委員会情報
委員会審査状況
総務企画委員会
( 委 員 会 )
日 時 令和6年6月27日(木) 午後0時58分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
今井隆喜、日高 章 正副委員長
水野富夫、高桑敏直、辻 秀樹、杉江繁樹、杉浦正和、富田昭雄、
日比たけまさ、福田喜夫、島 孝則、木藤俊郎 各委員
政策企画局長、企画調整部長、国際監、ジブリパーク推進監、
総務局長、デジタル戦略監、総務部長、財務部長兼財政課長、
人事局長、人事管理監兼人事課長、
会計管理者兼会計局長、同次長、監査委員事務局長、同次長、
人事委員会事務局長、同次長兼職員課長、議会事務局長、同次長、
関係各課長等
<付託案件等>
○ 議 案
第103号 令和6年度愛知県一般会計補正予算(第2号)
第1条(歳入歳出予算の補正)の内
歳 入
第104号 愛知県公告式条例の一部改正について
第105号 愛知県県税条例及び愛知県産業廃棄物税条例の一部改正について
第106号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正について
第127号 公安委員会の委員の選任について
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第103号から第106号まで
全員一致をもって同意すべきものと決した議案
第127号
○ 請 願
第 15 号 「『消費税5%引き下げを求める意見書』採択を求める」について
第 16 号 「『インボイス制度廃止を求める意見書』採択を求める」について
(結 果)
賛成者なしをもって不採択とすべきものと決した請願
第15号及び第16号
○ 閉会中継続調査申出案件
1 行財政について
2 国際交流の推進について
3 地域振興について
4 地域及び県行政の情報化の推進について
5 防災対策及び安全なまちづくりの推進について
6 政策企画局、総務局、人事局、防災安全局、会計局、選挙管理委員会、監査委員及び人事委員会の行政運営について
<会議の概要>
1 開 会
2 議案審査(5件)
(1)理事者の説明
(2)質 疑
(3)採 決
3 請願審査(2件)
4 委員長報告の決定
5 一般質問
6 閉会中継続調査申出案件の決定
7 閉会中の委員会活動について
8 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
【委員】
第106号議案、職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正について質問する。特殊勤務手当は、職員の給与に関する条例で著しく危険、不快、不健康または困難な勤務、その他の著しく特殊な勤務で、給与上、特別の考慮を必要とするものであって、かつ、その特殊性を給料で考慮することが適当でないと認められるものに対して支給することとされている。
これを受けて、本県では、職員の特殊勤務手当に関する条例を制定し、現在は、18の手当について支給要件や支給額を定めているところだが、これらの業務の特殊性は、決して普遍的なものではなく、作業環境の改善などによって絶えず変化している。45回ほどこの条例も改正されているが、支給対象業務や支給額などは、時代の変容に応じたものとなるように、その特殊性に再評価するなどして適正化を図る一方で、東日本大震災に対応するための災害応急作業や新型コロナウイルス感染症の急速な蔓延により生じた事態に対応するための防疫検査について特例を設けるなど、新たに生じた業務を支給対象に追加するといった見直しを行ってきたと承知している。
また、適正化や見直しに当たっては、国の特殊勤務手当の支給基準や手当額に準拠することを基本とし、他の都道府県における措置状況なども考慮した上で県民の理解と納得が得られるものとなるよう検討が進められてきたものと認識している。
こうした中、今回の職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正は、災害応急作業等手当の支給対象となる業務を追加しようとするものである。
初めに、今回、条例改正を行い、新たな業務を災害応急作業等手当の支給対象とすることにした経緯や考え方を伺う。
【理事者】
新たな業務を支給対象とすることとした経緯等についてであるが、特殊勤務手当の一つである災害応急作業等手当は、自然災害発生時に職員が行う応急作業や災害状況の調査などを支給対象とするものであり、国の取扱いを踏まえ、現在は、建設事務所等の職員が行う県管理の河川や道路の巡回・監視などを支給対象としている。
一方で、過去の大規模災害発生時、例えば東日本大震災や熊本地震の際には、全国の自治体から職員が被災地に派遣され、現地で避難所運営支援などの応急対策業務に従事していたが、国では、こうした業務を支給対象としていないことから、本県を含む多くの都道府県では、この手当を支給対象としてこなかった。
こうした中、総務省が地方自治体に対して、例えば、避難所運営等の業務や罹災証明に係る家屋調査についても支給対象作業に該当し得るとする見解を示した上で、自治体に対して適切な取扱いを求める通知を発出し、また、人事院規則が改正され、国の支給対象が拡大されたことを受け、本県も多くの都道府県と同様に新たな業務を支給対象に追加した。
【委員】
総務省が見解を示して国が支給対象にしたということである。
本年1月1日に発生した能登半島地震では、発災直後から緊急避難的な各種応急対策業務に従事するために、本県から多くの職員が被災地に派遣され、昼夜を問わず様々な支援業務に従事したと聞く。これは県内市町村、私の住む常滑市からも同じような話を聞いており、防災安全局から報告された能登半島地震についてという資料を見ても、多くの職員が派遣されたことは見て取れる。
今回の条例改正により、具体的にどういった業務が新たに災害応急作業等手当の支給対象となるのか。
【理事者】
新たに支給対象とするのは、派遣要請などに基づいて被災地に派遣された職員が従事した全ての業務である。能登半島地震では、石川県志賀町への対口支援業務、保健師・看護師等の健康危機管理支援業務、土木職職員の下水道管路被害調査など様々な支援業務に従事しており、その困難性や特殊性にそれぞれ違いはあるが、いずれも県外の被災地という特異な環境下で、通常の業務とは異なる不慣れな危険、困難な業務に従事しているという点は共通している。
また、他の都道府県では、支給対象業務を限定的に取り扱う団体もあるが、多くの団体では応急対策業務全般を対象としており、本県の職員団体からも、職員団体との交渉の場において全ての業務を対象とすべきであるとの強い主張・要望があった。
こうしたことから、本県では、全ての応急対策業務を支給対象とすることとした。
【委員】
答弁を聞いて、国または被災都道府県、市町村からの派遣要請等に基づいて職員が派遣された場合で、現地で災害応急対策業務に従事したときは、業務内容にかかわらず全てが支給対象となる旨承知した。
職員の中には、発災直後の混乱した状況の中で被災地に派遣された人や、悪天候の中で長時間にわたり屋外での作業に従事した人もいたと聞く。支給対象業務を限定しないことは、職員の労苦に報いるものであり、評価できると考える。
一方で、新たに支給対象に追加した業務に従事した際の手当額は、日額710円としている。迅速かつ効果的な支給が求められる中で、被災地という特異な厳しい環境の下、災害応急対策業務に従事する職員にとっては、体力面はもとより精神面でも大きな負荷がかかり続けていると想像する。手当額を日額710円とした考え方を伺う。
【理事者】
新たに追加する業務の手当額を710円とした考え方だが、本県は、従来から手当の取扱いは、国に準拠することを基本としており、国は、国の職員を地方公共団体に派遣して行う関係行政機関等の連絡調整業務の額を日額710円としている。
本県職員が従事する災害応急対策業務の内容は、非常に多岐にわたっているが、被災地において連絡調整を含む各種業務に従事する点は、国の連絡調整業務と共通していると考えられることから、国の額を参考に日額710円が適当と判断した。
なお、国では、大規模災害の場合に日額1,080円に引き上げる特例額を新たに設定するとともに、深夜の時間帯、午後10時から午前5時までの間に業務に従事した場合の加算措置を新設したことから、こちらについても、本県も同様の規定を設けることとした。
これにより、能登半島地震は大規模災害に該当するため、災害応急対策業務に従事した職員は、日額710円ではなく特例額である日額1,080円を適用する。
【委員】
国家公務員の同種の業務に係る手当額と均衡を踏まえて金額を設定したことや、深夜帯に従事した場合は加算が措置されていること、また、能登半島地震に係る業務は、日額1,080円が適用されると伺い、納得した。よかったと思う。
能登半島地震から半年がたった今月の初めにも大きな余震があったと聞く。非常に危険な地域であり、当初から業務に当たっている人に対して手当が支給されることは、非常にありがたく思う。
能登半島地震では、全国の自治体から石川県をはじめとする被災地域に多くの職員が派遣され、被災自治体の職員と共に災害マネジメント総括事業に従事するほか、対口支援として避難所運営や罹災証明書の交付を行うなど、様々な支援業務に従事されたと聞く。これらの業務に従事した本県職員に対しても、国の職員と同水準の手当が支給されなければいけないと考えているため、対応をお願いする。
最後に要望する。今回の条例改正は、能登半島地震に係る災害応急対策業務に従事した職員に対して支給される。今年の初めから従事が始まり、本日は6月も終わりに入っている。複数回にわたって被災地に行った職員もいると聞く。この条例が可決した際は、速やかに支給手続を進めてほしい。
今は多様化する行政需要に対応するとともに、様々なサービスが求められているため、それらを念頭に置きながら今後も見直しを進めてほしい。
【委員】
第105号議案、愛知県県税条例及び愛知県産業廃棄物税条例の一部改正について伺う。
法人が納める税金には、国に納める法人税のほか、地方自治体に納める法人住民税、法人事業税があるが、このうち都道府県に納める法人事業税では、資本金の額が1億円を超える法人に対して外形標準課税が適用されている。
外形標準課税は、税負担の公平性の確保、応益課税としての税の性格の明確化、税収の安定性等の観点から、所得への課税の一部を振り替える形で2004年4月1日から導入された。そして、外形標準課税は、報酬給与額、準支払利子及び準支払賃借料の合計額と単年度損益との合計額を課税標準とする付加価値割と、資本金等の額を課税標準とする資本割を合わせたものとなっている。つまり、事業年度終了の日における資本金の額が1億円以下の法人は、所得だけを課税標準としているが、1億円を超える法人には、外形標準課税として報酬・給与などの付加価値や資本金等を課税標準とすることから、赤字でも課税されるため、法人が事業規模に応じて広く薄く負担を担うよう設計されている。
このように、現在、外形標準課税の対象法人は、事業年度終了日における資本金の額が1億円を超えている法人だけとなっている。今回の改正は、外形標準課税の対象法人を事業年度終了の日における資本金の額が1億円以下の法人も対象とするとのことだが、改正の目的は何か。
【理事者】
外形標準課税は、資本金を1億円以下に減らすこと等により、対象法人が制度導入時と比べて3分の2までに減少しているほか、事業部門の分所化など、組織再編時に子法人の資本金を1億円以下に設定すること等により、外形標準課税の対象が縮小する事例があること等の課題が指摘されていた。そこで、課税逃れを防ぐことを目的に対象法人の基準の追加を行うものである。
【委員】
課税逃れを防ぐことを目的に行うものであると理解した。わざと1億円以下に資本金を設定する事業者が増えてきているとのことだが、今回の改正は、1億円以下の法人に対しても課税するとのことであり、中小企業への影響はどうか。
【理事者】
資本金を減らすことへの対応については、現行基準を維持した上で、当分の間、前事業年度に外形標準課税の対象法人であって、当該事業年度に資本金1億円以下で資本金及び資本剰余金の合計額が10億円を超えるものを対象とする。外形標準課税の対象法人である、事業年度終了日における資本金の額が1億円を超えている法人が減少した場合に適用されるものであり、資本金が1億円以下の中小企業には影響がない。
また、子法人等を対象とするものについては、親会社の信用力などを背景に事業活動を行う子法人への対応として、資本金及び資本剰余金の合計額が50億円を超える法人等の100パーセント子法人等のうち、資本金1億円以下で資本金及び資本剰余金の合計額が2億円を超えるものを対象とするため、大企業の子法人といえども小規模なものに配慮したものとなっている。
【委員】
資本金が1億円を超える法人がわざと減資している場合に適用されるため、他の法人には影響は出ないのか。
【理事者】
そのとおりである。
《請願関係》
なし
《一般質問》
【委員】
東三河地域における人口減少の現状及び対策について伺う。
本県の人口は、2019年から4年連続で減少している。人口減少地域が県内全域に広がる中、東三河地域は、県内において、他地域に比べて先行して減少局面に入っていると承知しているが、現在の東三河地域の人口減少状況を伺う。
【理事者】
東三河地域の総人口のピークは2008年の約77万3,000人であり、2009年以降は毎年人口が減少している。昨年の人口は約73万5,000人であり、2008年からの15年間で約3万8,000人が減少した。
本年5月17日に開催した愛知県・市町村人口問題対策検討会議では、平成の合併前における旧88市町村別の人口が、2005年と2020年を比べて10パーセント以上減少している地区を人口問題対策が特に必要な地区と位置付けているが、これに該当する地区が東三河地区には9地区ある。9地区のうち、年少人口や生産年齢人口に加え、65歳以上の老年人口も減少局面に突入している地区が6地区ある。いずれも東三河北部の地区であり、これらの地区では、老若男女を問わず地域の維持に取り組んできたが、年々状況が厳しくなっている。
【委員】
東三河地域では、2008年からの15年間で約3万8,000人の人口が減っているが、新城市は現在、約4万4,000人であり、丸々一市がこの15年間で消失したということで、本当に驚くべき数字だと思う。
また、高齢化も進んでおり、地域の活力もなくなっている状況であるが、こうした状況を踏まえて、県だけではなく、市町村も含めて地域全体で対策に取り組むことが重要であると感じている。東三河県庁では、これまでどのような対策を行ってきたのか。
【理事者】
県内において、先行して人口の減少局面に入っていた東三河地域では、県、市町村等が意見交換を行うため、東三河県庁が設置された2年後の2014年度から東三河人口問題連絡会議を開催している。2023年度までに計18回開催し、東三河地域の人口動向や各市町村の取組を共有することで、地域全体の人口問題を認識、議論する機会としている。
また、県、市町村、大学、経済団体等で構成する東三河ビジョン協議会では、東三河振興ビジョン2030に基づき、広域的な課題への対応を強化する重点プロジェクトを1年置きに策定している。東三河地域への移住・定住促進や関係人口の創出を最初の重点プロジェクトに位置づけ、2022年度から産学官が連携して取り組んでいる。
これまでに東三河地域の各市町村における移住相談の拠点となる施設等や、東三河地域の企業を紹介する移住ポータルサイトの立ち上げのほか、東京で開催される移住イベントに出展するなどの取組を実施した。
【委員】
2014年から東三河人口問題連絡会議を計18回開き、東三河振興ビジョン2030を策定して、ポータルサイトや、移住・定住の促進を行ってきたとのことだが、この間、人口減少は進んでいる。
東三河では、名古屋や尾張、その周辺部のようにリニア中央新幹線の開通等の大規模事業が控えているわけではない。いわゆる起死回生の一発がなかなか望めない状況であると思う。このため、現在あるものを生かしながら人口増を目指すという、これまでの対策とほぼ変わらない状況が続くのではないかと危惧している。年々状況が厳しくなる中、県としてより一層、人口減少対策に取り組んでいく必要があると考えるが、今後どのような対策を講じていくのか。
【理事者】
本年5月17日に愛知県・市町村人口問題対策検討会議を開催し、県と人口問題対策が特に必要な地区のある市町村とが連携して人口問題対策の検討を始めた。東三河地域は、県内でも特に人口減少が進んでいるため、この取組と連携して地域に根差した議論を民間とともに一層深める必要がある。
そこで、本年6月17日に地域の事情に精通している経済団体、農業団体、大学、地域のシンクタンクなどの東三河ビジョン協議会の委員と東三河担当副知事による、東三河ビジョン協議会有識者懇談会を開催した。懇談会では、愛知県・市町村人口問題対策検討会議の結果を共有した上で、東三河の人口減少に関する課題の整理や東三河の強みと弱みを踏まえた対応について率直な意見交換をし、民間や学識経験者ならではの認識を示してもらった。
今後は、懇談会の開催結果を踏まえて、東三河地域における効果的な人口問題対策につなげていきたい。
【委員】
今後、地域に根差して議論していくとのことだが、既に議論もされている。議論ばかりしても、実際に人口増につなげることは、正直難しい。人口は、恐らく今後も減っていくと思う。人口減少を抑制する議論やその対策は、もちろん大事だと思うが、人口減少の認識を前提に持った中でどうするのかという議論も必要になると思う。
具体的には、人口減少によってどのような不都合が生じるのかを明らかにし、その課題に対処する方法を検討する必要があると思う。例えば、人手不足も人口減少によって起きてくるが、それをどう解消していくのか。解消策は、例えばAIやIоTで生産性を上げていくのか、実習生を入れるのか、といった具体的な議論をする必要があると思う。
人口減少問題は、気候変動と似たような問題だと思う。解決するためにはものすごく時間がかかるが、着実に抑えていくための施策はしなければならない。
一方で、それに対処する施策もしっかりとやらなくてはならない。気候変動で、例えば災害発生や大雨が懸念される場合、河川の幅を広げたり、しゅんせつするといった対応をしているはずである。
同様に、人口減少に対してどういった対応をしていくのかという議論がこれまであまりされていない。こうした議論を、今後地域ごとに行う必要があり、弱みや強みを生かした中で、どうしたらよいのか、弱みや強みがないのであれば、どうしたら作れるのかを考えなくてはならない。こうした議論を、東三河ビジョン協議会の中でしっかりと行ってほしい。
その上で、東三河県庁を中心に地元市町村や各種団体と連携しながら東三河地域の人口減少問題等と、それに起因する問題にしっかりと取り組んでもらうことを要望する。
【委員】
大きく2項目、一つ目は、職員の総労働時間削減に向けた取組、二つ目は、能登半島地震の復旧復興支援に従事する職員に向けた取組について質問する。
私は、本年度、5年ぶりに総務企画委員会の委員となった。5年前もちょうどあいち行革プランの策定のタイミングであり、本委員会において2018年度の時間外実績である年間148.7時間に触れながら職員の出退時間管理をシステム化してほしいという内容も含め、適正な労働時間管理の徹底を要望した。
あいち行革プラン2020後半期の取組を確認すると、時間外勤務時間数の数値目標が、2019年度実績である年162.3時間から毎年度減少させるとなっている。この目標自体があいち行革プラン策定時を上回る値となっているが、近年の時間外勤務の実績は、どのように推移しているか。増減要因も踏まえて伺う。
また、人事院規則で定める超過勤務の上限時間は、原則1か月あたり45時間かつ1年あたり360時間の範囲内となっているが、例外的に最大四つ、1か月あたり100時間未満、2から6か月平均で月80時間以下、1年で720時間まで、月45時間超過は年6か月までの範囲が認められている。
そこで、この最大値を超える職員は、直近で存在するのか。
また、以上を踏まえて、時間外勤務の削減に向けてどのような対応を図っているのか。
【理事者】
知事部局等における職員1人当たりの時間外勤務の推移は、委員が示したとおり、2019年度は162.3時間であり、その後、2020年度は162.4時間、2021年度は182.0時間、2022年度は185.8時間と増加が続いた。昨年度は、新型コロナウイルス関連業務が落ち着いたこともあり、174.3時間と減少に転じている。
あいち行革プランの目標値に比べて時間外勤務が増加した要因としては、2019年度末から約3年以上にわたる新型コロナウイルス関連業務や能登半島地震への対応など、全庁的な動員が必要となる不測の事態が発生したことや、数々の主要プロジェクトが実現に近づき、事務量が増えたことが大きな要因ではないか。
次に、長時間の時間外勤務を行った職員の状況である。
大規模災害への対応など上限が適用されない業務に従事した時間も含むが、2023年度は、知事部局では268人が該当している。内訳は、月100時間以上の者が139人、複数月の平均で80時間を超えた者が169人、年合計で720時間を超えた者が67人、月45時間を超える月数が6月を超えた者が135人となっている。これらの数字も前年度に比べて全て減少している。
最後に、時間外勤務を縮減するための取組であるが、全庁一斉定時退庁日の設定や幹部職員による消灯観察、時間外勤務縮減キャンペーンのほか、長時間勤務者がいる所属へのヒアリングや管理監督職員への研修など、マネジメントの強化や時間外勤務の削減に向けた意識啓発を図るために各種の取組を継続的・複合的に進めている。
【委員】
2022年7月からは、職員の勤務時間管理にパソコンのログ記録が活用されるようになったと聞く。導入について、私は5年前からシステム化してほしいと言われており、大きな前進だと思っているが、ログ管理を活用する中でどのような影響が出ているのか。
【理事者】
職員の勤務時間管理は、原則として上司が現認することで確認している。時間外勤務のように退庁時間の現認が難しい場合は、従事内容、従事時間の確認を踏まえた事前命令や事後確認を徹底するなどして適切な勤務管理を図っている。
こうした中、勤務時間を客観的に把握するために、2022年度にパソコンのログ記録を活用した勤務時間管理を導入したところであるが、勤務時間が明確に記録されるため、職員の中で時間外勤務や勤務時間に対する意識が従来よりも明らかに高まってきていると思う。意識することで具体的な行動の実践につながってくるため、引き続き職員に対する研修など意識啓発に努め、導入の目的である長時間勤務の是正や職員の健康確保につなげていきたいと思っている。
【委員】
本県は、ワークライフバランスの充実と生産性向上による経済活性化を目指した休み方改革を提唱している。その中で年末年始の連続休暇取得推進など、新たな取組も始まった。そこで、職員の休み方改革の内容や結果はどのようになっているのか。
【理事者】
職員の休み方改革について、昨年度の年末年始には、休暇取得率7割程度を目安に最大12連休となる連続休暇の取得促進に取り組み、期間中における平日3日間の平均休暇取得率は、53.6パーセントとなった。その後実施した職員アンケートの結果なども踏まえて、今年度も職員の連続休暇の取得促進に取り組んでいる。
まず、大型連休に合わせた連続休暇の取得促進では、昨年度の年末年始に行った取組をゴールデンウイークと盆にも拡大している。半数を目安に休暇取得を奨励しているが、先日のゴールデンウイークにおける平日3日間の平均の休暇取得率は32.5パーセントとなっている。さらに、時期分散型の連続休暇として、職員が希望する時期にマイ・ウィークを設定し、マイ・ウィークの7日間の中で土日・祝日と休暇をつなげて5日間以上の連続休暇を取得するあいちマイ・ウィーク・プランを実施している。あいちマイ・ウィーク・プランは、7月と11月を推進月間として設定しており、連続休暇取得の機運をさらに高めて取り組んでいる。
【委員】
ただ今、時間外勤務や休暇等について聞いたが、その他の柔軟な働き方の取組としてテレワークや在宅勤務があるが、近年はどのように取り組んでいるのか。
【理事者】
職員の柔軟な働き方を推進する取組として、2002年4月から時差勤務制度、それから2020年1月から在宅勤務制度を導入している。
近年の取組について、まず、時差勤務制度は、より利用しやすい制度となるよう、昨年4月から見直しを行った。具体的には、これまでは子の養育や家族の介護、長距離通勤などの指定事由を限っていたが、事由を問わず可能にしたことと、原則1か月単位であったものを一日単位で取れるようにしたことである。また、2週間前までに書面での申出が必要であったものを、前日までに口頭の申出で可能にしたことといった改正を行った。
次に、在宅勤務制度は、昨年度、在宅勤務時に時差勤務の実施を可能とし、7月、8月に在宅勤務集中取組週間を設定するなどの利用促進に取り組んでいる。また、今年度からは、対象者を一般職非常勤職員に拡大するとともに在宅勤務等手当を導入するなど、さらなる制度拡充を図っている。
引き続き、職員の多様で柔軟な働き方を実現できるように取り組んでいく。
【委員】
総労働時間の抑制及び柔軟な働き方への取組としてフレックスタイム制度の導入、さらには週休3日も可能とする企業や自治体が増えている。これらの導入について、本県ではどのように考えているのか。
【理事者】
フレックスタイム制だが、国では、昨年8月の人事院勧告を受けて、来年4月から全職員を対象に選択的週休3日を可能とするフレックスタイム制が導入されることとなっている。また、都道府県においても既に23の都府県が導入している。
フレックスタイム制は、ワークライフバランスの推進はもとより、職員の健康確保やモチベーションの向上、職場の魅力向上など様々な効果が期待をできると思っている。それが公務能率の向上や時間外勤務の縮減、優位な人材確保につながるのではないかと考えられる。
このような中、本県においても多様で柔軟な働き方をより一層推進するために、どのような方法がよいのか検討を進め、今後方向性を出していきたい。
【委員】
5年前にも要望したが、生産性向上に向けて労働環境の改善、特に人事院の規制で定めている上限時間を超える職員を出さないことが必須だと思っている。本会議でも、知事から次期あいち行革プランの方向性として、時代に先駆けて仕事の進め方や働き方を見直し、職員、組織のアップグレードを行うとの発言があった。この観点からも、今後の検討に十分に反映されることを要望する。
次に、能登半島地震の復旧復興支援に従事する職員に向けた取組について質問する。
私は、2月10日から12日にかけて、石川県志賀町を中心にボランティア活動を行った。志賀町は本県の対口支援先となっているため、私は志賀町役場や避難所での炊き出し等を通じて、本県職員及び県内各市町村の職員が懸命に活動に当たっている姿を目の当たりにした。先ほど委員から要望があったが、本委員会に付託された第106号議案が本会議において可決された際には、いち早くこの災害応急作業等手当が支給されることを望むとともに、各市町村においても同様の手当が支給されることを期待し、質問に入る。
初めに、災害応急作業等手当の県内の市町村の状況を伺う。
【理事者】
災害応急作業等手当が含まれる市町村の特殊勤務手当の支給状況は、毎年、全国の地方公共団体に対して総務省が実施する地方公務員給与実態調査において、支給される手当の概要を調査している。昨年4月1日現在、一般職の職員が災害等において危険な業務に従事した場合に手当を支給することとなっている団体は、23団体となっている。
【委員】
災害応急作業等手当に関して、本県では、県内市町村に対してどのような対応を行ったのか。
私は、同一の災害で派遣されたのであれば、できる限り一律で支給されることが望ましいと考えるが、県として今後どのような対応を行っていくのか。
【理事者】
特殊勤務手当は、各市町村の実情に応じて、各団体において判断した上で条例及び規則により定めるものであるため、県から市町村に対して一律に支給を求めることは難しいと考えられる。
しかし、本年1月19日付けで総務省より災害応急作業等手当の運用について通知があり、例えば、避難所運営等の業務や罹災証明に係る家屋調査等についても支給対象作業に該当し得るなど具体的な業務を例示し、手当を適切に運用するよう求める内容であったため、本県では、この総務省通知に沿って適切に対応するよう県内各市町村等にお願いした。
今後の対応としては、通知に沿った対応がされるよう、改めて助言していきたい。
【委員】
各自治体の労働条件に県として口を挟むことができないという原則はもちろん理解しており、復旧復興に向けて懸命に活動している職員が手当のことを気にしているとは思っていない。
しかし、作業によってできる限り格差が生じないよう、県として助言を行うことを要望する。
次に、現地では、避難所運営や罹災証明の発行といった緊急的にマンパワーが必要となる業務がある一方、インフラ整備をはじめ、中長期にわたり技術的・専門的知識を要する職員が求められることもある。こうした職員は、各自治体において限られた人数しかいないこともあり、苦慮するという声も聞く。この点について県としての認識を伺う。
【理事者】
近年、市町村を中心に各自治体において土木職などの技術職員が不足しており、確保が厳しい状況となっている。一方、大規模災害時には、被災自治体から技術職員の中長期派遣への要望が高くなっている。こうした状況を背景に、総務省では2020年度から復旧・復興支援技術職員派遣制度が創設された。
この制度は、都道府県等が技術職員をあらかじめ確保して、平時は技術職員不足の市町村支援を行うとともに、大規模災害時の中長期派遣要員を確保する仕組みとなっており、国が地方交付税措置により人件費を負担するものである。
総務省は、全国で1,000人程度の登録を目指すこととしており、昨年4月1日現在での登録者数は全国で277人となっているところ、本県では、2021年度から新たに定数措置を行い、現在、土木職10人、農業土木職6人、建築職2人、林学職2人の合計20人を登録しており、全国トップレベルの登録者数となっている。
【委員】
県の活用状況はどのようになっているのか。
【理事者】
復旧・復興支援技術職員派遣制度を活用した被災地派遣は、昨年度から令和2年7月豪雨関係で熊本県芦北町へ1人、今年度から令和6年能登半島地震関係で石川県能登町へ4人の合計5人の職員を派遣している。今後もこの制度を活用して、平時には市町村支援業務を行いながら、大規模災害時に総務省から派遣要請があった場合には、迅速かつ適切に対応していきたい。
【委員】
人材確保が厳しさを増す中、民間企業とは異なる採用方法も含め、公務員を希望する受験者が減少している話をよく聞く。特に技術職の人材確保は喫緊の課題であり、自治体によっては、奨学金制度の創設や先行試験の時期、内容の見直しなど、競争が激しくなってる話も聞く。次期あいち行革プランの策定に当たっては、この点についてもしっかりと検討するよう、要望する。
【委員】
能登半島地震の災害義援金について会計局に伺う。
本年1月1日16時10分、マグニチュード7.6の地震が発生し、石川県輪島市及び志賀町で震度7を観測したほか、北海道から九州地方にかけて震度6から1を観測した。また、石川県珠洲市や能登町では、推定で高さ4メートル以上の津波が襲来したとされている。また、この地震により多数の家屋が倒壊したほか、火災により多くの家屋が焼失し、6月25日現在、災害関連死も含めて260人もの貴い命が失われた。
この能登地方の地震災害に対し、本県は、地震発災後の1月6日より地震で被災した石川県志賀町に職員30人を派遣し、支援に当たった。そして、6月1日までに延べ712人の応援職員を派遣した。このように被災地に対する支援は、人命救助や応急救援活動、土砂崩れ箇所の道路警戒など、行政が主体となる支援がまず急がれるが、次に必要となるのが、多くの人からの資金面の支援だと思う。そこで、行政や報道機関、金融機関など多くの団体や機関で募金活動が行われ、被災地の被災者の元へ義援金が送られる。
金銭的支援は大きく分けて二つのものがあり、呼び方は様々だが、一般的に義援金と支援金と呼ばれるものがある。2011年の東日本大震災では、世界中からたくさんの義援金や支援金が被災地に送られ、この二つの言葉が数多く報道されたが、今でも混同して使っている人がいると思う。
義援金と支援金とでは、お金の使われ方などが大きく違う。義援金は、全額が直接被災者の手元に配分され、生活の再建などに役立てられる。一方、いわゆる支援金は、被災地で支援活動をするNPO団体やボランティア団体の活動を支える資金となり、被災地の様々な復旧活動などの支援や被災者の避難生活の支援などの活動費となる。東日本大震災では、145か所ものボランティアセンターができ、延べ140万人が活動したとされている。そこで、多くのNPO団体やボランティア団体等を支えたのが赤い羽根の中央共同募金会のボランティアサポート募金であると言われている。このボランティアサポート募金こそ、支援金の代表的なものと言える。
本県では、能登半島地震の義援金の募集を行っていると聞くが、その内容と今までの実績はどうか。
【理事者】
能登半島地震の災害義援金の募集についてだが、本県では、本年1月1日の発災後、最初の開庁日となる1月4日から災害義援金の受付を開始した。受付方法は、1月4日から会計局及び各県民事務所等の窓口での現金持参による受付を実施し、1月12日から口座振込による受付を追加した。2月16日からはキャッシュレス決済による受付を新たに導入し、幅広い方法による募集に取り組んできた。受付期間は、当初は3月15日までとしていたが、義援金の受付状況等を踏まえ、6月28日まで延長している。
次に、実績だが、一昨日の6月25日時点での集計となるが、1,151件、6,488万8,398円となっている。預かった義援金は、福祉局で配分額及び配分先を決定しているが、実績は、2月6日に第1次配分として1,000万円、3月21日に第2次配分として2,200万円の合計3,200万円を特に被害が集中している石川県に届けている。残りの義援金も、受付期間終了後、金額が確定次第、速やかに被災地へ届けていく。
【委員】
今の説明だと、明日が締切りということで承知した。
次に、今回の能登半島地震では、本県では義援金を募集したが、先ほど紹介した支援金の制度もあり、募金として拠出する人の中には、支援金に賛同される人もいると思う。本県が支援金を募ることはないとは思うが、義援金の情報を発信する箇所に併せて支援金の情報や支援金に協力できる団体、サイトの紹介はできると思う。
義援金の情報を発信する箇所に併せて、中央共同募金会などの支援金に協力できる団体の情報を紹介することの検討はできないか。
【理事者】
本県では、これまで被災者の生活支援に直結する義援金について、広報あいちや県公式ウェブサイト等を通じて県民に広く支援、協力のお願いをし、被災県へ届けてきた。
一方で、被災地の復旧復興活動を行うNPO団体やボランティア団体への支援も、重要な取組であると認識している。今後、委員から示された中央共同募金会のボランティアサポート募金や災害救護活動をはじめとする日本赤十字社の活動を支援するための寄附の情報など、各種支援の方法を県公式ウェブサイトで提供できるよう、関係機関と調整していく。
会計局としては、一日も早い被災地の復旧復興に向けて災害義援金や支援金に関する情報の周知にしっかりと取り組んでいく。
【委員】
答弁があったように、本県のサイトに義援金のページがあり、そこに中央共同募金会や日本赤十字社などの活動を支援するための寄附金のウェブサイトを載せる検討を進めてもらうよう、要望する。
私は、本年2月初旬、瓦礫撤去のボランティアとして石川県穴水町に行ったが、多くのボランティア団体の人がいた。また、被災者と話をすることができた。ボランティアの人は、献身的に活動する様々な種類の人がいた。また、NPO法人も活動していた。被災地支援活動をしている団体の活動資金として支援金が集まることは、大変有意義なことだと思う。それは、結果として被災者にとってもよいことだと思う。今後起こるかもしれない様々な災害に対しての、県民からの資金的な支援に対して、引き続き役立つ情報提供をお願いしたい。
【委員】
デジタル化・DX推進について伺う。
最近、県庁内でデジタル化・DX推進体制の強化ということで、若手を中心に編成し、各局に担当を配置したと聞く。デジタル化・DX推進担当が局内において業務の改善等も実施しているとのことだが、具体的な取組内容を伺う。
【理事者】
各局のデジタル化・DX推進担当では、新しい仕組みの構築や既存の仕組みの見直し、システムの改善などを検討している。具体的に、新しい仕組みの構築では、職員のスケジュールを局内で一元管理し共有できるシステムや、会議や幹部への説明に際して、大型のモニターを設置してペーパーレスで議論し、出された意見をその場でリアルタイムに修正・反映できる仕組みを導入している。また、正確な記録を必要とする会議等においては、音声認識システムを用いた記録作成に併せて、生成AIで文章を校正するなどの仕組みを検討している。
次に、既存の仕組みの見直しでは、行政文書の開示請求に係る写しの交付について、これまで対面または郵送に限られていたものを、オンラインでも対応できるよう検討を進めている。
また、システムの改善では、現在、紙で管理している立入検査等の記録のデータベース化や、システムに手入力していたデータを国などのシステムと連携して自動入力するなどの改善に取り組んでいる。
【委員】
便利になって効率がよくなることは分かるが、各局の取組の個別の課題だけでなく、全体的な全庁の共通する改善内容があると思う。専門的な知識も含めて、DX推進室としては全庁的な課題に対してどのようにDXを進めていくのか。
【理事者】
生成AIを活用した記録作成など、全庁に共通する業務改善は、優良事例として全庁に展開するとともに、共通ルールにしていく。各局の取組は、ビジネスチャットやスケジュール管理など、1人1台パソコンに搭載された機能の活用が基本となっている。
また、RPAと呼ばれるパソコン上の提携業務を自動処理するソフトウェアや専門的なプログラムの知識を必要としないノーコード、ローコードツールといったものの活用を想定しており、これは、操作研修などを引き続き実施していく。
さらに、より高度なツールを活用した取組にも対応できるよう、例えばデータの見える化、分析をして業務に役立てるソフトウェアや生成AIの有効な使い方など、専門的な知識、技術を学ぶ研修も実施していく。
【委員】
取組については理解したが、便利になり、生成AIなどの機械が考えてくれるため、自分で考えなくなるという点が、本当によいのかと心配である。大学生が論文を生成AIで作成し、自分では考えないという話も聞く。県職員も生成AIを多用し、自分の業務を行わなくなると困る。
ペーパーレス化をすることはよいが、無くすことで不便になることもある。デジタル化やペーパーレス化により、かえって作業の手間が増えると本当に困る。例えば、これまでは何かあれば、紙資料ですぐに調べることができたが、何もない状態で仕事してください、という状況などが考えられる。これが、議員だけならよいが、職員も調べるのに時間がかかって仕方がないという状況が生じていれば、大変な問題だと思う。今まで紙で印刷してあったものがなくなったことで、改めて各自で印刷して持ち歩く状況が生じていれば、本末転倒である。
そういった事態が生じないようにどのように取り組んでいるか。
【理事者】
今回のデジタル化・DX推進に係る取組の実施に当たっては、デジタル戦略監をリーダーとする愛知県庁デジタル化・DX推進チームを設置し、組織的に各局等の取組への支援、進捗管理、情報共有を実施している。具体的には、チームの事務局を務めるDX推進室と総務課において、各局の取組についてヒアリングを実施し、取組を進めていく上で生じる課題や、それに対する解決策等について支援を行っている。その際には、県民、事業者、市町村からの視点を踏まえるとともに、デジタル化を進める前提として業務自体の見直しや業務フローの見直しを検討するよう助言していきたい。
【委員】
DX推進室は、課題をよく吸い上げてフォローして、進捗状況もチェックしながら進めてほしいが、各局によって温度差や目的も違うと思う。各局の取組は、局長が目標を設定していると聞くが、現在どのような考えで進んでいるのか。
【理事者】
各局のデジタル化・DX推進は、局長等の人事評価で、今年度から新たに局のデジタル化・DX推進に向けた目標を目標項目に追加し、必ず設定する。各局長が局のデジタル化・DX推進を重点目標の一つとして設定し、リーダーシップを発揮して取り組むことで、局全体での取組を確実に推進する。
また、各局のデジタル化・DX推進担当についても、人事評価の役割達成度評価においてデジタル化・DX推進に係る取組を目標に設定することとしており、その取組の成果やプロセスを適切に評価する。
【委員】
今後、DXや生成AIの活用が進み、デジタル人材の需要が増加すると、デジタル人材の不足に対して、育成や外部からの獲得をどのように行うかが課題になるが、どのように取り組むのか。
【理事者】
本県では、DXを推進するICT人材を幅広く確保するため、2021年度から民間企業等職務経験者を対象とした採用試験で、ICTの試験区分を新設するとともに、受験資格である職務経験年数を7年から3年へ、試験実施回数も年1回から2回へ変更してデジタル人材の確保に取り組んでいるところであり、3年間で7人が採用され、ICT関連業務に従事している。
また、民間企業の経営手法やコスト意識などを習得し、意識改革や資質向上を図ることを目的として実施している、民間企業等との人事交流において、ICT関連企業に職員を派遣するとともに、ICT関連企業からも研修生として職員を受け入れることで、民間企業の知識やノウハウを吸収しながら職員のデジタル能力の向上に努めている。
今後も外部からのICT人材を効果的に活用・確保していくとともに、職員のデジタル人材育成も図っていきたい。
【委員】
喫緊の課題であるため、人材獲得にぜひ取り組んでほしい。
時代が大きく変わる中、行政も変わらなくてはいけないと思う。このため、現在、効率化に向けて取り組んでいると思うが、まずは、内部のパワーアップのために、それぞれがスキルアップすることが大切である。研修の実施や民間企業との連携を図り、デジタル機器を使った効率化もよいと思うが、内部での取組も進めてほしい。
もう一つ、デジタル人材の不足はどうしようもないため、外部とどう連携していくかが今後の大きな課題であると思う。昨日、防災安全局関係の総務企画委員会でも発言したが、地震発生時に、台湾では4時間という大変短い時間でテントを張ることができたと聞く。過去の災害で対応できなかったことを教訓に、NPOやNGO、民間企業と連携して日頃から対策し、4時間でテントを張ることができたとのことである。
県庁の中にないスキルや経験値が、今後経験不足という形で表れると思うため、人材が足らない場合は、外部と連携する、外部から獲得するなど、外部組織との日頃からの情報交換等を行いながら、全庁的なパワーアップを図る必要がある。
行政の在り方として、県庁の役割が昔と違い大きく変わってきたと思っている。今後の人口減少の中で、地域の課題をどう解決していくかが行政の一番の役割だと思っており、できるだけ単純作業等は効率よく機械で行い、余ったマンパワーを課題解決に向けて取り組むために、人材を育成し、地域の課題を吸い上げて、それをどう解決するかという調整役に回ってもらうという在り方の変化を、県庁内も進めていく必要があると思う。そのためのデジタル化やDX推進であってほしいと思う。これからの県庁の在り方について、総務局長の考えを伺う。
【理事者】
これまでの答弁のとおり、今年度、デジタル化・DX推進担当を設置するほか、総務局に局長級のデジタル戦略監を司令塔として配置し、DX推進体制の強化を図った。こうした職員を中心に、今年度、知事を本部長とするDX推進本部内に、新たに愛知県庁デジタル化・DX推進チームを設置し、そこで、デジタル技術を活用した新たな仕組みの構築や既存の仕組みの見直しなど、一層強力に推進していく。
こうした全庁を挙げてのDX推進の原動力、エンジンとなるのが、デジタル化・DX推進担当を担う、主に20代から30代のデジタル技術に慣れ親しんだデジタルネイティブとも言われる、若手職員であると思う。
大切なことは、そうした若手職員が孤立しないよう、若手職員の発想やアイデアを、いかに年長の者が邪魔をせず、組織としてしっかりと酌み上げて具体的な取組に仕上げていくかが重要であり、組織としてバックアップすることが大切であると認識している。
こうした認識の下、デジタル化の推進の目的である、県民や事業者の利便性の向上、行政の効率化による職員の負担軽減や意欲増進に引き続き取り組んでいくが、こうした中、今、委員から指摘があった、DXで行政効率化し、それで生み出したマンパワーを喫緊の行政課題に投入していく姿を作るということは、まさにそのとおりであり、そうした姿勢で臨んでいきたい。
また、その際に、デジタル化への対応が困難な人への配慮や現場で実務を担う市町村との調整について、今後様々な行政分野でDXが進んでいくため、個別の行政分野ごとに様々な課題に直面すると思うが、十分留意しながらしっかりとDXを進めていきたい。
( 委 員 会 )
日 時 令和6年6月27日(木) 午後0時58分~
会 場 第8委員会室
出 席 者
今井隆喜、日高 章 正副委員長
水野富夫、高桑敏直、辻 秀樹、杉江繁樹、杉浦正和、富田昭雄、
日比たけまさ、福田喜夫、島 孝則、木藤俊郎 各委員
政策企画局長、企画調整部長、国際監、ジブリパーク推進監、
総務局長、デジタル戦略監、総務部長、財務部長兼財政課長、
人事局長、人事管理監兼人事課長、
会計管理者兼会計局長、同次長、監査委員事務局長、同次長、
人事委員会事務局長、同次長兼職員課長、議会事務局長、同次長、
関係各課長等
委員会審査風景
<付託案件等>
○ 議 案
第103号 令和6年度愛知県一般会計補正予算(第2号)
第1条(歳入歳出予算の補正)の内
歳 入
第104号 愛知県公告式条例の一部改正について
第105号 愛知県県税条例及び愛知県産業廃棄物税条例の一部改正について
第106号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正について
第127号 公安委員会の委員の選任について
(結 果)
全員一致をもって原案を可決すべきものと決した議案
第103号から第106号まで
全員一致をもって同意すべきものと決した議案
第127号
○ 請 願
第 15 号 「『消費税5%引き下げを求める意見書』採択を求める」について
第 16 号 「『インボイス制度廃止を求める意見書』採択を求める」について
(結 果)
賛成者なしをもって不採択とすべきものと決した請願
第15号及び第16号
○ 閉会中継続調査申出案件
1 行財政について
2 国際交流の推進について
3 地域振興について
4 地域及び県行政の情報化の推進について
5 防災対策及び安全なまちづくりの推進について
6 政策企画局、総務局、人事局、防災安全局、会計局、選挙管理委員会、監査委員及び人事委員会の行政運営について
<会議の概要>
1 開 会
2 議案審査(5件)
(1)理事者の説明
(2)質 疑
(3)採 決
3 請願審査(2件)
4 委員長報告の決定
5 一般質問
6 閉会中継続調査申出案件の決定
7 閉会中の委員会活動について
8 閉 会
(主な質疑)
《議案関係》
【委員】
第106号議案、職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正について質問する。特殊勤務手当は、職員の給与に関する条例で著しく危険、不快、不健康または困難な勤務、その他の著しく特殊な勤務で、給与上、特別の考慮を必要とするものであって、かつ、その特殊性を給料で考慮することが適当でないと認められるものに対して支給することとされている。
これを受けて、本県では、職員の特殊勤務手当に関する条例を制定し、現在は、18の手当について支給要件や支給額を定めているところだが、これらの業務の特殊性は、決して普遍的なものではなく、作業環境の改善などによって絶えず変化している。45回ほどこの条例も改正されているが、支給対象業務や支給額などは、時代の変容に応じたものとなるように、その特殊性に再評価するなどして適正化を図る一方で、東日本大震災に対応するための災害応急作業や新型コロナウイルス感染症の急速な蔓延により生じた事態に対応するための防疫検査について特例を設けるなど、新たに生じた業務を支給対象に追加するといった見直しを行ってきたと承知している。
また、適正化や見直しに当たっては、国の特殊勤務手当の支給基準や手当額に準拠することを基本とし、他の都道府県における措置状況なども考慮した上で県民の理解と納得が得られるものとなるよう検討が進められてきたものと認識している。
こうした中、今回の職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正は、災害応急作業等手当の支給対象となる業務を追加しようとするものである。
初めに、今回、条例改正を行い、新たな業務を災害応急作業等手当の支給対象とすることにした経緯や考え方を伺う。
【理事者】
新たな業務を支給対象とすることとした経緯等についてであるが、特殊勤務手当の一つである災害応急作業等手当は、自然災害発生時に職員が行う応急作業や災害状況の調査などを支給対象とするものであり、国の取扱いを踏まえ、現在は、建設事務所等の職員が行う県管理の河川や道路の巡回・監視などを支給対象としている。
一方で、過去の大規模災害発生時、例えば東日本大震災や熊本地震の際には、全国の自治体から職員が被災地に派遣され、現地で避難所運営支援などの応急対策業務に従事していたが、国では、こうした業務を支給対象としていないことから、本県を含む多くの都道府県では、この手当を支給対象としてこなかった。
こうした中、総務省が地方自治体に対して、例えば、避難所運営等の業務や罹災証明に係る家屋調査についても支給対象作業に該当し得るとする見解を示した上で、自治体に対して適切な取扱いを求める通知を発出し、また、人事院規則が改正され、国の支給対象が拡大されたことを受け、本県も多くの都道府県と同様に新たな業務を支給対象に追加した。
【委員】
総務省が見解を示して国が支給対象にしたということである。
本年1月1日に発生した能登半島地震では、発災直後から緊急避難的な各種応急対策業務に従事するために、本県から多くの職員が被災地に派遣され、昼夜を問わず様々な支援業務に従事したと聞く。これは県内市町村、私の住む常滑市からも同じような話を聞いており、防災安全局から報告された能登半島地震についてという資料を見ても、多くの職員が派遣されたことは見て取れる。
今回の条例改正により、具体的にどういった業務が新たに災害応急作業等手当の支給対象となるのか。
【理事者】
新たに支給対象とするのは、派遣要請などに基づいて被災地に派遣された職員が従事した全ての業務である。能登半島地震では、石川県志賀町への対口支援業務、保健師・看護師等の健康危機管理支援業務、土木職職員の下水道管路被害調査など様々な支援業務に従事しており、その困難性や特殊性にそれぞれ違いはあるが、いずれも県外の被災地という特異な環境下で、通常の業務とは異なる不慣れな危険、困難な業務に従事しているという点は共通している。
また、他の都道府県では、支給対象業務を限定的に取り扱う団体もあるが、多くの団体では応急対策業務全般を対象としており、本県の職員団体からも、職員団体との交渉の場において全ての業務を対象とすべきであるとの強い主張・要望があった。
こうしたことから、本県では、全ての応急対策業務を支給対象とすることとした。
【委員】
答弁を聞いて、国または被災都道府県、市町村からの派遣要請等に基づいて職員が派遣された場合で、現地で災害応急対策業務に従事したときは、業務内容にかかわらず全てが支給対象となる旨承知した。
職員の中には、発災直後の混乱した状況の中で被災地に派遣された人や、悪天候の中で長時間にわたり屋外での作業に従事した人もいたと聞く。支給対象業務を限定しないことは、職員の労苦に報いるものであり、評価できると考える。
一方で、新たに支給対象に追加した業務に従事した際の手当額は、日額710円としている。迅速かつ効果的な支給が求められる中で、被災地という特異な厳しい環境の下、災害応急対策業務に従事する職員にとっては、体力面はもとより精神面でも大きな負荷がかかり続けていると想像する。手当額を日額710円とした考え方を伺う。
【理事者】
新たに追加する業務の手当額を710円とした考え方だが、本県は、従来から手当の取扱いは、国に準拠することを基本としており、国は、国の職員を地方公共団体に派遣して行う関係行政機関等の連絡調整業務の額を日額710円としている。
本県職員が従事する災害応急対策業務の内容は、非常に多岐にわたっているが、被災地において連絡調整を含む各種業務に従事する点は、国の連絡調整業務と共通していると考えられることから、国の額を参考に日額710円が適当と判断した。
なお、国では、大規模災害の場合に日額1,080円に引き上げる特例額を新たに設定するとともに、深夜の時間帯、午後10時から午前5時までの間に業務に従事した場合の加算措置を新設したことから、こちらについても、本県も同様の規定を設けることとした。
これにより、能登半島地震は大規模災害に該当するため、災害応急対策業務に従事した職員は、日額710円ではなく特例額である日額1,080円を適用する。
【委員】
国家公務員の同種の業務に係る手当額と均衡を踏まえて金額を設定したことや、深夜帯に従事した場合は加算が措置されていること、また、能登半島地震に係る業務は、日額1,080円が適用されると伺い、納得した。よかったと思う。
能登半島地震から半年がたった今月の初めにも大きな余震があったと聞く。非常に危険な地域であり、当初から業務に当たっている人に対して手当が支給されることは、非常にありがたく思う。
能登半島地震では、全国の自治体から石川県をはじめとする被災地域に多くの職員が派遣され、被災自治体の職員と共に災害マネジメント総括事業に従事するほか、対口支援として避難所運営や罹災証明書の交付を行うなど、様々な支援業務に従事されたと聞く。これらの業務に従事した本県職員に対しても、国の職員と同水準の手当が支給されなければいけないと考えているため、対応をお願いする。
最後に要望する。今回の条例改正は、能登半島地震に係る災害応急対策業務に従事した職員に対して支給される。今年の初めから従事が始まり、本日は6月も終わりに入っている。複数回にわたって被災地に行った職員もいると聞く。この条例が可決した際は、速やかに支給手続を進めてほしい。
今は多様化する行政需要に対応するとともに、様々なサービスが求められているため、それらを念頭に置きながら今後も見直しを進めてほしい。
【委員】
第105号議案、愛知県県税条例及び愛知県産業廃棄物税条例の一部改正について伺う。
法人が納める税金には、国に納める法人税のほか、地方自治体に納める法人住民税、法人事業税があるが、このうち都道府県に納める法人事業税では、資本金の額が1億円を超える法人に対して外形標準課税が適用されている。
外形標準課税は、税負担の公平性の確保、応益課税としての税の性格の明確化、税収の安定性等の観点から、所得への課税の一部を振り替える形で2004年4月1日から導入された。そして、外形標準課税は、報酬給与額、準支払利子及び準支払賃借料の合計額と単年度損益との合計額を課税標準とする付加価値割と、資本金等の額を課税標準とする資本割を合わせたものとなっている。つまり、事業年度終了の日における資本金の額が1億円以下の法人は、所得だけを課税標準としているが、1億円を超える法人には、外形標準課税として報酬・給与などの付加価値や資本金等を課税標準とすることから、赤字でも課税されるため、法人が事業規模に応じて広く薄く負担を担うよう設計されている。
このように、現在、外形標準課税の対象法人は、事業年度終了日における資本金の額が1億円を超えている法人だけとなっている。今回の改正は、外形標準課税の対象法人を事業年度終了の日における資本金の額が1億円以下の法人も対象とするとのことだが、改正の目的は何か。
【理事者】
外形標準課税は、資本金を1億円以下に減らすこと等により、対象法人が制度導入時と比べて3分の2までに減少しているほか、事業部門の分所化など、組織再編時に子法人の資本金を1億円以下に設定すること等により、外形標準課税の対象が縮小する事例があること等の課題が指摘されていた。そこで、課税逃れを防ぐことを目的に対象法人の基準の追加を行うものである。
【委員】
課税逃れを防ぐことを目的に行うものであると理解した。わざと1億円以下に資本金を設定する事業者が増えてきているとのことだが、今回の改正は、1億円以下の法人に対しても課税するとのことであり、中小企業への影響はどうか。
【理事者】
資本金を減らすことへの対応については、現行基準を維持した上で、当分の間、前事業年度に外形標準課税の対象法人であって、当該事業年度に資本金1億円以下で資本金及び資本剰余金の合計額が10億円を超えるものを対象とする。外形標準課税の対象法人である、事業年度終了日における資本金の額が1億円を超えている法人が減少した場合に適用されるものであり、資本金が1億円以下の中小企業には影響がない。
また、子法人等を対象とするものについては、親会社の信用力などを背景に事業活動を行う子法人への対応として、資本金及び資本剰余金の合計額が50億円を超える法人等の100パーセント子法人等のうち、資本金1億円以下で資本金及び資本剰余金の合計額が2億円を超えるものを対象とするため、大企業の子法人といえども小規模なものに配慮したものとなっている。
【委員】
資本金が1億円を超える法人がわざと減資している場合に適用されるため、他の法人には影響は出ないのか。
【理事者】
そのとおりである。
《請願関係》
なし
《一般質問》
【委員】
東三河地域における人口減少の現状及び対策について伺う。
本県の人口は、2019年から4年連続で減少している。人口減少地域が県内全域に広がる中、東三河地域は、県内において、他地域に比べて先行して減少局面に入っていると承知しているが、現在の東三河地域の人口減少状況を伺う。
【理事者】
東三河地域の総人口のピークは2008年の約77万3,000人であり、2009年以降は毎年人口が減少している。昨年の人口は約73万5,000人であり、2008年からの15年間で約3万8,000人が減少した。
本年5月17日に開催した愛知県・市町村人口問題対策検討会議では、平成の合併前における旧88市町村別の人口が、2005年と2020年を比べて10パーセント以上減少している地区を人口問題対策が特に必要な地区と位置付けているが、これに該当する地区が東三河地区には9地区ある。9地区のうち、年少人口や生産年齢人口に加え、65歳以上の老年人口も減少局面に突入している地区が6地区ある。いずれも東三河北部の地区であり、これらの地区では、老若男女を問わず地域の維持に取り組んできたが、年々状況が厳しくなっている。
【委員】
東三河地域では、2008年からの15年間で約3万8,000人の人口が減っているが、新城市は現在、約4万4,000人であり、丸々一市がこの15年間で消失したということで、本当に驚くべき数字だと思う。
また、高齢化も進んでおり、地域の活力もなくなっている状況であるが、こうした状況を踏まえて、県だけではなく、市町村も含めて地域全体で対策に取り組むことが重要であると感じている。東三河県庁では、これまでどのような対策を行ってきたのか。
【理事者】
県内において、先行して人口の減少局面に入っていた東三河地域では、県、市町村等が意見交換を行うため、東三河県庁が設置された2年後の2014年度から東三河人口問題連絡会議を開催している。2023年度までに計18回開催し、東三河地域の人口動向や各市町村の取組を共有することで、地域全体の人口問題を認識、議論する機会としている。
また、県、市町村、大学、経済団体等で構成する東三河ビジョン協議会では、東三河振興ビジョン2030に基づき、広域的な課題への対応を強化する重点プロジェクトを1年置きに策定している。東三河地域への移住・定住促進や関係人口の創出を最初の重点プロジェクトに位置づけ、2022年度から産学官が連携して取り組んでいる。
これまでに東三河地域の各市町村における移住相談の拠点となる施設等や、東三河地域の企業を紹介する移住ポータルサイトの立ち上げのほか、東京で開催される移住イベントに出展するなどの取組を実施した。
【委員】
2014年から東三河人口問題連絡会議を計18回開き、東三河振興ビジョン2030を策定して、ポータルサイトや、移住・定住の促進を行ってきたとのことだが、この間、人口減少は進んでいる。
東三河では、名古屋や尾張、その周辺部のようにリニア中央新幹線の開通等の大規模事業が控えているわけではない。いわゆる起死回生の一発がなかなか望めない状況であると思う。このため、現在あるものを生かしながら人口増を目指すという、これまでの対策とほぼ変わらない状況が続くのではないかと危惧している。年々状況が厳しくなる中、県としてより一層、人口減少対策に取り組んでいく必要があると考えるが、今後どのような対策を講じていくのか。
【理事者】
本年5月17日に愛知県・市町村人口問題対策検討会議を開催し、県と人口問題対策が特に必要な地区のある市町村とが連携して人口問題対策の検討を始めた。東三河地域は、県内でも特に人口減少が進んでいるため、この取組と連携して地域に根差した議論を民間とともに一層深める必要がある。
そこで、本年6月17日に地域の事情に精通している経済団体、農業団体、大学、地域のシンクタンクなどの東三河ビジョン協議会の委員と東三河担当副知事による、東三河ビジョン協議会有識者懇談会を開催した。懇談会では、愛知県・市町村人口問題対策検討会議の結果を共有した上で、東三河の人口減少に関する課題の整理や東三河の強みと弱みを踏まえた対応について率直な意見交換をし、民間や学識経験者ならではの認識を示してもらった。
今後は、懇談会の開催結果を踏まえて、東三河地域における効果的な人口問題対策につなげていきたい。
【委員】
今後、地域に根差して議論していくとのことだが、既に議論もされている。議論ばかりしても、実際に人口増につなげることは、正直難しい。人口は、恐らく今後も減っていくと思う。人口減少を抑制する議論やその対策は、もちろん大事だと思うが、人口減少の認識を前提に持った中でどうするのかという議論も必要になると思う。
具体的には、人口減少によってどのような不都合が生じるのかを明らかにし、その課題に対処する方法を検討する必要があると思う。例えば、人手不足も人口減少によって起きてくるが、それをどう解消していくのか。解消策は、例えばAIやIоTで生産性を上げていくのか、実習生を入れるのか、といった具体的な議論をする必要があると思う。
人口減少問題は、気候変動と似たような問題だと思う。解決するためにはものすごく時間がかかるが、着実に抑えていくための施策はしなければならない。
一方で、それに対処する施策もしっかりとやらなくてはならない。気候変動で、例えば災害発生や大雨が懸念される場合、河川の幅を広げたり、しゅんせつするといった対応をしているはずである。
同様に、人口減少に対してどういった対応をしていくのかという議論がこれまであまりされていない。こうした議論を、今後地域ごとに行う必要があり、弱みや強みを生かした中で、どうしたらよいのか、弱みや強みがないのであれば、どうしたら作れるのかを考えなくてはならない。こうした議論を、東三河ビジョン協議会の中でしっかりと行ってほしい。
その上で、東三河県庁を中心に地元市町村や各種団体と連携しながら東三河地域の人口減少問題等と、それに起因する問題にしっかりと取り組んでもらうことを要望する。
【委員】
大きく2項目、一つ目は、職員の総労働時間削減に向けた取組、二つ目は、能登半島地震の復旧復興支援に従事する職員に向けた取組について質問する。
私は、本年度、5年ぶりに総務企画委員会の委員となった。5年前もちょうどあいち行革プランの策定のタイミングであり、本委員会において2018年度の時間外実績である年間148.7時間に触れながら職員の出退時間管理をシステム化してほしいという内容も含め、適正な労働時間管理の徹底を要望した。
あいち行革プラン2020後半期の取組を確認すると、時間外勤務時間数の数値目標が、2019年度実績である年162.3時間から毎年度減少させるとなっている。この目標自体があいち行革プラン策定時を上回る値となっているが、近年の時間外勤務の実績は、どのように推移しているか。増減要因も踏まえて伺う。
また、人事院規則で定める超過勤務の上限時間は、原則1か月あたり45時間かつ1年あたり360時間の範囲内となっているが、例外的に最大四つ、1か月あたり100時間未満、2から6か月平均で月80時間以下、1年で720時間まで、月45時間超過は年6か月までの範囲が認められている。
そこで、この最大値を超える職員は、直近で存在するのか。
また、以上を踏まえて、時間外勤務の削減に向けてどのような対応を図っているのか。
【理事者】
知事部局等における職員1人当たりの時間外勤務の推移は、委員が示したとおり、2019年度は162.3時間であり、その後、2020年度は162.4時間、2021年度は182.0時間、2022年度は185.8時間と増加が続いた。昨年度は、新型コロナウイルス関連業務が落ち着いたこともあり、174.3時間と減少に転じている。
あいち行革プランの目標値に比べて時間外勤務が増加した要因としては、2019年度末から約3年以上にわたる新型コロナウイルス関連業務や能登半島地震への対応など、全庁的な動員が必要となる不測の事態が発生したことや、数々の主要プロジェクトが実現に近づき、事務量が増えたことが大きな要因ではないか。
次に、長時間の時間外勤務を行った職員の状況である。
大規模災害への対応など上限が適用されない業務に従事した時間も含むが、2023年度は、知事部局では268人が該当している。内訳は、月100時間以上の者が139人、複数月の平均で80時間を超えた者が169人、年合計で720時間を超えた者が67人、月45時間を超える月数が6月を超えた者が135人となっている。これらの数字も前年度に比べて全て減少している。
最後に、時間外勤務を縮減するための取組であるが、全庁一斉定時退庁日の設定や幹部職員による消灯観察、時間外勤務縮減キャンペーンのほか、長時間勤務者がいる所属へのヒアリングや管理監督職員への研修など、マネジメントの強化や時間外勤務の削減に向けた意識啓発を図るために各種の取組を継続的・複合的に進めている。
【委員】
2022年7月からは、職員の勤務時間管理にパソコンのログ記録が活用されるようになったと聞く。導入について、私は5年前からシステム化してほしいと言われており、大きな前進だと思っているが、ログ管理を活用する中でどのような影響が出ているのか。
【理事者】
職員の勤務時間管理は、原則として上司が現認することで確認している。時間外勤務のように退庁時間の現認が難しい場合は、従事内容、従事時間の確認を踏まえた事前命令や事後確認を徹底するなどして適切な勤務管理を図っている。
こうした中、勤務時間を客観的に把握するために、2022年度にパソコンのログ記録を活用した勤務時間管理を導入したところであるが、勤務時間が明確に記録されるため、職員の中で時間外勤務や勤務時間に対する意識が従来よりも明らかに高まってきていると思う。意識することで具体的な行動の実践につながってくるため、引き続き職員に対する研修など意識啓発に努め、導入の目的である長時間勤務の是正や職員の健康確保につなげていきたいと思っている。
【委員】
本県は、ワークライフバランスの充実と生産性向上による経済活性化を目指した休み方改革を提唱している。その中で年末年始の連続休暇取得推進など、新たな取組も始まった。そこで、職員の休み方改革の内容や結果はどのようになっているのか。
【理事者】
職員の休み方改革について、昨年度の年末年始には、休暇取得率7割程度を目安に最大12連休となる連続休暇の取得促進に取り組み、期間中における平日3日間の平均休暇取得率は、53.6パーセントとなった。その後実施した職員アンケートの結果なども踏まえて、今年度も職員の連続休暇の取得促進に取り組んでいる。
まず、大型連休に合わせた連続休暇の取得促進では、昨年度の年末年始に行った取組をゴールデンウイークと盆にも拡大している。半数を目安に休暇取得を奨励しているが、先日のゴールデンウイークにおける平日3日間の平均の休暇取得率は32.5パーセントとなっている。さらに、時期分散型の連続休暇として、職員が希望する時期にマイ・ウィークを設定し、マイ・ウィークの7日間の中で土日・祝日と休暇をつなげて5日間以上の連続休暇を取得するあいちマイ・ウィーク・プランを実施している。あいちマイ・ウィーク・プランは、7月と11月を推進月間として設定しており、連続休暇取得の機運をさらに高めて取り組んでいる。
【委員】
ただ今、時間外勤務や休暇等について聞いたが、その他の柔軟な働き方の取組としてテレワークや在宅勤務があるが、近年はどのように取り組んでいるのか。
【理事者】
職員の柔軟な働き方を推進する取組として、2002年4月から時差勤務制度、それから2020年1月から在宅勤務制度を導入している。
近年の取組について、まず、時差勤務制度は、より利用しやすい制度となるよう、昨年4月から見直しを行った。具体的には、これまでは子の養育や家族の介護、長距離通勤などの指定事由を限っていたが、事由を問わず可能にしたことと、原則1か月単位であったものを一日単位で取れるようにしたことである。また、2週間前までに書面での申出が必要であったものを、前日までに口頭の申出で可能にしたことといった改正を行った。
次に、在宅勤務制度は、昨年度、在宅勤務時に時差勤務の実施を可能とし、7月、8月に在宅勤務集中取組週間を設定するなどの利用促進に取り組んでいる。また、今年度からは、対象者を一般職非常勤職員に拡大するとともに在宅勤務等手当を導入するなど、さらなる制度拡充を図っている。
引き続き、職員の多様で柔軟な働き方を実現できるように取り組んでいく。
【委員】
総労働時間の抑制及び柔軟な働き方への取組としてフレックスタイム制度の導入、さらには週休3日も可能とする企業や自治体が増えている。これらの導入について、本県ではどのように考えているのか。
【理事者】
フレックスタイム制だが、国では、昨年8月の人事院勧告を受けて、来年4月から全職員を対象に選択的週休3日を可能とするフレックスタイム制が導入されることとなっている。また、都道府県においても既に23の都府県が導入している。
フレックスタイム制は、ワークライフバランスの推進はもとより、職員の健康確保やモチベーションの向上、職場の魅力向上など様々な効果が期待をできると思っている。それが公務能率の向上や時間外勤務の縮減、優位な人材確保につながるのではないかと考えられる。
このような中、本県においても多様で柔軟な働き方をより一層推進するために、どのような方法がよいのか検討を進め、今後方向性を出していきたい。
【委員】
5年前にも要望したが、生産性向上に向けて労働環境の改善、特に人事院の規制で定めている上限時間を超える職員を出さないことが必須だと思っている。本会議でも、知事から次期あいち行革プランの方向性として、時代に先駆けて仕事の進め方や働き方を見直し、職員、組織のアップグレードを行うとの発言があった。この観点からも、今後の検討に十分に反映されることを要望する。
次に、能登半島地震の復旧復興支援に従事する職員に向けた取組について質問する。
私は、2月10日から12日にかけて、石川県志賀町を中心にボランティア活動を行った。志賀町は本県の対口支援先となっているため、私は志賀町役場や避難所での炊き出し等を通じて、本県職員及び県内各市町村の職員が懸命に活動に当たっている姿を目の当たりにした。先ほど委員から要望があったが、本委員会に付託された第106号議案が本会議において可決された際には、いち早くこの災害応急作業等手当が支給されることを望むとともに、各市町村においても同様の手当が支給されることを期待し、質問に入る。
初めに、災害応急作業等手当の県内の市町村の状況を伺う。
【理事者】
災害応急作業等手当が含まれる市町村の特殊勤務手当の支給状況は、毎年、全国の地方公共団体に対して総務省が実施する地方公務員給与実態調査において、支給される手当の概要を調査している。昨年4月1日現在、一般職の職員が災害等において危険な業務に従事した場合に手当を支給することとなっている団体は、23団体となっている。
【委員】
災害応急作業等手当に関して、本県では、県内市町村に対してどのような対応を行ったのか。
私は、同一の災害で派遣されたのであれば、できる限り一律で支給されることが望ましいと考えるが、県として今後どのような対応を行っていくのか。
【理事者】
特殊勤務手当は、各市町村の実情に応じて、各団体において判断した上で条例及び規則により定めるものであるため、県から市町村に対して一律に支給を求めることは難しいと考えられる。
しかし、本年1月19日付けで総務省より災害応急作業等手当の運用について通知があり、例えば、避難所運営等の業務や罹災証明に係る家屋調査等についても支給対象作業に該当し得るなど具体的な業務を例示し、手当を適切に運用するよう求める内容であったため、本県では、この総務省通知に沿って適切に対応するよう県内各市町村等にお願いした。
今後の対応としては、通知に沿った対応がされるよう、改めて助言していきたい。
【委員】
各自治体の労働条件に県として口を挟むことができないという原則はもちろん理解しており、復旧復興に向けて懸命に活動している職員が手当のことを気にしているとは思っていない。
しかし、作業によってできる限り格差が生じないよう、県として助言を行うことを要望する。
次に、現地では、避難所運営や罹災証明の発行といった緊急的にマンパワーが必要となる業務がある一方、インフラ整備をはじめ、中長期にわたり技術的・専門的知識を要する職員が求められることもある。こうした職員は、各自治体において限られた人数しかいないこともあり、苦慮するという声も聞く。この点について県としての認識を伺う。
【理事者】
近年、市町村を中心に各自治体において土木職などの技術職員が不足しており、確保が厳しい状況となっている。一方、大規模災害時には、被災自治体から技術職員の中長期派遣への要望が高くなっている。こうした状況を背景に、総務省では2020年度から復旧・復興支援技術職員派遣制度が創設された。
この制度は、都道府県等が技術職員をあらかじめ確保して、平時は技術職員不足の市町村支援を行うとともに、大規模災害時の中長期派遣要員を確保する仕組みとなっており、国が地方交付税措置により人件費を負担するものである。
総務省は、全国で1,000人程度の登録を目指すこととしており、昨年4月1日現在での登録者数は全国で277人となっているところ、本県では、2021年度から新たに定数措置を行い、現在、土木職10人、農業土木職6人、建築職2人、林学職2人の合計20人を登録しており、全国トップレベルの登録者数となっている。
【委員】
県の活用状況はどのようになっているのか。
【理事者】
復旧・復興支援技術職員派遣制度を活用した被災地派遣は、昨年度から令和2年7月豪雨関係で熊本県芦北町へ1人、今年度から令和6年能登半島地震関係で石川県能登町へ4人の合計5人の職員を派遣している。今後もこの制度を活用して、平時には市町村支援業務を行いながら、大規模災害時に総務省から派遣要請があった場合には、迅速かつ適切に対応していきたい。
【委員】
人材確保が厳しさを増す中、民間企業とは異なる採用方法も含め、公務員を希望する受験者が減少している話をよく聞く。特に技術職の人材確保は喫緊の課題であり、自治体によっては、奨学金制度の創設や先行試験の時期、内容の見直しなど、競争が激しくなってる話も聞く。次期あいち行革プランの策定に当たっては、この点についてもしっかりと検討するよう、要望する。
【委員】
能登半島地震の災害義援金について会計局に伺う。
本年1月1日16時10分、マグニチュード7.6の地震が発生し、石川県輪島市及び志賀町で震度7を観測したほか、北海道から九州地方にかけて震度6から1を観測した。また、石川県珠洲市や能登町では、推定で高さ4メートル以上の津波が襲来したとされている。また、この地震により多数の家屋が倒壊したほか、火災により多くの家屋が焼失し、6月25日現在、災害関連死も含めて260人もの貴い命が失われた。
この能登地方の地震災害に対し、本県は、地震発災後の1月6日より地震で被災した石川県志賀町に職員30人を派遣し、支援に当たった。そして、6月1日までに延べ712人の応援職員を派遣した。このように被災地に対する支援は、人命救助や応急救援活動、土砂崩れ箇所の道路警戒など、行政が主体となる支援がまず急がれるが、次に必要となるのが、多くの人からの資金面の支援だと思う。そこで、行政や報道機関、金融機関など多くの団体や機関で募金活動が行われ、被災地の被災者の元へ義援金が送られる。
金銭的支援は大きく分けて二つのものがあり、呼び方は様々だが、一般的に義援金と支援金と呼ばれるものがある。2011年の東日本大震災では、世界中からたくさんの義援金や支援金が被災地に送られ、この二つの言葉が数多く報道されたが、今でも混同して使っている人がいると思う。
義援金と支援金とでは、お金の使われ方などが大きく違う。義援金は、全額が直接被災者の手元に配分され、生活の再建などに役立てられる。一方、いわゆる支援金は、被災地で支援活動をするNPO団体やボランティア団体の活動を支える資金となり、被災地の様々な復旧活動などの支援や被災者の避難生活の支援などの活動費となる。東日本大震災では、145か所ものボランティアセンターができ、延べ140万人が活動したとされている。そこで、多くのNPO団体やボランティア団体等を支えたのが赤い羽根の中央共同募金会のボランティアサポート募金であると言われている。このボランティアサポート募金こそ、支援金の代表的なものと言える。
本県では、能登半島地震の義援金の募集を行っていると聞くが、その内容と今までの実績はどうか。
【理事者】
能登半島地震の災害義援金の募集についてだが、本県では、本年1月1日の発災後、最初の開庁日となる1月4日から災害義援金の受付を開始した。受付方法は、1月4日から会計局及び各県民事務所等の窓口での現金持参による受付を実施し、1月12日から口座振込による受付を追加した。2月16日からはキャッシュレス決済による受付を新たに導入し、幅広い方法による募集に取り組んできた。受付期間は、当初は3月15日までとしていたが、義援金の受付状況等を踏まえ、6月28日まで延長している。
次に、実績だが、一昨日の6月25日時点での集計となるが、1,151件、6,488万8,398円となっている。預かった義援金は、福祉局で配分額及び配分先を決定しているが、実績は、2月6日に第1次配分として1,000万円、3月21日に第2次配分として2,200万円の合計3,200万円を特に被害が集中している石川県に届けている。残りの義援金も、受付期間終了後、金額が確定次第、速やかに被災地へ届けていく。
【委員】
今の説明だと、明日が締切りということで承知した。
次に、今回の能登半島地震では、本県では義援金を募集したが、先ほど紹介した支援金の制度もあり、募金として拠出する人の中には、支援金に賛同される人もいると思う。本県が支援金を募ることはないとは思うが、義援金の情報を発信する箇所に併せて支援金の情報や支援金に協力できる団体、サイトの紹介はできると思う。
義援金の情報を発信する箇所に併せて、中央共同募金会などの支援金に協力できる団体の情報を紹介することの検討はできないか。
【理事者】
本県では、これまで被災者の生活支援に直結する義援金について、広報あいちや県公式ウェブサイト等を通じて県民に広く支援、協力のお願いをし、被災県へ届けてきた。
一方で、被災地の復旧復興活動を行うNPO団体やボランティア団体への支援も、重要な取組であると認識している。今後、委員から示された中央共同募金会のボランティアサポート募金や災害救護活動をはじめとする日本赤十字社の活動を支援するための寄附の情報など、各種支援の方法を県公式ウェブサイトで提供できるよう、関係機関と調整していく。
会計局としては、一日も早い被災地の復旧復興に向けて災害義援金や支援金に関する情報の周知にしっかりと取り組んでいく。
【委員】
答弁があったように、本県のサイトに義援金のページがあり、そこに中央共同募金会や日本赤十字社などの活動を支援するための寄附金のウェブサイトを載せる検討を進めてもらうよう、要望する。
私は、本年2月初旬、瓦礫撤去のボランティアとして石川県穴水町に行ったが、多くのボランティア団体の人がいた。また、被災者と話をすることができた。ボランティアの人は、献身的に活動する様々な種類の人がいた。また、NPO法人も活動していた。被災地支援活動をしている団体の活動資金として支援金が集まることは、大変有意義なことだと思う。それは、結果として被災者にとってもよいことだと思う。今後起こるかもしれない様々な災害に対しての、県民からの資金的な支援に対して、引き続き役立つ情報提供をお願いしたい。
【委員】
デジタル化・DX推進について伺う。
最近、県庁内でデジタル化・DX推進体制の強化ということで、若手を中心に編成し、各局に担当を配置したと聞く。デジタル化・DX推進担当が局内において業務の改善等も実施しているとのことだが、具体的な取組内容を伺う。
【理事者】
各局のデジタル化・DX推進担当では、新しい仕組みの構築や既存の仕組みの見直し、システムの改善などを検討している。具体的に、新しい仕組みの構築では、職員のスケジュールを局内で一元管理し共有できるシステムや、会議や幹部への説明に際して、大型のモニターを設置してペーパーレスで議論し、出された意見をその場でリアルタイムに修正・反映できる仕組みを導入している。また、正確な記録を必要とする会議等においては、音声認識システムを用いた記録作成に併せて、生成AIで文章を校正するなどの仕組みを検討している。
次に、既存の仕組みの見直しでは、行政文書の開示請求に係る写しの交付について、これまで対面または郵送に限られていたものを、オンラインでも対応できるよう検討を進めている。
また、システムの改善では、現在、紙で管理している立入検査等の記録のデータベース化や、システムに手入力していたデータを国などのシステムと連携して自動入力するなどの改善に取り組んでいる。
【委員】
便利になって効率がよくなることは分かるが、各局の取組の個別の課題だけでなく、全体的な全庁の共通する改善内容があると思う。専門的な知識も含めて、DX推進室としては全庁的な課題に対してどのようにDXを進めていくのか。
【理事者】
生成AIを活用した記録作成など、全庁に共通する業務改善は、優良事例として全庁に展開するとともに、共通ルールにしていく。各局の取組は、ビジネスチャットやスケジュール管理など、1人1台パソコンに搭載された機能の活用が基本となっている。
また、RPAと呼ばれるパソコン上の提携業務を自動処理するソフトウェアや専門的なプログラムの知識を必要としないノーコード、ローコードツールといったものの活用を想定しており、これは、操作研修などを引き続き実施していく。
さらに、より高度なツールを活用した取組にも対応できるよう、例えばデータの見える化、分析をして業務に役立てるソフトウェアや生成AIの有効な使い方など、専門的な知識、技術を学ぶ研修も実施していく。
【委員】
取組については理解したが、便利になり、生成AIなどの機械が考えてくれるため、自分で考えなくなるという点が、本当によいのかと心配である。大学生が論文を生成AIで作成し、自分では考えないという話も聞く。県職員も生成AIを多用し、自分の業務を行わなくなると困る。
ペーパーレス化をすることはよいが、無くすことで不便になることもある。デジタル化やペーパーレス化により、かえって作業の手間が増えると本当に困る。例えば、これまでは何かあれば、紙資料ですぐに調べることができたが、何もない状態で仕事してください、という状況などが考えられる。これが、議員だけならよいが、職員も調べるのに時間がかかって仕方がないという状況が生じていれば、大変な問題だと思う。今まで紙で印刷してあったものがなくなったことで、改めて各自で印刷して持ち歩く状況が生じていれば、本末転倒である。
そういった事態が生じないようにどのように取り組んでいるか。
【理事者】
今回のデジタル化・DX推進に係る取組の実施に当たっては、デジタル戦略監をリーダーとする愛知県庁デジタル化・DX推進チームを設置し、組織的に各局等の取組への支援、進捗管理、情報共有を実施している。具体的には、チームの事務局を務めるDX推進室と総務課において、各局の取組についてヒアリングを実施し、取組を進めていく上で生じる課題や、それに対する解決策等について支援を行っている。その際には、県民、事業者、市町村からの視点を踏まえるとともに、デジタル化を進める前提として業務自体の見直しや業務フローの見直しを検討するよう助言していきたい。
【委員】
DX推進室は、課題をよく吸い上げてフォローして、進捗状況もチェックしながら進めてほしいが、各局によって温度差や目的も違うと思う。各局の取組は、局長が目標を設定していると聞くが、現在どのような考えで進んでいるのか。
【理事者】
各局のデジタル化・DX推進は、局長等の人事評価で、今年度から新たに局のデジタル化・DX推進に向けた目標を目標項目に追加し、必ず設定する。各局長が局のデジタル化・DX推進を重点目標の一つとして設定し、リーダーシップを発揮して取り組むことで、局全体での取組を確実に推進する。
また、各局のデジタル化・DX推進担当についても、人事評価の役割達成度評価においてデジタル化・DX推進に係る取組を目標に設定することとしており、その取組の成果やプロセスを適切に評価する。
【委員】
今後、DXや生成AIの活用が進み、デジタル人材の需要が増加すると、デジタル人材の不足に対して、育成や外部からの獲得をどのように行うかが課題になるが、どのように取り組むのか。
【理事者】
本県では、DXを推進するICT人材を幅広く確保するため、2021年度から民間企業等職務経験者を対象とした採用試験で、ICTの試験区分を新設するとともに、受験資格である職務経験年数を7年から3年へ、試験実施回数も年1回から2回へ変更してデジタル人材の確保に取り組んでいるところであり、3年間で7人が採用され、ICT関連業務に従事している。
また、民間企業の経営手法やコスト意識などを習得し、意識改革や資質向上を図ることを目的として実施している、民間企業等との人事交流において、ICT関連企業に職員を派遣するとともに、ICT関連企業からも研修生として職員を受け入れることで、民間企業の知識やノウハウを吸収しながら職員のデジタル能力の向上に努めている。
今後も外部からのICT人材を効果的に活用・確保していくとともに、職員のデジタル人材育成も図っていきたい。
【委員】
喫緊の課題であるため、人材獲得にぜひ取り組んでほしい。
時代が大きく変わる中、行政も変わらなくてはいけないと思う。このため、現在、効率化に向けて取り組んでいると思うが、まずは、内部のパワーアップのために、それぞれがスキルアップすることが大切である。研修の実施や民間企業との連携を図り、デジタル機器を使った効率化もよいと思うが、内部での取組も進めてほしい。
もう一つ、デジタル人材の不足はどうしようもないため、外部とどう連携していくかが今後の大きな課題であると思う。昨日、防災安全局関係の総務企画委員会でも発言したが、地震発生時に、台湾では4時間という大変短い時間でテントを張ることができたと聞く。過去の災害で対応できなかったことを教訓に、NPOやNGO、民間企業と連携して日頃から対策し、4時間でテントを張ることができたとのことである。
県庁の中にないスキルや経験値が、今後経験不足という形で表れると思うため、人材が足らない場合は、外部と連携する、外部から獲得するなど、外部組織との日頃からの情報交換等を行いながら、全庁的なパワーアップを図る必要がある。
行政の在り方として、県庁の役割が昔と違い大きく変わってきたと思っている。今後の人口減少の中で、地域の課題をどう解決していくかが行政の一番の役割だと思っており、できるだけ単純作業等は効率よく機械で行い、余ったマンパワーを課題解決に向けて取り組むために、人材を育成し、地域の課題を吸い上げて、それをどう解決するかという調整役に回ってもらうという在り方の変化を、県庁内も進めていく必要があると思う。そのためのデジタル化やDX推進であってほしいと思う。これからの県庁の在り方について、総務局長の考えを伺う。
【理事者】
これまでの答弁のとおり、今年度、デジタル化・DX推進担当を設置するほか、総務局に局長級のデジタル戦略監を司令塔として配置し、DX推進体制の強化を図った。こうした職員を中心に、今年度、知事を本部長とするDX推進本部内に、新たに愛知県庁デジタル化・DX推進チームを設置し、そこで、デジタル技術を活用した新たな仕組みの構築や既存の仕組みの見直しなど、一層強力に推進していく。
こうした全庁を挙げてのDX推進の原動力、エンジンとなるのが、デジタル化・DX推進担当を担う、主に20代から30代のデジタル技術に慣れ親しんだデジタルネイティブとも言われる、若手職員であると思う。
大切なことは、そうした若手職員が孤立しないよう、若手職員の発想やアイデアを、いかに年長の者が邪魔をせず、組織としてしっかりと酌み上げて具体的な取組に仕上げていくかが重要であり、組織としてバックアップすることが大切であると認識している。
こうした認識の下、デジタル化の推進の目的である、県民や事業者の利便性の向上、行政の効率化による職員の負担軽減や意欲増進に引き続き取り組んでいくが、こうした中、今、委員から指摘があった、DXで行政効率化し、それで生み出したマンパワーを喫緊の行政課題に投入していく姿を作るということは、まさにそのとおりであり、そうした姿勢で臨んでいきたい。
また、その際に、デジタル化への対応が困難な人への配慮や現場で実務を担う市町村との調整について、今後様々な行政分野でDXが進んでいくため、個別の行政分野ごとに様々な課題に直面すると思うが、十分留意しながらしっかりとDXを進めていきたい。