【記者】 |
2月15日に知事に就任され、今日でちょうど6ヶ月になりますが、感想をお伺いします。 |
【知事】 |
2月15日でありましたから、ちょうど6カ月ということでございます。本当にいろんなことがあったかなと思いますが、2月15日、就任早々すぐ新城に行きまして、鳥インフルエンザでございました。それで、その対策を直ちに2月議会に乗せて、2月いっぱい、本会議が終わって、さあこれからいろんなマニフェスト、中京都構想などなど、どんどん進めていこうというふうに思った矢先、3月11日に東日本大震災の発災ということで、その後、とにかく直ちにいろんな行事、イベントは止めないでやってくれということを言ったり、それから現地に対する支援を、本部を直ちに立ち上げて人も物資も送ったり、受け入れもやったりということもやりました。また、4月には景気対策ということで、「あいちガンバロー資金」、1,000億円の無担保資金、それから保証料も全部県が持つということを1,000億円、私の専決処分でやらせていただきました。そういったことをやり、景気対策を次から次へやっていきました。それから、6月議会は肉づけ予算をやりました。3年ぶりにプラスとなる積極的な予算も組みました。それから7月は、円高是正の対策を強く要請をいたしました。全国知事会でもアピールをし、各大臣にも、官房長官、与謝野経済財政担当大臣、財務副大臣などなどにも、また、日銀の副総裁にも要請をしてまいりました。そんなことで今度、明後日、全国知事会の円高是正プロジェクトチームもあります。
そういったことをやってまいりまして、そういう意味では、半年間、息つく暇もなく駆け抜けてきたという感がありますけれども、引き続き、同じことだと思いますが、走り続けていきたいというふうに思ってます。そういった上で、マニフェストの実現に向けて走り続けていきたい。それが半年間の私の印象でございます。 |
【記者】 |
就任半年ということで、自社が県民にアンケートを取ったところ、知事への評価が60.7点でありましたが、その評価についてのコメントをお願いします。また、知事ご自身は、点数を付けるとしたら、何点を付けますか。 |
【知事】 |
自分で自分の評価をするのは控えたほうがいいと思います。いろんな評価とか御指摘、御感想というのは、それはそれで、一つずつ率直に受けとめていくということだと思っています。 |
【記者】 |
同じアンケートで、知事のパフォーマンスについて、どう思うかと県民に聞いたところ、評価するが45%、評価しないが42%でありましたが、これについてはどう思いますか。 |
【知事】 |
パフォーマンスという言葉の響きがあれだと思います。そうやって聞くと、多分「いかん、いかん」と言う人が結構いる。そういうふうに聞くと、あなたが聞くから、マイクを向けられて聞くからこうなんだということだと思いますから、そういう数字では実際はないと思いますよきっと。長い経験上でそれはよくわかるので。 |
【記者】 |
もっと評価されていると思うということですか。 |
【知事】 |
というか、普通の人は余りそう思わなくて、たまたまこれ見ていいじゃないかいいじゃないかとか、そのときそのときを受けとめているということなので、余り深く考えてということではないと思います。それは皆さんも専門家だからわかっててやっておられると思いますけど、そういうことだと思ってます。マスコミに聞かれると構えて答えるのが普通の人なので、ということだと思います。 |
【記者】 |
マニフェストに掲げられている県民税10%減税ですが、半年経って、取組の現状と今後の算段をお伺いします。 |
【知事】 |
これは前から申し上げておりますように、プロジェクトチームで今論点を詰めているということでありますし、年内に議会にかけるということですから、11月議会ですよね。そこに向けてプロジェクトチームで論点を詰めて、秋をめどに方向性といいますか、具体化を図っていくということですから、今、検討中ということでございます。粛々とその検討を進めていきたいというふうに思っています。 |
【記者】 |
東日本大震災の影響もあったと思いますが、ご自身のマニフェストは、何%程度進んでいると考えますか。 |
【知事】 |
まだ半年ですから、マニフェストというのは4年間で実現を目指す、するんだというものですから、そういう意味では8分の1ですよね。それもスタートのところだからまだこれから。仕込み、仕掛けの段階ということだと思います。そういう意味では、マニフェストをどのぐらい仕掛けて、今どのくらいのことになって、今後の4年間の工程表を含めて、これは秋をめどに工程表をつくって、進行管理をしたいということを前から申し上げておりますので、その段階でお示しをしたいというふうに思っておりますが、大体多くの、もちろん236項目全部一応検討に入っておりますから、それについては相当な部分で、とりあえずスタートしたというところがほとんどじゃないかというふうに思っています。具体的な進捗状況とか進行管理、工程表などなどは、秋の段階でお示しをしたいというふうに思っています。 |
【記者】 |
東日本大震災の影響で遅れた部分があるとすれば、秋までに取り戻すということですか。 |
【知事】 |
取り戻すというか、結局マニフェストを実現します、こういうのをやりますということで、2月に選挙をやったんですね。それをさあこれからというところで、どんと大震災が起きちゃったので、大震災の震災対応と景気対策を当面やらないかんということでありましたから、それをあわせてやる。そうすると、どうしてもこちらのほうのやつは。県庁は組織で仕事やっていますから、各部局でそれぞれみんなやってもらっていますが、どうしてもそこは、やっぱり少し遅れ気味になるものっていうのはしようがないわね。そういう意味で、そのことも含めて就任半年、大体検討に入ったのは、新年度からということになれば、4月から半年、9月、10月というところで、一つの工程表をつくってお示しをするということになろうかと思います。
確かに、言われるように、大震災の対応というのが当然大きなメインの仕事の一つですから、そういう意味ではその部分を、影響があって少し、これは本来この辺だけど、もうちょっと時間がかかってというのは出てくるとは思います。 |
【記者】 |
半年の中で、東日本大震災と並んで、円高も喫緊の課題だと思いますが、今後、改めて対策を進めるのか。マニフェストを進める上で、前提が変わったことで、見直される考えがあるのかお伺いします。 |
【知事】 |
ここまで円高が進むというのは、これこそ想定外のことですよね。ですから、引き続き、この円高是正の対策を全力でやってくれと、やるべきだと、やるべしということは引き続き、政府、日銀には申し上げていきたいというふうに思います。
菅総理がお辞めになって新たな政権ができるでしょうから、その新政権でも一丁目一番地の喫緊の最大の当面の政策だと、対策だということで取り組んでいただきたいというふうに思っています。即効薬があるかどうかって、それはいろんな受けとめ方があると思いますが、しかし、何もやらなかったら、日本はやっぱり何もせんのかという話になってしまいますから、それはやっぱり、私はちょっとそこは違うと思います。
現に、アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は、あと2年間金融緩和やるんだという話を事実上表明しちゃっているわけですね。そういう中で、日本は今のままでいいんですかということになると思いますよ。だから、8月4日の介入と日銀の金融緩和で新たに長期国債を買ったり、あとETF(上場投資信託)とかREIT(不動産投資信託)とか現物資産を買うのを5兆円、5兆円の10兆円プラスしましたけど、もちろんそのときは評価するということを率直に申し上げましたが、個人的な感じとしては、ちょっと足らないんじゃないかと、もうちょっと踏み込んでもらいたかったなというふうには思いますね。
だから、そういう意味では、日銀と政府がもっともっと連携を密にして、一つにして、意思を統一して、それがマーケットからも見えるように、やっぱりやっていただかなきゃいかんのじゃないかというふうに思います。
ですから、新政権には、ぜひそこは直ちにやっていただきたい。今日8月15日なので、新政権発足までまだあと2週間とか、下手したら3週間とかかかるとすると、そんなことよりも、早く何か手を打ってくれよというふうに思いますけどね。
8月15日というのは、いろいろなマスコミ報道等々でも特集していますけれども、ちょうどニクソンショックから40年なんですよね、今日がね。ドルと金の交換停止から。あれから1ドル360円という世界が変わったわけですよね。それこそ天動説から地動説に変わったようなのが、ちょうど40年前の今日だったと思いますけど、世界のマーケットは毎日、時々刻々と動いているわけですから、日本の政治だけがそれについていけないというのでは、私は、日本の国民の皆さん、それから企業に対して申しわけが立たないんじゃないかと思います。そんなことをやっていれば、どんどんどんどん企業が出ていっちゃうという話になりますから、これは一日も早く思い切った対策を講じてほしい。それも日本一人だけが力んでいてもしようがないので、G7をもっと引きずり込んでやっていただきたいというふうに思います。だから、明後日の知事会では多分皆さん、各知事さん、兵庫県の知事さんだけが東京事務所長さんですか、テレビでお二方出られるし、知事会のPTでこれだけ本人が出るというのは珍しいというか、初めてみたいなことを言っておりますけど、皆さん、多分相当言われると思いますよ。私が今言ったようなことに近いようなことというか、それぞれみんな思いがあるみたいなので、相当いろいろなことを言われると思いますから、それは私も大いに期待をし、そういう議論をもっともっと知事会で発信をして、要は政府を突き動かしていくと、日本の政治を動かしていくということが必要じゃないかなというふうに思います。
本当に私、雑感だけ申し上げますと、13日、14日の土、日曜日、大体、お盆のときはいつも、国会議員をやっていると、仏さんのお参りに行くわけですわ、だーっとね。今年は昨日、一昨日の土、日曜日だけ、主だった方々だけにしましたけど。それで地元を回ると、栄枯盛衰といいますか、世の流れというのはやっぱり肌で感じるわけですよ。ここに店舗があったのがなくなったとか、こっちの郊外に新しい店ができたとか、ここの工場やっとったけどなくなったとか、新しいこういう企業が出たとかいうのがある。新興住宅街がばーんと、ここにも家が建った、ここにも家が建ったというのがあれば、ある一方で、もともとの郷中というか、もとの集落のところで、子供さんもみんな出ていっちゃって、ここも戸締めだ戸締めだ戸締めだとか、そういうのを本当によく感じます。
やっぱり愛知県を回っていたって、例えば、昔、繁栄していた繊維関係のそういったあれだとか自動車の部品でも、本当に町工場みたいなやつがずっとあったんですが、みんななくなって郊外で新しいものができたり、あと海外に行ったりということなんですね。多分、こういった時代の流れを一番本当に色濃くこの40年間背中を押して反映したのは、この円高だと思います。360円(=1ドル)が今76円、77円なわけですから、40年経って。多分、愛知県でこれだとすると、私の地元の刈谷・安城地区なんてのは多分、そりゃリーマンショックが若干あったとは言いながら、今、トヨタもフル回転していますから、人口は、最初に選挙に出た1996年、95年に役所やめて、そのときに43万人だったのが今50万人ですよ、50万人か51万人だったかな。あの界隈が日本で一番人口が増えているわけです。そこでこんだけあれだなということは、多分、日本全国は、特に地場産業と言われるところは、本当に厳しい状況に陥っているんじゃないでしょうか。
そういうことも含めて、もちろんそういう世の流れには対応していかないかんと思いますが、それも含めて、やっぱり国政の枠組みで日本という国をどういうふうに持っていくのかと、どういうふうに、この1億2,600万人の国民の働く場をつくり、食べていく道をつくり、それから豊かな社会、そして社会保障、福祉をきちっとやっていくのかということは、やっぱり改めて考えていかないかんのじゃないかというふうに思います。
今日は8月15日なので、改めてそんなことを思った次第でございます。 |