農畜産物の適正な価格形成の実現についての意見書 我が国の農業は、世界的な食料需給の変動、地球温暖化の進行、国内の人口減少等による担い手不足といった深刻な社会課題に直面している。 とりわけ、飼料や肥料原料の高騰等により農業生産資材価格は依然として高い水準で推移する一方、流通段階での価格競争の激しさといった様々な要因で、取引価格への転嫁が円滑に進んでおらず、我が国の食料安定供給の基盤自体の弱体化が懸念されている。 こうした中、国は、本年5月に成立した改正食料・農業・農村基本法において、食料の持続的供給に向けた合理的な価格形成について明記するとともに、その価格形成の仕組みの実現に向けて、法制化を視野に入れた協議を進めている。 農畜産物を持続的に供給するためには、需給事情や品質評価に応じて価格が形成されるとともに、資材費等のコストが十分に反映されることはもとより、生産現場の実態や生産者の意見を十分に踏まえ、全ての生産者が将来にわたり意欲を持って取り組めるような価格形成が必要である。 よって、国におかれては、農畜産物の適正な価格形成の実現を図るため、下記事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。 記 1 生産者が再生産可能な価格形成に向けた法制化の検討を加速させること 2 円滑な価格転嫁に対する消費者の理解や需要拡大につながるよう、更なる普及・啓発活動に取り組むこと 3 消費者が国産農畜産物を選択する行動変容につながるような付加価値を高める取組への支援を行うこと 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和6年10月11日             殿 愛知県議会議長     直江弘文 (提 出 先)     衆議院議長      参議院議長     内閣総理大臣     農林水産大臣