委員会情報
委員会審査状況
総務企画委員会
( 委 員 会 )
日 時 令和6年6月26日(水) 午後0時58分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
今井隆喜、日高 章 正副委員長
水野富夫、高桑敏直、辻 秀樹、杉江繁樹、杉浦正和、富田昭雄、
日比たけまさ、福田喜夫、島 孝則、木藤俊郎 各委員
防災安全局長、防災部長、県民安全監、関係各課長等
<付託案件等>
〇 議 案
第103号 令和6年度愛知県一般会計補正予算(第2号)
第1条(歳入歳出予算の補正)の内
歳 出
第2款 総務企画費
第117号 工事請負契約の締結について(次世代高度情報通信ネットワーク整備工事)
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第103号及び第117号
<会議の概要>
1 開 会
2 議案審査(2件)
3 一般質問
4 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
【委員】
基幹的広域防災拠点の整備・運営手法は、これまでBTコンセッション方式により進めることとされてきたと認識している。これまで、実施方針の公表、公告を経てきたわけだが、本年3月29日に入札結果が不落となった。不落になった要因をどのように分析しているか。
【理事者】
今回の不落の要因は、予定価格の範囲内に至らなかったためである。
防災拠点の早期整備に向け、現在の市場環境を調査し、事業者の幅広い参画による、競争性を確保できる事業手法や単位を検討するため、民間事業者に幅広くヒアリングを実施した結果、建築資材価格が高止まりしていることに加え、電気、通信、空調設備を担う事業者の不足や、2024年問題による慢性的な人手不足が生じ、価格上昇と建設工期に影響が生じていることが判明した。
今回の入札では、そのような要因が働いたものと分析している。
【委員】
建築資材の価格の高止まりや電気、通信、空調設備を担う事業者の不足、人手不足といった要因はある程度予想できたのではないか。
また、これまでの基幹的広域防災拠点の整備手法は、民間の知恵、ノウハウを最大限に取り入れるため、BTコンセッション方式を導入するとしてきたが、今回は、BTコンセッション方式ではなく、BTO方式で整備するとのことである。この違いは具体的に何か。また、BTO方式を採用するに至った経緯を伺う。
【理事者】
BTコンセッション方式は、事業者に施設の運営権を設定し、民間のノウハウを最大限に活用し、自由度の高い収益事業が可能である。
一方、BTO方式は、施工例も多く、より多くの事業者の参加による競争性の確保が期待できること、設計・建設から運営、維持管理までを民間ノウハウを活用して一体的に行うことで、安定的な運営や事業コストの削減が期待できること、さらに設計・施工期間の点において、従来の公共発注と比べ、発注の都度の手続が不要となり、期間を圧縮でき、可能な限り早期の整備につなげることが可能となる点から、BTO方式を採用する。
【委員】
いつ発生するか分からない大災害に対応するため、極めて早期に防災拠点を整備する目的でBTO方式での整備としたことは、ある程度理解できる。
また、今回の防災拠点の整備では事業単位を二つに分けている。その理由を伺う。
【理事者】
事業者ヒアリングの結果、2024年問題に起因する人手不足や、設備を担う事業者も他事業に人手が取られているといった市場の環境から、早期に事業を実現するためには事業規模を小さくすることが適当であり、第1期と第2期に分けて進めることとした。
【委員】
事業を二つに分けることで事業規模自体が小さくなるため、企業が参入しやすくなる可能性は高いと感じる。
消防学校の整備と防災公園の整備についても事業単位を二つに分けているが、消防学校を第1期に整備することとした理由を伺う。
【理事者】
消防学校は、県内消防の教育施設であり、災害時には災害対応業務を統括する指揮運用本部としての機能を果たす拠点の中核施設となることから、消防学校を第1期とした。
【委員】
BTO方式は、BTコンセッション方式よりも適していると私自身も考えている。
しかし、消防学校は教育機関であるため、その性質上、BTO方式のOの部分、民間事業者による施設運営が適さない側面もあると思うが、今回、整備予定の消防学校では具体的にどのような施設運営を行うのか。
【理事者】
現在の消防学校では、電気工作物の保安管理業務や清掃業務、学生等のリネン交換業務などを個別に事業者に発注している。
また、食堂業務は、行政財産の使用許可で対応している。
BTO方式のOの施設運営では、これらの業務に加え、建物等の保守管理や保安警備等を包括した業務内容を予定している。
なお、カリキュラムに基づく消防学校の運営や、必要な訓練資機材の設備調達、更新は県が主体で行う。
【委員】
当初の整備スケジュールは2027年4月供用開始とされていたが、今回提示されたスケジュールでは、2028年度内に完成となっているが、供用開始はいつ頃か。2029年春くらいかと推察するが、結果として、2年程度スケジュールが延びることとなる。スケジュールが2年延びることの具体的な理由について伺う。
【理事者】
再度の入札を行うため、その手続に約1年を要する。
それに加え、今回、事業手法及び事業単位を見直したことで、その準備期間として8か月必要であると考えており、落札者決定までに1年8か月の期間が必要となる。
さらに、落札後の設計・建設期間として、これまで33か月を見込んでいたが、現在の人手不足などの市場環境を踏まえ、十分な工期を確保するため3か月を加え、設計・建設期間として約3年が必要との判断に至った。
結果、1年8か月と3か月で1年11か月となり、おおむね2年延びることとなる。
【委員】
昨今の様々な状況から、余裕を持った整備スケジュールとしたと理解した。
また、いつ発生するか分からない大災害においては、第1期の消防学校、第2期の防災公園を可能な限り同時進行で整備すべきだと考えるが、防災公園は今後どのように整備を進めるのか。
【理事者】
第2期の防災公園の整備に向け、引き続き民間事業者へのヒアリングを継続し、市場環境を踏まえた適切な事業手法を選択できるよう、迅速に作業を進める。
【委員】
迅速に作業を進めるという答弁だが、恐らく整備スケジュールもまだ決まってないと思う。整備スケジュールの決定は、様々な事業者へのヒアリング次第ということで理解した。今後も迅速かつ的確な作業を進めてもらいたい。
最後に、今回の補正予算の中に盛り込まれている、アドバイザリー契約の内容について伺う。
【理事者】
PFI事業者の選定手続を進めるに当たり、事業費の検証やマーケットサウンディングの実施、公募手続に必要となる資料作成についての支援を委託するものである。
【委員】
前回もアドバイザリー契約を締結したが、今回の入札結果で不落となったことを反省してもらい、市場予測の確度の向上、柔軟な対応、この二点を心掛けてもらいながら公募するよう要望する。
【委員】
アドバイザリー契約の内容について、過去2回、既にアドバイザリー契約を締結し、十分なマーケットサウンディングを行ってきたと認識している。
今回の不落を受け、消防学校の整備を先行着手するとあるが、過去2回のアドバイザリー契約に基づき、十分なマーケットサウンディングを行い、必要となる事業費、施設の配置、そして消防学校に必要な施設などは、既に十分な調査が行われてきたと思う。なぜアドバイザリー契約が改めて必要なのか。
【理事者】
過去2回のアドバイザリー契約では、要求水準書など、公募手続に必要な資料の作成支援業務を委託してきた。
今回のアドバイザリー契約では、事業費の検証、マーケットサウンディング、公募手続に必要な資料の作成支援業務を委託する。
事業費の検証では、これまでのアドバイザリー業務で得られた積算を基礎として活用しながら、その後の物価や人件費の動向を分析するなど、厳しい市場環境における価格動向について検証する。
マーケットサウンディングでは、これまでのアドバイザリー業務で蓄積した事業者のノウハウに関する知見を生かしながら、事業単位や事業手法の変更を踏まえた意見交換を行う。
公募手続に必要な資料作成では、これまでのアドバイザリー業務で作成した要求水準書等の関係部分を切り分け、BTO方式による発注に向け、より詳細な要求水準書として整理する。
【委員】
アドバイザリー契約が改めて必要という答弁だったが、過去2回のアドバイザリー契約におけるマーケットサウンディングにおいても、答弁にあった厳しい市場環境、物価高騰や人手不足の部分は、ある程度予測できたと思う。
これまでの入札が落札という結果であれば、本来、今回のアドバイザリー契約は必要ないものであったはずだが、過去2回のアドバイザリー契約の瑕疵の有無について県の見解を伺う。
【理事者】
委員の指摘のとおり、仮に入札が成立していれば、現在審議中のアドバイザリー契約の補正予算は必要ではなかったため、入札不落という結果を重く受け止めている。
過去の入札不調、不落の原因を入札公告までに分析を行ったが、設定した価格や工期などの発注内容が、その後の市場環境を踏まえた事業者の見通しと異なった結果であると考えている。
他の団体においても、2022年3月と12月の名古屋国際会議場整備運営事業をはじめ、同時期に公告を行い、不落や不調となったものがあり、市場環境の見通しが当初の予測より厳しかったことの現れではないか。
こうしたことから、昨年度までの2回のアドバイザリー契約の内容に瑕疵はなかった。
【委員】
他の事業においても、こうした急激な市場環境の変化において不調や不落があったとのことだが、アドバイザリー契約の受託事業者に瑕疵がないのであれば、発注者の県に瑕疵があったのではないか、要するに見通しが足りなかった、見通しがあまりにも甘かったのではないかという指摘が出てくると思う。1回目のアドバイザリー契約では約9,500万円、2回目の契約では約3,000万円の県の予算を使っており、今回も約1,800万円の予算であるが、次回の公募入札での失敗は許されない。
委員から指摘があったが、災害はいつ発生するか分からない。したがって、県民の命を守るための事業である防災拠点整備事業は、本来遅れがあってはならないが、過去2回の入札の不調、不落という結果を県はどのように受け止めているのか伺う。
【理事者】
基幹的広域防災拠点の整備は、県民の生命、財産に関わる大変重要な事業であり、不落の結果を重く受け止めている。
このため、基幹的広域防災拠点の早期整備に向けて、事業者の幅広い参画を促し、競争性を確保できる事業手法及び事業単位を検討するため、民間事業者に幅広くヒアリングを実施し、今回の6月議会での提案に至った。
【委員】
過去2回の不調、不落について、県も重く受け止めていると認識した。これからの整備が遅れることのないよう、しっかり事業を進めなければならないが、今回のアドバイザリー契約に当たり、BTコンセッション方式からBTO方式に変更するとのことだが、昨年10月12日の総務企画委員会において、理事者の答弁で、仮に入札不調となった場合には、事業手法について改めて検討していくという発言があった。
前回は、入札不調ではなく、入札不落であるが、PFI方式ありきではなく、県の直轄事業として、県が主体性を持って整備する手法も検討すべきだと思うが、そのような検討がこれまで行われていたのか。また、今回導入するBTO方式以外の手法は検討したのか。さらに、今後の事業手法の変更の可能性について、県の見解を伺う。
【理事者】
事業手法の検討に当たり、設計、施工から運営、維持管理までを見据え、民間のノウハウを活用し、一体的に行うことで、安定的な運用や事業コストの削減が期待できる点、さらに、従来の公共発注と比べて、発注の都度の手続や期間が不要になることで、可能な限り早期の整備につなげることが可能という点から、様々な整備手法を比べ、事業者から幅広く参画を促し、競争性を確保でき、施工例が多いBTO方式を採用していくこととした。
【委員】
昨年度3月15日の総務企画委員会における理事者答弁では、PFI事業者による運営について、中略、特に消防学校については、訓練が消防学校の使命であり、その核となるために消防職員の養成、訓練をしていくためのカリキュラムに基づく学校教育及び教育を施すために必要な資機材については、県と名古屋市が責任を持って計画的に整備し、その後の老朽化、あるいは時代の趨勢に沿った更新を進めていき、PFI事業者に安易に依存するのではなく、県が主体的に把握して進めていけるように考えるという県の考えを確認した。
また、昨年度の総務企画委員会の県外調査において、BTO方式で整備された宮城県の消防学校の視察、調査を行った際、BTO方式の課題として、施設の更新や必要な資機材は、県と民間施工者、PFI事業者と、協議の場を持って決めていくが、県と民間事業者で折り合えない部分も多々あると聞いている。消防学校の本質は消防職員と消防団員の教育だと思うが、BTO方式を採用しても、十分に県が主体性を持って消防学校の運営に取り組んでいけるのか。
【理事者】
消防学校は、県民を守るための教育訓練が核である。そして、それが消防の使命であると承知している。
また、宮城県の消防学校は、自分も視察し、開校して10年を超えているが、事業者と折り合えない部分もあったという話は聞いている。
我々としても、それらの教訓を踏まえ、これから資機材、訓練資機材等の更新については、教育に当たる教官と十分に協議し、計画的に準備していく。
【委員】
議会と同様、宮城県の消防学校に赴き、その課題について認識した上で、今後その点はしっかり対応していく考え方であろうかと思う。
また、今回の議案は、消防学校の先行着手となっており、消防学校は本県の基幹的広域防災拠点の核となる事業ではあるが、全体の機能をしっかり確保しながら整備しなければならないと思う。
昨年度3月15日の総務企画委員会において、基幹的広域防災拠点事業の見える化のため、平時の場合、災害時の場合で、それぞれの役割、整備の目指すべき姿を明確にしたが、消防学校、防災公園の事業単位が分離されることにより、基幹的広域防災拠点の全体の機能に変更はないのか。
【理事者】
平常時に、消防学校では、消防職員や消防団員への教育訓練のほか、広く防災教育、人材育成を実施し、公園では、運動施設のほか、イベントの開催や、地域のにぎわいを創出する。
災害時に、消防学校は、拠点の指揮運用本部機能を担う中核施設となり、また緊急消防援助隊のベースキャンプ用地となる。
また、公園は、自衛隊や警察などのベースキャンプ用地や、支援物資の受入れ、県内全域への供給に必要な物資ターミナルを設けることにより、県内全域への災害応急活動を後方支援する拠点となる。
今回の事業手法や事業単位の見直しにより、そうした拠点の機能に変更はない。
また、全体の事業規模が19.2ヘクタールであることや、レイアウトも変更はない。
【委員】
基幹的防災拠点の機能に変更がないことを確認した。
基幹的防災拠点は、大規模災害が発生した際に、全国から応援人員、応援物資を集約し、県内の被災各地域に応援人員、応援物資を確実に迅速に届けることが重要な機能である。また、消防学校の整備により、応援人員、自衛隊、警察などの各地からの応援人員の宿泊する場所が整うことになるが、物資の受入れと物資の輸送が課題となる。
昨年度の総務企画委員会の県外調査で岩手県に赴き、ツガワ未来館アピオを施設調査したが、岩手県トラック協会と岩手県が連携した支援物資の受入れ、搬送体制を整備した岩手方式は全国からも注目されており、我々も大変参考になったが、ツガワ未来館アピオのような屋内の施設、屋内運動施設や屋内展示場など、アリーナのような施設がない限りは、物資を受入れ、被災各地に運ぶ拠点がないことになる。そのため、迅速に物資を受け入れ、物資を各被災地に届けるのであれば、本来、屋内運動施設等の整備は第1期で先行着手すべきと考えるが、それに対する県の考えを伺う。
【理事者】
現在の市場環境を踏まえ、早期に事業を実現するためには、合理的な範囲で事業規模を小さくすることが適当であり、第1期、第2期に分けて進めることとした。その際、消防学校は、県内消防の教育施設であり、災害時には災害対応業務を統括する指揮運用本部としての機能を果たす拠点の中核施設であることから、先行して整備を実施していくこととした。
本県としては、防災拠点としての機能を発揮するために、第1期の消防学校のみならず、拠点全体としての早期整備が必要であると考えている。
このため、第2期の防災公園についても、引き続き民間事業者のヒアリングを継続し、適切な事業手法を選択できるよう、迅速に作業を進めていく。
【委員】
第2期の防災拠点の整備を迅速に進めるとのことだが、具体的な整備時期を伺う。
【理事者】
現在、明確な時期は回答できないが、早期整備に向けて作業を進めていく。
【委員】
防災拠点が機能を果たすためには、拠点全体が十分に整備されなければ機能を果たすことができないため、可能な限り早期の事業着手を検討してもらいたい。
防災公園部分の南側に、平時はアリーナ及びにぎわい施設に、災害時は避難場所の拠点になる施設の整備が、現在、豊山町で検討されている。事業単位を分けることにより、県が整備する防災公園と豊山町が整備する施設との一体的な利用を意識した整備が重要となる。そのため、豊山町との事業の連携を今後どのように図っていくのか伺う。
【理事者】
豊山町事業として、防災公園部分の南側にアリーナ及びにぎわい施設の整備が予定されている。整備内容は、現在、検討が進められている。
本県としては、今後、第2期となる防災公園の整備に向け、迅速に作業を進め、並行して一体的に整備を進めていくこととなる豊山町事業との間で、平常時、災害時においても、どのような連携が可能かを十分に検討していく。
【委員】
基幹的拠点事業の整備事業地において、用地買収の進捗率を伺う。
【理事者】
昨年度末時点で、94パーセントである。
【委員】
94パーセントの事業進捗率とのことだが、本来、整備事業地に居住していた豊山町民が、県民の命を守っていくための基幹的広域防災拠点事業に協力してくれている。事業に協力してくれている豊山町民の気持ちと、事業連携をしてきた豊山町の期待もあわせて、多くの県民が動向に注目している。
そのため、基幹的広域防災拠点事業の整備完了の見通しを早期に県民に示すことが重要だと考えている。こうした豊山町民の協力の気持ち、豊山町の要望等、そして県民の安全・安心、災害時に命を守っていくという期待に、今後、県はどのように応えていくのか伺う。
【理事者】
県として、できるだけ早期に防災拠点としての機能を発揮させていく必要がある。
そのため、具体の工事としても、敷地造成をできるところから着手しており、昨年度末時点で約23パーセント進捗させているほか、例えば調整池、あるいは幹線水路の移設工事についても、順次進めさせている。
また、大山川の調節池等、関連する公共事業も着実に進めさせている。
それと並行し、今回の6月補正予算に関わる事業手法、事業単位の変更の考え方については、豊山町議会、それから地域住民へ今後、丁寧に説明する機会を設けたいと考えており、第1期の消防学校について、発注の準備を着実に進めていきたい。
また、第2期となる防災公園について、民間事業者へのヒアリングを継続し、一体的に整備を進めていくこととなる豊山町事業とも十分に連携を図りながら、適切な事業手法を選択できるよう、第1期の消防学校と並行し、迅速に作業を進めていく。
【委員】
愛知県基幹的広域防災拠点整備事業費について伺う。
本事業は、令和5年6月議会で補正予算、債務負担行為として214億4,000万6,000円の事業費として提出されて、可決された。
当初の整備スケジュールでは、2026年度に消防学校と防災公園から構成される愛知県基幹的広域防災拠点が完成するという説明だったが、今回の入札不落の結果から、改めて事業内容の見直し、消防学校部分の分離、また、アドバイザリー業務委託契約として1,849万1,000円が提案されている。
また、本事業は大幅に完成時期が遅延することとなるが、財政上の債務負担行為の設定、内容、期間を含めて、どのように見直されたのか。今回のアドバイザリー契約は債務負担行為の中の一部であるため、事業計画が延びるということは、全体計画が示されなければ、我々が議案として承認しようにも、非常に厳しいものがある。
今後、消防学校の完成時期を少しでも早める工夫が求められているが、消防学校の整備スケジュールと債務負担行為の具体的な内容について伺う。
【理事者】
現在、設定している債務負担行為は、基幹的広域防災拠点全体についてのBTコンセッション方式による設計・建設及び竣工後20年間の維持管理を行うための費用である。事業単位を二つに分け、第1期として消防学校の整備をBTO方式で進めていくことに伴い、今後、2025年1月に実施方針を定め、同年2月に入札公告を行うことができるよう進めていく。債務負担行為については、そのスケジュールと整合させながら、設定期間を含めて、適切に整理していく。
また、消防学校のスケジュールについて、今回の事業手法の検討に当たり、完成までの期間を考慮し、従来の公共発注と比べ、発注の都度の手続が不要で、期間の圧縮が可能なBTO方式を採用する。それでもなお、再度の入札を行うためには、その手続に約1年、それに加え、今回、事業手法及び事業単位を見直したことに伴う準備期間として8か月、さらに落札後の設計・建設期間として十分な工期を確保するため3か月を加えざるを得ず、結果、1年11か月、おおむね2年が必要となる。
【委員】
そのスケジュールに沿って、しっかりと進めてもらいたい。
今回の基幹的広域防災拠点整備は複数の事業者で進めていくことになると思うが、昨年の2023年の10月に公表された要求水準書との整合性を保ち、合理的に現場説明をしてもらうことを要望する。
〈委員外議員発言〉
【議員】
2度の入札不落を受け、本県と事業者、地元住民などと、期待や思いが折り合わなかったが、今後の事業の進め方について、二つ質問する。
まず、事業手法の修正についてである。
従来は自由な運営を求めるBTコンセッション方式で本年3月に2度目の入札を行ったが、今後は防災公園と消防学校を分け、消防学校を運営の自由度と経営リスクがより小さいBTO方式により入札することとなった。今回、2度目の入札が不落になったことを鑑みれば、基幹的広域防災拠点におけるBTコンセッション方式は、民間事業者にとってハードルが高いかもしれない。
また、BTコンセッション方式は、新しい愛知県体育館、IGアリーナなどで採用されているが、例えばIGアリーナと豊山町では、立地やアクセスに恵まれた新体育館と、鉄道がなくアクセス面で大きな課題を抱えた豊山町では大きな差があり、特に平常時の運営段階の将来キャッシュフローの見積りが困難なのかもしれない。
さらに、他都市を見ると、東京都及び首都圏の拠点となる東京臨海広域防災公園は、有明駅から徒歩2分、大阪府の堺泉北港・堺2区基幹的広域防災拠点は、JR、地下鉄、南海鉄道のそれぞれの駅から南海バスで15分程度と、比較的アクセスがよく、どちらも港湾地区にあることから、事業者の立場から見れば、本県の設置予定の基幹的広域防災拠点は、平常時のアクセスや集約の面では、ハードルが高いかもしれない。
その他にも様々な課題があるが、昨今の経済事情などを踏まえ、ある程度の時間をかけてでも、現実的な落としどころを探る必要がある。
その上で、本県としても、県民の税金である以上、財政負担の軽減は必須である一方で、民間事業者が引き受けるリスクやリターンを、改めて再評価する必要がある。
そして、もう一つ、住民の期待値の修正の観点である。
昨年9月、10月、そして本年に入ってから2月、5月に、西春日井郡豊山町青山地区で地元住民の人々がそれぞれ主催する勉強会に参加した。本県の防災安全局の県職員や豊山町役場の担当職員も参加する中、地元の住民は防災拠点の整備に大きな期待を寄せている。3Dのイラストで防災公園をイメージし、洪水調整池ができる大山川の歴史に触れるなど、地元住民のまちづくりの契機として大きく夢をはらんでいく一方、勉強会の質疑や意見交換の際には、大変厳しい意見が飛び交っていた。時に怒号が飛ぶこともあり、現在、用地買収は、94パーセントまで進んでいるとのことだが、住民、地元に対するさらなる補償を求める場面もあった。
昨年9月の豊山町議会防災拠点特別委員会でも、地元町会議員から、住民負担について、大変厳しい意見が出た。
【委員長】
議員、質問は簡潔に願う。
【理事者】
住民から様々な形で大きな期待が寄せられているが、今回、不落の結果については大変残念ではある一方、用地買収については、最終的に様々な経緯を見て納得して判を押してもらったこともあった。
今回の、入札不落の結果を受け、事業者、地元住民、本県それぞれの当事者が基幹的広域防災拠点の早期整備に向け、現実的な落としどころが必要だと言えるが、防災公園、消防学校の切り分けや、コンサルティング会社への事業委託など、今後どのように事業を進めていくのか、県の見解を伺う。
【理事者】
事業者ヒアリングの結果、2024年問題に起因する人手不足や、設備運営の事業者も他事業に人が取られているといった市場の状況から、早期に事業を実現するためには事業規模を小さくすることが適当であり、第1期と第2期に分けて進めることとした。
消防学校は、県内消防の教育施設であり、災害時には指揮運用本部としての機能を果たす、拠点の中核施設であることから、第1期とした。
事業方式はBTO方式で、アドバイザリー契約を締結の上、事業費検証やマーケットサウンディングの実施、公募手続に必要となる資料作成を行い、事業者の選定手続を進めていく。
第2期の防災公園の整備も、引き続き民間事業者へのヒアリングを継続し、市場環境を踏まえた適切な事業手法を選択できるよう、迅速に作業を進めていく。
《一般質問》
【委員】
自転車乗車用ヘルメット着用率の向上の取組について伺う。
自転車乗車用ヘルメットの着用について、本県では自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例が2021年10月に全面施行しており、自転車に係る交通事故の被害軽減のため、自転車乗車用ヘルメットの着用が努力義務とされている。
そのような中、昨年4月には、道路交通法の一部改正により、全ての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となっている。
自転車利用者が増加している状況において、自転車による交通事故の報道も大変多くなっており、実際に交通事故全体の発生における自転車の事故割合は、近年、増加傾向にある。
本県においても、昨年までの5年間に自転車乗車中の事故による死亡者の約7割が頭部に致命傷を負っており、自転車乗車中の交通事故においては、ヘルメットを着用していなかった利用者の致死率が、着用していた利用者に比べて1.7倍も高いと言われている。改めて、自転車乗車中の交通死亡事故を減らすためには、ヘルメットを正しく着用し、頭部を守ることが何よりも大切であると考える。
条例が全面施行されて2年半余りが経過したが、県民のヘルメット着用率の現状について伺う。
【理事者】
自転車乗車時のヘルメット着用は、頭部損傷のリスクを低減させ、自転車死亡事故の減少につながる極めて有効な対策である。
ヘルメット着用率の現状は、自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例の全面施行以降、職員による目視調査を県内8か所で定期的に実施している。第1回目となる2021年12月の調査では、ヘルメット着用率は4.7パーセントであったが、本年5月に実施した調査では13パーセントと、8.3ポイントの上昇となった。
この調査結果から、県民のヘルメット着用率は、条例施行当初と比べ、着実に上昇しているが、いまだ十分に着用が進んでいるとは言えない状況と認識している。
【委員】
条例制定前と比較し、着用率が上がっているという答弁だったが、まだまだ低い水準という状況だと言わざるを得ない。今後さらにヘルメット着用率を向上していくため、県民に幅広く、より効果的な手法を取り入れながら、啓発活動を継続していくことが大切だと考えるが、県民のヘルメット着用率のさらなる向上に向け、今度どのように取り組むか伺う。
【理事者】
自転車乗車ヘルメットの着用率向上に向け、季節ごとの交通安全県民運動をはじめ、県内各地で実施する啓発イベントなど、様々な機会を通じてヘルメット着用の徹底を呼びかけているほか、企業、学校、団体等の皆様から愛知県ヘルメット着用促進宣言を募集する取組なども実施している。
自転車事故の割合が高い世代は子供や若者であり、死亡事故では高齢者の割合が高くなることから、啓発活動では、これらの世代に的確にアプローチしていくことが重要と考えている。
そこで、今年度は新たに児童、生徒、高齢者等のそれぞれの世代別に自転車交通安全教育に関する教材を製作し、学校やシルバー人材センターに配布するほか、啓発イベント等でも活用するなど、ターゲットを明確にして啓発を実施していく。
また、著名人がヘルメットの着用を呼びかける啓発動画やポスターを作成の上、様々な媒体を活用して幅広く県民に周知していくこととしており、その中でも、今年度は新たに学生数が多い県内6大学のデジタルサイネージを活用して、通学等で自転車利用の多い大学生に対しても啓発を行っていく。
このほか、2021年度から実施してきたヘルメット購入補助を今年度も引き続き実施していく。
【委員】
自転車乗車用ヘルメットの着用率を上げることは、大変な取組だと感じているが、様々なハード面の対策、ヘルメットの軽量化や補助金制度を進めてもらっているが、基本的には自転車利用者一人一人の意識づけの取組が大きな効果につながると思う。現在、学校教育現場、さらには様々な企業においても自転車利用者が増加していると認識しているため、企業の中の従業員に対する啓発の強化など、県民一人一人の意識づけの強化を要望する。
【委員】
本年元旦の能登半島地震は、石川県を中心とする北陸地方の広い範囲で大きな被害をもたらし、多くの貴い命が奪われたほか、自宅が被災し、今なお避難所で生活を余儀なくされている被災者や不便な環境を強いられている被災者がいる。
今回の令和6年能登半島地震の特徴は、半島という地理的要因、厳冬期という季節的要因、人口減少、高齢化の割合が極めて高いエリアという社会的要因があり、これまでの災害対応と比較しても困難な状況であったことが挙げられる。
本年2月1日から4日まで、震度6強を観測した石川県穴水町の中心部にある避難所を活動の拠点として、地震により被害を受けた家屋などの災害廃棄物の後片づけのボランティア活動を行ったが、その活動体験や能登半島地震の被害状況も踏まえ、本県の防災・減災対策について、以下大きく三点、質問する。
一点目が、被災者などの移動手段の確保についてである。
能登半島では、地震の揺れ、火災、液状化によって、住まいを失った被災者も多くいるが、車が被災し、日常生活における移動手段を失った被災者も多くいた。自宅や避難所が町中や商店街から離れた場所にある被災者は、食料品、日用雑貨などの買い出し、災害ごみ、瓦礫の後片づけ、罹災証明書の申請手続など、何をするにしても車がないと、復旧に要する時間も余計にかかり、不便で仕方がない。ただでさえ大変な生活を余儀なくされている上に、移動もままならないとあっては、被災者が途方に暮れたであろうことは想像に難くない。
そこで、宮城県石巻市を拠点として災害支援活動を行っている一般社団法人日本カーシェアリング協会は、東日本大震災で何万台という車が津波で失われたのをきっかけに支援活動を始め、昨年までに全国の地震、風水害など、22の被災地で被災者に無償で車を貸し出す活動を続けてきた。能登半島地震では、過去最大規模の2,000台を優に超える貸出しがあり、発災から半年がたとうとする現在でも、貸出しの要望があるとのことである。
本県は、本年5月22日に、日本カーシェアリング協会との間で、災害時における被災者等の移動手段の確保に関する協定を締結した。協定は、県からの要請に応じ、被災者や被災地で活動するボランティア団体などに対して、協会が車の無償貸与を実施する内容である。本県でも南海トラフの地震発生への危惧や、風水害への懸念も高まる中、この協定は大規模災害への備えを一歩前に進めるものである。
そこで、日本カーシェアリング協会との協定について伺う。この協定により、どのように被災者への支援が行われるのか。
【理事者】
災害時に被災者や被災地で支援活動を行うボランティア団体などの移動手段を確保することは、被災者の生活再建や、支援団体が復旧活動を行う上で非常に重要である。
この協定は、災害発生時に県からの要請に基づき、日本カーシェアリング協会が被災者などに自動車を無償で貸し出すものである。
日本カーシェアリング協会は、車の貸出しのため、拠点を被災地に設置し、寄附により調達した中古車両などを活用して、申込みのあった被災者などに貸出しを行う。乗用車のほか、瓦礫、災害ごみの片づけに利用可能な軽トラックの用意もあり、能登半島地震の被災地では多く利用されていると聞いている。
【委員】
次に、大規模災害時に日本カーシェアリング協会との協定を活用した被災者支援がスムーズに進むよう、今後どのように取り組むのか伺う。
【理事者】
災害時に市町村が日本カーシェアリング協会の支援活動を円滑に受け入れるためには、協会の活動拠点となり得る候補地を事前に定めておくことが重要であるため、市町村に協定について周知をするとともに、拠点候補地の抽出を促し、協定の実効性を高めていく。
また、毎年、防災週間に県が市町村との共催で実施している総合防災訓練は、多くの県民が参加することから、日本カーシェアリング協会の災害支援活動を紹介するパネル展示なども実施し、県民への周知を図っていく。
【委員】
災害発生時は、迅速な対応を要求されるのが行政の取組となる。通常時には想定しない業務が増え、加えて現地調査、現地確認をする必要性も多々出てくる。そのような中、実際に今回の能登半島地震での対応に当たった多くの被災自治体では、公用車が足りないとの声が上がった。
また、日本カーシェアリング協会が過去に被災地支援を行ってきた全国の自治体に、災害時の公用車不足に対し、何らかの備えをしているかを調査したところ、半数以上が、備えなしとの回答であった。
以上のことから、災害時には自治体においても災害対策活動の増加により公用車が不足するのではないかと考えられるが、行政による災害対策用の車両の確保について、県はどのように取り組んでいくのか。
【理事者】
大規模災害が発生した直後には、行政においても、一時的に多くの災害対応業務が発生するため、職員や物資を輸送するための公用車の確保が課題になると考えられる。
今回の能登半島地震においても、愛知県が対口支援を行った石川県の志賀町では、被災地の外から大勢の自治体職員が派遣されており、住家の被害認定調査などに従事した。したがって、町内を移動するために車が必要となっていた。
このような公用車の臨時的なニーズに対し、本県では2008年に、一般社団法人愛知県レンタカー協会との間で、災害時における車両の調達に関する協定を締結し、この協定に基づき、応急対策に必要な車両を借り上げ、増大する車両のニーズに対応する。
【委員】
過去の大規模災害等では、ほぼ例外なく、トイレ不足が問題となった。断水し、トイレの水を流せない中、避難生活を送る被災者は、携帯トイレや簡易トイレを利用するため、十分なトイレの備蓄がない避難所では、すぐにトイレ環境が劣悪となる。
発災から数日経過すると、仮設トイレが設置されるが、避難所には多くの高齢者がおり、屋外に設置された段差のあるトイレは利用しづらい。トイレに行く回数が少なくて済むよう、水分の摂取を控えると、エコノミークラス症候群を発症する恐れもあり、それが原因となり災害関連死を招いた実例もある。
石川県穴水町の避難所では、発災当初、避難所の水洗トイレの水が止まっており、仮設トイレを設置していた。発災後1か月経過した、2月1日には水道が回復し、水洗トイレが利用可能となった。この間、屋外に設置されていた仮設トイレは極寒状態で、夜中に起きてトイレに行っていたことを考えると、とてもつらかったことだろうと思う。
さらに、水洗トイレが復旧したとはいえ、200人を超す避難者と避難所の運営ボランティアの人数が利用するトイレとしては数が足りていないため、仮設トイレは継続して必要だった。
災害時とはいえ生理現象はコントロールできないため、食料の確保と同様、トイレの確保は重要な課題である。
今年の能登半島地震では、全国各地の自治体が保有するトイレトレーラーが被災地で活躍しているという報道も見られた。日常的には地元の災害への備えとして整備し、他地域で大規模災害が発生した際は応援に駆けつけ、資源を有効活用し被災地支援を行った一例であるが、本県では幾つの市町村がトイレカーを配備しているか伺う。
【理事者】
現在、春日井市、刈谷市、阿久比町の3市町がトイレカーを配備している。
本年度も、県の南海トラフ地震等対策事業費補助金を活用し、トイレカーの整備を予定している市町村がある。
今後も、補助金を活用するなどして、市町村におけるトイレカーなどの資機材整備の取組を支援していく。
【委員】
能登半島地震では、輪島市、珠洲市など、道路が寸断されたことで往来ができなくなり、孤立した地域があった。ラジオや予備の電池はあっても、電波が入らず、スマートフォンがつながらない、防災無線の放送も聞こえないという場所もあったと聞いている。
大規模災害時に情報が届かないと、被災生活においても不便である上、被災者の不安を増幅させることにもつながるため、通信機器の整備は重要と考える。
そこで、孤立する可能性がある地域への備えについて伺う。本県には孤立する可能性がある集落は幾つあるのか。
【理事者】
孤立する可能性がある集落について、内閣府が2013年度などに、交通が途絶する要因、避難施設や情報通信手段の状況などについて調査を実施しており、その後、本県においても2021年度に調査を行い、県内市町村の孤立可能性集落の把握に努めている。
県が2021年度に実施した調査では、17の市町村において、547か所の孤立可能性集落を把握している。
【委員】
2021年度で17市町村547か所という答弁があった。
そうした集落に対し、災害時の備えとして、本県ではこれまでどのような取組をしてきたのか。
【理事者】
愛知県地域防災計画において、中山間地等における孤立対策として、孤立する可能性のある集落の把握や孤立に対する備えなどについて定めており、市町村はこれに基づき、集落と市町村の間の通信途絶を防止するため、衛星携帯電話、防災行政無線など、地域の実情に応じて、通信手段の確保に努める。
また、県の南海トラフ地震等対策事業費補助金により、孤立集落において双方向の通信が可能な衛星携帯電話などの通信機器や、情報収集、支援物資の輸送に活用できる無人航空機、ドローンの整備などを補助の対象としており、市町村の取組を支援している。
【委員】
今後、本県において大規模災害が発生し、孤立集落が発生した場合に備えて、情報伝達手段の確保についてどのような取組を行っていくのか。また、能登半島地震では、短時間でWi-Fi環境構築が可能な衛星通信サービス、スターリンクが活用されたと聞いているが、災害に備え、市町村に対してスターリンクの案内を行う予定はあるか。
【理事者】
孤立可能性のある地域において、情報通信機器など必要な資機材の整備や、災害時の情報伝達体制の確保について確認するなど、また市町村に、地域の防災訓練で、配備されている衛星携帯電話を用いて通信訓練を行うなど、実践的な取組を取り入れるよう働きかける。
また、本年6月に取りまとめられた能登半島地震の対応に係る政府のレポートの中で、孤立地域の情報の集約、共有の方策や、避難所等の通信の確保が課題の一つに上げられており、国では今後、自治体、有識者等のワーキンググループにおいて検討を深めていくと聞いている。
本県においても、国の検討を踏まえ、本年度の愛知県地域強靱化計画やアクションプランの見直しの中で、こうした情報伝達手段の確保についても十分に検討していく。
なお、スターリンクについては、本年6月12日に開催した市町村防災担当課長会議に合わせ、災害対策用通信機器の説明会を総務省東海総合通信局と連携して実施した際に、実機を用いて市町村に紹介している。
【委員】
まず、行政における災害対策用の車両確保について、2008年に愛知県レンタカー協会と締結した協定内容も、時代に応じてアップデートしていく必要がある。特に、災害発生時は、県と該当市町村エリアの連携が重要となる。本協定が県全体として十分に活用されるよう、協定内容の見直し、市町村への周知を進めてもらうことを要望する。
また、二点目に、トイレカーについて、本県江南市にあるコンテナを加工し、シェルターやトイレカーを造る業者を視察したが、水洗とほぼ同じような設備を備えているため、非常に便利なものであった。ぜひとも災害が発生した際の被災者の安心したトイレ利用、特に災害弱者、高齢者を含めたトイレ利用が、トイレカーの設備によって安心して運営されるよう、本県においても配備の計画を検討し、迅速にトイレカーを配備するよう要望する。
【委員】
昨年6月2日の大雨は、本県の東三河地域に甚大な被害を与えたことは、記憶に新しいところである。
昨年度、総務企画委員会に所属していた議員から聞いたところによると、豊川市では、住宅の被害は、全壊2棟、床上、床下浸水、合わせて549棟であったのに対し、車両の被害は1,493台。このうち、1,192台が廃車せざるを得なかったと聞いている。当時は、木藤委員から質問があった一般社団法人日本カーシェアリング協会との協定は締結されていなかったが、一般社団法人日本カーシェアリング協会から、車の無償貸与の協力があり、大変助かったと聞いている。
本県の県民生活において、車がどれほど大事であるかを示す指標として、一般財団法人自動車検査登録情報協会が集計した令和5年3月末時点における自家用車の一世帯当たりの普及台数を調査しているが、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の首都圏や、大阪府、兵庫県、京都府の関西圏では、いずれも一世帯当たり1台を下回るのに対し、本県は全国平均の1.025台を上回る1.232台であり、他都道府県と比べ自動車に依存した生活を送っているかが分かる。
こうした本県の特徴を踏まえれば、災害支援物資の飲料水、食料、毛布等の確保と同様、車の確保というのも被災者にとって切実な課題であると考えているが、現在、被災者への車両の確保や移動手段の確保について、地域防災計画などの県の計画にどのように位置づけられているのか。
【理事者】
本県では、今回、一般社団法人日本カーシェアリング協会と締結した災害における被災者等の移動手段の確保に関する協定のほか、災害時における被災者の緊急輸送や移動手段の確保のため、2017年に公益社団法人愛知県バス協会と災害時におけるバスによる緊急輸送等に関する協定を、また同じく2017年に、愛知県タクシー協会、名古屋タクシー協会と、災害時におけるタクシーによる緊急輸送等に関する協定を締結している。
しかし、被災者の生活を再建するための車両の確保や移動手段の確保については、地域防災計画や地震対策アクションプランをはじめ、県の計画に位置づけるには至っていない。
【委員】
県の計画には明確な位置づけがないとのことだが、様々な協定の実効性を担保していくため、県の計画に位置づけることが非常に重要になる。また、県民の住居やその周辺に運ばれてきた土砂や流木等を取り除く際や水浸しになり使用できなくなった家財道具を仮置場に持ち込む際などに必要な車の確保の問題について、県当局の積極的な取組をお願いしたい。
一般社団法人日本カーシェアリング協会との協定の実効性を高めていく取組に、県当局の答弁があったが、このような取組を県の計画に位置づけ、施策を進めていくべきと考えるが、県当局の見解を伺う。
【理事者】
本年度、県の地域強靱化計画の変更と合わせ、地震対策アクションプランを、風水害を含めた総合的な防災対策のプランへとリニューアルするよう、現在、作業を進めている。したがって、一般社団法人日本カーシェアリング協会と本年5月に協定を締結したことなどを踏まえ、次期アクションプランの策定作業の中で、被災者が速やかに生活を再建するための取組である被災者の車両の確保や移動手段の確保の支援についても検討していく。
【委員】
昨年度6月2日の大雨の被害、この教訓をしっかり生かし、一般社団法人日本カーシェアリング協会と締結した協定の実効性を担保するため、県計画に明確に位置づけるよう要望する。
【委員】
あるアンケートでは、災害発生時における自治体の課題で、防災、災害担当者の9割が、初動対応が重要と回答、そのうち4割が初動対応は不十分と回答している。
また、当該アンケートでは、初動対応では、刻一刻と変化する状況を把握すること、情報を正確に確認すること、住民へ迅速に情報を伝達すること、適切なタイミングで避難指示を発令することなどが難しいと回答されており、それに対する取組として、各組織内での訓練の実施、職員間のコミュニケーションの向上などが挙げられているが、本県の災害時の初動対応における連携力強化に向けた取組について伺う。
【理事者】
大規模災害発生時は、県庁自治センター6階に災害情報センターを開設して対応することとなるが、災害時に円滑に開設するため、立ち上げのためのマニュアルを整備しており、職員はこのマニュアルに沿って行動し、迅速に体制を整え、各機関のリエゾンの受入れ、情報共有や活動の調整を実施する。
これまで図上訓練型の県災害対策本部運用訓練や被災自治体支援活動訓練において、各機関のリエゾンと連携訓練を実施している。
また、実動訓練である総合防災訓練や、津波・地震防災訓練において、現場の部隊同士が連携し、救出救助活動の訓練を実施しており、こうした訓練を通じて防災関係機関相互の連携を深めてきた。
今年度も、9月に実施する県災害対策本部運用訓練や、阿久比町で実施する総合防災訓練、10月に弥富市で実施する被災自治体支援活動訓練や、11月に愛西市で実施する津波・地震防災訓練を通じ、課題を明らかにし、その体制を各初動マニュアルに反映することで、より実効性を高めていく。
【委員】
本県において、災害発生時における、災害情報の収集、住民への伝達、避難指示の発令はどのような形で行われるのか。
【理事者】
大規模災害時は、市町村が避難指示等を住民に素早く伝達する必要があり、本県では、まず緊急速報メールを全54市町村に伝達することとなっていることに加え、防災行政無線、広報車、地元ケーブルテレビ、コミュニティーFMなど、複数の手段、何らかの手段により情報が確実に伝達するような体制を取っている。
【委員】
答弁漏れだが、災害情報を県はどこから収集するのか。また、その収集方法を伺う。
【理事者】
市町村の被害状況については、原則、市町村がシステムによって県に情報を集約することになっているが、大規模災害時は、市町村の職員が情報を上げることが困難な場合もあるため、県職員を派遣し、市町村から被害状況を入手する体制を取っている。
【委員】
県職員を派遣するにしても、災害地、震源地が分からないと、職員を派遣できないと思う。市町村も災害発生時にパニックになると、職員派遣のシステムが機能しないと思うが、それにはどのように対応するのか。
【理事者】
震度情報ネットワークを本県は整備をしており、特に被害が大きい地域を把握するとともに、震度5強以上の地震については、自動的に市町村に県職員を送るシステムになっているため、そこから情報を得ることになる。
【委員】
本年4月に台湾で地震が発生した際、災害直後に、素早く避難所にテントを設置したことで話題となったが、台湾では、避難所におけるテントの設置について、民間事業者とNPO、NGO等が行政とタイアップし、日頃から訓練を実施したことにより迅速に対応できたと聞いている。本県においても災害発生時にそのような対応をすることは可能か。
【理事者】
本県においては、例えば学校の体育館、庁舎等、屋内で避難できるよう、避難場所を確保しており、その際、必要となる段ボールベッド等については、関係の事業組合と協定を締結し、必要数を確保するための体制を取っている。
また、避難所の運営については、総合防災訓練等の中で、実際に住民、関係事業者の参加を得て、運営の訓練を行っている。
【委員】
段ボールベッド等について、各市町村の避難所収容人数分の県の備蓄があるのか。
【理事者】
本県の備蓄だけではなく、災害発生時に段ボール事業者、それから本年5月に協定を締結し、災害時に供給されることとなった段ボールベッド、紙の筒や幕を使った間仕切りなどの備蓄以外のものを協定に基づいて提供してもらい、必要数を確保していくことになる。
【委員】
協定に基づき供給される間仕切りはどのような形状か。
また、そのような物資の供給を依頼する際には、どのように事業者に連絡するのか。
【理事者】
一点目の、間仕切りの形状について、段ボールベッドの周囲を、先日協定の締結により提供されることとなった紙の筒で四方に柱を立て、そこに幕等をかけての間仕切りする形となる。
二点目の、災害時における事業者への連絡は、災害救助法の適用、または市町村から物資のあっせんの要請があった場合に、県を通じて関係事業者と連絡を取る形となっている。
【委員】
災害発生時に、県が市町村の状況を把握した上で、協定に基づき民間事業者とどのように連絡を取るかは、あらかじめ民間事業者と十分に情報共有を行ってもらいたい。
台湾のように、民間事業者、NPO、NGOが災害発生時に迅速に対応できる体制を構築するためには、行政と同じレベルで民間事業者等が情報を共有できている状況が必要であり、行政がどう民間事業者へ情報を提供するかが重要だが、それに対する県の考えを伺う。
【理事者】
事業者との連携の面では、協定を締結した事業者とは連絡会、会議という形を設け、県や関係市町村等へ協定内容に基づく国等の取組について日頃から情報提供し、また、訓練の参加を経て、災害時に、協定に基づき事業者へ要請する際に、あらかじめスムーズに連絡が取れるようにしている。
【委員】
このことについては、段ボールベッドだけではなく、テントも非常に有効なものであるため、あわせて考えてほしい。また、民間事業者、NPO等に協力を依頼する場合も、行政と同じレベルの情報を共有することは難しいと聞く。そのため、日頃から、何か起きたときにはどのように情報を共有できるかは、しっかりと訓練をし、規定として定めておかなければならないと思う。
次に、防災拠点の完成が当初スケジュールから2年程度遅れることは責任問題である。
その上で、質問するが、今年1月の能登半島地震ではうまく物資が運ばれていなかったと聞いている。豊山町に支援物資倉庫が整備された場合、災害発生時に、物資を円滑に被災地に届けられるようなオペレーションはできているのか。
【理事者】
本県では、現在、支援物資を効率的に一元的に各市町村の輸送拠点に運ぶため、広域物資輸送拠点や県内に101か所ある地域内輸送拠点などの活用を含め、県全体の災害物流の全面的な見直しを進めている。
大規模災害時は、国からプッシュ型支援で届く物資の他、協定事業者から提供される物資など大量の物資が届くため、これらを円滑に受入れ、集積し、仕分けをし、各拠点に配送することが、市町村への適切な物資輸送のためには重要である。
現在、国の物資調達・輸送調整等支援システムがあり、そこで国、県、市町村の間で必要な物資に関する情報を共有しているが、物流の世界は日進月歩であるため、最新の情報に日々アップデートし、効率的な体制としていくことを考えている。
このため、愛知県トラック協会など物流の専門家と意見交換を重ね、現場に必要なオペレーション、データ管理などをどのようにしていくかを協議している。
また、能登半島地震における様々な対応について、令和6年能登半島地震に係る災害応急対応の自主点検レポートが、今月公表され、民間物流業者、自衛隊の支援が被災地に入ったことで、避難所までの円滑な物資輸送が可能になった事例もあると報告がされた。
今後、さらに国のほうでも災害時の物資輸送に関する検証が進められていると聞いている。そのような検証結果も踏まえ、本県においても、避難所まで速やかに確実に物資を届ける体制を確保するため、物流専門家のアドバイスを受けながら、準備を進めていきたい。
【委員】
熊本地震が発生した際、物資倉庫内に多くの物資が搬入され、配置場所を把握できずに現場が混乱したこともあったと聞いているが、実際、災害が発生した場合、本県は物資拠点内の物資の整理を円滑に行うことができるのか。
また、現在、整備中の豊山町の支援物資倉庫が完成するまでの間は、支援物資の集約をどこで行うのか。
【理事者】
現在では県内に5か所ある広域物資輸送拠点、例えば長久手市のモリコロパークや、みよし市にある中部トラック総合研修センターなど5か所を県の物資拠点として活用する計画としている。
今回の能登半島地震で本県が対口支援に入っている志賀町でも、発災当初は多くの物資が運ばれ、拠点内の整理がうまくなされない状況もあったが、そこが徐々に専門家が入ったことにより改善され、物資が円滑に避難所まで届けられるようになった。
そのため、例えばよく使う物資とあまり使わない物資といった物資の性質などに応じて、保管場所、それから取りやすさといったことも勘案し、広域物資輸送拠点内で物資が円滑に流れていくようなレイアウトなどを物流専門家の意見も聞きながら運営していきたい。
【委員】
答弁漏れがあるが、豊山町の支援物資倉庫が完成するまでの間はどこを拠点に物資を集約させるのか。
【理事者】
豊山町に支援物資倉庫ができるまでの間は、現在運用している5か所の広域物資輸送拠点、具体的には、名古屋の中小企業振興会館、一宮総合運動場、長久手市の愛・地球博記念公園、みよし市にある中部トラック総合研修センター、豊橋市総合体育館、この5か所を現在の広域物資輸送拠点と定めている。
【委員】
全国から支援物資が届いた際は、その物資をどのようにして広域物資輸送拠点に分配するのか。
【理事者】
広域物資輸送拠点を5か所設定したのは、県内いずれかの地域で被災した際、より近いところに拠点を設け、そこで国の物資を受け入れた後、それぞれ被災した市町村の物資を送り込む拠点に運ぶことを目的としている。そのため、発災の状況に応じ、その五つの拠点を使い分ける。また、南海トラフ地震では、県内全域が被災する可能性があるため、効率よく5か所の物資輸送拠点を活用するとともに、国等から提供される物資については、例えば陸路、空路による物資提供が考えられるため、そのような場合に、より近接する物資輸送拠点で物資を引き受けられるようにするなど、取組を進めていく。
【委員】
仮に、食品会社がカップヌードル1万個を寄附する場合は、物資の送付先は、広域物資輸送拠点の5か所にそれぞれになるのか。
【理事者】
まず、一般の人からの寄附や我々が市場から調達することによって供給される物資は、基本的に、広域物資輸送拠点が届け先になる。ただ、状況により、市町村ごとに定めている地域の輸送拠点に直接持ち込んだほうが合理的あれば、そのように物資輸送の行程を組むこともあり得る。
【委員】
物資を送る側は1か所に送ったほうがいい。1か所に送るとしたらどこなのかを尋ねている。
【理事者】
そういう意味では、広域物資輸送拠点5か所に自動的に送られることになる。
【委員】
そんな不便なことがあるのか。寄附してもらうところに、5か所へ送ってほしいと依頼するのか。
【理事者】
まず、前提として、大規模災害が発生した場合は、県庁内に緊急物資チームが編成される。そのチーム内で様々な検討をした上で、物資の配送先を指示することとなる。
そのため、仮に、食品会社から物資を提供してもらう場合、品目、数量に応じ、一番合理的と考えられる広域物資輸送拠点のいずれかを届け先として指定することとなる。
【委員】
1か所に物資を集中させ、そこから物資を5等分し、各広域物資輸送拠点に送ればいいわけである。そのために早く豊山町に支援物資拠点を整備しなければならない。本来は5か所の広域物資輸送拠点に物資を送付する前に、例えば県庁へ物資を集中させ、物資は県庁へ送ってほしいという依頼の仕方のはずである。寄附してくれる企業等に、5か所の広域物資輸送拠点にそれぞれ送ってほしいという話は、聞いたことがないが、局長の考えを伺う。
【理事者】
現在、5か所の広域物資輸送拠点を設けており、基本的に一番量が多いのは、国からのプッシュ型支援による物資の集積になるが、この物資の宛先は5か所の広域物資輸送拠点を指定し、それぞれに必要な量を届ける形となっている。そこから県内101か所に向けて発送する方法を取っている。
確かに、物資を寄附する側からすると、1か所に送付できた方がよく、我々としても、資源、資材等を考慮し、1か所で物資輸送拠点を運用した方が効率がよいということも含め、今回、後方支援拠点として、豊山町の支援物資拠点を整備するに至った。
そのため、豊山町の支援物資拠点が整備されるまでの間は、5か所の広域物資輸送拠点を効率的に運用できるよう、広域物資輸送拠点では、国からのプッシュ型支援を受入れ、それを迅速に市町村へ流すという形を想定している。また、その際、必要な物資が見当たらないということがないよう、物流、蓄積の仕方を繰り返し検証する必要があることに加え、短時間に大量に物資を仕分けする必要があることから、愛知県トラック協会などの物流の専門家の力も借りながら、最新技術を活用し、物資輸送の効率化に向けて取り組んでいく。
【委員】
要望として、豊山町に整備中の支援物資拠点が完成した際は、最新の民間の手法を取り入れ、物資の整理整頓ができずに、奥に入った物資を取り出せないことがないよう、オペレーションを考えてもらいたい。
【委員】
これまでの答弁は昔から変化がない。豊山町の支援物資拠点の計画を表に出したことはあるか。どれだけのキャパシティがあるのか。
もう一つ、愛知県新体育館で訓練は行うのか。また、どのような構造でできているか把握しているのか。
【理事者】
体育館の構造や、実際に物資倉庫として活用できるところについて把握できていない。
【委員】
防災安全局自体が全く基幹的広域防災拠点整備事業について把握していない。豊山町の支援物資拠点とは言うが、規模も何も分からない。物資の仕分をどのように行うのか、何も見えてこない。
基幹的広域防災拠点整備事業についてよく理解できていないことで現実に入札不調、不落となっている。もう一度考え直してもらい、9月までに取り組み、委員会で結論が出なければ、事業を中止してほしい。
また、指令塔をどこに置くかといった説明が何もない。事業をやるということばかりで、質問があっても、求めている答えが何も出でこない。我々のほうがよく事業の中身を理解している。もう一度、局全体を締め直すとともに、一から十まで全てチェックし直し、意思統一してほしい。
( 委 員 会 )
日 時 令和6年6月26日(水) 午後0時58分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
今井隆喜、日高 章 正副委員長
水野富夫、高桑敏直、辻 秀樹、杉江繁樹、杉浦正和、富田昭雄、
日比たけまさ、福田喜夫、島 孝則、木藤俊郎 各委員
防災安全局長、防災部長、県民安全監、関係各課長等
委員会審査風景
<付託案件等>
〇 議 案
第103号 令和6年度愛知県一般会計補正予算(第2号)
第1条(歳入歳出予算の補正)の内
歳 出
第2款 総務企画費
第117号 工事請負契約の締結について(次世代高度情報通信ネットワーク整備工事)
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第103号及び第117号
<会議の概要>
1 開 会
2 議案審査(2件)
3 一般質問
4 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
【委員】
基幹的広域防災拠点の整備・運営手法は、これまでBTコンセッション方式により進めることとされてきたと認識している。これまで、実施方針の公表、公告を経てきたわけだが、本年3月29日に入札結果が不落となった。不落になった要因をどのように分析しているか。
【理事者】
今回の不落の要因は、予定価格の範囲内に至らなかったためである。
防災拠点の早期整備に向け、現在の市場環境を調査し、事業者の幅広い参画による、競争性を確保できる事業手法や単位を検討するため、民間事業者に幅広くヒアリングを実施した結果、建築資材価格が高止まりしていることに加え、電気、通信、空調設備を担う事業者の不足や、2024年問題による慢性的な人手不足が生じ、価格上昇と建設工期に影響が生じていることが判明した。
今回の入札では、そのような要因が働いたものと分析している。
【委員】
建築資材の価格の高止まりや電気、通信、空調設備を担う事業者の不足、人手不足といった要因はある程度予想できたのではないか。
また、これまでの基幹的広域防災拠点の整備手法は、民間の知恵、ノウハウを最大限に取り入れるため、BTコンセッション方式を導入するとしてきたが、今回は、BTコンセッション方式ではなく、BTO方式で整備するとのことである。この違いは具体的に何か。また、BTO方式を採用するに至った経緯を伺う。
【理事者】
BTコンセッション方式は、事業者に施設の運営権を設定し、民間のノウハウを最大限に活用し、自由度の高い収益事業が可能である。
一方、BTO方式は、施工例も多く、より多くの事業者の参加による競争性の確保が期待できること、設計・建設から運営、維持管理までを民間ノウハウを活用して一体的に行うことで、安定的な運営や事業コストの削減が期待できること、さらに設計・施工期間の点において、従来の公共発注と比べ、発注の都度の手続が不要となり、期間を圧縮でき、可能な限り早期の整備につなげることが可能となる点から、BTO方式を採用する。
【委員】
いつ発生するか分からない大災害に対応するため、極めて早期に防災拠点を整備する目的でBTO方式での整備としたことは、ある程度理解できる。
また、今回の防災拠点の整備では事業単位を二つに分けている。その理由を伺う。
【理事者】
事業者ヒアリングの結果、2024年問題に起因する人手不足や、設備を担う事業者も他事業に人手が取られているといった市場の環境から、早期に事業を実現するためには事業規模を小さくすることが適当であり、第1期と第2期に分けて進めることとした。
【委員】
事業を二つに分けることで事業規模自体が小さくなるため、企業が参入しやすくなる可能性は高いと感じる。
消防学校の整備と防災公園の整備についても事業単位を二つに分けているが、消防学校を第1期に整備することとした理由を伺う。
【理事者】
消防学校は、県内消防の教育施設であり、災害時には災害対応業務を統括する指揮運用本部としての機能を果たす拠点の中核施設となることから、消防学校を第1期とした。
【委員】
BTO方式は、BTコンセッション方式よりも適していると私自身も考えている。
しかし、消防学校は教育機関であるため、その性質上、BTO方式のOの部分、民間事業者による施設運営が適さない側面もあると思うが、今回、整備予定の消防学校では具体的にどのような施設運営を行うのか。
【理事者】
現在の消防学校では、電気工作物の保安管理業務や清掃業務、学生等のリネン交換業務などを個別に事業者に発注している。
また、食堂業務は、行政財産の使用許可で対応している。
BTO方式のOの施設運営では、これらの業務に加え、建物等の保守管理や保安警備等を包括した業務内容を予定している。
なお、カリキュラムに基づく消防学校の運営や、必要な訓練資機材の設備調達、更新は県が主体で行う。
【委員】
当初の整備スケジュールは2027年4月供用開始とされていたが、今回提示されたスケジュールでは、2028年度内に完成となっているが、供用開始はいつ頃か。2029年春くらいかと推察するが、結果として、2年程度スケジュールが延びることとなる。スケジュールが2年延びることの具体的な理由について伺う。
【理事者】
再度の入札を行うため、その手続に約1年を要する。
それに加え、今回、事業手法及び事業単位を見直したことで、その準備期間として8か月必要であると考えており、落札者決定までに1年8か月の期間が必要となる。
さらに、落札後の設計・建設期間として、これまで33か月を見込んでいたが、現在の人手不足などの市場環境を踏まえ、十分な工期を確保するため3か月を加え、設計・建設期間として約3年が必要との判断に至った。
結果、1年8か月と3か月で1年11か月となり、おおむね2年延びることとなる。
【委員】
昨今の様々な状況から、余裕を持った整備スケジュールとしたと理解した。
また、いつ発生するか分からない大災害においては、第1期の消防学校、第2期の防災公園を可能な限り同時進行で整備すべきだと考えるが、防災公園は今後どのように整備を進めるのか。
【理事者】
第2期の防災公園の整備に向け、引き続き民間事業者へのヒアリングを継続し、市場環境を踏まえた適切な事業手法を選択できるよう、迅速に作業を進める。
【委員】
迅速に作業を進めるという答弁だが、恐らく整備スケジュールもまだ決まってないと思う。整備スケジュールの決定は、様々な事業者へのヒアリング次第ということで理解した。今後も迅速かつ的確な作業を進めてもらいたい。
最後に、今回の補正予算の中に盛り込まれている、アドバイザリー契約の内容について伺う。
【理事者】
PFI事業者の選定手続を進めるに当たり、事業費の検証やマーケットサウンディングの実施、公募手続に必要となる資料作成についての支援を委託するものである。
【委員】
前回もアドバイザリー契約を締結したが、今回の入札結果で不落となったことを反省してもらい、市場予測の確度の向上、柔軟な対応、この二点を心掛けてもらいながら公募するよう要望する。
【委員】
アドバイザリー契約の内容について、過去2回、既にアドバイザリー契約を締結し、十分なマーケットサウンディングを行ってきたと認識している。
今回の不落を受け、消防学校の整備を先行着手するとあるが、過去2回のアドバイザリー契約に基づき、十分なマーケットサウンディングを行い、必要となる事業費、施設の配置、そして消防学校に必要な施設などは、既に十分な調査が行われてきたと思う。なぜアドバイザリー契約が改めて必要なのか。
【理事者】
過去2回のアドバイザリー契約では、要求水準書など、公募手続に必要な資料の作成支援業務を委託してきた。
今回のアドバイザリー契約では、事業費の検証、マーケットサウンディング、公募手続に必要な資料の作成支援業務を委託する。
事業費の検証では、これまでのアドバイザリー業務で得られた積算を基礎として活用しながら、その後の物価や人件費の動向を分析するなど、厳しい市場環境における価格動向について検証する。
マーケットサウンディングでは、これまでのアドバイザリー業務で蓄積した事業者のノウハウに関する知見を生かしながら、事業単位や事業手法の変更を踏まえた意見交換を行う。
公募手続に必要な資料作成では、これまでのアドバイザリー業務で作成した要求水準書等の関係部分を切り分け、BTO方式による発注に向け、より詳細な要求水準書として整理する。
【委員】
アドバイザリー契約が改めて必要という答弁だったが、過去2回のアドバイザリー契約におけるマーケットサウンディングにおいても、答弁にあった厳しい市場環境、物価高騰や人手不足の部分は、ある程度予測できたと思う。
これまでの入札が落札という結果であれば、本来、今回のアドバイザリー契約は必要ないものであったはずだが、過去2回のアドバイザリー契約の瑕疵の有無について県の見解を伺う。
【理事者】
委員の指摘のとおり、仮に入札が成立していれば、現在審議中のアドバイザリー契約の補正予算は必要ではなかったため、入札不落という結果を重く受け止めている。
過去の入札不調、不落の原因を入札公告までに分析を行ったが、設定した価格や工期などの発注内容が、その後の市場環境を踏まえた事業者の見通しと異なった結果であると考えている。
他の団体においても、2022年3月と12月の名古屋国際会議場整備運営事業をはじめ、同時期に公告を行い、不落や不調となったものがあり、市場環境の見通しが当初の予測より厳しかったことの現れではないか。
こうしたことから、昨年度までの2回のアドバイザリー契約の内容に瑕疵はなかった。
【委員】
他の事業においても、こうした急激な市場環境の変化において不調や不落があったとのことだが、アドバイザリー契約の受託事業者に瑕疵がないのであれば、発注者の県に瑕疵があったのではないか、要するに見通しが足りなかった、見通しがあまりにも甘かったのではないかという指摘が出てくると思う。1回目のアドバイザリー契約では約9,500万円、2回目の契約では約3,000万円の県の予算を使っており、今回も約1,800万円の予算であるが、次回の公募入札での失敗は許されない。
委員から指摘があったが、災害はいつ発生するか分からない。したがって、県民の命を守るための事業である防災拠点整備事業は、本来遅れがあってはならないが、過去2回の入札の不調、不落という結果を県はどのように受け止めているのか伺う。
【理事者】
基幹的広域防災拠点の整備は、県民の生命、財産に関わる大変重要な事業であり、不落の結果を重く受け止めている。
このため、基幹的広域防災拠点の早期整備に向けて、事業者の幅広い参画を促し、競争性を確保できる事業手法及び事業単位を検討するため、民間事業者に幅広くヒアリングを実施し、今回の6月議会での提案に至った。
【委員】
過去2回の不調、不落について、県も重く受け止めていると認識した。これからの整備が遅れることのないよう、しっかり事業を進めなければならないが、今回のアドバイザリー契約に当たり、BTコンセッション方式からBTO方式に変更するとのことだが、昨年10月12日の総務企画委員会において、理事者の答弁で、仮に入札不調となった場合には、事業手法について改めて検討していくという発言があった。
前回は、入札不調ではなく、入札不落であるが、PFI方式ありきではなく、県の直轄事業として、県が主体性を持って整備する手法も検討すべきだと思うが、そのような検討がこれまで行われていたのか。また、今回導入するBTO方式以外の手法は検討したのか。さらに、今後の事業手法の変更の可能性について、県の見解を伺う。
【理事者】
事業手法の検討に当たり、設計、施工から運営、維持管理までを見据え、民間のノウハウを活用し、一体的に行うことで、安定的な運用や事業コストの削減が期待できる点、さらに、従来の公共発注と比べて、発注の都度の手続や期間が不要になることで、可能な限り早期の整備につなげることが可能という点から、様々な整備手法を比べ、事業者から幅広く参画を促し、競争性を確保でき、施工例が多いBTO方式を採用していくこととした。
【委員】
昨年度3月15日の総務企画委員会における理事者答弁では、PFI事業者による運営について、中略、特に消防学校については、訓練が消防学校の使命であり、その核となるために消防職員の養成、訓練をしていくためのカリキュラムに基づく学校教育及び教育を施すために必要な資機材については、県と名古屋市が責任を持って計画的に整備し、その後の老朽化、あるいは時代の趨勢に沿った更新を進めていき、PFI事業者に安易に依存するのではなく、県が主体的に把握して進めていけるように考えるという県の考えを確認した。
また、昨年度の総務企画委員会の県外調査において、BTO方式で整備された宮城県の消防学校の視察、調査を行った際、BTO方式の課題として、施設の更新や必要な資機材は、県と民間施工者、PFI事業者と、協議の場を持って決めていくが、県と民間事業者で折り合えない部分も多々あると聞いている。消防学校の本質は消防職員と消防団員の教育だと思うが、BTO方式を採用しても、十分に県が主体性を持って消防学校の運営に取り組んでいけるのか。
【理事者】
消防学校は、県民を守るための教育訓練が核である。そして、それが消防の使命であると承知している。
また、宮城県の消防学校は、自分も視察し、開校して10年を超えているが、事業者と折り合えない部分もあったという話は聞いている。
我々としても、それらの教訓を踏まえ、これから資機材、訓練資機材等の更新については、教育に当たる教官と十分に協議し、計画的に準備していく。
【委員】
議会と同様、宮城県の消防学校に赴き、その課題について認識した上で、今後その点はしっかり対応していく考え方であろうかと思う。
また、今回の議案は、消防学校の先行着手となっており、消防学校は本県の基幹的広域防災拠点の核となる事業ではあるが、全体の機能をしっかり確保しながら整備しなければならないと思う。
昨年度3月15日の総務企画委員会において、基幹的広域防災拠点事業の見える化のため、平時の場合、災害時の場合で、それぞれの役割、整備の目指すべき姿を明確にしたが、消防学校、防災公園の事業単位が分離されることにより、基幹的広域防災拠点の全体の機能に変更はないのか。
【理事者】
平常時に、消防学校では、消防職員や消防団員への教育訓練のほか、広く防災教育、人材育成を実施し、公園では、運動施設のほか、イベントの開催や、地域のにぎわいを創出する。
災害時に、消防学校は、拠点の指揮運用本部機能を担う中核施設となり、また緊急消防援助隊のベースキャンプ用地となる。
また、公園は、自衛隊や警察などのベースキャンプ用地や、支援物資の受入れ、県内全域への供給に必要な物資ターミナルを設けることにより、県内全域への災害応急活動を後方支援する拠点となる。
今回の事業手法や事業単位の見直しにより、そうした拠点の機能に変更はない。
また、全体の事業規模が19.2ヘクタールであることや、レイアウトも変更はない。
【委員】
基幹的防災拠点の機能に変更がないことを確認した。
基幹的防災拠点は、大規模災害が発生した際に、全国から応援人員、応援物資を集約し、県内の被災各地域に応援人員、応援物資を確実に迅速に届けることが重要な機能である。また、消防学校の整備により、応援人員、自衛隊、警察などの各地からの応援人員の宿泊する場所が整うことになるが、物資の受入れと物資の輸送が課題となる。
昨年度の総務企画委員会の県外調査で岩手県に赴き、ツガワ未来館アピオを施設調査したが、岩手県トラック協会と岩手県が連携した支援物資の受入れ、搬送体制を整備した岩手方式は全国からも注目されており、我々も大変参考になったが、ツガワ未来館アピオのような屋内の施設、屋内運動施設や屋内展示場など、アリーナのような施設がない限りは、物資を受入れ、被災各地に運ぶ拠点がないことになる。そのため、迅速に物資を受け入れ、物資を各被災地に届けるのであれば、本来、屋内運動施設等の整備は第1期で先行着手すべきと考えるが、それに対する県の考えを伺う。
【理事者】
現在の市場環境を踏まえ、早期に事業を実現するためには、合理的な範囲で事業規模を小さくすることが適当であり、第1期、第2期に分けて進めることとした。その際、消防学校は、県内消防の教育施設であり、災害時には災害対応業務を統括する指揮運用本部としての機能を果たす拠点の中核施設であることから、先行して整備を実施していくこととした。
本県としては、防災拠点としての機能を発揮するために、第1期の消防学校のみならず、拠点全体としての早期整備が必要であると考えている。
このため、第2期の防災公園についても、引き続き民間事業者のヒアリングを継続し、適切な事業手法を選択できるよう、迅速に作業を進めていく。
【委員】
第2期の防災拠点の整備を迅速に進めるとのことだが、具体的な整備時期を伺う。
【理事者】
現在、明確な時期は回答できないが、早期整備に向けて作業を進めていく。
【委員】
防災拠点が機能を果たすためには、拠点全体が十分に整備されなければ機能を果たすことができないため、可能な限り早期の事業着手を検討してもらいたい。
防災公園部分の南側に、平時はアリーナ及びにぎわい施設に、災害時は避難場所の拠点になる施設の整備が、現在、豊山町で検討されている。事業単位を分けることにより、県が整備する防災公園と豊山町が整備する施設との一体的な利用を意識した整備が重要となる。そのため、豊山町との事業の連携を今後どのように図っていくのか伺う。
【理事者】
豊山町事業として、防災公園部分の南側にアリーナ及びにぎわい施設の整備が予定されている。整備内容は、現在、検討が進められている。
本県としては、今後、第2期となる防災公園の整備に向け、迅速に作業を進め、並行して一体的に整備を進めていくこととなる豊山町事業との間で、平常時、災害時においても、どのような連携が可能かを十分に検討していく。
【委員】
基幹的拠点事業の整備事業地において、用地買収の進捗率を伺う。
【理事者】
昨年度末時点で、94パーセントである。
【委員】
94パーセントの事業進捗率とのことだが、本来、整備事業地に居住していた豊山町民が、県民の命を守っていくための基幹的広域防災拠点事業に協力してくれている。事業に協力してくれている豊山町民の気持ちと、事業連携をしてきた豊山町の期待もあわせて、多くの県民が動向に注目している。
そのため、基幹的広域防災拠点事業の整備完了の見通しを早期に県民に示すことが重要だと考えている。こうした豊山町民の協力の気持ち、豊山町の要望等、そして県民の安全・安心、災害時に命を守っていくという期待に、今後、県はどのように応えていくのか伺う。
【理事者】
県として、できるだけ早期に防災拠点としての機能を発揮させていく必要がある。
そのため、具体の工事としても、敷地造成をできるところから着手しており、昨年度末時点で約23パーセント進捗させているほか、例えば調整池、あるいは幹線水路の移設工事についても、順次進めさせている。
また、大山川の調節池等、関連する公共事業も着実に進めさせている。
それと並行し、今回の6月補正予算に関わる事業手法、事業単位の変更の考え方については、豊山町議会、それから地域住民へ今後、丁寧に説明する機会を設けたいと考えており、第1期の消防学校について、発注の準備を着実に進めていきたい。
また、第2期となる防災公園について、民間事業者へのヒアリングを継続し、一体的に整備を進めていくこととなる豊山町事業とも十分に連携を図りながら、適切な事業手法を選択できるよう、第1期の消防学校と並行し、迅速に作業を進めていく。
【委員】
愛知県基幹的広域防災拠点整備事業費について伺う。
本事業は、令和5年6月議会で補正予算、債務負担行為として214億4,000万6,000円の事業費として提出されて、可決された。
当初の整備スケジュールでは、2026年度に消防学校と防災公園から構成される愛知県基幹的広域防災拠点が完成するという説明だったが、今回の入札不落の結果から、改めて事業内容の見直し、消防学校部分の分離、また、アドバイザリー業務委託契約として1,849万1,000円が提案されている。
また、本事業は大幅に完成時期が遅延することとなるが、財政上の債務負担行為の設定、内容、期間を含めて、どのように見直されたのか。今回のアドバイザリー契約は債務負担行為の中の一部であるため、事業計画が延びるということは、全体計画が示されなければ、我々が議案として承認しようにも、非常に厳しいものがある。
今後、消防学校の完成時期を少しでも早める工夫が求められているが、消防学校の整備スケジュールと債務負担行為の具体的な内容について伺う。
【理事者】
現在、設定している債務負担行為は、基幹的広域防災拠点全体についてのBTコンセッション方式による設計・建設及び竣工後20年間の維持管理を行うための費用である。事業単位を二つに分け、第1期として消防学校の整備をBTO方式で進めていくことに伴い、今後、2025年1月に実施方針を定め、同年2月に入札公告を行うことができるよう進めていく。債務負担行為については、そのスケジュールと整合させながら、設定期間を含めて、適切に整理していく。
また、消防学校のスケジュールについて、今回の事業手法の検討に当たり、完成までの期間を考慮し、従来の公共発注と比べ、発注の都度の手続が不要で、期間の圧縮が可能なBTO方式を採用する。それでもなお、再度の入札を行うためには、その手続に約1年、それに加え、今回、事業手法及び事業単位を見直したことに伴う準備期間として8か月、さらに落札後の設計・建設期間として十分な工期を確保するため3か月を加えざるを得ず、結果、1年11か月、おおむね2年が必要となる。
【委員】
そのスケジュールに沿って、しっかりと進めてもらいたい。
今回の基幹的広域防災拠点整備は複数の事業者で進めていくことになると思うが、昨年の2023年の10月に公表された要求水準書との整合性を保ち、合理的に現場説明をしてもらうことを要望する。
〈委員外議員発言〉
【議員】
2度の入札不落を受け、本県と事業者、地元住民などと、期待や思いが折り合わなかったが、今後の事業の進め方について、二つ質問する。
まず、事業手法の修正についてである。
従来は自由な運営を求めるBTコンセッション方式で本年3月に2度目の入札を行ったが、今後は防災公園と消防学校を分け、消防学校を運営の自由度と経営リスクがより小さいBTO方式により入札することとなった。今回、2度目の入札が不落になったことを鑑みれば、基幹的広域防災拠点におけるBTコンセッション方式は、民間事業者にとってハードルが高いかもしれない。
また、BTコンセッション方式は、新しい愛知県体育館、IGアリーナなどで採用されているが、例えばIGアリーナと豊山町では、立地やアクセスに恵まれた新体育館と、鉄道がなくアクセス面で大きな課題を抱えた豊山町では大きな差があり、特に平常時の運営段階の将来キャッシュフローの見積りが困難なのかもしれない。
さらに、他都市を見ると、東京都及び首都圏の拠点となる東京臨海広域防災公園は、有明駅から徒歩2分、大阪府の堺泉北港・堺2区基幹的広域防災拠点は、JR、地下鉄、南海鉄道のそれぞれの駅から南海バスで15分程度と、比較的アクセスがよく、どちらも港湾地区にあることから、事業者の立場から見れば、本県の設置予定の基幹的広域防災拠点は、平常時のアクセスや集約の面では、ハードルが高いかもしれない。
その他にも様々な課題があるが、昨今の経済事情などを踏まえ、ある程度の時間をかけてでも、現実的な落としどころを探る必要がある。
その上で、本県としても、県民の税金である以上、財政負担の軽減は必須である一方で、民間事業者が引き受けるリスクやリターンを、改めて再評価する必要がある。
そして、もう一つ、住民の期待値の修正の観点である。
昨年9月、10月、そして本年に入ってから2月、5月に、西春日井郡豊山町青山地区で地元住民の人々がそれぞれ主催する勉強会に参加した。本県の防災安全局の県職員や豊山町役場の担当職員も参加する中、地元の住民は防災拠点の整備に大きな期待を寄せている。3Dのイラストで防災公園をイメージし、洪水調整池ができる大山川の歴史に触れるなど、地元住民のまちづくりの契機として大きく夢をはらんでいく一方、勉強会の質疑や意見交換の際には、大変厳しい意見が飛び交っていた。時に怒号が飛ぶこともあり、現在、用地買収は、94パーセントまで進んでいるとのことだが、住民、地元に対するさらなる補償を求める場面もあった。
昨年9月の豊山町議会防災拠点特別委員会でも、地元町会議員から、住民負担について、大変厳しい意見が出た。
【委員長】
議員、質問は簡潔に願う。
【理事者】
住民から様々な形で大きな期待が寄せられているが、今回、不落の結果については大変残念ではある一方、用地買収については、最終的に様々な経緯を見て納得して判を押してもらったこともあった。
今回の、入札不落の結果を受け、事業者、地元住民、本県それぞれの当事者が基幹的広域防災拠点の早期整備に向け、現実的な落としどころが必要だと言えるが、防災公園、消防学校の切り分けや、コンサルティング会社への事業委託など、今後どのように事業を進めていくのか、県の見解を伺う。
【理事者】
事業者ヒアリングの結果、2024年問題に起因する人手不足や、設備運営の事業者も他事業に人が取られているといった市場の状況から、早期に事業を実現するためには事業規模を小さくすることが適当であり、第1期と第2期に分けて進めることとした。
消防学校は、県内消防の教育施設であり、災害時には指揮運用本部としての機能を果たす、拠点の中核施設であることから、第1期とした。
事業方式はBTO方式で、アドバイザリー契約を締結の上、事業費検証やマーケットサウンディングの実施、公募手続に必要となる資料作成を行い、事業者の選定手続を進めていく。
第2期の防災公園の整備も、引き続き民間事業者へのヒアリングを継続し、市場環境を踏まえた適切な事業手法を選択できるよう、迅速に作業を進めていく。
《一般質問》
【委員】
自転車乗車用ヘルメット着用率の向上の取組について伺う。
自転車乗車用ヘルメットの着用について、本県では自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例が2021年10月に全面施行しており、自転車に係る交通事故の被害軽減のため、自転車乗車用ヘルメットの着用が努力義務とされている。
そのような中、昨年4月には、道路交通法の一部改正により、全ての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となっている。
自転車利用者が増加している状況において、自転車による交通事故の報道も大変多くなっており、実際に交通事故全体の発生における自転車の事故割合は、近年、増加傾向にある。
本県においても、昨年までの5年間に自転車乗車中の事故による死亡者の約7割が頭部に致命傷を負っており、自転車乗車中の交通事故においては、ヘルメットを着用していなかった利用者の致死率が、着用していた利用者に比べて1.7倍も高いと言われている。改めて、自転車乗車中の交通死亡事故を減らすためには、ヘルメットを正しく着用し、頭部を守ることが何よりも大切であると考える。
条例が全面施行されて2年半余りが経過したが、県民のヘルメット着用率の現状について伺う。
【理事者】
自転車乗車時のヘルメット着用は、頭部損傷のリスクを低減させ、自転車死亡事故の減少につながる極めて有効な対策である。
ヘルメット着用率の現状は、自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例の全面施行以降、職員による目視調査を県内8か所で定期的に実施している。第1回目となる2021年12月の調査では、ヘルメット着用率は4.7パーセントであったが、本年5月に実施した調査では13パーセントと、8.3ポイントの上昇となった。
この調査結果から、県民のヘルメット着用率は、条例施行当初と比べ、着実に上昇しているが、いまだ十分に着用が進んでいるとは言えない状況と認識している。
【委員】
条例制定前と比較し、着用率が上がっているという答弁だったが、まだまだ低い水準という状況だと言わざるを得ない。今後さらにヘルメット着用率を向上していくため、県民に幅広く、より効果的な手法を取り入れながら、啓発活動を継続していくことが大切だと考えるが、県民のヘルメット着用率のさらなる向上に向け、今度どのように取り組むか伺う。
【理事者】
自転車乗車ヘルメットの着用率向上に向け、季節ごとの交通安全県民運動をはじめ、県内各地で実施する啓発イベントなど、様々な機会を通じてヘルメット着用の徹底を呼びかけているほか、企業、学校、団体等の皆様から愛知県ヘルメット着用促進宣言を募集する取組なども実施している。
自転車事故の割合が高い世代は子供や若者であり、死亡事故では高齢者の割合が高くなることから、啓発活動では、これらの世代に的確にアプローチしていくことが重要と考えている。
そこで、今年度は新たに児童、生徒、高齢者等のそれぞれの世代別に自転車交通安全教育に関する教材を製作し、学校やシルバー人材センターに配布するほか、啓発イベント等でも活用するなど、ターゲットを明確にして啓発を実施していく。
また、著名人がヘルメットの着用を呼びかける啓発動画やポスターを作成の上、様々な媒体を活用して幅広く県民に周知していくこととしており、その中でも、今年度は新たに学生数が多い県内6大学のデジタルサイネージを活用して、通学等で自転車利用の多い大学生に対しても啓発を行っていく。
このほか、2021年度から実施してきたヘルメット購入補助を今年度も引き続き実施していく。
【委員】
自転車乗車用ヘルメットの着用率を上げることは、大変な取組だと感じているが、様々なハード面の対策、ヘルメットの軽量化や補助金制度を進めてもらっているが、基本的には自転車利用者一人一人の意識づけの取組が大きな効果につながると思う。現在、学校教育現場、さらには様々な企業においても自転車利用者が増加していると認識しているため、企業の中の従業員に対する啓発の強化など、県民一人一人の意識づけの強化を要望する。
【委員】
本年元旦の能登半島地震は、石川県を中心とする北陸地方の広い範囲で大きな被害をもたらし、多くの貴い命が奪われたほか、自宅が被災し、今なお避難所で生活を余儀なくされている被災者や不便な環境を強いられている被災者がいる。
今回の令和6年能登半島地震の特徴は、半島という地理的要因、厳冬期という季節的要因、人口減少、高齢化の割合が極めて高いエリアという社会的要因があり、これまでの災害対応と比較しても困難な状況であったことが挙げられる。
本年2月1日から4日まで、震度6強を観測した石川県穴水町の中心部にある避難所を活動の拠点として、地震により被害を受けた家屋などの災害廃棄物の後片づけのボランティア活動を行ったが、その活動体験や能登半島地震の被害状況も踏まえ、本県の防災・減災対策について、以下大きく三点、質問する。
一点目が、被災者などの移動手段の確保についてである。
能登半島では、地震の揺れ、火災、液状化によって、住まいを失った被災者も多くいるが、車が被災し、日常生活における移動手段を失った被災者も多くいた。自宅や避難所が町中や商店街から離れた場所にある被災者は、食料品、日用雑貨などの買い出し、災害ごみ、瓦礫の後片づけ、罹災証明書の申請手続など、何をするにしても車がないと、復旧に要する時間も余計にかかり、不便で仕方がない。ただでさえ大変な生活を余儀なくされている上に、移動もままならないとあっては、被災者が途方に暮れたであろうことは想像に難くない。
そこで、宮城県石巻市を拠点として災害支援活動を行っている一般社団法人日本カーシェアリング協会は、東日本大震災で何万台という車が津波で失われたのをきっかけに支援活動を始め、昨年までに全国の地震、風水害など、22の被災地で被災者に無償で車を貸し出す活動を続けてきた。能登半島地震では、過去最大規模の2,000台を優に超える貸出しがあり、発災から半年がたとうとする現在でも、貸出しの要望があるとのことである。
本県は、本年5月22日に、日本カーシェアリング協会との間で、災害時における被災者等の移動手段の確保に関する協定を締結した。協定は、県からの要請に応じ、被災者や被災地で活動するボランティア団体などに対して、協会が車の無償貸与を実施する内容である。本県でも南海トラフの地震発生への危惧や、風水害への懸念も高まる中、この協定は大規模災害への備えを一歩前に進めるものである。
そこで、日本カーシェアリング協会との協定について伺う。この協定により、どのように被災者への支援が行われるのか。
【理事者】
災害時に被災者や被災地で支援活動を行うボランティア団体などの移動手段を確保することは、被災者の生活再建や、支援団体が復旧活動を行う上で非常に重要である。
この協定は、災害発生時に県からの要請に基づき、日本カーシェアリング協会が被災者などに自動車を無償で貸し出すものである。
日本カーシェアリング協会は、車の貸出しのため、拠点を被災地に設置し、寄附により調達した中古車両などを活用して、申込みのあった被災者などに貸出しを行う。乗用車のほか、瓦礫、災害ごみの片づけに利用可能な軽トラックの用意もあり、能登半島地震の被災地では多く利用されていると聞いている。
【委員】
次に、大規模災害時に日本カーシェアリング協会との協定を活用した被災者支援がスムーズに進むよう、今後どのように取り組むのか伺う。
【理事者】
災害時に市町村が日本カーシェアリング協会の支援活動を円滑に受け入れるためには、協会の活動拠点となり得る候補地を事前に定めておくことが重要であるため、市町村に協定について周知をするとともに、拠点候補地の抽出を促し、協定の実効性を高めていく。
また、毎年、防災週間に県が市町村との共催で実施している総合防災訓練は、多くの県民が参加することから、日本カーシェアリング協会の災害支援活動を紹介するパネル展示なども実施し、県民への周知を図っていく。
【委員】
災害発生時は、迅速な対応を要求されるのが行政の取組となる。通常時には想定しない業務が増え、加えて現地調査、現地確認をする必要性も多々出てくる。そのような中、実際に今回の能登半島地震での対応に当たった多くの被災自治体では、公用車が足りないとの声が上がった。
また、日本カーシェアリング協会が過去に被災地支援を行ってきた全国の自治体に、災害時の公用車不足に対し、何らかの備えをしているかを調査したところ、半数以上が、備えなしとの回答であった。
以上のことから、災害時には自治体においても災害対策活動の増加により公用車が不足するのではないかと考えられるが、行政による災害対策用の車両の確保について、県はどのように取り組んでいくのか。
【理事者】
大規模災害が発生した直後には、行政においても、一時的に多くの災害対応業務が発生するため、職員や物資を輸送するための公用車の確保が課題になると考えられる。
今回の能登半島地震においても、愛知県が対口支援を行った石川県の志賀町では、被災地の外から大勢の自治体職員が派遣されており、住家の被害認定調査などに従事した。したがって、町内を移動するために車が必要となっていた。
このような公用車の臨時的なニーズに対し、本県では2008年に、一般社団法人愛知県レンタカー協会との間で、災害時における車両の調達に関する協定を締結し、この協定に基づき、応急対策に必要な車両を借り上げ、増大する車両のニーズに対応する。
【委員】
過去の大規模災害等では、ほぼ例外なく、トイレ不足が問題となった。断水し、トイレの水を流せない中、避難生活を送る被災者は、携帯トイレや簡易トイレを利用するため、十分なトイレの備蓄がない避難所では、すぐにトイレ環境が劣悪となる。
発災から数日経過すると、仮設トイレが設置されるが、避難所には多くの高齢者がおり、屋外に設置された段差のあるトイレは利用しづらい。トイレに行く回数が少なくて済むよう、水分の摂取を控えると、エコノミークラス症候群を発症する恐れもあり、それが原因となり災害関連死を招いた実例もある。
石川県穴水町の避難所では、発災当初、避難所の水洗トイレの水が止まっており、仮設トイレを設置していた。発災後1か月経過した、2月1日には水道が回復し、水洗トイレが利用可能となった。この間、屋外に設置されていた仮設トイレは極寒状態で、夜中に起きてトイレに行っていたことを考えると、とてもつらかったことだろうと思う。
さらに、水洗トイレが復旧したとはいえ、200人を超す避難者と避難所の運営ボランティアの人数が利用するトイレとしては数が足りていないため、仮設トイレは継続して必要だった。
災害時とはいえ生理現象はコントロールできないため、食料の確保と同様、トイレの確保は重要な課題である。
今年の能登半島地震では、全国各地の自治体が保有するトイレトレーラーが被災地で活躍しているという報道も見られた。日常的には地元の災害への備えとして整備し、他地域で大規模災害が発生した際は応援に駆けつけ、資源を有効活用し被災地支援を行った一例であるが、本県では幾つの市町村がトイレカーを配備しているか伺う。
【理事者】
現在、春日井市、刈谷市、阿久比町の3市町がトイレカーを配備している。
本年度も、県の南海トラフ地震等対策事業費補助金を活用し、トイレカーの整備を予定している市町村がある。
今後も、補助金を活用するなどして、市町村におけるトイレカーなどの資機材整備の取組を支援していく。
【委員】
能登半島地震では、輪島市、珠洲市など、道路が寸断されたことで往来ができなくなり、孤立した地域があった。ラジオや予備の電池はあっても、電波が入らず、スマートフォンがつながらない、防災無線の放送も聞こえないという場所もあったと聞いている。
大規模災害時に情報が届かないと、被災生活においても不便である上、被災者の不安を増幅させることにもつながるため、通信機器の整備は重要と考える。
そこで、孤立する可能性がある地域への備えについて伺う。本県には孤立する可能性がある集落は幾つあるのか。
【理事者】
孤立する可能性がある集落について、内閣府が2013年度などに、交通が途絶する要因、避難施設や情報通信手段の状況などについて調査を実施しており、その後、本県においても2021年度に調査を行い、県内市町村の孤立可能性集落の把握に努めている。
県が2021年度に実施した調査では、17の市町村において、547か所の孤立可能性集落を把握している。
【委員】
2021年度で17市町村547か所という答弁があった。
そうした集落に対し、災害時の備えとして、本県ではこれまでどのような取組をしてきたのか。
【理事者】
愛知県地域防災計画において、中山間地等における孤立対策として、孤立する可能性のある集落の把握や孤立に対する備えなどについて定めており、市町村はこれに基づき、集落と市町村の間の通信途絶を防止するため、衛星携帯電話、防災行政無線など、地域の実情に応じて、通信手段の確保に努める。
また、県の南海トラフ地震等対策事業費補助金により、孤立集落において双方向の通信が可能な衛星携帯電話などの通信機器や、情報収集、支援物資の輸送に活用できる無人航空機、ドローンの整備などを補助の対象としており、市町村の取組を支援している。
【委員】
今後、本県において大規模災害が発生し、孤立集落が発生した場合に備えて、情報伝達手段の確保についてどのような取組を行っていくのか。また、能登半島地震では、短時間でWi-Fi環境構築が可能な衛星通信サービス、スターリンクが活用されたと聞いているが、災害に備え、市町村に対してスターリンクの案内を行う予定はあるか。
【理事者】
孤立可能性のある地域において、情報通信機器など必要な資機材の整備や、災害時の情報伝達体制の確保について確認するなど、また市町村に、地域の防災訓練で、配備されている衛星携帯電話を用いて通信訓練を行うなど、実践的な取組を取り入れるよう働きかける。
また、本年6月に取りまとめられた能登半島地震の対応に係る政府のレポートの中で、孤立地域の情報の集約、共有の方策や、避難所等の通信の確保が課題の一つに上げられており、国では今後、自治体、有識者等のワーキンググループにおいて検討を深めていくと聞いている。
本県においても、国の検討を踏まえ、本年度の愛知県地域強靱化計画やアクションプランの見直しの中で、こうした情報伝達手段の確保についても十分に検討していく。
なお、スターリンクについては、本年6月12日に開催した市町村防災担当課長会議に合わせ、災害対策用通信機器の説明会を総務省東海総合通信局と連携して実施した際に、実機を用いて市町村に紹介している。
【委員】
まず、行政における災害対策用の車両確保について、2008年に愛知県レンタカー協会と締結した協定内容も、時代に応じてアップデートしていく必要がある。特に、災害発生時は、県と該当市町村エリアの連携が重要となる。本協定が県全体として十分に活用されるよう、協定内容の見直し、市町村への周知を進めてもらうことを要望する。
また、二点目に、トイレカーについて、本県江南市にあるコンテナを加工し、シェルターやトイレカーを造る業者を視察したが、水洗とほぼ同じような設備を備えているため、非常に便利なものであった。ぜひとも災害が発生した際の被災者の安心したトイレ利用、特に災害弱者、高齢者を含めたトイレ利用が、トイレカーの設備によって安心して運営されるよう、本県においても配備の計画を検討し、迅速にトイレカーを配備するよう要望する。
【委員】
昨年6月2日の大雨は、本県の東三河地域に甚大な被害を与えたことは、記憶に新しいところである。
昨年度、総務企画委員会に所属していた議員から聞いたところによると、豊川市では、住宅の被害は、全壊2棟、床上、床下浸水、合わせて549棟であったのに対し、車両の被害は1,493台。このうち、1,192台が廃車せざるを得なかったと聞いている。当時は、木藤委員から質問があった一般社団法人日本カーシェアリング協会との協定は締結されていなかったが、一般社団法人日本カーシェアリング協会から、車の無償貸与の協力があり、大変助かったと聞いている。
本県の県民生活において、車がどれほど大事であるかを示す指標として、一般財団法人自動車検査登録情報協会が集計した令和5年3月末時点における自家用車の一世帯当たりの普及台数を調査しているが、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の首都圏や、大阪府、兵庫県、京都府の関西圏では、いずれも一世帯当たり1台を下回るのに対し、本県は全国平均の1.025台を上回る1.232台であり、他都道府県と比べ自動車に依存した生活を送っているかが分かる。
こうした本県の特徴を踏まえれば、災害支援物資の飲料水、食料、毛布等の確保と同様、車の確保というのも被災者にとって切実な課題であると考えているが、現在、被災者への車両の確保や移動手段の確保について、地域防災計画などの県の計画にどのように位置づけられているのか。
【理事者】
本県では、今回、一般社団法人日本カーシェアリング協会と締結した災害における被災者等の移動手段の確保に関する協定のほか、災害時における被災者の緊急輸送や移動手段の確保のため、2017年に公益社団法人愛知県バス協会と災害時におけるバスによる緊急輸送等に関する協定を、また同じく2017年に、愛知県タクシー協会、名古屋タクシー協会と、災害時におけるタクシーによる緊急輸送等に関する協定を締結している。
しかし、被災者の生活を再建するための車両の確保や移動手段の確保については、地域防災計画や地震対策アクションプランをはじめ、県の計画に位置づけるには至っていない。
【委員】
県の計画には明確な位置づけがないとのことだが、様々な協定の実効性を担保していくため、県の計画に位置づけることが非常に重要になる。また、県民の住居やその周辺に運ばれてきた土砂や流木等を取り除く際や水浸しになり使用できなくなった家財道具を仮置場に持ち込む際などに必要な車の確保の問題について、県当局の積極的な取組をお願いしたい。
一般社団法人日本カーシェアリング協会との協定の実効性を高めていく取組に、県当局の答弁があったが、このような取組を県の計画に位置づけ、施策を進めていくべきと考えるが、県当局の見解を伺う。
【理事者】
本年度、県の地域強靱化計画の変更と合わせ、地震対策アクションプランを、風水害を含めた総合的な防災対策のプランへとリニューアルするよう、現在、作業を進めている。したがって、一般社団法人日本カーシェアリング協会と本年5月に協定を締結したことなどを踏まえ、次期アクションプランの策定作業の中で、被災者が速やかに生活を再建するための取組である被災者の車両の確保や移動手段の確保の支援についても検討していく。
【委員】
昨年度6月2日の大雨の被害、この教訓をしっかり生かし、一般社団法人日本カーシェアリング協会と締結した協定の実効性を担保するため、県計画に明確に位置づけるよう要望する。
【委員】
あるアンケートでは、災害発生時における自治体の課題で、防災、災害担当者の9割が、初動対応が重要と回答、そのうち4割が初動対応は不十分と回答している。
また、当該アンケートでは、初動対応では、刻一刻と変化する状況を把握すること、情報を正確に確認すること、住民へ迅速に情報を伝達すること、適切なタイミングで避難指示を発令することなどが難しいと回答されており、それに対する取組として、各組織内での訓練の実施、職員間のコミュニケーションの向上などが挙げられているが、本県の災害時の初動対応における連携力強化に向けた取組について伺う。
【理事者】
大規模災害発生時は、県庁自治センター6階に災害情報センターを開設して対応することとなるが、災害時に円滑に開設するため、立ち上げのためのマニュアルを整備しており、職員はこのマニュアルに沿って行動し、迅速に体制を整え、各機関のリエゾンの受入れ、情報共有や活動の調整を実施する。
これまで図上訓練型の県災害対策本部運用訓練や被災自治体支援活動訓練において、各機関のリエゾンと連携訓練を実施している。
また、実動訓練である総合防災訓練や、津波・地震防災訓練において、現場の部隊同士が連携し、救出救助活動の訓練を実施しており、こうした訓練を通じて防災関係機関相互の連携を深めてきた。
今年度も、9月に実施する県災害対策本部運用訓練や、阿久比町で実施する総合防災訓練、10月に弥富市で実施する被災自治体支援活動訓練や、11月に愛西市で実施する津波・地震防災訓練を通じ、課題を明らかにし、その体制を各初動マニュアルに反映することで、より実効性を高めていく。
【委員】
本県において、災害発生時における、災害情報の収集、住民への伝達、避難指示の発令はどのような形で行われるのか。
【理事者】
大規模災害時は、市町村が避難指示等を住民に素早く伝達する必要があり、本県では、まず緊急速報メールを全54市町村に伝達することとなっていることに加え、防災行政無線、広報車、地元ケーブルテレビ、コミュニティーFMなど、複数の手段、何らかの手段により情報が確実に伝達するような体制を取っている。
【委員】
答弁漏れだが、災害情報を県はどこから収集するのか。また、その収集方法を伺う。
【理事者】
市町村の被害状況については、原則、市町村がシステムによって県に情報を集約することになっているが、大規模災害時は、市町村の職員が情報を上げることが困難な場合もあるため、県職員を派遣し、市町村から被害状況を入手する体制を取っている。
【委員】
県職員を派遣するにしても、災害地、震源地が分からないと、職員を派遣できないと思う。市町村も災害発生時にパニックになると、職員派遣のシステムが機能しないと思うが、それにはどのように対応するのか。
【理事者】
震度情報ネットワークを本県は整備をしており、特に被害が大きい地域を把握するとともに、震度5強以上の地震については、自動的に市町村に県職員を送るシステムになっているため、そこから情報を得ることになる。
【委員】
本年4月に台湾で地震が発生した際、災害直後に、素早く避難所にテントを設置したことで話題となったが、台湾では、避難所におけるテントの設置について、民間事業者とNPO、NGO等が行政とタイアップし、日頃から訓練を実施したことにより迅速に対応できたと聞いている。本県においても災害発生時にそのような対応をすることは可能か。
【理事者】
本県においては、例えば学校の体育館、庁舎等、屋内で避難できるよう、避難場所を確保しており、その際、必要となる段ボールベッド等については、関係の事業組合と協定を締結し、必要数を確保するための体制を取っている。
また、避難所の運営については、総合防災訓練等の中で、実際に住民、関係事業者の参加を得て、運営の訓練を行っている。
【委員】
段ボールベッド等について、各市町村の避難所収容人数分の県の備蓄があるのか。
【理事者】
本県の備蓄だけではなく、災害発生時に段ボール事業者、それから本年5月に協定を締結し、災害時に供給されることとなった段ボールベッド、紙の筒や幕を使った間仕切りなどの備蓄以外のものを協定に基づいて提供してもらい、必要数を確保していくことになる。
【委員】
協定に基づき供給される間仕切りはどのような形状か。
また、そのような物資の供給を依頼する際には、どのように事業者に連絡するのか。
【理事者】
一点目の、間仕切りの形状について、段ボールベッドの周囲を、先日協定の締結により提供されることとなった紙の筒で四方に柱を立て、そこに幕等をかけての間仕切りする形となる。
二点目の、災害時における事業者への連絡は、災害救助法の適用、または市町村から物資のあっせんの要請があった場合に、県を通じて関係事業者と連絡を取る形となっている。
【委員】
災害発生時に、県が市町村の状況を把握した上で、協定に基づき民間事業者とどのように連絡を取るかは、あらかじめ民間事業者と十分に情報共有を行ってもらいたい。
台湾のように、民間事業者、NPO、NGOが災害発生時に迅速に対応できる体制を構築するためには、行政と同じレベルで民間事業者等が情報を共有できている状況が必要であり、行政がどう民間事業者へ情報を提供するかが重要だが、それに対する県の考えを伺う。
【理事者】
事業者との連携の面では、協定を締結した事業者とは連絡会、会議という形を設け、県や関係市町村等へ協定内容に基づく国等の取組について日頃から情報提供し、また、訓練の参加を経て、災害時に、協定に基づき事業者へ要請する際に、あらかじめスムーズに連絡が取れるようにしている。
【委員】
このことについては、段ボールベッドだけではなく、テントも非常に有効なものであるため、あわせて考えてほしい。また、民間事業者、NPO等に協力を依頼する場合も、行政と同じレベルの情報を共有することは難しいと聞く。そのため、日頃から、何か起きたときにはどのように情報を共有できるかは、しっかりと訓練をし、規定として定めておかなければならないと思う。
次に、防災拠点の完成が当初スケジュールから2年程度遅れることは責任問題である。
その上で、質問するが、今年1月の能登半島地震ではうまく物資が運ばれていなかったと聞いている。豊山町に支援物資倉庫が整備された場合、災害発生時に、物資を円滑に被災地に届けられるようなオペレーションはできているのか。
【理事者】
本県では、現在、支援物資を効率的に一元的に各市町村の輸送拠点に運ぶため、広域物資輸送拠点や県内に101か所ある地域内輸送拠点などの活用を含め、県全体の災害物流の全面的な見直しを進めている。
大規模災害時は、国からプッシュ型支援で届く物資の他、協定事業者から提供される物資など大量の物資が届くため、これらを円滑に受入れ、集積し、仕分けをし、各拠点に配送することが、市町村への適切な物資輸送のためには重要である。
現在、国の物資調達・輸送調整等支援システムがあり、そこで国、県、市町村の間で必要な物資に関する情報を共有しているが、物流の世界は日進月歩であるため、最新の情報に日々アップデートし、効率的な体制としていくことを考えている。
このため、愛知県トラック協会など物流の専門家と意見交換を重ね、現場に必要なオペレーション、データ管理などをどのようにしていくかを協議している。
また、能登半島地震における様々な対応について、令和6年能登半島地震に係る災害応急対応の自主点検レポートが、今月公表され、民間物流業者、自衛隊の支援が被災地に入ったことで、避難所までの円滑な物資輸送が可能になった事例もあると報告がされた。
今後、さらに国のほうでも災害時の物資輸送に関する検証が進められていると聞いている。そのような検証結果も踏まえ、本県においても、避難所まで速やかに確実に物資を届ける体制を確保するため、物流専門家のアドバイスを受けながら、準備を進めていきたい。
【委員】
熊本地震が発生した際、物資倉庫内に多くの物資が搬入され、配置場所を把握できずに現場が混乱したこともあったと聞いているが、実際、災害が発生した場合、本県は物資拠点内の物資の整理を円滑に行うことができるのか。
また、現在、整備中の豊山町の支援物資倉庫が完成するまでの間は、支援物資の集約をどこで行うのか。
【理事者】
現在では県内に5か所ある広域物資輸送拠点、例えば長久手市のモリコロパークや、みよし市にある中部トラック総合研修センターなど5か所を県の物資拠点として活用する計画としている。
今回の能登半島地震で本県が対口支援に入っている志賀町でも、発災当初は多くの物資が運ばれ、拠点内の整理がうまくなされない状況もあったが、そこが徐々に専門家が入ったことにより改善され、物資が円滑に避難所まで届けられるようになった。
そのため、例えばよく使う物資とあまり使わない物資といった物資の性質などに応じて、保管場所、それから取りやすさといったことも勘案し、広域物資輸送拠点内で物資が円滑に流れていくようなレイアウトなどを物流専門家の意見も聞きながら運営していきたい。
【委員】
答弁漏れがあるが、豊山町の支援物資倉庫が完成するまでの間はどこを拠点に物資を集約させるのか。
【理事者】
豊山町に支援物資倉庫ができるまでの間は、現在運用している5か所の広域物資輸送拠点、具体的には、名古屋の中小企業振興会館、一宮総合運動場、長久手市の愛・地球博記念公園、みよし市にある中部トラック総合研修センター、豊橋市総合体育館、この5か所を現在の広域物資輸送拠点と定めている。
【委員】
全国から支援物資が届いた際は、その物資をどのようにして広域物資輸送拠点に分配するのか。
【理事者】
広域物資輸送拠点を5か所設定したのは、県内いずれかの地域で被災した際、より近いところに拠点を設け、そこで国の物資を受け入れた後、それぞれ被災した市町村の物資を送り込む拠点に運ぶことを目的としている。そのため、発災の状況に応じ、その五つの拠点を使い分ける。また、南海トラフ地震では、県内全域が被災する可能性があるため、効率よく5か所の物資輸送拠点を活用するとともに、国等から提供される物資については、例えば陸路、空路による物資提供が考えられるため、そのような場合に、より近接する物資輸送拠点で物資を引き受けられるようにするなど、取組を進めていく。
【委員】
仮に、食品会社がカップヌードル1万個を寄附する場合は、物資の送付先は、広域物資輸送拠点の5か所にそれぞれになるのか。
【理事者】
まず、一般の人からの寄附や我々が市場から調達することによって供給される物資は、基本的に、広域物資輸送拠点が届け先になる。ただ、状況により、市町村ごとに定めている地域の輸送拠点に直接持ち込んだほうが合理的あれば、そのように物資輸送の行程を組むこともあり得る。
【委員】
物資を送る側は1か所に送ったほうがいい。1か所に送るとしたらどこなのかを尋ねている。
【理事者】
そういう意味では、広域物資輸送拠点5か所に自動的に送られることになる。
【委員】
そんな不便なことがあるのか。寄附してもらうところに、5か所へ送ってほしいと依頼するのか。
【理事者】
まず、前提として、大規模災害が発生した場合は、県庁内に緊急物資チームが編成される。そのチーム内で様々な検討をした上で、物資の配送先を指示することとなる。
そのため、仮に、食品会社から物資を提供してもらう場合、品目、数量に応じ、一番合理的と考えられる広域物資輸送拠点のいずれかを届け先として指定することとなる。
【委員】
1か所に物資を集中させ、そこから物資を5等分し、各広域物資輸送拠点に送ればいいわけである。そのために早く豊山町に支援物資拠点を整備しなければならない。本来は5か所の広域物資輸送拠点に物資を送付する前に、例えば県庁へ物資を集中させ、物資は県庁へ送ってほしいという依頼の仕方のはずである。寄附してくれる企業等に、5か所の広域物資輸送拠点にそれぞれ送ってほしいという話は、聞いたことがないが、局長の考えを伺う。
【理事者】
現在、5か所の広域物資輸送拠点を設けており、基本的に一番量が多いのは、国からのプッシュ型支援による物資の集積になるが、この物資の宛先は5か所の広域物資輸送拠点を指定し、それぞれに必要な量を届ける形となっている。そこから県内101か所に向けて発送する方法を取っている。
確かに、物資を寄附する側からすると、1か所に送付できた方がよく、我々としても、資源、資材等を考慮し、1か所で物資輸送拠点を運用した方が効率がよいということも含め、今回、後方支援拠点として、豊山町の支援物資拠点を整備するに至った。
そのため、豊山町の支援物資拠点が整備されるまでの間は、5か所の広域物資輸送拠点を効率的に運用できるよう、広域物資輸送拠点では、国からのプッシュ型支援を受入れ、それを迅速に市町村へ流すという形を想定している。また、その際、必要な物資が見当たらないということがないよう、物流、蓄積の仕方を繰り返し検証する必要があることに加え、短時間に大量に物資を仕分けする必要があることから、愛知県トラック協会などの物流の専門家の力も借りながら、最新技術を活用し、物資輸送の効率化に向けて取り組んでいく。
【委員】
要望として、豊山町に整備中の支援物資拠点が完成した際は、最新の民間の手法を取り入れ、物資の整理整頓ができずに、奥に入った物資を取り出せないことがないよう、オペレーションを考えてもらいたい。
【委員】
これまでの答弁は昔から変化がない。豊山町の支援物資拠点の計画を表に出したことはあるか。どれだけのキャパシティがあるのか。
もう一つ、愛知県新体育館で訓練は行うのか。また、どのような構造でできているか把握しているのか。
【理事者】
体育館の構造や、実際に物資倉庫として活用できるところについて把握できていない。
【委員】
防災安全局自体が全く基幹的広域防災拠点整備事業について把握していない。豊山町の支援物資拠点とは言うが、規模も何も分からない。物資の仕分をどのように行うのか、何も見えてこない。
基幹的広域防災拠点整備事業についてよく理解できていないことで現実に入札不調、不落となっている。もう一度考え直してもらい、9月までに取り組み、委員会で結論が出なければ、事業を中止してほしい。
また、指令塔をどこに置くかといった説明が何もない。事業をやるということばかりで、質問があっても、求めている答えが何も出でこない。我々のほうがよく事業の中身を理解している。もう一度、局全体を締め直すとともに、一から十まで全てチェックし直し、意思統一してほしい。