委員会情報
委員会審査状況
総務企画委員会
( 委 員 会 )
日 時 令和6年3月18日(月) 午後0時59分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
辻 秀樹、おおたけりえ 正副委員長
水野富夫、伊藤辰夫、島倉 誠、石塚吾歩路、中根義高、藤原ひろき、
朝日将貴、天野正基、安井伸治、朝倉浩一 各委員
政策企画局長、企画調整部長、国際監、ジブリパーク推進監、
総務局長、総務部長、財務部長兼財政課長、
人事局長、人事管理監兼人事課長、
会計管理者兼会計局長、同次長、監査委員事務局長、同次長、
人事委員会事務局長、同次長兼職員課長、議会事務局長、同次長、
関係各課長等
<付託案件等>
○ 議 案
第 1 号 令和6年度愛知県一般会計予算
第1条(歳入歳出予算)の内
歳 入
歳 出
第1款 議会費
第2款 総務企画費の内
第1項 政策企画費
第2項 総務管理費
第3項 徴税費
第4項 市町村振興費
第5項 選挙費
第8項 監査委員費
第9項 人事委員会費
第11款 公債費
第12款 諸支出金
第13款 予備費
第3条(債務負担行為)の内
本庁舎始め4庁舎中央監視装置改修工事
三の丸庁舎中央監視装置改修工事
本庁舎衛生給排水設備改修工事
地方債証券の共同発行によって生じる連帯債務保証
第4条(県債)
第5条(一時借入金)
第6条(歳出予算の流用)
第 2 号 令和6年度愛知県公債管理特別会計予算
第 3 号 令和6年度愛知県証紙特別会計予算
第 22 号 愛知県局設置条例の一部改正について
第 23 号 愛知県港湾管理条例等の一部改正について
第 24 号 住民基本台帳法施行条例の一部改正について
第 25 号 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用に関する条例の一部改正について
第 26 号 愛知県手数料条例の一部改正について
第 27 号 愛知県県税条例の一部改正について
第 28 号 愛知県職員定数条例の一部改正について
第 29 号 職員の退職手当に関する条例等の一部改正について
第 30 号 職員の給与に関する条例の一部改正について
第 32 号 知事等の給与の特例に関する条例の一部改正について
第 51 号 愛知県証紙条例の一部改正について
第 68 号 包括外部監査契約の締結について
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第1号から第3号まで、第22号から第30号まで、第32号、第51号及び第68号
○ 請 願
第 48 号 「『消費税5%引き下げを求める意見書』採択を求める」について
第 49 号 「『インボイス制度実施中止を求める意見書』採択を求める」について
(結 果)
賛成者なしをもって不採択とすべきものと決した請願
第48号及び第49号
○ 閉会中継続調査申出案件
1 行財政について
2 国際交流の推進について
3 地域振興について
4 地域及び県行政の情報化の推進について
5 防災対策及び安全なまちづくりの推進について
6 政策企画局、総務局、人事局、防災安全局、会計局、選挙管理委員会、
監査委員及び人事委員会の行政運営について
<会議の概要>
1 開 会
2 議案審査(15件)
(1)理事者の説明
(2)質 疑
(3)採 決
3 請願審査(2件)
4 委員長報告の決定
5 2024年度の税制改正に伴う愛知県県税条例の一部改正についての説明
6 一般質問
7 閉会中継続調査申出案件の決定
8 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
【委員】
歳出第2款総務企画費、第4項市町村振興費、第2目自治振興費のうち、1(2)元気な愛知の市町村づくり補助金について伺う。
予算の参考資料によれば、県は昨年10月策定の愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略2023-2027に基づき、人口問題対策を加速するとのことである。本県の人口は、我が国の人口が2008年をピークに減少傾向に入ってからも引き続き増加し続けてきたが、2019年をピークに、その後は減少を続けている。愛知県人口動向調査結果(2023年年報)によると、2022年10月から2023年9月までの1年間では、40市町村で人口が減少しており、県内全域に人口減少地域が広がっている状況である。
本県では、昨年3月に愛知県人口問題対策本部を立ち上げ、県庁全体で人口問題に対する危機意識を共有し、連携強化を図っている。また、同時に、市町村連絡会議などを通じて、市町村との課題認識の共有を図ってきたと聞く。
人口問題対策は極めて差し迫った課題である一方で、地域の実情に即したきめ細かな対応が鍵を握っている。そうしたことから、いかに市町村の取組を後押しできるかがポイントになると思うため、今回計上されている元気な愛知の市町村づくりの補助金の拡充には大変期待している。
そこで、元気な愛知の市町村づくり補助金を拡充する趣旨を伺う。
【理事者】
元気な愛知の市町村づくり補助金を拡充する趣旨であるが、愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略2023-2027には、七つの基本目標が設定されており、それぞれの目標について、実現していくための具体的な施策、事業が示されている。
そのうち、基本目標6、活力ある地域づくりにおいては、愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略2023-2027を踏まえて、市町村が実施する取組を支援していくこととされている。これを踏まえて、元気な愛知の市町村づくり補助金を拡充し、人口問題対策事業分として1億5,000万円の枠を設け、市町村を支援することで、人口問題対策に取り組む市町村の積極的な取組を加速させ、県全体の人口問題対策を進めようとするものである。
【委員】
人口問題対策と一言で言っても、市町村においては、地域の状況に応じて創意工夫を凝らしながら様々な対策を講じていくとなると思うが、新しく拡充する人口問題対策枠においては、どのような事業を補助対象とするのか。
【理事者】
人口問題対策枠では、総合戦略を踏まえて市町村が行う人口問題対策事業を対象とすることとしている。
愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略2023-2027では、各市町村における取組事例として、地域の魅力の向上発信や、結婚、子育て等に対する支援、地域コミュニティーの活性化を目指す取組、地域の拠点を生かしたまちづくりの推進、地域経済の活性化といった、地域の実情に応じた様々な取組を示している。
市町村が元気な愛知の市町村づくり補助金を活用することで、こうした様々な取組を積極的に拡大、拡充してほしいと考えており、市町村が実施する人口問題対策に資する多様な事業を幅広く支援の対象とすることとしている。
【委員】
先ほど本県の人口動向を紹介したが、知多半島の5市5町も人口の動きは一様ではなく、常滑市、大府市は増えているが、半田市を含めたその他8市町村は減っており、特に南知多町の増減率はマイナス1.93パーセントと大きな減少となっている。
人口問題対策において、特に人口減少が著しい市町村に対する特別な措置はあるのか。
【理事者】
特に人口減少が著しい市町村に対する特別な措置について、補助金の補助率は、原則2分の1としているが、人口問題対策枠においては、人口問題の対応を重視して、新城設楽地域の市町村や、人口減少率が高い市町村は3分の2とする予定である。
人口減少率が高いという具体的な基準は、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法の人口要件を満たす市町村を考えており、具体的には、南知多町を加えることとなる。
【委員】
最後に要望するが、本県及び市町村にとって人口問題対策は喫緊の課題である。
本県では、人口問題対策として県主催の婚活パーティーなど、様々な事業を実施しているが、市町村が地域の活力を維持、回復することが元気な愛知の実現には欠かせないと思う。各市町村が、元気な愛知の市町村づくり補助金の趣旨を踏まえて有効に活用し、課題解決が図られるよう、市町村としっかりと連携してもらうよう期待する。
【委員】
愛知万博20周年記念事業について伺う。
2005年日本国際博覧会の愛・地球博から、来年度は20周年を迎える年となるにあたり、今回の予算の中で、来年度、再来年度の2か年度分で約17億円の予算を計上している。
期間は、2025年3月25日から同年9月25日までの185日間で、来園者の目標を185万人とした事業展開だと聞いている。
ジブリパークのオープニングセレモニーの知事挨拶の中でも、10年前は花を中心に、全国都市緑化あいちフェアという形で、スタジオジブリの展示会も実施しながら記念事業を展開したが、それもきっかけとなり、今回再び万博から20周年の記念事業を展開していくとの話があった。
愛知万博20周年記念事業は、愛・地球博からこれまでのレガシーとこれからの愛知を見せる場であると聞いており、本県の魅力を発信する絶好の機会である。
そこで、誰をターゲットにした事業展開となっているのか伺う。
【理事者】
今回の記念事業では、基本計画において、メインテーマを、「つなぐ 未来(あした)へ」としている。メインテーマには、2005年の愛知万博の会場であり、今月ジブリパークの全5エリアが開園し、にぎわいが増す愛・地球博記念公園において、国内外からの来園者に愛知の多彩な魅力を発信することで、愛知を知り、好きになってもらうことを目的に、様々な人が集う、つながりの場を創出していくという思いが込められている。
また、愛知万博から20年が経過し、愛知万博を知らない世代が増える中で、記念事業を通して改めて愛知万博を振り返るとともに、万博後も受け継がれている意義や成果を再認識してもらうことで、未来を担う若者たちにつなげていきたい。
こうしたことから、記念事業では、185日間という長い会期の中で、メインテーマに沿った形でイベントを展開するとともに、特に万博を経験していない若い世代にターゲットを置いていきたい。
【委員】
ターゲット層は、特に万博を経験していない若い世代にとの答弁であるが、今後の事業展開について、今週、記念事業の実行委員会の総会が開催されると聞いているが、今現在、具体的に決まっている内容を伺う。
【理事者】
愛知の魅力の発信と、愛知万博の理念や成果の継承という大きな目的の下、愛知万博のテーマであった、地球環境や国際交流などはもとより、愛知万博で国内外に発信した日本の産業や伝統文化を踏まえ、月ごとにテーマを決めてイベントを展開していきたい。
記念事業の開幕となる3月、4月には、本県が日本一の産出額を誇る花をテーマとした日本最大級の花のマルシェを開催する。
5月には、ドローンや飛行モビリティなどの先端技術に触れるイベントのほか、県内市町村などと、歴史、食、自然、産業など、各地の魅力を発信するイベントを開催する。
6月、7月には、愛知万博のレガシーとして受け継がれている、環境や国際交流をテーマとして、企業や団体と協力し、課題に対する取組の紹介や、遊びながら学べるようなイベントを展開する。
8月は、県内の大学の学生たちに参画してもらい、愛知万博のテーマであった自然の叡智について、大学生自らが考え発信する、若者主導によるイベントを長期にわたって展開するほか、大人から子供まで楽しみながら自然に触れ、学べるイベントなども開催する。
閉幕となる9月は、芸術をテーマとして、映像技術を競い合うイベントを中心に、障害者アートや、廃品を利用した楽器の演奏などを行うイベントを開催するほか、同時期にスタートする国際芸術祭あいち2025とも連携したイベントを展開する。
いずれにしても、愛知の魅力の発信と万博の理念の成果の継承という共通のテーマの下でイベントを展開することで、長期間の記念事業ではあるが、伝えたいこと、残していきたいものを明確にして取り組んでいきたい。
【委員】
これからの愛知県や、時代の大きな流れに対して、高いアンテナを立てながら情報収集を行い、世の中の流れをしっかりと把握することが必要である。
来年4月から10月にEXPO2025大阪・関西万博が開催され、世界中から日本に人が集まることは、本県にとっても大きなチャンスである。そして、2026年10月には、第5回アジアパラ競技大会が本県で開催予定である。技術革新が進む中、ICTの進展では、ドローンや自動運転、空飛ぶ車など、新技術の状況も著しい。自由民主党愛知県議員団の研修会において、株式会社SkyDrive社長の講演を聞いたが、ICTの進展にも注目する必要があり、航空宇宙産業の展開という中での衛星の活用、農業等もデジタル化が進み、GPSの情報を活用しながら、自動運転が進められている状況があること、人工知能チャットGPTの活用も進んでいる。
こうした大きな流れを踏まえて、愛知万博20周年記念事業が開催されるタイミングを、本県にとって、国内はもちろん、海外からこの地域に訪れる人々に対する、一つのショーケースになれる取組であること、また、その意識づけが重要であると思っている。
何を伝えたいのか、何を成果としたいのか、どの部分を柱とするのかを考えていくことが重要であると思っている。その辺りの考え方を伺う。
【理事者】
ショーケースに関して、本事業の中で、万博当初を振り返りながらも、最先端の自動車関連技術、ドローンや飛行モビリティ、人の生活の役に立つロボットの展示、体験などができるイベントを開催することで、本県が誇る高い技術力を多くの人々に発信していきたい。日本をリードする本県のモノづくり産業の魅力を多くの人に知ってもらい、体験してもらうことで、スタートアップを含めた産業の担い手の持続的な確保、育成につなげていきたい。
また、時代の大きな流れもあり、本県としても、今後ビッグプロジェクトが展開されていく。愛知万博20周年記念事業では、愛知万博の理念と成果を次世代へ継承し、愛・地球博記念公園の魅力と価値を一層高めるために整備されたジブリパークと一緒に盛り上げを図ることはもちろん、今秋オープンする
STATION Aiと連携を図り、スタートアップの取組も発信していきたい。
同時に、愛知万博20周年記念事業の会期中には、IGアリーナ(愛知国際アリーナ)のオープン、また国際芸術祭あいち2025の開幕も予定されている。そして、閉幕の1年後には、アジア・アジアパラ競技大会も控えている。愛知万博20周年記念事業では、各局が中心となって進めているビッグプロジェクトと連携して、相乗効果を高めていくとともに、アジア・アジアパラ競技大会の機運醸成にもつなげていきたい。
【委員】
STATION Aiとスタートアップについても答弁してもらった。ショーケースということで、特に若い世代をターゲットにすることも冒頭の答弁にあったが、これから起業しようという人々が本県を訪れて、技術力を感じてもらい、来秋オープン予定のSTATION Aiで、新たな起業を目指してもらえるような、一助になればと感じている。
また、EXPO2025大阪・関西万博との連携についても、今考えている内容を伺う。合わせて、来場者185万人を目指していく中で、国内はもちろん、国外からも多くの人々に来てもらうには、観光という側面からの考え方も必要であると思う。そこで、観光コンベンション局との連携に対する考え方を伺う。
【理事者】
EXPO2025大阪・関西万博との連携は、過去に国際博覧会を開催したつながりから、記念事業での連携も検討している。博覧会協会事務局に打診をしているが、現時点では、相手方から具体的な希望が示されていない状況である。引き続き、情報収集に努めながら、具体化に向けて調整を進めていく。
また、2025年はEXPO2025大阪・関西万博を目的とした訪日外国人をはじめ、国内外の往来が活発することが期待されている。同時に、記念事業の会場となる愛・地球博記念公園は、ジブリパーク全5エリアのオープンにより、さらに注目が増していくと思う。
こうした機会を捉えて、本県への誘客促進を図る観光コンベンション局と連携して、記念事業を通じて本県の魅力をしっかりPRしていきたい。
【委員】
予算に関する説明書第1款県税について伺う。
国の令和6年度税制改正において、4万円の定額減税を行うことが決まった。この定額減税の内訳は、所得税3万円と個人住民税1万円、合わせて4万円を定額減税すると聞くが、個人住民税には、本県の主要税目である個人県民税が含まれている。そのため、本県の税収にどのような影響があるかを聞きたいが、まず、個人住民税の定額減税の制度概要を伺う。
【理事者】
個人住民税の定額減税は、納税者及び配偶者を含めた扶養家族1人につき、令和6年度分の個人住民税1万円が減税されるものである。本県の主要税目である個人県民税は、市町村において、個人市町村民税に合わせて賦課徴収するものであるため、個人住民税1万円の定額減税のうち、名古屋市民は約2,000円、名古屋市以外の県民は4,000円が個人県民税として減税される。
なお、個人住民税が均等割のみの場合や、納税額が少なく、満額減税し切れない場合は、国の給付金により対応される仕組みとなっている。
【委員】
賦課徴収が県ではなく、市町村で行われること、政令市の名古屋市は、県分が2,000円、名古屋市以外は4,000円減税されること、納付額が満額に達していない人は給付という仕組みもあるとのことだが、令和6年度の本県の税収として、幾ら影響があるか。
【理事者】
令和6年度当初予算では、定額減税の対象となる納税者及び配偶者を含めた扶養家族の人数を基に積算した結果、185億円の減収を見込んでいる。
【委員】
減収分が185億円とのことであるが、この金額全てが本県の歳入として減るのか。国が打ち出した施策であるため、減収分を何らか補塡する仕組みがあるのか。
【理事者】
個人住民税の定額減税により生じた地方公共団体の減収は、全額国費により補塡されるため、本県の定額減税による減収見込額185億円と同額を地方特例交付金の中に見込んで計上している。
【委員】
減収となる185億円と同等の金額が、地方特例交付金という形で入っているとのことであり、国が進める定額減税が地方自治体の財政を圧迫することがないと確認できた。
【委員】
第51号議案愛知県証紙条例の一部改正について伺う。
今回の改正により、証紙に加えて、キャッシュレス決済による徴収が可能となるが、窓口での手数料徴収における証紙とキャッシュレス決済との併用について、各都道府県における現状と来年度に向けた動きを伺う。
【理事者】
各都道府県申請窓口での手数料徴収における証紙とキャッシュレス決済の併用の状況について、各都道府県へ聞き取り調査を実施し、本年度までに茨城県をはじめ、12道県において併用されていることが判明した。
加えて、新年度には新たに本県をはじめ、8県においても併用予定であり、その結果、来年度においては、20道県において、証紙とキャッシュレス決済が併用となる。
残りの27都府県のうちの20県は、これまでどおり証紙のみによる徴収に、また、その他の7都府県では、既に証紙が廃止され、現金またはキャッシュレスによる徴収となっている。
【委員】
来年度は20道県において併用となるとのことである。
そこでまず、本県の窓口でのキャッシュレス決済は、具体的にどのような手数料で導入されるのか伺う。
また、今後の手数料徴収事務について、会計局の考え方を伺う。
【理事者】
はじめに、窓口におけるキャッシュレス決済の導入についてである。
本年4月から、警察署などの窓口における自動車運転免許等手数料をはじめとする全ての警察手数料の徴収方法として、キャッシュレス決済が導入される。
また、一定頻度の徴収が見込まれる警察手数料以外の手数料は、来年1月以降、順次キャッシュレス決済を導入することとし、新年度、各窓口で使用するキャッシュレス決済端末を配備するための調達手続や、徴収した手数料の歳入処理をデジタル化するためのシステム改修など、導入に向けた諸準備を進めていく。
次に、今後の手数料徴収事務について、昭和39年に本県証紙条例が施行されて以来、約60年にわたり証紙によることを原則としてきたが、新年度からは証紙に加え、クレジットカード、交通系ICカードなどの電子マネー及びQRコードなどのコード決済といった多様な納付方法の中から選択してもらうことが可能となり、県民の利便性は大きく向上するものと考えている。
会計局では、新年度、キャッシュレス決済の導入が円滑にできるよう、手数料を所管する関係局はもとより、総務局DX推進室との連携も密にし、手数料徴収に関する実務面からしっかりとサポートをし、県民の手数料納付の利便性向上を確かなものにしていきたい。
【委員】
窓口での手数料徴収方法としてのキャッシュレス決済は、来年度、本県を含めて多くの都道府県で導入されるとのことである。
また、本県の場合、本年4月からの警察手数料を手始めとして、その他の手数料についても順次導入されるため、今、力強く答弁してもらったが、来年度は、まさに窓口キャッシュレス元年と銘打っても過言ではない。
答弁にもあったように、手数料徴収事務のキャッシュレス化が推進されることで、自動車運転免許の更新手続や各種許認可申請の手続のために県の窓口を訪れる申請者は、証紙を購入し、申請書に添付する手間を省くことができるようになる。
このように、県民の利便性向上という効果に大きな期待が寄せられるが、今後もこうした流れが途切れることのないよう、キャッシュレスの推進に当たっては、手数料徴収を含め、県の公金徴収を所管する会計局と行政のDXを推進する総務局が両輪となって、各局を先導支援しながら、引き続き力強く推し進めてほしい。
《請願関係》
なし
《一般質問》
【委員】
デジタル化・DX推進担当の配置について伺う。
本会議一般質問でも質問があったが、社会のデジタル技術の発展に伴い、社会情勢が大きく変化している。また、若年労働者の不足や多様化する行政の課題に対応していくため、人材の確保、育成を図るとともに、県行政におけるデジタル化・DX推進の取組を進め、業務の負担軽減や効率化を図る必要がある。
また、国では、各省庁がデジタル化のため構造改革や個別の施策に取り組むとともに、デジタル庁と関係省庁が連携して行政のデジタル化を推進していくなど、着実に成果を上げていると聞いている。
本県では、2020年12月に策定したあいちDX推進プラン2025において、四つの視点・柱を設定しており、その一つとして、県行政の効率化・DXの推進を掲げ、行政分野でのデジタル化を進めてきた。来年度は、昨年12月にまとめたあいちDX推進プラン後半の取組に基づき、県行政におけるデジタル化・DXを推進していくのだと思う。
これに合わせて、知事からも本会議で答弁があったように、来年度からは、県庁内のデジタル化・DX推進体制を強化し、各局等にデジタル化・DX推進担当を配置していくと聞いている。
こうした点を踏まえて、デジタル化・DX推進担当の配置について伺う。
来年度から、県庁内におけるデジタル化・DX推進体制を強化していくため、各局にデジタル化・DX推進担当を配置するとのことであるが、どこに何人配置していくのか、また、どのような職員を配置していくのか。
【理事者】
デジタル化・DX推進担当は、全体で51人配置する。
配置先だが、各局の主管課等に25人、全庁的なシステム等を所管している課に20人、さらに、これらの取りまとめや全体のマネジメントを行うため、総務課に1人、情報政策課に3人、DX推進室に2人の計51人となる。この51人のうち25人については、定数を増員していきたい。
また、このデジタル化・DX推進担当には、デジタルに関する知識を有する職員や情報処理スキルの高い職員など、20代から30代の若手職員を中心に、職種を問わず選任している。官民問わず、デジタル人材の需要が高まっており、デジタル人材の採用確保が難しくなっているため、内部人材を最大限に活用しながら、デジタル化・DXの取組を推進していきたい。
【委員】
次に、デジタル化・DX推進担当のうち、主管課やシステム所管課に配置する担当はどのような役割を担っていくのか。
【理事者】
主管課等に配置する担当は、局内の各課等の職員と共に、デジタルツールを活用して、所管する事務事業の改善を検討し、実行することや、全庁横断的に進めている行政手続のオンライン化、収納事務のキャッシュレス化などの取組について、所属する局等の取組の進行管理等に従事することを考えている。
また、システム所管所属に配置する担当は、来年度以降に改修等が予定されているシステムについて、新機能の追加や操作性の改良等を検討し、実行することで、業務の改善につなげていく。
【委員】
私もデジタルに疎いため、今の答弁を聞くと、ハードルが高そうだと感じる。配置される若手職員も、知識の差があると思うが、デジタル化・DX推進担当職員をどのように育成していくのか。
【理事者】
デジタル化・DX推進担当の育成だが、先ほどの人事課担当課長からの答弁にもあったように、デジタル技術に慣れ親しんだ世代である20代から30代を中心とする若手職員が配置される予定である。
各局等において、事務事業のデジタル化・DXを推進していくためには、幅広いデジタル技術、DXに係る知識と技能が必要と考えるため、人事局と協力して、デジタル化・DX推進担当に対する研修を実施していく。
まず、4月当初に、デジタル化・DX推進を担う担当としての意識づけや役割の説明を行う研修を、一堂に集めて開催する。また、DXの進め方などの基本的な研修のほか、膨大なデータの分析や可視化ができるビジネスインテリジェンスツール(BIツール)といったデジタルツールの技能習得の研修を、動画プログラムとして担当者に提供し、4月及び5月の間に受講してもらう予定である。
その後、6月以降、本格的に所属においてデジタル化・DX推進の取組を担っていくことになるが、取組を進めていく上では、高度で専門的な知識や技能が必要となる場合も想定される。
知識、技能の習得は、最新の技術や多様なスキル等の数多くの講座が用意されているオンライン学習サービスを利用できるようにすることで対応していく。
研修に加えて、各局等での具体の取組や全庁横断的に進める取組、システムの更新改修業務を行いながら、デジタル化・DX推進の経験を増やしていくことで、若手職員をデジタル化・DX推進担当としてリスキリングし、デジタル人材として育成していきたい。
【委員】
デジタル化・DX推進担当を各局に配置し、研修によりデジタル人材を育成していくとのことだが、成果を上げていくには、組織として進捗具合のチェックや、サポートしていく仕組みが必要かと思うがどうか。
【理事者】
県行政の業務のデジタル化・DXを一層進めていくには、その取組をデジタル化・DX推進担当だけでなく、組織全体で進めていく必要がある。
このため、今後、新体制がスタートしてから、各局等において実施する取組を組織として検討し、定め、共有して進めていく。
また、知事が本部長を務めるDX推進本部内に、デジタル化・DX推進担当を構成員とする愛知県庁デジタル化・DX推進チームを設置し、各局等の取組の進捗管理を行い、それぞれの取組の支援を行う予定としている。
このように、新しく配置するデジタル化・DX推進担当を中心として多くの職員が関与し、組織として取り組んでいく。
【委員】
若い職員をデジタル化・DX推進担当として配置していく中で、組織全体として責任を持ってDX推進を行っていくことが重要であり、担当として配置された人は、若手でこれから県を背負っていく職員であるため、しっかりとサポートして、成果を残す形で取り組んでほしい。
岡山県では、デジタル関係の国家資格を取得する職員を内部で育成するという記事を読んだことがあるが、こうした取組は、国家資格取得者が多く入庁することにつながると思う。このため、国家資格などにも目を向けながら、内部の人材育成を図ることで、新たな入庁者につなげて、庁内を新しい組織として生まれ変わらせてほしい。
( 委 員 会 )
日 時 令和6年3月18日(月) 午後0時59分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
辻 秀樹、おおたけりえ 正副委員長
水野富夫、伊藤辰夫、島倉 誠、石塚吾歩路、中根義高、藤原ひろき、
朝日将貴、天野正基、安井伸治、朝倉浩一 各委員
政策企画局長、企画調整部長、国際監、ジブリパーク推進監、
総務局長、総務部長、財務部長兼財政課長、
人事局長、人事管理監兼人事課長、
会計管理者兼会計局長、同次長、監査委員事務局長、同次長、
人事委員会事務局長、同次長兼職員課長、議会事務局長、同次長、
関係各課長等
委員会審査風景
<付託案件等>
○ 議 案
第 1 号 令和6年度愛知県一般会計予算
第1条(歳入歳出予算)の内
歳 入
歳 出
第1款 議会費
第2款 総務企画費の内
第1項 政策企画費
第2項 総務管理費
第3項 徴税費
第4項 市町村振興費
第5項 選挙費
第8項 監査委員費
第9項 人事委員会費
第11款 公債費
第12款 諸支出金
第13款 予備費
第3条(債務負担行為)の内
本庁舎始め4庁舎中央監視装置改修工事
三の丸庁舎中央監視装置改修工事
本庁舎衛生給排水設備改修工事
地方債証券の共同発行によって生じる連帯債務保証
第4条(県債)
第5条(一時借入金)
第6条(歳出予算の流用)
第 2 号 令和6年度愛知県公債管理特別会計予算
第 3 号 令和6年度愛知県証紙特別会計予算
第 22 号 愛知県局設置条例の一部改正について
第 23 号 愛知県港湾管理条例等の一部改正について
第 24 号 住民基本台帳法施行条例の一部改正について
第 25 号 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用に関する条例の一部改正について
第 26 号 愛知県手数料条例の一部改正について
第 27 号 愛知県県税条例の一部改正について
第 28 号 愛知県職員定数条例の一部改正について
第 29 号 職員の退職手当に関する条例等の一部改正について
第 30 号 職員の給与に関する条例の一部改正について
第 32 号 知事等の給与の特例に関する条例の一部改正について
第 51 号 愛知県証紙条例の一部改正について
第 68 号 包括外部監査契約の締結について
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第1号から第3号まで、第22号から第30号まで、第32号、第51号及び第68号
○ 請 願
第 48 号 「『消費税5%引き下げを求める意見書』採択を求める」について
第 49 号 「『インボイス制度実施中止を求める意見書』採択を求める」について
(結 果)
賛成者なしをもって不採択とすべきものと決した請願
第48号及び第49号
○ 閉会中継続調査申出案件
1 行財政について
2 国際交流の推進について
3 地域振興について
4 地域及び県行政の情報化の推進について
5 防災対策及び安全なまちづくりの推進について
6 政策企画局、総務局、人事局、防災安全局、会計局、選挙管理委員会、
監査委員及び人事委員会の行政運営について
<会議の概要>
1 開 会
2 議案審査(15件)
(1)理事者の説明
(2)質 疑
(3)採 決
3 請願審査(2件)
4 委員長報告の決定
5 2024年度の税制改正に伴う愛知県県税条例の一部改正についての説明
6 一般質問
7 閉会中継続調査申出案件の決定
8 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
【委員】
歳出第2款総務企画費、第4項市町村振興費、第2目自治振興費のうち、1(2)元気な愛知の市町村づくり補助金について伺う。
予算の参考資料によれば、県は昨年10月策定の愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略2023-2027に基づき、人口問題対策を加速するとのことである。本県の人口は、我が国の人口が2008年をピークに減少傾向に入ってからも引き続き増加し続けてきたが、2019年をピークに、その後は減少を続けている。愛知県人口動向調査結果(2023年年報)によると、2022年10月から2023年9月までの1年間では、40市町村で人口が減少しており、県内全域に人口減少地域が広がっている状況である。
本県では、昨年3月に愛知県人口問題対策本部を立ち上げ、県庁全体で人口問題に対する危機意識を共有し、連携強化を図っている。また、同時に、市町村連絡会議などを通じて、市町村との課題認識の共有を図ってきたと聞く。
人口問題対策は極めて差し迫った課題である一方で、地域の実情に即したきめ細かな対応が鍵を握っている。そうしたことから、いかに市町村の取組を後押しできるかがポイントになると思うため、今回計上されている元気な愛知の市町村づくりの補助金の拡充には大変期待している。
そこで、元気な愛知の市町村づくり補助金を拡充する趣旨を伺う。
【理事者】
元気な愛知の市町村づくり補助金を拡充する趣旨であるが、愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略2023-2027には、七つの基本目標が設定されており、それぞれの目標について、実現していくための具体的な施策、事業が示されている。
そのうち、基本目標6、活力ある地域づくりにおいては、愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略2023-2027を踏まえて、市町村が実施する取組を支援していくこととされている。これを踏まえて、元気な愛知の市町村づくり補助金を拡充し、人口問題対策事業分として1億5,000万円の枠を設け、市町村を支援することで、人口問題対策に取り組む市町村の積極的な取組を加速させ、県全体の人口問題対策を進めようとするものである。
【委員】
人口問題対策と一言で言っても、市町村においては、地域の状況に応じて創意工夫を凝らしながら様々な対策を講じていくとなると思うが、新しく拡充する人口問題対策枠においては、どのような事業を補助対象とするのか。
【理事者】
人口問題対策枠では、総合戦略を踏まえて市町村が行う人口問題対策事業を対象とすることとしている。
愛知県まち・ひと・しごと創生総合戦略2023-2027では、各市町村における取組事例として、地域の魅力の向上発信や、結婚、子育て等に対する支援、地域コミュニティーの活性化を目指す取組、地域の拠点を生かしたまちづくりの推進、地域経済の活性化といった、地域の実情に応じた様々な取組を示している。
市町村が元気な愛知の市町村づくり補助金を活用することで、こうした様々な取組を積極的に拡大、拡充してほしいと考えており、市町村が実施する人口問題対策に資する多様な事業を幅広く支援の対象とすることとしている。
【委員】
先ほど本県の人口動向を紹介したが、知多半島の5市5町も人口の動きは一様ではなく、常滑市、大府市は増えているが、半田市を含めたその他8市町村は減っており、特に南知多町の増減率はマイナス1.93パーセントと大きな減少となっている。
人口問題対策において、特に人口減少が著しい市町村に対する特別な措置はあるのか。
【理事者】
特に人口減少が著しい市町村に対する特別な措置について、補助金の補助率は、原則2分の1としているが、人口問題対策枠においては、人口問題の対応を重視して、新城設楽地域の市町村や、人口減少率が高い市町村は3分の2とする予定である。
人口減少率が高いという具体的な基準は、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法の人口要件を満たす市町村を考えており、具体的には、南知多町を加えることとなる。
【委員】
最後に要望するが、本県及び市町村にとって人口問題対策は喫緊の課題である。
本県では、人口問題対策として県主催の婚活パーティーなど、様々な事業を実施しているが、市町村が地域の活力を維持、回復することが元気な愛知の実現には欠かせないと思う。各市町村が、元気な愛知の市町村づくり補助金の趣旨を踏まえて有効に活用し、課題解決が図られるよう、市町村としっかりと連携してもらうよう期待する。
【委員】
愛知万博20周年記念事業について伺う。
2005年日本国際博覧会の愛・地球博から、来年度は20周年を迎える年となるにあたり、今回の予算の中で、来年度、再来年度の2か年度分で約17億円の予算を計上している。
期間は、2025年3月25日から同年9月25日までの185日間で、来園者の目標を185万人とした事業展開だと聞いている。
ジブリパークのオープニングセレモニーの知事挨拶の中でも、10年前は花を中心に、全国都市緑化あいちフェアという形で、スタジオジブリの展示会も実施しながら記念事業を展開したが、それもきっかけとなり、今回再び万博から20周年の記念事業を展開していくとの話があった。
愛知万博20周年記念事業は、愛・地球博からこれまでのレガシーとこれからの愛知を見せる場であると聞いており、本県の魅力を発信する絶好の機会である。
そこで、誰をターゲットにした事業展開となっているのか伺う。
【理事者】
今回の記念事業では、基本計画において、メインテーマを、「つなぐ 未来(あした)へ」としている。メインテーマには、2005年の愛知万博の会場であり、今月ジブリパークの全5エリアが開園し、にぎわいが増す愛・地球博記念公園において、国内外からの来園者に愛知の多彩な魅力を発信することで、愛知を知り、好きになってもらうことを目的に、様々な人が集う、つながりの場を創出していくという思いが込められている。
また、愛知万博から20年が経過し、愛知万博を知らない世代が増える中で、記念事業を通して改めて愛知万博を振り返るとともに、万博後も受け継がれている意義や成果を再認識してもらうことで、未来を担う若者たちにつなげていきたい。
こうしたことから、記念事業では、185日間という長い会期の中で、メインテーマに沿った形でイベントを展開するとともに、特に万博を経験していない若い世代にターゲットを置いていきたい。
【委員】
ターゲット層は、特に万博を経験していない若い世代にとの答弁であるが、今後の事業展開について、今週、記念事業の実行委員会の総会が開催されると聞いているが、今現在、具体的に決まっている内容を伺う。
【理事者】
愛知の魅力の発信と、愛知万博の理念や成果の継承という大きな目的の下、愛知万博のテーマであった、地球環境や国際交流などはもとより、愛知万博で国内外に発信した日本の産業や伝統文化を踏まえ、月ごとにテーマを決めてイベントを展開していきたい。
記念事業の開幕となる3月、4月には、本県が日本一の産出額を誇る花をテーマとした日本最大級の花のマルシェを開催する。
5月には、ドローンや飛行モビリティなどの先端技術に触れるイベントのほか、県内市町村などと、歴史、食、自然、産業など、各地の魅力を発信するイベントを開催する。
6月、7月には、愛知万博のレガシーとして受け継がれている、環境や国際交流をテーマとして、企業や団体と協力し、課題に対する取組の紹介や、遊びながら学べるようなイベントを展開する。
8月は、県内の大学の学生たちに参画してもらい、愛知万博のテーマであった自然の叡智について、大学生自らが考え発信する、若者主導によるイベントを長期にわたって展開するほか、大人から子供まで楽しみながら自然に触れ、学べるイベントなども開催する。
閉幕となる9月は、芸術をテーマとして、映像技術を競い合うイベントを中心に、障害者アートや、廃品を利用した楽器の演奏などを行うイベントを開催するほか、同時期にスタートする国際芸術祭あいち2025とも連携したイベントを展開する。
いずれにしても、愛知の魅力の発信と万博の理念の成果の継承という共通のテーマの下でイベントを展開することで、長期間の記念事業ではあるが、伝えたいこと、残していきたいものを明確にして取り組んでいきたい。
【委員】
これからの愛知県や、時代の大きな流れに対して、高いアンテナを立てながら情報収集を行い、世の中の流れをしっかりと把握することが必要である。
来年4月から10月にEXPO2025大阪・関西万博が開催され、世界中から日本に人が集まることは、本県にとっても大きなチャンスである。そして、2026年10月には、第5回アジアパラ競技大会が本県で開催予定である。技術革新が進む中、ICTの進展では、ドローンや自動運転、空飛ぶ車など、新技術の状況も著しい。自由民主党愛知県議員団の研修会において、株式会社SkyDrive社長の講演を聞いたが、ICTの進展にも注目する必要があり、航空宇宙産業の展開という中での衛星の活用、農業等もデジタル化が進み、GPSの情報を活用しながら、自動運転が進められている状況があること、人工知能チャットGPTの活用も進んでいる。
こうした大きな流れを踏まえて、愛知万博20周年記念事業が開催されるタイミングを、本県にとって、国内はもちろん、海外からこの地域に訪れる人々に対する、一つのショーケースになれる取組であること、また、その意識づけが重要であると思っている。
何を伝えたいのか、何を成果としたいのか、どの部分を柱とするのかを考えていくことが重要であると思っている。その辺りの考え方を伺う。
【理事者】
ショーケースに関して、本事業の中で、万博当初を振り返りながらも、最先端の自動車関連技術、ドローンや飛行モビリティ、人の生活の役に立つロボットの展示、体験などができるイベントを開催することで、本県が誇る高い技術力を多くの人々に発信していきたい。日本をリードする本県のモノづくり産業の魅力を多くの人に知ってもらい、体験してもらうことで、スタートアップを含めた産業の担い手の持続的な確保、育成につなげていきたい。
また、時代の大きな流れもあり、本県としても、今後ビッグプロジェクトが展開されていく。愛知万博20周年記念事業では、愛知万博の理念と成果を次世代へ継承し、愛・地球博記念公園の魅力と価値を一層高めるために整備されたジブリパークと一緒に盛り上げを図ることはもちろん、今秋オープンする
STATION Aiと連携を図り、スタートアップの取組も発信していきたい。
同時に、愛知万博20周年記念事業の会期中には、IGアリーナ(愛知国際アリーナ)のオープン、また国際芸術祭あいち2025の開幕も予定されている。そして、閉幕の1年後には、アジア・アジアパラ競技大会も控えている。愛知万博20周年記念事業では、各局が中心となって進めているビッグプロジェクトと連携して、相乗効果を高めていくとともに、アジア・アジアパラ競技大会の機運醸成にもつなげていきたい。
【委員】
STATION Aiとスタートアップについても答弁してもらった。ショーケースということで、特に若い世代をターゲットにすることも冒頭の答弁にあったが、これから起業しようという人々が本県を訪れて、技術力を感じてもらい、来秋オープン予定のSTATION Aiで、新たな起業を目指してもらえるような、一助になればと感じている。
また、EXPO2025大阪・関西万博との連携についても、今考えている内容を伺う。合わせて、来場者185万人を目指していく中で、国内はもちろん、国外からも多くの人々に来てもらうには、観光という側面からの考え方も必要であると思う。そこで、観光コンベンション局との連携に対する考え方を伺う。
【理事者】
EXPO2025大阪・関西万博との連携は、過去に国際博覧会を開催したつながりから、記念事業での連携も検討している。博覧会協会事務局に打診をしているが、現時点では、相手方から具体的な希望が示されていない状況である。引き続き、情報収集に努めながら、具体化に向けて調整を進めていく。
また、2025年はEXPO2025大阪・関西万博を目的とした訪日外国人をはじめ、国内外の往来が活発することが期待されている。同時に、記念事業の会場となる愛・地球博記念公園は、ジブリパーク全5エリアのオープンにより、さらに注目が増していくと思う。
こうした機会を捉えて、本県への誘客促進を図る観光コンベンション局と連携して、記念事業を通じて本県の魅力をしっかりPRしていきたい。
【委員】
予算に関する説明書第1款県税について伺う。
国の令和6年度税制改正において、4万円の定額減税を行うことが決まった。この定額減税の内訳は、所得税3万円と個人住民税1万円、合わせて4万円を定額減税すると聞くが、個人住民税には、本県の主要税目である個人県民税が含まれている。そのため、本県の税収にどのような影響があるかを聞きたいが、まず、個人住民税の定額減税の制度概要を伺う。
【理事者】
個人住民税の定額減税は、納税者及び配偶者を含めた扶養家族1人につき、令和6年度分の個人住民税1万円が減税されるものである。本県の主要税目である個人県民税は、市町村において、個人市町村民税に合わせて賦課徴収するものであるため、個人住民税1万円の定額減税のうち、名古屋市民は約2,000円、名古屋市以外の県民は4,000円が個人県民税として減税される。
なお、個人住民税が均等割のみの場合や、納税額が少なく、満額減税し切れない場合は、国の給付金により対応される仕組みとなっている。
【委員】
賦課徴収が県ではなく、市町村で行われること、政令市の名古屋市は、県分が2,000円、名古屋市以外は4,000円減税されること、納付額が満額に達していない人は給付という仕組みもあるとのことだが、令和6年度の本県の税収として、幾ら影響があるか。
【理事者】
令和6年度当初予算では、定額減税の対象となる納税者及び配偶者を含めた扶養家族の人数を基に積算した結果、185億円の減収を見込んでいる。
【委員】
減収分が185億円とのことであるが、この金額全てが本県の歳入として減るのか。国が打ち出した施策であるため、減収分を何らか補塡する仕組みがあるのか。
【理事者】
個人住民税の定額減税により生じた地方公共団体の減収は、全額国費により補塡されるため、本県の定額減税による減収見込額185億円と同額を地方特例交付金の中に見込んで計上している。
【委員】
減収となる185億円と同等の金額が、地方特例交付金という形で入っているとのことであり、国が進める定額減税が地方自治体の財政を圧迫することがないと確認できた。
【委員】
第51号議案愛知県証紙条例の一部改正について伺う。
今回の改正により、証紙に加えて、キャッシュレス決済による徴収が可能となるが、窓口での手数料徴収における証紙とキャッシュレス決済との併用について、各都道府県における現状と来年度に向けた動きを伺う。
【理事者】
各都道府県申請窓口での手数料徴収における証紙とキャッシュレス決済の併用の状況について、各都道府県へ聞き取り調査を実施し、本年度までに茨城県をはじめ、12道県において併用されていることが判明した。
加えて、新年度には新たに本県をはじめ、8県においても併用予定であり、その結果、来年度においては、20道県において、証紙とキャッシュレス決済が併用となる。
残りの27都府県のうちの20県は、これまでどおり証紙のみによる徴収に、また、その他の7都府県では、既に証紙が廃止され、現金またはキャッシュレスによる徴収となっている。
【委員】
来年度は20道県において併用となるとのことである。
そこでまず、本県の窓口でのキャッシュレス決済は、具体的にどのような手数料で導入されるのか伺う。
また、今後の手数料徴収事務について、会計局の考え方を伺う。
【理事者】
はじめに、窓口におけるキャッシュレス決済の導入についてである。
本年4月から、警察署などの窓口における自動車運転免許等手数料をはじめとする全ての警察手数料の徴収方法として、キャッシュレス決済が導入される。
また、一定頻度の徴収が見込まれる警察手数料以外の手数料は、来年1月以降、順次キャッシュレス決済を導入することとし、新年度、各窓口で使用するキャッシュレス決済端末を配備するための調達手続や、徴収した手数料の歳入処理をデジタル化するためのシステム改修など、導入に向けた諸準備を進めていく。
次に、今後の手数料徴収事務について、昭和39年に本県証紙条例が施行されて以来、約60年にわたり証紙によることを原則としてきたが、新年度からは証紙に加え、クレジットカード、交通系ICカードなどの電子マネー及びQRコードなどのコード決済といった多様な納付方法の中から選択してもらうことが可能となり、県民の利便性は大きく向上するものと考えている。
会計局では、新年度、キャッシュレス決済の導入が円滑にできるよう、手数料を所管する関係局はもとより、総務局DX推進室との連携も密にし、手数料徴収に関する実務面からしっかりとサポートをし、県民の手数料納付の利便性向上を確かなものにしていきたい。
【委員】
窓口での手数料徴収方法としてのキャッシュレス決済は、来年度、本県を含めて多くの都道府県で導入されるとのことである。
また、本県の場合、本年4月からの警察手数料を手始めとして、その他の手数料についても順次導入されるため、今、力強く答弁してもらったが、来年度は、まさに窓口キャッシュレス元年と銘打っても過言ではない。
答弁にもあったように、手数料徴収事務のキャッシュレス化が推進されることで、自動車運転免許の更新手続や各種許認可申請の手続のために県の窓口を訪れる申請者は、証紙を購入し、申請書に添付する手間を省くことができるようになる。
このように、県民の利便性向上という効果に大きな期待が寄せられるが、今後もこうした流れが途切れることのないよう、キャッシュレスの推進に当たっては、手数料徴収を含め、県の公金徴収を所管する会計局と行政のDXを推進する総務局が両輪となって、各局を先導支援しながら、引き続き力強く推し進めてほしい。
《請願関係》
なし
《一般質問》
【委員】
デジタル化・DX推進担当の配置について伺う。
本会議一般質問でも質問があったが、社会のデジタル技術の発展に伴い、社会情勢が大きく変化している。また、若年労働者の不足や多様化する行政の課題に対応していくため、人材の確保、育成を図るとともに、県行政におけるデジタル化・DX推進の取組を進め、業務の負担軽減や効率化を図る必要がある。
また、国では、各省庁がデジタル化のため構造改革や個別の施策に取り組むとともに、デジタル庁と関係省庁が連携して行政のデジタル化を推進していくなど、着実に成果を上げていると聞いている。
本県では、2020年12月に策定したあいちDX推進プラン2025において、四つの視点・柱を設定しており、その一つとして、県行政の効率化・DXの推進を掲げ、行政分野でのデジタル化を進めてきた。来年度は、昨年12月にまとめたあいちDX推進プラン後半の取組に基づき、県行政におけるデジタル化・DXを推進していくのだと思う。
これに合わせて、知事からも本会議で答弁があったように、来年度からは、県庁内のデジタル化・DX推進体制を強化し、各局等にデジタル化・DX推進担当を配置していくと聞いている。
こうした点を踏まえて、デジタル化・DX推進担当の配置について伺う。
来年度から、県庁内におけるデジタル化・DX推進体制を強化していくため、各局にデジタル化・DX推進担当を配置するとのことであるが、どこに何人配置していくのか、また、どのような職員を配置していくのか。
【理事者】
デジタル化・DX推進担当は、全体で51人配置する。
配置先だが、各局の主管課等に25人、全庁的なシステム等を所管している課に20人、さらに、これらの取りまとめや全体のマネジメントを行うため、総務課に1人、情報政策課に3人、DX推進室に2人の計51人となる。この51人のうち25人については、定数を増員していきたい。
また、このデジタル化・DX推進担当には、デジタルに関する知識を有する職員や情報処理スキルの高い職員など、20代から30代の若手職員を中心に、職種を問わず選任している。官民問わず、デジタル人材の需要が高まっており、デジタル人材の採用確保が難しくなっているため、内部人材を最大限に活用しながら、デジタル化・DXの取組を推進していきたい。
【委員】
次に、デジタル化・DX推進担当のうち、主管課やシステム所管課に配置する担当はどのような役割を担っていくのか。
【理事者】
主管課等に配置する担当は、局内の各課等の職員と共に、デジタルツールを活用して、所管する事務事業の改善を検討し、実行することや、全庁横断的に進めている行政手続のオンライン化、収納事務のキャッシュレス化などの取組について、所属する局等の取組の進行管理等に従事することを考えている。
また、システム所管所属に配置する担当は、来年度以降に改修等が予定されているシステムについて、新機能の追加や操作性の改良等を検討し、実行することで、業務の改善につなげていく。
【委員】
私もデジタルに疎いため、今の答弁を聞くと、ハードルが高そうだと感じる。配置される若手職員も、知識の差があると思うが、デジタル化・DX推進担当職員をどのように育成していくのか。
【理事者】
デジタル化・DX推進担当の育成だが、先ほどの人事課担当課長からの答弁にもあったように、デジタル技術に慣れ親しんだ世代である20代から30代を中心とする若手職員が配置される予定である。
各局等において、事務事業のデジタル化・DXを推進していくためには、幅広いデジタル技術、DXに係る知識と技能が必要と考えるため、人事局と協力して、デジタル化・DX推進担当に対する研修を実施していく。
まず、4月当初に、デジタル化・DX推進を担う担当としての意識づけや役割の説明を行う研修を、一堂に集めて開催する。また、DXの進め方などの基本的な研修のほか、膨大なデータの分析や可視化ができるビジネスインテリジェンスツール(BIツール)といったデジタルツールの技能習得の研修を、動画プログラムとして担当者に提供し、4月及び5月の間に受講してもらう予定である。
その後、6月以降、本格的に所属においてデジタル化・DX推進の取組を担っていくことになるが、取組を進めていく上では、高度で専門的な知識や技能が必要となる場合も想定される。
知識、技能の習得は、最新の技術や多様なスキル等の数多くの講座が用意されているオンライン学習サービスを利用できるようにすることで対応していく。
研修に加えて、各局等での具体の取組や全庁横断的に進める取組、システムの更新改修業務を行いながら、デジタル化・DX推進の経験を増やしていくことで、若手職員をデジタル化・DX推進担当としてリスキリングし、デジタル人材として育成していきたい。
【委員】
デジタル化・DX推進担当を各局に配置し、研修によりデジタル人材を育成していくとのことだが、成果を上げていくには、組織として進捗具合のチェックや、サポートしていく仕組みが必要かと思うがどうか。
【理事者】
県行政の業務のデジタル化・DXを一層進めていくには、その取組をデジタル化・DX推進担当だけでなく、組織全体で進めていく必要がある。
このため、今後、新体制がスタートしてから、各局等において実施する取組を組織として検討し、定め、共有して進めていく。
また、知事が本部長を務めるDX推進本部内に、デジタル化・DX推進担当を構成員とする愛知県庁デジタル化・DX推進チームを設置し、各局等の取組の進捗管理を行い、それぞれの取組の支援を行う予定としている。
このように、新しく配置するデジタル化・DX推進担当を中心として多くの職員が関与し、組織として取り組んでいく。
【委員】
若い職員をデジタル化・DX推進担当として配置していく中で、組織全体として責任を持ってDX推進を行っていくことが重要であり、担当として配置された人は、若手でこれから県を背負っていく職員であるため、しっかりとサポートして、成果を残す形で取り組んでほしい。
岡山県では、デジタル関係の国家資格を取得する職員を内部で育成するという記事を読んだことがあるが、こうした取組は、国家資格取得者が多く入庁することにつながると思う。このため、国家資格などにも目を向けながら、内部の人材育成を図ることで、新たな入庁者につなげて、庁内を新しい組織として生まれ変わらせてほしい。