【記者】 |
先週の定例会見で、知事は複合選抜が原因で序列ができた旨発言されましたが、どういう仕組みで序列ができているとお考えですか。 |
【知事】 |
序列って結局あれでしょう、大学区で尾張と三河で分けて、それをA、Bで分けて2校受けれるようにして、その組み合わせのやり方でそれを八つにしたのかな。だから「八ヶ岳方式」とか言うらしいけど、その八つのところの一番上のところにみんなが集まってくるように、人為的にしたんだよそれは。わかっているんだそれは。当時の教育委員会当局もわかっているんだ。わかっててやっているんだ。だからそのとおりになった。それをだから受験産業が、塾がまたきちっと高校単位で偏差値とか点数をつけて、序列をつけちゃったんだな。それは子どもたち、中学校とか子どもたちがそのとおりにやるよね。だから、人為的にやればそういうことになるということですよ。
それでいいと言う人もおれば、そんなのでいいのかと言う人もおれば、いろいろあると思いますが、制度に完璧なんていうのはないと思うんだけど。と思うんですよ。だから、二つ受けれてあれだということ、僕はそれはそれでいいことだと思うけど、思うけど、一方であまりにも、だから当時やっぱり愛知県はお金があったんでしょう、平成元年からやるのに。これだけのシステムをつくって、相当お金と労力とかかって、現場も結構あれなんだけど、それでもみんな高校に入れるようにするというのでやったというのは、それは一つの大義だと思うけど、それをやった結果がね、本当にそれでみんなよかったのか、ハッピーだったのかと、弊害はなかったのかということはやっぱり常に常に検証せないかんと思いますが、私から見てて、元年からやって24年、来年もそれでやるんだろうから25年間、途中で見直したと言いながら、制度がそのままというのは、私は違うのではないかというふうに思いますけどね。
ただ、今からやって来年変えれるかという、そういう簡単なものでもないので、今からいろんな意味で幅広く議論してもらえばいいというふうに私は思いますけど。 |
【記者】 |
序列はなくすべきとお考えですか。 |
【知事】 |
いや、そんなことないよ。要はね、序列というのはおのずとあるんだよ、それはしようがない。それはしようがない。だって、競争は否定することはない。だけど、それを人為的にやることがいいのかということだと思います。
それと、極端なことを言うと、実名を言うのはいかがなものかと思うけどさ、大体愛知県の進学校っていったら、名古屋だと旭丘とか、一宮とか岡崎とか刈谷とか時習館、そういうふうになってくるでしょう。そういったところは大体、内申書で例えばオール5のやつしか入れないとかね。オール5のやつを三百何十人集めたって、それ何の意味があるんだというふうに私は思うけどね。いろんなバラエティーというか、いろんな子どもたちが入って切磋琢磨していくということがやっぱり本来あっていいんじゃないかというふうに私は思いますけどね。だから、そういう意味でちょっと行き過ぎではないかというふうに私は思います。
そもそもね、人間がつくる制度で完璧なものなんかないんだから、それは常に。やっぱり10年やったら、普通見直しだわな。何で25年もこんなのやってきたのって、惰性とまでは言わんけどさ、私はちょっとやっぱりいかがなものかというふうに思います。 |
【記者】 |
知事は制度が25年間変わらないまま続いていること自体が問題とおっしゃっているのでしょうか。 |
【知事】 |
そもそもそれが、そのこと自体で私は、そのこと自体で私はやっぱり違うと、やっぱりいかがなものかというふうに思いますけども、それと合わせて、じゃ弊害がないのかと言ったら弊害があるので、現にあるので私は言っている。なきゃ言わないよ。あるから言っている。 |
【記者】 |
弊害とは何ですか。 |
【知事】 |
いろんな側面からでしょ。だから、今言ったあまりにも序列がバーっとつき過ぎているということ。それから、さっき、前回も申し上げたけど、内申書で物言わぬ中学生がバカバカできているというような話とかね。あと、学校現場においても大変だとか、いろんな声があるので、そういったものをやっぱり虚心坦(たん)懐に受けとめて、やっぱり改善の努力をしなきゃいけないのではないかというふうに私は思いますけど。 |
【記者】 |
先ほど序列はしょうがないとおっしゃいましたが、どういうことでしょうか。 |
【知事】 |
違う違う。それは程度問題なんです。そりゃある程度のあれはあるよ。そりゃ昔からあるよ。それは、自分はだからここでやっぱり生まれ育っているからさ、やっぱり肌感覚でわかるんで、こんなビシャっとした序列なんかなかったよ。ないない。そりゃ地域の子は地域の学校に行ったんだもん、前は。今はそうじゃない。遠方から行くんだよ、遠方から。三河じゅうから岡崎高校へ行くんだ、豊橋からも岡崎高校へ行くんだよ。そんなのはなかったよ少なくとも。そんなのはなかった。全くなかったそんなのは。それはちょっとやり過ぎではないかと私は思うけどね。
そりゃ、どういうところへ行くかというのは自分の志望とかあれだろうけれども、それをだから、そういうことに子どもたちを追いやるような、追い立てるようなことを人為的にやっているというのが私はおかしいということを前から思っていた、前から。僕は1年前からずっと言い続けてきた。あんまりいきなりバンバン言うとあれだからというので、それも含めていろんな意味で教育の問題を議論する場を作って。これはこれだけじゃない。もっとほかにもいっぱい課題たくさんありますから、それを広く議論する場を作ってやっていくということかなというふうに思います。
あとね、やっぱり学校現場の人は何かといったら、今の与えられた制度を前提に仕事をするので、これはおかしいなとか、何となしにこれはいけないとか、いろんな思いがあっても、やっぱりあんまり制度は変えんでくれという声が出てくるのはしようがない。現場でやっている人たちは今のまま、とにかく今の与えられた制度で仕事をするので、あんまりガラガラ変えてもらっても困るという声があるのも事実だろうけど、ただ、それは僕はわからんでもないけど、やっぱり一番のあれは、やっぱり子どもさんとかね、実際に受ける本人、子どもさん、あと親御さんの考えとか気持ちを考えればやっぱり、これはやっぱりもうそろそろ大きく議論して、はっきり見直しをしていくそういう時期だというふうに私は思います。 |