【記者】 |
災害廃棄物処理推進室は現在のプロジェクトチームのメンバーと重複するのですか。 |
【知事】 |
一緒です。PTで最初立ち上げて、それを正式な県の室に格上げしたということなので、そういう意味では、人数も増やして、15人から20人に増やしてやるということでございます。だから、ちゃんと看板かけますよ。 |
【記者】 |
昨日、東三河広域協議会があり、がれき受入れ可否の判断を先送りする結論を出しました。これまで知事は調査が終わって事業計画ができてからでないと説明をしてもあまり意味がないとおっしゃっていますが、一方で田原市は少しでも早く地元に説明をして欲しいということを求めています。その点は、どう考えていますか。 |
【知事】 |
物事の進め方ですけど、私は別に、今回の件で要は全ての情報というか、こういうことにしたいというか、全て公開の下でやっておりますので、まずはやっぱりどこで具体的に何をしたいというのを、私の判断でここだということをして、そこで調査をかけて具体的なものを作って、そして科学的なデータ。要はこういうものを作りますという実際の計画、それによって生ずる環境影響の調査をしっかりやる、それから地質調査もやる、そういったものを全部取りまとめてこうですということで基本的に。もちろん受入れのがれきなどについての基準なんかも作りますので、その科学的データに基づいて、こういったデータであれば、それを処分しても何の問題もないんだと、何の影響もないということを全部揃えた上でしっかり説明をしたいということを前から申し上げておりますので、それに基づいてしっかりとやっていきたいと思っております。
その方針は全く変わっておりませんし、これからもそういったことで粛々とやっていきたいと思っています。 |
【記者】 |
地元への説明の目途や方法も決まっていないということでしょうか。 |
【知事】 |
いやいや、もう手順なんか決まっているわけですよ。別にそんな新しいことをやるわけでも何でもないので。行政というのは、しっかりとまずデータを作った上で、まず地元の自治体に申し上げて、そして地元の、さらにその地元というのはどこまでの範囲なのかあれですが、御説明をしていくということになろうかと思います。それはよくよく、一番よい方法でやっていくということに尽きると思いますね。 |
【記者】 |
浜岡原発が停止して今日で1年ですが、改めて知事の受け止めをお伺いします。 |
【知事】 |
本当にもう1年、あっという間だなという感じがいたしますけどね。ちょうど去年の連休の谷間か何かに菅総理が夜、突如記者会見して、私ちょうど公舎におりましたけど、「今から緊急会見ありますから見てください」と防災局長から電話が入って、何だこれはと。翌日、菅さんから私の携帯まで電話があって「御理解を」と言うから、そのときいろいろ、去年申し上げたとおりなんですけどね。
これでもって本当に我々中部電力管内、愛知県管内の電力は大丈夫ですかということを。東日本大震災の復興のためには、日本一の産業県である我が愛知、この東海地域がフル回転して初めて復興できる。しかし、電力不足だったら、これに水差すじゃないですかということをまず申し上げてね。そのときは菅さんが「いやいや、そんな大丈夫です」と。「電力は必ず融通します。関西電力からも融通することも決まっております」と言ったけれども、1kWも来なかったけどね、関電からは。言ったことぐらいやれよと思ったんですけど。
それから、去年は連休明けからすぐ海江田経産大臣のところにも行ったり、いろいろなことをやって。あと、管内の産業界、労働界の皆さんに全部、市町村みんな集まっていただいて、この夏どうやって乗り切っていくということを5月からずっとやったので、何とか円滑に、スムーズに去年の夏は乗り切れることができたと思っていますよ。ただ、その間、自動車関係には土日操業をやってもらったりと。企業だけじゃないんですよね。我々行政としては、保育園も開けないかんし、放課後児童クラブも開けないかんし、いろいろな鉄道だ交通機関のダイヤも変えないかんし、いろいろな夏のイベントとかも大幅に変更して、いろいろなことをやって、地域を挙げて乗り切ってきたという思いがあります。
それでもって、合わせてもう一つ申し上げたのは、菅さんに言ったのはこれしかし、原発の好き嫌い、それから浜岡原発、いろいろあったとしても、現に正常に運転している原子力発電所を法律に基づかない要請で止めるということになると、これは全国50幾つの原子力発電所、浜岡以外は53、全部ドミノ倒しのように全部止まりませんかと。それでこの日本の電力エネルギーの供給は大丈夫なんですかと。こんなの大丈夫ですかということを申し上げたんですね。そうしたら、菅さんも、海江田さんからもその後ぐらいに同じような電話かかってきたけど、同じこと言ったけど、「いやいや、ドミノ倒しになりません」と。「浜岡だけ特別なんです」と。「今後30年間で地震が起きる確率が80%あるので。ほかのところはありません」と。「ここだけなんです」ということを言うから、「じゃ、もうそういうことで理解していいんですね」と言ったら、案の定、全部ドミノ倒しでしょう。
だから、僕はそういう意味ではね、何か、そりゃ原子力発電所の是非とか好き嫌いとかいろいろなことあるにしても、もしやるんだったら、本当にそういうことを全部あれするんだったら、何で国会で法律作って、こういう基準だとピシッとやらなかったのかと。そんなお願い、要請ベースでやってたら、結局そんなもの、そりゃ総理大臣の要請には断れないですよ、そりゃ。次から次にドミノ倒しになっちゃうでしょう。
原子力発電所って、いろいろな発電所、原発だけじゃなくて、火力にしたって何だって定期検査あるわけだから、一旦止まったら、基準がなかったら立ち上がらないじゃないですか。まさに今その状況でしょう。何で国会で法律作らなかったんですか、それ。そういう法律に基づかないお願い、要請。
要請だから、あと「決めたのは電力会社だ」と政治家は逃げるわけでしょう。そんなやり方はないと私は思いますよ。だから、国会で法律作って、堂々ときちっとやればよかったんだ。今からでも遅くないからそういうふうにやったらどうかと思いますけどね。そうこうしている間に、結局こういうふうになった。
それと、最近ちょっとあれだけど、これも原子力発電所の好き嫌いとか是非だとか、浜岡原発の是非とか置いといて、最近新聞に出ていたんで、あの1年前、思い出しましたけど、私、海江田さんに言ったんだよ。「浜岡原発とめて、再稼働できるんですか」って聞いたら、「できる」って言ったんだよ。要は、ちょっと時間かかるかもしれませんけれども、防波壁をつくり、水密化をやって、きちっとこれは大丈夫だということを対策組んでいただければ、ちょっと時間かかるかもしれませんが、2年ぐらいかかるかもしれませんが、それをやって、いろいろなストレステストとか、当時ストレステストという言葉はなかったね、5月だから。そういったことを検証してもらえば再稼働できるんですって。そりゃ是非は別だよ。そう言って海江田経産大臣は私に明確に言い切ったんですよ。何か今となるとね、そんなことは言った覚えはねえとか、聞いてねえとか、何かそんな話がウロチョロしているみたいだけど。いや、それは是非は別にしても、大臣が言ったことは、それは引き継ぎがねえとか知らねえとかね。事務方もいるんですよ、資源エネルギー庁も保安院もおる。それが、引き継ぎがねえとか知らねえとか、そんな話が世の中通りますか、これ。僕は何かその新聞記事を見て、馬鹿者と思って。こんな無責任な行政があるかって。行政というか、こういうことを積み重ねるから政治不信になる。だから、私は是非是非そういったことは、好き嫌いとか是非とは別にして、事実はやっぱり事実として、去年こうだったということはしっかり押さえていかないかんのじゃないかと思います。
いずれにしても、浜岡については、今まだ防波壁も水密化の工事も続行中なので、これは一日も早くやっていただくということだと思います。いろいろな議論はあるにしても、まずはそれをやっていただかないと。運転は止めてたって、現に使用済み核燃料は、プールはあるわけだから、それはきちっと一日も早く一日も早くね、万全な安全対策を講じていただくということをまずは強く要請したいと思います。 |
【記者】 |
この夏の電力の安定供給に向け、県としてどのように取組みますか。 |
【知事】 |
去年もだったんですけど、今年はクールビスをちょっと早目に始めていますが、去年も確か夏の電力、いわゆる節電とか省エネ、電力はスマートに使うスマートユースを呼びかけるということを去年6月の上旬に決めていると思います。ですから、まだまだ5月はこんな天気で、一昨日、昨日なんかちょっと寒いぐらいだったのであれですけど、この5月しっかりいろいろな皆さんの意見を聞いて、この夏の電力需要対策、スマートユースの計画をつくっていきたいと思っています。 |
【記者】 |
中部電力に対してはどのような要請をしていきますか。 |
【知事】 |
私さっき申し上げたように、昨年の夏は何とか乗り切ったと。だから9月は、夏のあれが終わったときに、10月に中電の会長、社長、それから担当専務、個別にお話をさせていただいて、去年の10月ですよ、「来年は土日操業なんかやれん」と。「本当に地域が疲れた」と。「大変困った」と。要は、「そういう意味では、会社だけじゃなくて、地域全体が相当なコストをかけて土日操業をみんなでサポートし、何とか乗り切った」と。
例えば夏の行事、イベントだって、さっき申し上げた鉄道のダイヤを変えるとか、あと保育園を開けるだとか、放課後児童クラブをやるとか、いろいろなことを土日もやる。それから夏の行事、イベントだって、トヨタ関係の皆さんのボランティアを相当当てにしていたのが全然来ないということなので、こっちからいろいろ県と地元の市で調整しながら、ほかの企業の皆さんに声をかけてボランティアを出してもらったり、県の職員を出したり、そういったことをやって。あと、やっぱりやっても夏の行事は参加者が少なくて、何か寂しいなとか盛り上がらんなというのもありましたよ。ということもあった。
それから、働いている方々は、やっぱり土日働いているもんだから、子供さんとのスキンシップがとれない。せっかく夏休みでもどっこも行けえへんということとか、相当ありましたよね。あと、大手さんはあれだけど、中小の下請企業さんは、自動車だけじゃなくて、自動車も電機の部品も作っていると、1週間休みがないとかね、そういったこともあるので、土日操業はできんと。
だから、この冬の間にしっかり点検検査をやりながら設備投資もして、来年の夏は土日操業やらんでもいいように万全を期して欲しいということを申し上げて、中電さんも努力してもらって、何とかこの夏は、一昨年みたいな猛暑でも5%以上のあれがあると。去年並みだったら8%ぐらいは十分あるということなので、ここまで来たと思います。
ただ、電力、エネルギーを、この限られたエネルギーをジャブジャブ使っていいということじゃありませんから、これは賢く使うと。スマートユース、賢く使って、省エネ、節電というのは常に心がけないかんことだと思いますから、そういった意味で、6月の頭に向けて、今年の夏のそういう省エネ、節電、スマートユース対策を作っていきたいと思いますので、中電さんとも十分協議しながら合理的なものを、無理なく省エネ、節電ができる、そういったものをしっかりつくっていきたいと思っています。 |
【記者】 |
政府が、関西電力への電力融通のため、中部電力管内にも節電目標を設定することを検討しているようですが、どう思われますか。 |
【知事】 |
私はこの報道を見て、ちょっと違和感を覚えました。電力会社というのは供給責任があるわけですよ。だから地域独占になっているわけでしょう。だから、さっき申し上げたように中部電力管内については、もちろん中電さんの半分は愛知県なので、それも日本一の産業県の愛知が電力エネルギーが足らないなんて冗談じゃないということなので、当面、来年こういう対策を組んでくれというので先々とやっている。それから中長期的にも、これから5年10年15年見通しても電力エネルギーが足らないということでは、とてもじゃないけど、企業立地、産業振興できないということなので、飛島の西名古屋の発電所だって全面リニューアルで、環境アセスメントなどなどの手続に入っていますよ。そういったことを次から次へと我々はやっている。だから、そういうことでギリギリでやっているわけですよ。
それぞれがみんな電力会社管内で頑張ってやっているわけだから、それはまずね、そりゃ関電さんだけじゃなくてほかのところも、九州電力もいろいろあるでしょう。そういったところをまずね、そこでどのぐらいの発電というか電力供給ができるのか。これぐらいのことだと言うんだったら、まずそこでしっかりとそこで節電してもらわないかんのじゃないですか。まずどこまでやれるんだと。やり切りやってもらうということがあって初めて、よそにこれだけの応援を頼むということじゃないんですか。
最初から、何か知らんけど、5%、数字だけが踊っているというのは、私は極めて違和感を覚えますね。で、中身聞いてないもん、こんなの。こんなの国が勝手にやったって、私「はい、わかりました」と言わないよ、これ。中身示してちょうだいよ。最初に数字ありきなんて冗談じゃない。それぞれの地域みんな努力しているんでしょう。もっと努力してくださいよ、そういうところは。それを言うのが国じゃないの。だったら関西電力がこのぐらいのこの夏は供給力がありますと。これについてどうですかと。地元の関西の経済界とか産業界とか、民生のものだって、みんな積み上げてもっと精査して。その精査した積み上げがあるんですか。まずしっかりやってもらわないかんのです、それ。そんなものがフワフワしといて、何となしに足らなそうだから。こっちも我慢して、こっちだってそれは産業をフル回転せないかんのだもん。それおかしくありませんか。もっときっちりしたデータを示してもらわないと。
ただ単に初めに数字ありきで、これでどうだと言ったって、それはちょっと待てと。そんな簡単にいかないよと。よくよく説明しろよと、聞かせろよということからじゃないかと私は思っております。私が申し上げていることが正論だと思います。
本当に国からそういう話が来たらきつく言ったるけどね。「ちょっと来い、説明に」って。これでなかったら、うんと言わない。中部電力に「ちょっと待った」って待ったかける。冗談じゃないよ、こっちはせっかく一生懸命やってさ。ずっと1年かけて、本当に真剣に電力エネルギー問題に向き合ってやってきてだ。もっともっと国は説明責任を果たしてもらいたいよ、それは。場当たりじゃないの、それ。そんなこの夏が足らないんだったら、何でもっと去年の秋とか冬ぐらいから、こうだこうだとやってこないの、これ。極めて安易だと思いますよ。それは経産省もそうだし、民主党政権だってそうじゃないの、それ。もっと真剣に説明責任果たしてもらいたい、そのことを申し上げます。 |
【記者】 |
今夜、日本一愛知の会の政治資金パーティーがありますが、狙いはどのようなものでしょうか。 |
【知事】 |
いやいや、これは私は政治家として政治活動をやっているので、事務所も持って政治活動。政治活動というのは、自分の政策、政治信条を広げていって、それで仲間、同志を募っていく。当然事務所も置いて人も雇えば、国会議員時代に比べれば半減ということだと思いますけれど、やっぱり全部タダで、ボランティアで、かすみを食ってやっているわけにいかないので、一応最小限のものは浄財でいただくというのが日本の政治システムなんですね。ですから、必要最小限のものをささやかにやるということなので、その辺は御理解をいただけているんじゃないかと思います。 |
【記者】 |
小沢一郎民主党元代表もパーティーに参加するようですが、衆院選の候補者擁立に向けた活動の一環にもなるのでしょうか。 |
【知事】 |
僕は、日本一愛知の会というのは地域政党なので、地域政党だと申し上げております。ただ一方で、道州制をにらんで政治集団として、政治塾として東海大志塾を立ち上げました。東海大志塾は是非、東海地区中心に大いに同志を募りたいということなんでやっていますが、衆議院選挙、国政選挙はまた、候補者うんぬんというのはまた別の観点だと思いますけど、それはそれとして今回、今日夜、小沢先生にはお越しをいただきますが、前から、4月の半ばぐらいかな、小沢先生には、5月14日には名古屋で私のこういう会がありますので、お時間があればいかがでしょうかということをお声がけをしておりまして、快く御快諾をいただきましたので、今日お越しいただくということになります。
どういうお話をされるのか私はわかりませんが、ただ、今日の夜、私の挨拶はそんな長くする気はありませんが、小沢先生にも申し上げておりますのは、いろいろなところで申し上げておりますが、やっぱりこれから日本の政治を作っていくために、日本の政治の目標は、私は、とにかく21世紀に世界に通用する日本という国のビジネスモデルを作るんだと。今、日本というこのシステムが、日本という国の形が世界に本当に通用しているかどうかというのは、私は極めて疑問じゃないかと。だとすれば、目指すは一つ。世界に通用する日本という国の形、ビジネスモデルを作る。そのためには霞が関の解体、大都市の自立・独立、中京都構想、大阪都構想、そういった自立・独立、それから道州制、それから首相公選制、そしてまた21世紀に合った国の、日本の成長モデルを、成長戦略をきちんと作ると。作るだけじゃなくて実行するということをやっぱり大きく目指してやっていきたいということを申し上げておりますし、小沢先生から、全く同感だと、俺は前からそういうことを言っているんだということを言っていただいておりますので、そういう意味では大いにエールをいただけるんじゃないかと思っています。 |
【記者】 |
そういうことを実現するために、衆院選に候補者を擁立していくことも、大村知事の選択肢にありますか。 |
【知事】 |
やっぱり同志を一人でも多く増やしていきたいというのはやっぱり当然だと思っております。それをどういう形でやっていくかはまた別だと思いますが、私としては、そういった日本という国を、もう一回申し上げますと、繰り返しですが、21世紀に世界で通用する日本という国を作っていくためには、それでもって愛知の発展のためには、ここ愛知が独立して、もっと日本を先頭を切って引っ張っていくと。愛知は中国における上海や深センとか広州とか香港とかになれる、十分なれるというか、今でも別に経済力で負けていると思いませんが、もっともっと先頭を切って闘っていける、やっていける力はあると思いますので、それを作るためには、国政でそういった仕組みを作ってもらわないかんので、そういう意味では、国政で同志、仲間を一人でも多く増やしたいということは当然だと思っています。そういう面で、小沢先生といろいろお話をすることがあれば、それはしっかりお話をしながらやっていければと思っています。 |