後継者を育成するために行う研修や講習事業に対して、100万円を上限に助成を行っている。
昨年度は、補助事業全体で84団体84事業に対して総額2,831万1,000円助成を行い、このうち後継者育成事業については、5団体5事業に対して合計200万円を助成した。
今年度についても、この補助金制度を活用し、伝統芸能等の担い手不足や後継者不足の改善に向けた支援を行っていく。
【委員】
最後に要望であるが、県民からいろいろな相談を受けており、愛知県文化協会連合会について県に相談すると、任意団体ということであり、なかなか県の立場から指導や補助ができないと聞いている。
また、棒の手も一緒で、地元の棒の手の流派が340周年ということから、何とか県の誰かに来てもらいたく、式典を行うことになっていたが、その日は大きな山車の祭りがあるとのことで、県民文化局の職員に来てもらえないとのことであった。確かに国際的な大きな文化、伝統の保存も大事ではあるが、各地域から芽生えてきたものが、これからも文化、伝統を支えていくという裾野の広いところまで目を向けてもらい、少しでも手を差し伸べてほしい。
特に、愛知県文化協会連合会に対しては、私の隣の町が脱会したこと、それに引き続き二、三の文化協会が脱会するという話も聞いている。少しでもそのようなことがないようにしてほしい。
例えば、尾張旭市のように、芸能大会の開催に対し、20万円から30万円の補助金を市町村から出してくれるところはよいが、出してくれない市町村については、愛知県文化協会連合会や県からの補助金もないため、開催が不可能となり、脱会する文化協会が多いと聞いている。その辺りにも目を向けて手を差し伸べてもらえればと思う。
( 委 員 会 )
日 時 令和6年6月24日(月) 午後0時58分~
会 場 第6委員会室
出 席 者
平松利英、村嶌嘉将 正副委員長
坂田憲治、伊藤辰夫、青山省三、いなもと和仁、ますだ裕二、
柳沢英希、高木ひろし、河合洋介、園山康男、阿部武史 各委員
県民文化局長、県民生活部長、学事振興監、人権推進監、
女性の活躍促進監、文化部長、関係各課長等
委員会審査風景
<付託案件等>
○ 議 案
第115号 財産の出資について
第121号 愛知県公立大学法人定款の変更について
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第115号及び第121号
○ 請 願
第 1 号 「小中高生の新型コロナワクチン接種後体調不良者への合理的配慮」について(県民関係)
(結 果)
賛成者なしをもって不採択すべきものと決した請願
第1号
<会議の概要>
1 開 会
2 口頭陳情(3件 陳情第20号、第21号及び第22号関係)
3 議案審査(2件)
(1)理事者の説明
(2)質 疑
(3)採 決
4 請願審査(1件)
5 委員長報告の決定
6 一般質問
7 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
なし
《請願関係》
なし
《一般質問》
【委員】
女性の活躍促進について伺う。
本年4月24日に、民間有識者でつくる人口戦略会議は、20歳から39歳の若年女性人口が2020年から2050年までの30年間で半減する市区町村を消滅可能性自治体として、全国の市区町村のうち4割強に当たる744自治体が該当すると公表した。そのうち愛知県でも7市町村が含まれており、この地域にも大きなインパクトがあったと承知している。
また、本県においても、総務省の住民基本台帳に基づく人口動態及び世帯数調査によると、20歳から34歳の男性100人に対する同年代の女性の数は90.2人と全国で11番目に少ないデータもある。
こうしたことから、この地域の活力を、今後とも維持、向上させていくためには、若年女性が県内に在住し、安定した職業生活や家庭生活を営んでもらうことが、大変重要ではないかと考える。
愛知県では、女性が元気に働き続けられる愛知を目指し、あいち女性の活躍促進プロジェクトチームにより様々な取組が行われているが、女性が本県で働き続けるために、県民文化局として、どのようなことに取り組んでいるのか。
【理事者】
本県では、委員が示したとおり、あいち女性の活躍促進プロジェクトチームを設置し、女性の就職や働き方改革の支援など、様々な施策を全庁横断的に推進しているが、県民文化局としては、女性の活躍を積極的に推進している企業等をあいち女性輝きカンパニーとして認証する制度を、大きな柱として取り組んでいる。
この認証制度は、企業トップの意識表明や女性の採用拡大、職域拡大のほか、仕事と家庭の両立支援等の取組を行うことを要件としていることから、認証の取得により、女性が働き続けられる職場環境づくりが促進されるとともに、企業が認証を受けたことを公表することで、企業イメージの向上につながり、女性の採用拡大等に寄与するものと考えている。
【委員】
あいち女性輝きカンパニーの認証制度により、企業においては女性が働き続けられる職場環境づくりを進めているとのことであるが、例えば企業が苦労して認証を取得しても、就職を望んでいる若年女性に認証の意味やあいち女性輝きカンパニーの取組内容の情報が届いていなければ、制度としての効果は半減してしまうのではないか。
そこで県として、あいち女性輝きカンパニーを認証していくだけでなく、女性にとって働き続けられる職場環境を整備している企業があることや、愛知県が進めている取組の内容を幅広く県内の若年女性に知ってもらい、まずは、愛知県で生まれ育った人たちに、県内企業を就職活動時における、第一希望や第二希望といった選択肢にしてもらうことが大切であると考える。
あいち女性輝きカンパニーの周知を県内の若年女性に広げるため、どのように取り組んでいるのか。
【理事者】
本県では、今年度初めて、県内52大学全てのキャリア支援担当者を対象に、あいち女性輝きカンパニーをはじめとした様々な県の取組について、直接説明の場を設けることにより、周知を図っている。
あわせて、県内の15大学で行われる就職ガイダンス等の中でも、あいち女性輝きカンパニーや県の取組についてPRを行っている。
こうした取組により、あいち女性輝きカンパニーと県内の女子大学生との接点を増やすことで、認証制度の効果をより高めていきたい。
【委員】
確かに、本県から転出する女性、特に東京圏に転出する女性は総務省の住民基本台帳人口移動報告によれば、2023年の1年間における20歳から24歳まで、いわゆる大学を卒業する年代の東京圏への転出者が2,425人と全ての世代の中で最も転出超過となっており、まずは大学生をターゲットとした周知を図っていることはよく理解ができた。しかしながら、県内の女子大学生だけではなく、県外の大学へ入学した学生や東京圏で就職したものの地元への転職を考えている若年女性に対して、あいち女性輝きカンパニーのPRに取り組むことも必要ではないか。
県内の女子大学生だけでなく、県外の大学へ入学した学生などの若年女性に対し、あいち女性輝きカンパニーの周知にどのように取り組んでいるのか伺う。
【理事者】
本県では、これまで以上にあいち女性輝きカンパニーの魅力を発信する場となるよう、本年2月に、あいち女性の活躍促進応援サイトを全面リニューアルし、あいち女性輝きカンパニーの女性活躍に関する情報を充実した。
また、県外に転出した大学生や若年女性を主なターゲットとしたSNSであるあいち私のWorkstyleを運営しており、特設サイトと同様に、あいち女性輝きカンパニーや県内で活躍している女性等の情報を発信している。
こうした取組により、県内の女子大学生だけでなく、県外の学生や企業等に勤める若年女性についても、あいち女性輝きカンパニーの周知を図っている。
【委員】
最後に要望するが、より多くの人にあいち女性輝きカンパニーの周知を図るため、特設サイトやSNSによる発信だけではなく、例えば県内外で開催される就職、転職フェア等、様々なイベント等に出展し、あいち女性輝きカンパニーをPRしてはどうか。イベント等に直接出展することで、若年女性をはじめとした広く一般向けに、直接的にアプローチすることができるとともに、企業側としては、女性の採用につながる機会を増やすことにもなると考える。
また、就職活動となると高校卒業と併せて社会に出る若年女性もたくさんいる。一度就職したら、まずはそこで3年頑張ろうというし、18歳で入社して3年たてば21歳で、まさしく総務省のいう20歳から24歳の中に当てはまっている。
そして、多くの中小零細企業では、大学卒よりも短大や高校卒業で入社する人も多数いるので、大学だけに限らず、県内の公立私立の高等学校にも、あいち女性輝きカンパニーの取組を周知できる仕組みを構築してほしい。
そのようなあらゆる機会をチャンスと捉えて、女性の活躍を促進する県内企業やロールモデルとなる女性について、しっかりと発信を続けてもらい、女性がより働きやすく、働き続けられるような企業や職場を増やし、持続可能な地域社会の形成につなげるよう要望する。
【委員】
断夫山古墳について質問する。
断夫山古墳については、令和2年2月定例議会と令和3年2月定例議会の議案質疑で取り上げたが、その後の進捗状況について伺いたい。
愛知県内に約3,100基、名古屋市内で約200基の古墳が存在すると言われている。断夫山古墳は、東海3県最大級の前方後円墳で、県営熱田神宮公園内にあり、昭和62年7月9日に国の史跡に指定されている。名古屋市中区選出の私が名古屋市熱田区の断夫山古墳について調べている理由としては、名古屋市中区から熱田区までは熱田台地でつながっており、この辺りにも名古屋城跡がある。さらに南の方に行くと白川公園遺跡、大須古墳群、岩井通貝塚、正木町遺跡、伊勢山中学校遺跡、高蔵遺跡、そして断夫山古墳がある。このように熱田台地で名古屋市中区からずっとつながっていることから、断夫山古墳の歴史が解明されれば、私たち中区の歴史も解明されることから、私も非常に興味深く断夫山古墳について質問している。
断夫山古墳は、昭和63年に測量調査が行われて以来、全く調査がされていなかったが、平成29年度から平成30年度にかけて、名古屋市が古墳の墓の部分である墳丘の測量調査と、地中レーダー探査を行った。その後、令和2年度から4年度にかけて、墳丘の周辺の地中レーダー探査を、愛知県と名古屋市が共同で行ったと聞いており、私もその発掘調査を2回見学に行った。
この調査で、現在史跡に指定されているよりもさらに広い範囲で周濠が確認できたほか、歴史の解明にもつながる土器も出土したと聞き及んでいる。
そこで、令和4年度まで実施された断夫山古墳の発掘調査の成果について伺う。
【理事者】
令和4年度までの3年をかけて名古屋市と合同で実施した発掘調査は、史跡への影響を最小限とするため調査範囲を限定し、考古学、遺跡探査を専門とする有識者からの指導、助言を受けて行った。
その結果、古墳の東側には、委員からも話があったとおり、古墳の周囲に掘削された堀、周濠というが、これを検出した。また、古墳の北側及び西側には周濠と、周濠の外側に造られた堤、周堤というが、これが存在していた可能性が高いことが分かった。
これにより、現在の史跡指定地より外側まで周濠や周堤が広がっていたことが確認できた。
さらに、周濠からは、尾張型埴輪と呼ばれる尾張の窯業技術を活用して生産された円筒形の埴輪が多く出土したほか、数は少ないものの、家を模した埴輪など形象埴輪の一部も出土した。
加えて、須恵器と呼ばれる窯で生産された陶器の破片等も出土した。時期は6世紀前半のものであり、断夫山古墳の築造時期が6世紀前半とする説を裏付けたものと考えられる。
また、史跡を破壊せずに行える地中レーダー探査も実施し、その結果、古墳の前方部で、古墳の表面を覆う石の可能性がある反応があった。
【委員】
今回の令和4年度までの成果を伺うと、今の指定されている範囲よりも外側から周濠が出てきているとのことで、さらに文化庁からの追加指定が得られる可能性が高くなったと思う。私も令和3年2月定例議会の議案質疑で要望したが、今回の発掘調査の結果を受けて、国から史跡の追加指定を受けられる可能性があるのか伺う。
【理事者】
発掘調査の結果、現在の史跡指定地より外側に、周濠、周堤が広がっていたことが確認されたことを受け、遺構の適切な保存のため、史跡断夫山古墳調査検討委員会において有識者に意見をもらい、本年2月に、史跡の指定範囲を、従来の約1万5,000平方メートルから約2万3,000平方メートルへと、およそ1.5倍に拡大する意見具申書を文化庁に提出した。
今後、国の文化審議会に諮問され、審議される見込みだが、早ければ近々の答申となることを期待している。
【委員】
現在の指定範囲より、さらに広い範囲で指定されるとなると、断夫山古墳の保存活用計画を早期に作成する必要が出てくると思う。また、この事業を進めるに当たっては、名古屋市教育委員会との連携も必要不可欠になってくると思う。
断夫山古墳の保存、活用に向けて、保存活用計画を作成する予定はあるのか、また、名古屋市とどのように連携して取り組んでいくのか。
【理事者】
これまでの発掘調査の成果を基に、今年度から令和8年度にかけて、断夫山古墳の保存、活用を進めていくための基本的な計画である保存活用計画を策定する。
計画の策定に当たっては、今年の秋以降、複数回有識者会議を開催して意見をもらう予定である。会議には、考古学やまちづくりの専門家、地域代表者などが参加し、広い視野から幅広く意見を聴きながら、適切な保存管理、活用及び整備、体制等について方向性を定めたいと考えている。
断夫山古墳は、管理者は県だが、名古屋市教育委員会とは、市単独での測量調査や発掘調査の成果を県に共有し、今般行った県市共同の発掘調査に主体的に参加してもらうなど、断夫山古墳の特徴を明らかにするための取組を連携して進めてきた。また、熱田区役所をはじめとした各部署では、活用に向けた取組も行っている。
史跡の本質的な価値を守りながらも、東海地方最大級の前方後円墳として活用を図り、地域の誇りの醸成を目指すという点で、愛知県と名古屋市の目的は共通しているので、今後も、保存活用計画策定に係る有識者会議に参画するなど、保存、活用に向けた取組を共同して実施したいと考えている。
【委員】
要望するが、県から意見具申しているということで、現在よりも広い範囲で史跡の指定を受けると、土木工事などの史跡の現状を変更することや、史跡の保存に影響を及ぼす行為をしようとする場合は、文化庁長官の許可が必要になる。一方で、手厚い保存、活用を図れるばかりか、国庫補助金を活用した保存整備が可能となることから、指定を受けるメリットは非常に大きいと考える。
そしてもう一つ大変重要な要望であるが、断夫山古墳は古墳の墓の部分に当たる墳丘などの周辺を発掘調査したことはあるが、古墳本体の発掘調査はいまだしていない状況である。
発掘調査が必要な理由は先ほどの答弁の中で須恵器が出てきたということで、この須恵器はろくろと窯を朝鮮半島から持ってきて作られた陶器であり、6世紀前半に作られたものであると言われている。須恵器は前方後円墳の副葬品として埋葬されている可能性が高く、6世紀前半は古墳時代の後期であるが、このときは前方後円墳の中に横穴式の石室が作られていると思う。その石室には通常だと数人が埋葬されていると想定されている。この本体の発掘調査によって、新たな歴史の解明につながる可能性が高いと私は思っており、是非とも、古墳本体の発掘に努めるよう要望する。
次は、本会議でも質問したが、今、県の中で、外国人留学生は国際課が担当しており、在留資格を持つ定住者の支援は就業規制課が担当している。そのような縦割りになっている中で、外国人留学生の生活支援という部分について伺う。
県民文化局では、外国人県民の生活を支援するため、様々な取組を行っているが、外国人留学生にこうした情報を届けるため、どのような取組を行っているのか。
【理事者】
多文化共生推進室では、外国人県民の生活支援の取組を始め、多文化共生に関する様々な情報を、あいち多文化共生ネットを通じて広く発信しており、英語やポルトガル語のほか、ベトナム語、ネパール語、インドネシア語など、合計13言語の自動翻訳に対応している。
また、県の多文化共生の取組を広く知ってもらうため、当室の職員が訪問して講義を行う多文化共生出前講座を実施しているが、昨年度実施した11回のうち6回は、外国人留学生が在籍する県内の大学で講義を行った。
このほか、多言語による一元的相談窓口を設置している愛知県国際交流協会では、施設見学を常時受け付けており、昨年度実施した5回のうち2回は外国人留学生が在籍する大学を受け入れた。見学には、合計58人の学生が訪れ、相談窓口の対応状況のほか、各種講座や交流イベントを始めとする協会の取組について、協会の職員が説明を行っている。
【委員】
外国人留学生は学校に籍を置いていることから、大学を通じて支援策を周知していくことが最も効果的であると感じた。そこで、外国人留学生に情報を伝えるためには大学との連携も重要だと思うが、愛知県の様々な生活支援の取組に関する情報をより早く、より多く外国人留学生に届けるために、今後どのような取組を行っていくのか伺う。
【理事者】
指摘のとおり、より多くの外国人留学生に生活支援をはじめとする県の取組を知ってもらうため、大学との連携を強化していく必要があると考えている。外国人留学生の円滑な受入れ及び外国人留学生と地域社会との交流促進を目的として設置されている愛知県留学生交流推進協議会には、外国人留学生が在籍する大学が多く参加しており、本県からは国際課が出席している。このため、今後はこうした機会も活用して本県の取組を紹介し、より多くの外国人留学生に生活に必要な情報が届けられるよう国際課とも連携して積極的に取り組んでいく。
【委員】
あいち県民の日の式典、フェスタ等に関係する様々なものについて伺う。
一昨年の2022年に、愛知県の県政150周年を記念して、県は現在の愛知県政がスタートした11月27日をあいち県民の日と定めた。昨年のあいち県民の日の中では、当日の11月27日には式典が愛知県芸術劇場の大ホールで行われ、私も参加した。11月27日の前の一週間、すなわち11月21日から27日の一週間をあいちウィークとして固定で定めた。27日を結びにして、前の一週間をあいちウィークと呼ぶということである。これは固定なので、毎年何曜日になるのか分からないが、ウィークなのでその中には必ず土日も含まれ、23日は祝日がある。休み方改革とも親和性があり、知事も政策としてやっているが、あいちウィークで1日学校を休みにするということが県民の日学校ホリデーであり、去年は愛知県内全54市町村が協力し、あいちウィークのどこかを県民の日学校ホリデーとして運用したという流れだったと思う。
昨年を例に挙げると、11月27日のあいち県民の日が月曜日だった。厳かで非常に格式があり、直前の土曜日・日曜日であいち県民の日フェスタを実施し、フェスタが盛り上がった次の日が式典であった。また、祝日である23日は木曜日であった。そうすると間の金曜日が残るが、ここを大体の市町村が県民の日学校ホリデーに充て、連休を長くする流れだった。現にほとんどの市町村が11月24日を県民の日学校ホリデーにしており、中には11月27日を休みにするという市町村もあった。
これに関して、昨年12月定例議会で大村秀章知事が提案理由の中で、初めて迎えたあいち県民の日について触れており、あいちウィーク、県民の日学校ホリデー、また市町村や民間事業者と協力して様々な取組をしたこと、フェスタが大いに盛り上がったことに加えて、県民の日当日の式典には、国会議員や市町村、多くの県民も参加し、式典では名古屋市立大学の千田嘉博教授による愛知の城から歴史を読み取る基調講演や、愛知ゆかりの著名人によるディスカッション、名古屋芸術大学のウィンドオーケストラなどもあり、あいち県民の日にふさわしい式典を開催することができたと述べていた。
まず一点伺うが、私も参加して最後までいたが、ガラガラで寂しいという印象であった。もったいないというのが正直の印象である。さきに言っておくが、後ろ向きな発言ではなく、応援したいという立ち位置にあるが、昨年のあいち県民の日、フェスタもだが記念式典の取組について、来場者数も含めた実施の結果とどのように受け止めているかを伺う。
【理事者】
昨年、県が主催したイベントについては、11月25日、26日の土日において、栄のHisaya-odori Parkテレビトーヒロバにて、あいち県民の日フェスタ2023を開催し、県内の高校生によるダンスや吹奏楽によるステージイベント、SKE48やTEAM SHACHIなど地元出身の芸能人による愛知の魅力トークステージなどを行い、2日間で約6,800人が来場した。
委員指摘の11月27日、あいち県民の日当日にも、愛知芸術文化センターにて、あいち県民の日記念式典を開催し、愛知県の誕生日を県民と祝うとともに、名古屋市立大学の千田嘉博教授による基調講演や県内ゆかりの著名人によるパネルディスカッションなどを行い、約800人の来場者を迎えることができた。
このような取組のほか、あいちウィーク期間中には、市町村や民間事業者からの協力を得て、県内の様々な文化施設などで体験イベントが開催され、名古屋鉄道やスーパーマーケット、ドラッグストアなどで、特別なサービスが提供されるなど、官民一体となって地元を盛り上げ、愛知の魅力の再発見につなげることができたと考えている。
【委員】
総じて、非常によかったということだと思う。受け止めについては、私も同じような思いはあるが、当日については少し寂しかったというのが正直な思いである。6,800人が来場したとのことで、フェスタが非常に盛り上がっていた、たくさんの人が来たと強調していたが、その土日を受けて次の日が27日だったので、その盛り上がりをぜひ式典にも持ってきてほしかったというのが正直な思いである。最後のウィンドオーケストラも非常に素晴らしく、去年の大河ドラマどうする家康で使った曲なども流れたが、最後の方はガラガラで、寂しかったというか、もったいなかった。
パネルディスカッションでも、人気アイドルの須田亜香里氏や公式アンバサダーの女優の河村花氏が出演しており、一般県民が無料で入れると聞いたら絶対人が来るのではないかと思うくらいのパッケージであったように感じたため、寂しかったと話しており、思いは大村秀章知事や県民文化局と全く一緒で、盛り上げてほしいという思いである。
昨年の県民環境委員会においても委員から質問があったが、県民にしっかり周知し、理解と協力もしてもらい、一緒に盛り上げていくことが非常に重要だと思う。先ほど一週間の暦まで紹介したのは、例えば市町村が協力するにしても、昨年は非常にわかりやすかった。県民の日学校ホリデーもこの一週間のうち、祝日と土日の間を指定しておけば4連休になるからである。今年は、11月27日は水曜日であり、ウィークとしては21日の木曜日からはじまり、土日は23日、24日になってしまうため、土曜日祝日は一番学生が損した気分になり、恩恵が受けられない。今年度も県民の日学校ホリデーは発表されており、土日にくっつけることで、22日の金曜日に指定しているのが35市町、月曜日に15市町が指定していると聞いているが、中には学校に任せるところもあれば、蒲郡市のように27日を県民の日学校ホリデーにするところもある。県民にとっても何かやっているというのは分かるが、中途半端にやろうとしても盛り上がらず、ましてや市町村に迷惑をかけるのは本末転倒であるため、愛知県として県民の日がどのようなものであるかを戦略立てて考えた方がよいのではないかと思っている。
県民の日学校ホリデーに関しては、教育委員会が所管だと思うが、県民の日のチラシを見ると、市町村でカスタマイズされていると書いてある。見方によっては無責任で、うちの町は休みいつなんだろうとか、知多でも5市5町あり、東浦町はすぐ隣が高浜市で、隣町と合ってないとなると困ると思うし、両親の職場が異なるということもある。
昨年の県民の日、フェスタも踏まえて、昨年の委員の答弁の中では、昨年末に県民の日について意識調査を行っていくとあったと思うが、実際1年目を行ってみて、あいち県民の日、あいちウィーク、フェスタを今年度もさらに盛り上げて、より魅力的にしていかなければと考えているが、その辺りどのような思いでいるのか伺う。また、指標として来場者の増加についてどのように工夫していくのかを伺う。
【理事者】
昨年度、事業実施後に行った意識調査において、今後の取組の参考となる様々なデータを結果として得ることができた。特に参考となるデータとして、あいち県民の日そのものの認知度を年代別でみると、50代以上は約8割であったが、20代は6割と少し低い傾向にあった。また、行政や民間の取組を知っていた人のうち、実際にそれを利用した割合が5パーセント程度であることが分かった。こうしたことから、いかに若者に対して訴求していくか、いかに集客を誘うかが、改善のポイントであると考えている。
そこで、20代を含む若者への訴求については、地元出身で若者の認知度が高い、新たなアンバサダーを起用して、よりイメージを一新したいと考えている。また、従来からの交通広告に加え、若年層に身近な媒体として接する機会が多い、インターネット、SNSによる広報を、昨年度以上に比重を置いていきたいと考えている。さらには、ロゴマークを活用した啓発資材を各イベントにて配布するなど、あいち県民の日独自のツールを活用して、市町村や民間事業者と一体となって積極的な集客に努める。
県が主催するイベントでは、より多くの人に来場してもらえるよう、土日に開催するフェスタについては、イベント会場として認知度が高く、より人の流れや滞留が期待できるオアシス21に変更する。また、県民の日当日に開催する「県民の日のつどい」、つどいは仮称であるが、県民の日当日に開催するイベントについては、夕方に開始時期をずらし、仕事帰りの人も来てもらえるよう平日開催でも多くの来場が見込めるように工夫する。さらに、こうしたイベントや連携事業の周知を、昨年度は9月下旬から順次公表してきたが、今年はもう少し早い段階から公表し、周知期間を長くとりたいと考えている。
昨年度の結果を踏まえ、より多くの人への認知度を増やし、より多くの人に喜んでもらえるあいちウィークにしていく。
【委員】
県民意識調査の結果も踏まえて、練られているとのことで期待しているが、その中で、気になっているのは関係団体との連携である。民間事業者にあっては、子どもは休みでも親は休めない、雇用という意味でも出勤をどうするかという対策はもちろんありがたいし、公共施設のサービス面、入場料や参加料、記念品をもらえるなども非常に大事だと思うし、財界への働きかけを行っていると聞いている。
市町村との連携については綿密になっているが、昨年委員の答弁の中では、18市町がサービス、公共施設を利用した、インセンティブなどのお得な何かをやっていたとあった。18市町だと寂しいとの話があとで出たと思うが、それを増やそうと調整していると聞いているし、名古屋市は人口が県の3分の1であり、名古屋市が乗ってきていないあいち県民の日とは何だろうと率直に思うため、一体感を出してあいち県民の日をやろうというときに、名古屋市との連携が取れていないことは非常に寂しいこと、逆に成り立たないのではと思うくらいの危機感を持っている。今ここで、県民の日学校ホリデーに名古屋市が今年は参加していない、しないと高々に宣言しているといったことをあげつらうつもりはないが、市民の発言は重たいものであり、県民の日を盛り上げようとする皆さんの立場からすると、水を差されかねない部分はあるのではないか。
昨年より盛り上げようとしているわけだから、民間事業者も含めて、市町村関係団体とより連携協力をとらないと盛り上がらないに決まっているため、特に人口の三割を占める名古屋市との連携は必要不可欠と考えている。愛知県として関係各所との連携について、どのように考えているのか。
【理事者】
まず、市町村に関しては、条例制定後から、あいち県民の日に向けた取組について、県内全ての市町村に対して、県の幹部が直接説明するなどの協力依頼を行った。その結果、9割近くの47の市町村において連携事業が実施され、初年度としては十分な成果が得られたと受け止めている。今年度は、より一層協力が得られるよう、市町村側へのメリットも十分意識した取組として、大学生を中心とした若者が自ら取材した地域の魅力を紹介するなど、希望する市町村の歴史や文化、食や産業に関する情報を若者目線で発信する企画を検討している。
民間事業者に関しては、昨年度は生活に身近な買物客への啓発を広げる意図により、主にスーパーマーケットなどの小売業を中心に協力を依頼した。今年度は、飲食関係やスポーツクラブからも、新たに連携を考えたいとの問合せもあったので、昨年以上に幅広い事業者にも協力をお願いしたいと考えている。
名古屋市との連携だが、今年度、名古屋市は県民の日学校ホリデーを実施しない方針を示し、その理由として、市教育委員会によるアンケートで、「3分の1の保護者が『県民の日学校ホリデーが有意義でなかった』としたことを重く受け止める」とのことから、事業連携も一旦見送るとされている。あいち県民の日の取組については、名古屋市との協力も大変重要である。
名古屋市とは様々な分野において連携している事業が多くあることから、今後も機会を捉えて情報交換を行いつつ、あいち県民の日の取組への協力が得られるよう、引き続き調整していきたい。
【委員】
名古屋市のことになると発言が濁ったが、気持ちは察するし、さりとて名古屋市がいない、名古屋市が協力的でない県民の日というのは考えにくい。県民の日を盛り上げるというのは、県民の日学校ホリデーだけではないため、ぜひ連携を取ってほしいと思う。
これで最後とするが、11月27日という日をどのようにブランディングしていくかが一番大事だと思う。県民の日を指定して頑張っていくだけではダメなので、位置付けをどうしていくのかを、昨年を踏まえ2年目3年目で確立してほしい。県民文化局だけで頑張ろうということでは、限界がある。名古屋市がどうかといっている場合ではないので、オール愛知、愛知県庁でもいいので盛り上げてほしい。
盛り上げ方は何でもいいと思っている。愛知県庁を開放してもよいと思うと言ったら、11月3日にもう開放している。しかし、27日も開放してよいではないか。最近朝ドラを見ており、東浦町でもロケがあったが、名古屋市役所の廊下や市政資料館では、80人の定員に対して3,600人も応募がありツアーを行っていた。こういった何かをやろうとしたときに、鶴舞公園のほか、愛知県はすごく魅力的なところや関心の高いところがある。いろいろな知恵を生かして盛り上げてほしい。
ロゴマークも、どんどん二次利用してほしいとの作者の意向もあると聞いており、公式アンバサダーも今後適切な時期に発表されると思うが、若い人たちにとの発言もあった。条例にもうたわれているし、魂だと思うが、「県民が地域の自然、歴史、風土、産業についての理解や関心を深めて、愛知への愛着及び県民としての誇りを持つ契機とする。」と書いてあるが、ただ仰々しい、重たいと若い人は絶対来ないし、そのようなことを言っても全然響かない。もちろん魂は大事で、思いを込めて制定したということは分かるが、仰々しいと感じるところもある。ハッピーバースデー愛知県くらいポップでもいいようにも思うし、11月27日は固定されており、あいちウィークは一週間と決めたわけだから、愛知県民として愛知県庁の事業としてどどのように取り組むかは腕の見せどころだと思う。
最後に、あいち県民の日、あいちウィークをオール愛知で盛り上げていくために、今後どのような方策を検討していくのか伺う。
【理事者】
あいち県民の日は、県民にとってなじみ深く、愛着を持ってもらえる日とするため、条例においても、その趣旨にふさわしい事業を実施していく。その取組として、昨年度は、県の事業が84件、市町村の事業が305件、民間事業者による協賛事業を61件実施し、県全体で450件の事業を行っている。
一方、先ほどの意識調査の結果にもあったが、あいち県民の日の若者への認知度が低い。先ほど委員が述べたが、若者を取り込んで、若者に来てもらうことが重要であり、また、市町村や民間事業者に事業の趣旨が、我々の努力もあるが、十分伝わっていない可能性も考えられ、そういったところにまだ改善の余地があると認識している。
オール愛知で県民の日を盛り上げていくためには、県庁各局はもちろんだが、市町村、事業者の協力が必要不可欠であることには変わりはない。今後も、各局で構成する連絡会議の場を通じて、連携の在り方について活発に意見交換を行うとともに、市町村や業界団体への協力依頼についても粘り強く今年度も行い、事業への賛同の輪を広げていきたい。
今後は、愛知県誕生の日であるあいち県民の日が、しっかりとまずは定着することが必要だと考えており、県民が郷土への理解と関心を深め、愛知県に住んでよかったと思えるように、地元への愛着が一層高まるよう、様々な取組を進めていく。
【委員】
小牧市にある愛知中央美容専門学校、美容師を目指す人たちが通っている学校が、5月末に突然閉校になったことについて伺う。
この専門学校は、学校法人が設置した学校ではなく、愛知中央美容協同組合という協同組合が設置した学校となっている。
この協同組合の組合員3社のうち、2社が、昨年8月から9月にかけて、相次いで破産手続を開始し、これを受けて協同組合は学校運営を継続するためにスポンサーを探したが、見つけられなかったとのことである。
学校としては、年度途中、しかも年度が始まった当初の5月にいきなり閉校するというようなことは極めて異例だと思うし、このようなことは度々あってはならないことであるので、幾つか伺う。
報道を見ると、愛知中央美容専門学校については、専門学校、美容師養成施設、協同組合などのいろいろな用語が出てくる。国の所管の関係もあり、県の中でもそれぞれの所管があると思う。どのような所管となっているのか。
【理事者】
愛知中央美容専門学校は、専門課程を置く専修学校、いわゆる専門学校であり、所管は、私学振興室となっている。
なお、当該学校は、美容師養成施設にもなっており、この美容師養成施設については、保健医療局の生活衛生課が所管している。
また、当該学校の設置者は、愛知中央美容協同組合となっているが、協同組合については、経済産業局の商業流通課の所管となっている。
【委員】
本委員会は県民環境委員会であるため、私学振興室が所管する専門学校の部分について伺う。
まず、昨年の8月と9月に専門学校を運営している協同組合の組合員3社のうち2社が破産したときに、その情報を私学振興室は把握していたのか、もし把握していたのなら、どのような対応をとったのか。
【理事者】
昨年8月にある事業者から、愛知中央美容協同組合の親会社が破産したことにより、愛知中央美容専門学校の経営を引き継ぎたいと県に対して相談があり、認可上の基準や手続について相談者に説明した。
翌日、当該協同組合の代表者に、親会社の破産の事実確認を行うとともに、今後の協同組合の解散及び学校の廃止予定について確認したところ、組合の解散予定はなく、学校も引き続き運営していく旨の説明があったため、今後の動向を注視することとした。
同年10月、当該専門学校の事務長から、学校法人化も視野に入れた今後の手続について問い合せがあったため、各認可事項等の説明をした。
このような相談内容から、県としては、当該専門学校が、学校法人化等の認可事項に関する手続を行い、学校運営を継続していくものと認識していた。
【委員】
昨年の学校への聞き取りでは、閉校となることは想定できなかったとのことだが、専門学校が閉校することを私学振興室はいつ把握したのか。また、把握してから、どのような対応をしたのか。
【理事者】
今年4月11日に、当該協同組合の代表者から、協同組合の構成員が破産したことにより、協同組合自体も破産手続の開始が決定される可能性があり、学校を継続することができない状態であるとの連絡があった。
美容師養成施設を所管する生活衛生課、協同組合を所管する商業流通課に確認と情報の共有を図ったうえで、翌日、私学振興室から学校に対し、生徒の処遇については、生徒の学習機会が奪われることのないよう適切に対応し、生徒、保護者への説明やフォローを適切に実施したうえで閉校に向けた準備を進めるよう指導を行った。
その後、5月9日に、専門学校に通っている生徒の保護者から、学校から閉校の説明を受けたとの連絡があったため、学校に確認したところ、5月9日に保護者説明会を実施し、5月31日で閉校となることを説明したとのことであった。
この説明を受け、学校に対しては、生徒の不利益となることがないよう、生徒、保護者への説明、フォローを適切に行うよう指導した。
また、生徒の学習機会の確保が最優先であることから、愛知県専修学校各種学校連合会等と連携しながら、愛知中央美容専門学校に対して生徒の受入れ可能な学校の情報提供を行い、閉校となる5月31日までに、生徒の受入先が確定できるよう調整を行った。
【委員】
これまで通っていた学校が、特に4月に入校したばかりの生徒にとっては、入校早々、入学金も払って授業に通い始めた途端に閉校というのは、本当に困った事態だと思う。悪意で取ればであるが、事前に経営が危ういことが分かっている学校が、どのみち駄目だが、最後に入学金と生徒だけ募集して取れるものを取ったうえで破産したのではないかと疑われるぐらい、不可解なタイミングだと言わざるを得ない。
通っていた生徒たちがどうなったのかが大変気になるが、生徒の行き先、転校状況等がどうなったのか伺う。
【理事者】
通っている生徒26人のうち、6月に転校した生徒が22人、来年の4月に再入学を予定している生徒が1人、退学した生徒が3人となっている。
また、通信の生徒61人のうち、6月に転校した生徒が57人、退学した生徒が4人となっている。
【委員】
他の美容学校の協力により、大半の生徒に追加負担が生じたものの、美容師を目指すという進路を諦めることなく就学を続けられるようにはなったようだが、今の経過を聞くと、専門学校は私学助成の対象であり、県が認可、あるいは助成してきたような学校が突然このような経過で閉校することは、経営責任を問わざるを得ないと思う。
5月末で専門学校が閉校して以降、県としてこの学校に対し、どのような措置をしてきたのか。
【理事者】
令和6年6月7日付けで、私学振興室、生活衛生課及び商業流通課より協同組合及び学校に対して、閉校に至った経緯、生徒及び保護者への今後の対応方針、教職員の処置、協同組合及び専門学校の今後の方針及びスケジュールについて、報告書を持参し、説明するよう求めた。
回答は、本日の午前に協同組合の代表者から、私学振興室、生活衛生課、商業流通課の各担当者が直接説明を受けたが、内容が不明確な部分等があったため、現在、内容を確認している。
【委員】
今後さらに少子化が進展し、学校の経営が厳しくなっていくことが予想される。学校の設立は、学校法人はもちろん学校法人以外も設立が可能であり、今回のケースのように、県の所管が分かれており、監督が行き届かない可能性もあるのではないかと思う。学校が突然閉校して、生徒が路頭に迷うことが二度と起こらないよう、県としてどのような対策を講じていくのか。
【理事者】
私立学校は、私人の寄附財産によって設立され、学生生徒からの納付金をもとに、学校法人自らの責任において運営されるものであり、私立学校法では、私立学校の自主性を尊重するという観点から、所轄庁の権限が制限されている。
このため、私立学校法や学校教育法といった法律上、今回の事案において、生徒の募集停止や休校といった命令を行うことはできなかったと考えている。
今回の事案を踏まえた、再発防止策等においては、まずは、しっかりと原因究明を進める必要があると考えており、その究明に努めるとともに、県として今後、どのような対応がとれるのか文部科学省などと連携しながら、検討していきたい。
【委員】
影響を受けた生徒の数が多くないため、大事にならずに済んでいるが、今後の一つの教訓として、どのような報告書が出て、文部科学省とも調整した上で、今後の学校経営について、県が指導、監督していくのかについては、引き続きまた当委員会で是非議論していきたいと思う。
6月12日の朝日新聞によれば、美容医療をめぐって健康被害などの相談が増加していることを受け、厚生労働省が、美容医療の適切な在り方を検討するための専門家による検討会を立ち上げ、美容医療の実態を把握して、医療安全を確保し、適正な診療を促すとの記事があった。また、記事では、不安をあおって高額な支払いをさせられたなどの相談も増えており、厚生労働省の検討会では、契約上の課題も取り上げる予定とされている。
私の印象としても、最近特に美容医療のコマーシャルが非常に目立つ。ほとんどは医療とは言いつつも自由診療であり、保険診療ではないため、これだけの広告費を投じるということは相当な収益が見込めることも想像できるが、医療という限りは、これは医療機関でもって医師が行う医療脱毛や脂肪吸引、二重まぶたの手術、整形外科といった美容の目的とした医療サービスのことであり、健康や保険の適用がない自由診療で価格も自由である。そのため、こうした消費者トラブルに発展するケースが当然多くなるのだと思う。
美容や健康への関心が高まる中、自由診療で行われる美容医療をめぐっては、高額な支払いなど、契約に関するトラブルの相談も増えていると聞いている。
また今後増えていくと想像しているが、昨年度の県内の美容医療に関する消費生活相談の状況を伺う。
【理事者】
県及び市町村には、年間約4万5,000件の消費生活相談が寄せられるが、そのうち、美容医療に関する相談は、2022年度は192件であったが、2023年度は472件で、前年度と比べて280件の増加、約2.5倍となっている。
相談内容の特徴は、「モニターになると安く施術を受けられるクリニックへ行ったところ、診察後、今日中に契約するようせかされて高額な契約をしてしまった。」といった相談が多く、他には、「クリニックで6回の脱毛契約をし、施術を1回受けた後、クリニックから休院の案内が届いた。その後、再開もされず、電話連絡も取れなくなった。未施術分の料金を返金してほしい。」といった相談も寄せられている。
2023年度の472件のうち、年代別では、20歳代と30歳代の相談件数が302件で、全体の約6割を占めている。
男女別に見ると、ほぼ同じ件数となっている。
【委員】
この美容に関して、類似としてエステティックというものがある。これは以前にも取り上げたことがあるが、このエステティックサービスは、医療分野ではなく、エステティックサロンで美顔や全身美容、脱毛、痩身、体型補正などを行うサービスであり、当然、医療行為はできないということになっている。
美容医療以外に、美顔、全身美容、脱毛、痩身、体型補正などを行うエステティックサービスについても、契約に関するトラブルの相談があると聞いている。
このエステティックサービスについても契約に対するトラブルが相当あると認識しているが、昨年度の県内のエステティックサービスに関する消費生活相談の状況を伺う。
【理事者】
エステティックサービスに関する相談は、2022年度は1,116件であったが、2023年度は846件で、前年度と比べて270件、約2割の減少となっているが、依然として多く寄せられている。
相談内容の特徴は、「お試しでエステサロンへ行ったところ、2年のコースを勧められた。執拗に契約を迫られて契約してしまった。」といった相談が多く、他には、「脱毛サロンで全身脱毛の契約をし、施術を終えたが、効果が感じられなかった。支払いはまだ残っているが、払いたくない。」といった相談も寄せられている。
2023年度の846件のうち、年代別では、20歳代の相談件数が541件で、全体の約6割を占めている。
男女別に見ると、女性が約9割を占めている。
【委員】
この被害を訴えている人、サービスを受けている人も圧倒的に20代、若い人に多い。しかも未婚の若い人が少しでも結婚したいというような中で、少しでも自分の見た目をよくしたい気持ちは分かるが、そういった人はあまり経済力もなく、高額な医療やエステのサービスを受ける際に、なかなか自己の支払い能力がない場合も往々にしてある。そういったことは事業者側も先刻承知なわけで、例えばクレジット契約を結ばせるといった形で、支払い能力関係なしに、とにかく契約でもと追い込むような手法もある。これに関しては先ほどの相談事例でも、あっせん解決という形で県が消費生活相談を受けた、県として介入して事業者側に注意を促すといった形での解決をする事例も増えているようである。このあっせん解決の中身は、エステの場合も美容の場合もそれぞれ違うと思うが、県は相談を受けてその本人にアドバイスするだけでなく、契約の相手方との間に入ってあっせんして解決へ導いていくことを、県としては相談窓口を設けている以上、より積極的に行うべきだと思う。
美容医療、エステティックサービスに関する相談に対し、県が介入してあっせん解決に至った事例について伺う。
【理事者】
美容医療、エステティックサービスに関する相談に対しては、まずは、県や市町村の消費生活センターでは、クーリングオフや中途解約が可能な契約については、その方法を案内するなどの助言を行っている。そのほかに、必要に応じて、相談者と事業者の間に入って調整を行い、解決を図るあっせんにより、救済に向けた支援を行っている。
2023年度のあっせん件数は、美容医療に関する相談では、あっせん件数は30件で、うち、解約や返金など、あっせん解決は29件となっている。
エステティックサービスに関する相談では、あっせん件数は55件で、うち、あっせん解決が51件となっている。
あっせん解決につながった事例については、カード会社に抗弁書を送付するなどして、代金の取消しを求め、解決につながったという事例がある。
【委員】
美容医療に関しては、やはり医療というのは単なるサービスのやり取りだけでなく、医療行為に関することであり、これは医師法といったものも関係してくる。県にも医療安全支援センターがあるが、この医療安全支援センターとの関係についても伺う。
【理事者】
美容医療に限らず、医療に関する相談、苦情に対応する相談窓口として、医療法に基づき、各都道府県等に医療安全支援センターが設置されている。健康被害に関する相談が寄せられた場合には、医療安全支援センターを案内している。
また、美容医療の施術が適切に実施されたかどうかといった相談が寄せられた場合は、公益社団法人日本美容医療協会などの専門機関の相談窓口を案内している。
愛知県消費生活総合センターでは、こうした機関と連携しながら、また、日々、最新の情報を取り入れながら、今後とも、県民の皆様が安心、安全な消費生活を営むことができるよう、しっかりと対応していく。
【委員】
本年4月に始まった県のファミリーシップ宣誓制度についてであるが、この意義については、大村秀章知事も本会議場で触れ、私も注目している。
県内市町村においても、2019年に西尾市が初めてパートナーシップ制度を導入した後、本年6月1日現在では、35市町がファミリーシップやパートナーシップ制度を導入するまでに増えている。
県がファミリーシップ制度を導入した4月以降、市町村におけるファミリーシップやパートナーシップ制度の導入にどのような影響を与えたのか、最新の状況について伺う。
【理事者】
本年4月以降の市町村における制度の導入状況であるが、安城市、犬山市、清須市、大口町、扶桑町、東浦町、武豊町の7市町で、新たに、パートナー及びその子どもを対象とするなどとしたファミリーシップ制度が導入されている。
また、豊橋市をはじめとする6市では、これまでのパートナーシップ制度から、ファミリーシップ制度へと制度が拡充されている。
さらに、幾つかの自治体からは、今年度中の制度導入を目指して、検討を進めていると聞いている。
【委員】
この制度の普及と大きく関わる事例として、本年5月に、長崎県大村市が、男性カップルの住民票の続柄欄に夫(未届)と記載したと報道された。これは、異性間の事実婚に使われる表記に準じた表記で住民票が受理されたというものである。
鳥取県倉吉市も昨年度から同様の対応を始め、栃木県鹿沼市も本年7月から始めると聞いている。
同性婚は、まだ法律上認めることはできないが、それに近い表記として、事実上の夫婦であると住民票上で証明するのは大きいと思う。
こうした扱いが、今後、県内市町村で広がっていくのではないかと予想しており、広げるべきだと思う。
県は、直接住民票を扱うわけではないが、ファミリーシップ宣誓制度を普及しようとしている立場から、住民票上の続柄欄に事実婚同様の表記が認められるという事例が広がっていくことについて、県としてどのように考えるのか。
【理事者】
パートナーシップ制度を導入している長崎県大村市において、同性カップルについても、住民票の続柄に夫(未届)や妻(未届)と記載するとしたことや、鳥取県倉吉市や栃木県鹿沼市でも同様の対応を進めていることについては、性の多様性の理解増進という点で、一歩踏み込んだ対応であると理解している。
住民票の続柄の記載については、市町村の自治事務であり、市町村がそれぞれ判断するものとなるが、こうした事例があることについて、県内市町村と情報共有を行いながら、愛知県人権尊重の社会づくり条例に規定する性的指向及び性自認の多様性の理解増進を図っていきたい。
【委員】
非常に前向きに捉えるという立場を表明したことを評価する。
この問題については、司法の場で、同性のカップルを事実婚と同様に扱おうとか、今までのような性別の法律上の扱いを柔軟化して、家族の多様な形を認めていこうとする判例が相次いでいる。
県としては、今年度から本格的に運用を開始したファミリーシップ宣誓制度の意図が、こうした市町村の扱いや、司法の動きとあいまって進んでいくよう、積極的にリードしていくことを要望する。
【委員】
伝統芸能及び民俗芸能に対する県の取組について伺う。
愛知県には、長い歴史と伝統の中で生まれ伝えられてきた伝統芸能や民俗芸能が多く存在する。これらは、それぞれの土地の風土やそこに暮らす人々によって育まれてきたものであり、地域の文化や生活の礎ともいえるものである。
しかし、過疎化や少子高齢化の急速な進行により、後継者不足に悩む伝統芸能や民俗芸能を行う団体は少なくない。私の地元である尾張旭市の文化協会は、愛知県文化協会連合会の東尾張地区に加盟しているが、同じく加盟している各市町の文化協会の会員数は減少の傾向にある。
さらに、各市町の文化協会が協力して開催している芸能大会についても、演者の高齢化などにより開催の負担が大きいとの理由から、県文化協会連合会から脱会する文化協会もあり、事務局である県に対して、芸能大会が継続して実施できるよう芸能大会の開催方法などの改善を求めていると聞いている。
さらに、私の地元である尾張旭市には、棒や木太刀などを使った民俗芸能で、県の指定文化財にもなっている棒の手があり、保存会により、次世代への伝承活動が熱心に行われている。棒の手の演技者たちの勇壮な演技は、時代を超えて、見る者の心を捉えて離さず、郷土の誇りとして、永く受け継がれていくべきものであるが、高齢化による後継者不足など、保存と継承のための環境は厳しさを増している。
こうした世代を超えて受け継がれてきた伝統芸能や民俗芸能などの次世代への継承や保存や維持が難しくなる中、県としてどのような取組を行ってきたのか。
【理事者】
本県では、2022年12月にあいち文化芸術振興計画2027を策定し、県民の文化芸術活動や鑑賞等の機会を確保すること、伝統芸能、文化財の維持、継承などを課題として掲げ、様々な取組を進めている。
まず、伝統芸能については、団体の活動の場を創出するとともに、多くの県民の皆様に知ってもらうため、昨年11月に栄のオアシス21において、日本舞踊や尾張万歳などのステージ公演や、三味線、箏の演奏、有松・鳴海絞りによる手ぬぐいの染め付けなどを体験できるあいち伝統芸能はじめてフェスを開催した。
さらに、日本舞踊や三味線など5種類の伝統芸能について、分かりやすく動画にまとめた小学生向けの教材も製作した。
また、民俗芸能については、県内に伝承されている民俗芸能を公開し、鑑賞する機会として、毎年、愛知県民俗芸能大会を開催しており、昨年度は、春日井市で棒の手をはじめ六つの演目を実施した。
さらに、子どもたちの民俗芸能への理解を深めるため、鑑賞にとどまらず、体験や練習、発表できる場として、昨年度は、小中学校5校で伝統文化出張講座を開催し、稲武廻り太鼓をはじめとする五つの民俗芸能を子供たちに体験してもらった。
【委員】
昨年度までの取組については分かったが、こうした伝統芸能や民俗芸能などを行う団体に対する取組は、継続して実施されることが重要であると考える。
そこで、今年度は、県はどのような取組を行うのか伺う。
【理事者】
まず、伝統芸能については、昨年度、名古屋市内で開催したイベント、あいち伝統芸能はじめてフェスに多くの人が来場し、大変好評であった。こうしたことから、今年度は地域を変えて、尾張地区、三河地区の2会場、大型商業施設で伝統芸能の鑑賞や体験ができるワークショップを開催する。
また、新たに伝統芸能のポータルサイトを開設し、県内の伝統芸能を体験できる施設などに関する情報や、後継者育成に取り組む文化団体の取組事例を掲載し、県民の皆様に伝統芸能を学ぶ機会を提供することで、文化団体の後継者育成を支援していく。
さらに、民俗芸能については、今年11月に岡崎市において、伝統文化に対する理解と認識を深め、無形民俗文化財の保存、伝承を図ることを目的として、近畿・東海・北陸ブロック民俗芸能大会を開催するとともに、引き続き、小中学校における出張講座を通じて、民俗芸能の保存と継承に取り組んでいく。
【委員】
県が様々な取組を行っていることは分かったが、冒頭の質問でも話したように、各市町の文化協会が県文化協会連合会から脱会も検討せざるを得ない理由の一つに、資金面が苦しいこともあると聞く。
また、2021年11月に、県が、県内居住又は県内に活動拠点を持つ文化芸術関係者を対象に実施した文化芸術活動に関する調査において、「文化芸術活動を行う上で、あると良いと思う支援策は?」との問いに、個人では64.5パーセント、団体では74.3パーセントが文化芸術活動についての助成金を挙げ、最も多い回答であり、文化団体の活動に対する助成金の必要性が明らかになった。
そこで、伝統芸能や民俗芸能を行う文化団体の担い手不足や後継者育成に対する取組に対して、県はどのような助成を行っているのか伺う。
【理事者】
本県では、県内に活動の本拠を置く文化団体が行う各種文化活動に対して、文化活動事業費補助金を交付しており、企画提案事業、誰もが参加、鑑賞可能な文化芸術事業、そして後継者育成事業の三つの取組に対して支援を行っている。
このうち後継者育成事業については、愛知県に古くから伝承し、愛知の文化の特色となっている指定文化財や、もしくはそれに準ずるものを保存伝承する目的で、後継者を育成するために行う研修や講習事業に対して、100万円を上限に助成を行っている。
昨年度は、補助事業全体で84団体84事業に対して総額2,831万1,000円助成を行い、このうち後継者育成事業については、5団体5事業に対して合計200万円を助成した。
今年度についても、この補助金制度を活用し、伝統芸能等の担い手不足や後継者不足の改善に向けた支援を行っていく。
【委員】
最後に要望であるが、県民からいろいろな相談を受けており、愛知県文化協会連合会について県に相談すると、任意団体ということであり、なかなか県の立場から指導や補助ができないと聞いている。
また、棒の手も一緒で、地元の棒の手の流派が340周年ということから、何とか県の誰かに来てもらいたく、式典を行うことになっていたが、その日は大きな山車の祭りがあるとのことで、県民文化局の職員に来てもらえないとのことであった。確かに国際的な大きな文化、伝統の保存も大事ではあるが、各地域から芽生えてきたものが、これからも文化、伝統を支えていくという裾野の広いところまで目を向けてもらい、少しでも手を差し伸べてほしい。
特に、愛知県文化協会連合会に対しては、私の隣の町が脱会したこと、それに引き続き二、三の文化協会が脱会するという話も聞いている。少しでもそのようなことがないようにしてほしい。
例えば、尾張旭市のように、芸能大会の開催に対し、20万円から30万円の補助金を市町村から出してくれるところはよいが、出してくれない市町村については、愛知県文化協会連合会や県からの補助金もないため、開催が不可能となり、脱会する文化協会が多いと聞いている。その辺りにも目を向けて手を差し伸べてもらえればと思う。