【記者】 |
災害廃棄物処理に関する国からの再調査の依頼を受けて、県で回答をする際、市町村からの回答を公表しないと聞いていますが、住民に不安の声もでると思いますが、その点どのようにお考えでしょうか。 |
【知事】 |
とりあえずは21日までに御返事をということでありますけれども、その期日は、私はそう重要視しておりませんで、いろんな意見をいただいた上でその意見を集約して、先ほど、私申し上げたように数字以前の問題で、各市町村からいろんな意見を、率直な意見をいただいて、それを集約して環境省に、国に強く言おうと思っとるんです。その数字云々より前に、こんなやり方、何やっとるんだおまえらと、ええかげんにしとけよという話を強く言わないかんというふうに思っております。ですから、そういう意味で、多分、その段階に、このぐらいなんていう数字を、国に「はいはい」なんて出していくことに多分ならんと思いますねきっと。それ以前の問題として、どうするんだこれをと。これまで、この半年間、一体何をやっとったという話と、そういう意味で実態を踏まえて、特に放射性物質の実際に高いやつは論外、こんなことあり得ないですけれども、非常に低いやつについて、それをどういうふうに見て、どういうふうにやっていくんだと。これは日本全国に対して、オールジャパンで国が、環境省が、これはこういうことですと言ってくれないと、我々だってやりようがないですよ、それは。そのことを強く申し上げたいというふうに思います。
それともう1点の、どこがどうのこうのという話は、いわゆるあくまでも計画段階のものを公表したとしても、それは意味がありませんので、実際、そこに持ってきて入れるわけじゃありませんから。ですから、あくまでもこういった行政のものというのは実際に現地から、国、環境省の仲立ち、仲介で現地からどこどこのものが、がれきが何トン受け入れていただけませんかという正式な話が来た段階で、それを当然、地元で協議するわけですね。その段階はもちろん、こういう話が今あって、こうで、こうでということで、地元で説明せないけませんから、それはもちろん全部、逐一公表いたします。逐一公表いたします。具体的な動きになった場合にね。それまではやっぱり、具体的な流れになっていないものについて事細かにこうだこうだと言うのは、それはやっぱり私はまだ、具体的になってないわけですから、それはちょっといかがなものかなというふうに思いますがね。ですから、具体的な話になったものはすべて、逐一公表いたします。それは当然のことだと思ってます。 |
【記者】 |
知事は、国の対応を批判されていますが、一方で環境省は一定の基準を示していますし、実際に受入れを決断している自治体もあることを考えると、一体、国のどこが足りないと思っているのでしょうか。また、県として受入れを協力したいと思うのであれば、国のアクションを待たず、県から市町村に対して何らかの行動をしなければいけないと思いますが、いかがですか。 |
【知事】 |
県内市町村に対しては、先週、私どもの方からとにかく、説明会の後ですけれども、翌日ですが、県として被災地を支援するという基本姿勢は、何ら変わっておりませんと、そのことを踏まえて、是非、御回答いただきたいということの文書を全市町村に出させていただいております。そういう面ではお願いをしております。また今後、機会をとらまえて県内市町村の皆さんに私から直接語りかける、メッセージを発するという機会は、是非、つくっていきたいというふうに思っております。
それと、今、言われました国がというのは、それは当たり前のことでね、東京都は、東京都と我々とではっきり違うのは、東京都は、もう現実に下水の汚泥を処分場で、東京都の処分場で8000ベクレルに満たない、ほぼぎりぎりのものとかそういったものがいっぱい出ているわけです。それを埋めているところに、今回がれきを燃やして、ほぼ8000ベクレルに近いようなものになっているものを集めて、また埋めているということなんですね。それも相当、批判とかあると聞いておりますが、それはしかし、下水の汚泥を埋めなかったら下水は止まっちゃいますから、そりゃもうしようがないだろうと言ってやっておられる。ところが愛知県は、御案内のように下水の汚泥からそういう放射性物質が出ておりません。出ておりません。ですから、そういったところとやはり状況が、私ははっきり言って、この放射性物質については違うということは事実だと思います。
そのことをほったらかしにして、全く一切そういったことをあれせずに、全国一律にばっと、ただただ事務的にですよ、この件で私に政務三役が、誰かから頼むなんていう話は一言もないわけです、今日ここまで半年間。ほかの都道府県の知事さんだって聞いてもらったらいいですよ、ないと思いますね、私。そういう対応について、これで本当に一生懸命、汗かいてやったと言えると思いますか。私は言えないと思いますね。だから、私はこの問題については、大変、極めてセンシティブな問題であるからこそ、それでも私は何とかしたいと。これはやっぱり可能な限り、私は愛知県としてやれることをやっていきたいと思っているから申し上げているんです。
ただ、やれることとやれないことがあります。やっぱり県民、市民の皆さんに御理解をいただかなきゃいけませんから、その御理解いただけるように説明をする、そのツールをいただかないと、それはこういう基準ですよと、こういう処理方法がありますよと。例えば、がれきを焼却した場合、何百ベクレルであっても、焼却したら何十倍かに濃度が高まるでしょう。そうすると、下に落ちる主灰は低くても、飛んでいく飛灰を、飛んでいく灰をフィルターでとるけど、そこが何千ベクレルになるということになるわけですね。これまでの焼却した実績、そういう数値がありますから。そういったのをどうやって処理するのかとか。例えばフィルターについた放射性物質が7000ベクレルだ8000ベクレルだといったやつをどうやって我々処理するのか。そういうところまでの基準とか手法とかやり方まで示してもらった上で、こうですから大丈夫ですからと言ってくれないと、そりゃやりようがないでしょうね。だから私は怒っているんですよ、こんなやり方があるかって。
細かい基準を示すというか、要は、そりゃそうでしょう。何にもなきゃいいですよ。何もなきゃいいけど、たとえ低い数値の放射性物質がついているものがあったとしても、それはそのまま埋めればいいですよ。100ベクレルとか200ベクレルなら、そんなこと問題ないですよ。例えば、6月に愛知県のお茶の放射性物質を調べましたよね。場所によっては何百ベクレル。あれは500ベクレル以下ですから、荒茶だから、生茶を、濃縮すると5倍ぐらいなるので、ある程度そこそこの数字が出るかなと思ったけど、500より全部下だったのでやれやれと、全部、私飲みましたけど。そりゃ100とか200とか、何百ベクレルぐらいだったらいいですよ、それ。食品だっていいわけですから、全然、何の問題もない。だけど、それを燃やしてやると何十倍になるわけですね、特に飛んでいく飛灰は。何千ベクレルになったやつを、それでも、そんなもの8000ベクレルより下だもんで、そんな、おまえら受けないかんがやという話には、それは私はならんと思いますよ。現に全然違うと思いますよ状況は。
愛知県で、例えばさっき申し上げたように下水の汚泥では出ていないんです。東京都の下水の汚泥は、いろいろあっても、とにかく基準値の8000ベクレル前後のやつがいっぱいあって、そんなもの埋めないと東京の下水は止まってしまうということでやっているわけですね。私はそれは、行政の判断は正しいと思います、断固、当然やらないかんと思いますが、そこに併せて埋めているんです。それと私は、愛知県が一緒だということにはならないんじゃないでしょうか。だから、それをちゃんと説明してくれよと。何にもありませんよ、今、現段階まで。こんなやり方がありますか、ということだと思いますよ。私はこれ、本当に環境省の怠慢以外の何物でもないと聞いておりますけどね。問題意識がなかったんじゃないかという指摘だってあるらしいですよ、どうも。だから今度、機会があったら、またきちっと申し上げたいと思います。 |
【記者】 |
知事が、お怒りになっているのは、国が災害廃棄物の処分方法や、基準を定めずに、愛知県内でどれくらい受け入れることができるのか調べて欲しいと言っていることでしょうか。 |
【知事】 |
煎じ詰めて言えばそういうことなんですね。
だから、要は、自分たちでこの8000ベクレルという数値を決めておいて、あとの手法は何も示さずに、「ここまでは問題ないから、はいどうぞ」と、「やってちょうだいよ」と。「で、どのぐらいできますか」というふうなことだけ言ってくれても、それで県民、市民の皆さんが「はい、わかりました」というふうに言っていただけるかどうか。なかなか私は難しいんじゃないかというか、微妙というか難しいんじゃないかと思いますよ、それ。
だから、いやいや、そうじゃなくて、こういうやり方があって、こうで、こうでこうなんですというところまできちっとね。だから、こういう8000ベクレルの基準がありますよと。それに至るまでに、そういったものを含めどういうふうにこれを処分していきます、こういうふうにやります、こうしたら大丈夫ですというようなことをすべて、やっぱりきちっと研究して、お示しをしていただかないと。説明するのは国が全部やってくれればいいですよ、環境省がね。あんな陣容でできるわけないでしょう。結局は、我々県と県内の市町村とできちっと責任を持って説明をしていくということになっている。私、やる気がなかったら、こんなこと言いませんよ。やる気がなかったら。何とかせないかんと思っとるからこそ、説明できる材料を、ツールをくれと。それが半年間、何にも示されていないんじゃないかということを申し上げているんです。ここでしっかり、ここのところ非常に大事なところなんで、私は、それを示していただかないとそれはなかなか。
だから、私は今度、21日の回答、多分、県内市町村の皆さんからいろいろ来ますが、それはそれとしても、どうなっているんだと。実際やるときに、もっとツールを、材料をくれということは、しっかり申し上げたいなというふうに思っています。 |
【記者】 |
環境省から、どれくらい災害廃棄物処理を受け入れることができるのかとの照会は、今回が初めてですか。 |
【知事】 |
もう4月にそういうのがぱーんと来たから、3月の終わりだったかな。「とても無理だ」と来たので、僕は4月の半ばに16万トン受け入れ可能ですということは、宮城へ行って表明いたしました。その間、それから今日に至る半年間、何にもないんですよ、この間まで。何をやっとるんだということですよ。だから、もちろんそのときの前提として、もちろん放射性物質の話というのは、前提ということはありませんからね、それはまたきちっと対応、処理をしてということは、当然、大前提ですけど、その間、何にもなかったわけですから、そのことに私は腹が立ってるわけですよ。何でだと。
だって、全国で多分200何十万トンの受け入れになったんだな結局全部で、各県のがれきの受け入れが。それからうんともすんとも。で、ようやく、とにかく処理能力がきちっとあって、もう既にどんどん、どんどん片端から埋めているという東京都に頼み込んで、東京都がやっているというふうに聞いていますけど、先ほど申し上げた放射性物質という観点の議論からすると、関東と我々のところとははっきり言って状況は違うんじゃないでしょうか。
私は、やっぱり県民、市民の皆さんのそういう御心配の声に答えるためには、やっぱりもっと、もっときめ細かく丁寧な説明する材料とツールをいただかないと、県民、市民の皆さんに説明できないんじゃないかと思いますよ。だから、そういうのをきちっとつくってもらわないといかんと。
例えばね、何百ベクレルという、1000ベクレルないような何百ベクレルのやつを燃やしたとして、8000ベクレルを理論的には超える可能性があるわけですね、そうすると。ものがある。それをどうするんですかと。どう処理するんですかと、そういうところまで。「いや、それはあんた方、自分でやってくれ」という話は、それじゃ話が前へ進んでいかないと私は思います。どうも何か環境省と経産省で「これはおまえのところだ」「おまえのところだ」と放りつき合ったような節があるように聞いていますけど、この間。何かそういうことで進んでいないというのであれば、非常に残念だなというふうに思います。 |
【記者】 |
10月21日の回答期限は、重視していないとおっしゃいましたが、どのような意味でしょうか。 |
【知事】 |
21日に市町村からはいただきますが、それを見て、国に対してどういう返事をするかは、それをいただいた上で考えようということです。それをそのまま、すっと国へ持っていこうということは、それを持っていこうというふうには思っておりません。 |
【記者】 |
つまり、市町村から出てきた数字をそのまま提出するわけではないとのことですか。 |
【知事】 |
というふうには今、考えておりません。それをいただいた上で、先ほど私が申し上げたような意見を、もう一回きちっとつくって、愛知県の意見としてガツンとぶつけないかん。そのぐらいやらんと、あいつら分からんのでないかと、この事の重大性、深刻さをですね。というふうに思いますので、それを受けて、きちっとした主張をぶつけたいというふうに思っております。 |