【記者】 |
教育基本条例に関する県での検討状況はいかがでしょうか。また、教育懇談会では教育基本条例について話し合うことはありますか。 |
【知事】 |
とにかくありとあらゆることをテーマに議論していきましょうということなので、大阪の教育基本条例もそういう話題になるのかもしれません。まず第1回は、まず第1回は大きく大きく、これからの教育のあり方とか愛知県の教育の現状だとかそういったことを議論していただきたいというふうに思っておりますから、まず全体でやっていく。それから2回目以降は、私さっき申し上げたそういう愛知の状況、いろんなテーマがありますね、高校入試のあり方とか公立・私立のあり方とか、各教育委員会と首長さんとのあり方とか、そういったことを中心にやっていくと思いますが、大阪の教育基本条例につきましても話題にはなると思います。そういう中で皆さんの意見を聞いてみたいと思います。
なお、私の愛知県、県としての検討ということでありますが、私、前にもそのとき申し上げたんだけど、愛知と大阪では大分教育の現場の状況も違いますので、そういう意味で愛知は愛知の事情があるということなので、大阪のこの教育基本条例がすぐ愛知にそのまま来るかというのは、ちょっとそこまではまだ、現場の状況が大分違うのかなというふうに思っております。ですから引き続き、大阪だけじゃなくて全国のいろんな状況も注視しながら、愛知にふさわしい教育のあり方を探っていきたいというふうに思っています。 |
【記者】 |
複合選抜制度、教育問題で、ここが問題だというのがありますか。 |
【知事】 |
さっき申し上げた論点だと思いますよ。一つはやっぱり、どうしても愛知県の場合は複合選抜制度という、非常にある意味では非常にお金をかけて2校受けられるというシステムを平成元年からやってもう24年、来年もそのままで25年。一つの入試制度が25年。今のままいけば、間違いなくあと4、5年ダーっと続いちゃう、30年続くわけだ。それは普通はちょっとあれかなと、あまりそういう例はたぶんないと思います、世の中。だからそれだけ、教育委員会とか教育の関係者の皆さんに聞くと、これは定着しているということであまり不満はないということなんですが、私は現場で、私の同級生とかいろんな地域の声を聞くと不満はタラタラなんだよね。全然認識が違うと思うので、やっぱりそこは大きなテーマになってくるというふうに私は思います。ただ、あまりに大きな制度だから、今からやって来年変えちゃえと、そんな簡単にいきませんから、だから早く議論を始めようと去年から言っているので。だからといって教育というのはすごい、釈迦(しゃか)に説法だけど、皆さんよく御案内のように、すごく多くの人に影響、関係するので、子どもだけじゃなくて親御さんもそうだし地域もそうなので、だからそういう意味でいきなりかじをグッと曲げるというわけにいかないので、だから多くの方の御意見を聞いて検討をやっていきたいというふうに思っております。変えなきゃいけないところあると思うよ、相当あると思う、いくつか。改善、改善という意味でね、ということだと思っております。
それとあとは、やっぱり公立・私立のあり方とか、各地域での教育委員会のあり方、そういったのを本当に大いに議論していただきたいというふうに思っています。 |
【記者】 |
県の教育委員会の組織の在り様がテーマになることはありますか。 |
【知事】 |
それも含めて議論していただいたらいいんじゃないでしょうか。聖域というか、これは議論しちゃいかんとか何とかってそういうのは決める気ないので。ただ、この委員の皆さんに週1回とか何とかってそういう議論の時間はあれですので、大枠を大いに議論していただければいいと思います。ですから、今言われたそういった教育委員会のあり方とか人事のあり方だって、それは大いに議論していただければいいというふうに思います。だから、これは議論しちゃいかんとかそんなことを設けるつもりはありません。 |
【記者】 |
複合選抜制度に関し、地域では不満があるとのことですが、どういう点に不満がありますか。また知事はどの点を改善しないといけないと考えていますか。 |
【知事】 |
だから、複合選抜制度で、要は高校間の格差序列が完全にまたできてしまったと。かつてのいわゆる学校群制度、私は学校群制度が始まってすぐのあれだったので、大混乱の中で入試があったわけですよ。だからね、子供心にね、自分の志望する高校を受けられないような制度をね、何でこの大人のばかどもは作るんだというように子供心に思ったのがあってね。そういうことで、そういう思いを持ったのは、我々の世代はみんな結構ありますよ。だから、そんな思いがあって、大人になってみるとやっぱりおかしいと。それは学校の先生方のね、旧制中学か何かの学校の偉いさん方がね、大体偉いさんになっとるわけだ、どっかの校長をやって教育委員会の偉いさんに。そういう連中が寄ってたかって集まると、こういう複雑で人為的で何とかで作るのかなというふうに思っとったら、今の複合選抜制度というのは完全に旧ナンバースクールが復活してさ、昔よりも序列がはっきりしているということになっていると思います。私はそれは大いに改善しなきゃいけないというふうに思いますよ、それはね。
だからあとは、愛知県の場合は、さらに言うとだ、試験と内申書があるから、内申をバーンと中学生取らんとさ、行けんわけだ志望校に。そうするとね、何か知らないけど物言わぬ中学生というか。学校の先生方がね、全部じゃないよ、全部じゃないけど一部に例えば生徒のそういう自由というか、中学生にそんな自由があっていいかどうかあれだけど、現場でそういうことがあるのもありますよ。だからそういう意味では、私はそういうのは大いに見直してもらったらいいんじゃないかなというふうに思います。
あまりこういう場でそういうことを言うとあれだけど、例えばうちの子供ね、一番上の娘が中学校のとき、地元中学行っとったけど、県立高校受けるということをやっとって、ブラスバンドでクラリネット吹いとったんだわ。それで、ある程度大会に、秋まで大会があるというんだけど、勉強せないかんので8月の大会で最後、辞めますと言ったらだな、今まで音楽「5」だったのが「3」にしやがったんだ。うちの子供、ここに五百円玉のハゲできたよ、中学校3年生が。そんなありかおまえとおれは思ったね、そのとき。だからさ、そういうことをやるんだよ現場で。だからさ、そういう意味で人為的なこの制度というのは本当にいいのかねということだよ。まあ結果しかし、うちの子別の東京の学校に行ったからさ、私立の学校受かったもんで行ったから県立は受けんかったけど、それもあったから意地でも受けるとか言ってさ。そういうのはやっぱりみんな結構思いがあると思う。
だから、中学校の教員の現場でもさ、こんなんやめてくれということいっぱいあるんだ、おれ聞いているの。高校もだ、高校の現場でも、現場でやっている人はちょっとこれやり過ぎじゃないかという声はよく聞きますよ。だからさ、そういう声、そういう不満の声しか私のとこへ来ないのかもしらんけど。まぁちょっとだから、何がいいかというのは大いに議論してもらったらいいと思うけど、人間が人為的にこねくり回すと大体あまりうまくいかないのよ。世の中というのはやっぱり単純明快に。裏も表ももう今できないんだ、そんなこと。裏も表もなし、単純明快に非常にわかりやすいのがいいと思いますよ。
ただ、愛知県の複合選抜制度というのは、非常に多額の金をかけてシステムを作ってね、ある意味ではできているわけだ。二つ受けれると、こっち受からなくてもこっち行けると。それでもって私学が非常に被害をこうむったというのもあるかもしれないけど、そういう意味ではどっかには受かるよねというのがあって、それはいい面かもしれないけど、完全な序列化をして何とかで、片や一方で指導困難校なんて言われるところが、かつて各新聞社やったでしょ、特集。時々やるんだよな、私は大変いい企画だと思ってほぼ大体この企画は読んでおりますが、そういうのはやっぱり常に議論をしておく必要があると思う。
ちなみに、この1年何カ月、教育委員会にそういうのはどうだと言ったら、いやいや何の問題もありませんという答えが返ってきてるからさ、ふざけるなって。余り強引に私がやるのもいかがなものかと思うので、ありとあらゆるものを含めて教育懇談会みたいなことで議論していただきたいというふうに思っています。
ただ、一方で、さっき大阪との違いと言ったけど、愛知県は昔から日の丸掲揚、君が代斉唱なんか当ったり前だでね、これ。国旗、国歌の斉唱は当ったり前だもん、教育現場も全部。そんな歌わない教員なんかいないよ、愛知県。いないいないいないいない、いたら教えて。いたら教えて。いたら教えて。だから、そういう意味でのそういう問題はないというふうに思ってる。いたら教えてこれは、是非是非。だから、そういう意味で大分事情が違うというのはあるので、それはその現場、実態、事情を踏まえてしっかりと対応をやっていく必要があるというふうに思っています。 |