【記者】 |
県議会に提案している、がれきの受入れに関する補正予算について、今日午後から県議会各会派は、協議して取扱いを決めるようですが、知事は各会派にどのようなことを求めたいですか。 |
【知事】 |
補正予算の中身は、一つはがれきの受入れについてですね、試験焼却と、そして説明会と広報ですね、広報予算ということが柱になっております。これは、先週本会議もありまして、議会でも御質問いただいたのでしっかりと御答弁させていただきました。これは常に常に予算の提案というのは、その時点でのベストだと思っておりますので、これでしっかりと説明をし、これで議決をいただければというふうに思っております。各県議会の皆さんは、各会派の皆さん御理解をいただけるんじゃないかというふうに思っております。
それとあとは、被災者の皆さんの賃貸住宅の借り上げ経費、それと県議会の皆さんの報酬の引下げの部分を減額補正するというものでありますから、予算というのはどれか切るというわけにいきませんので、この補正予算、現段階で必要なものを提案したということなので、各会派でもしっかり議論していただいて。やはり私は何度も何度も申し上げておりますが、被災地の支援ということを、いろんな形あると思いますよ。現地に人を送る、現地でいろんなこともやる、そして現地の人も受入れる、そして経済の取引、いろんなビジネスの取引も増やす、また現地に観光に行く、こちらに来ていただく、それから往来も盛んにするということもいろいろあると思いますし、いろんな支援があると思いますが、やはりその中で現地の非常にニーズが強いのが、震災によって発生したがれきの広域処理ということです。
特にそのニーズがね、これも先週答弁いたしましたが、ニーズが、いろいろ状況が変化しているのはそのとおりなんですけれども、もちろんいまだに247万トンのね、全部で2,000万トンを超えるがれきが発生し、そのうち広域処理がまだ247万トン、不燃物が129万トンということなんですね。ですから、そういう意味での広域処理の要請は非常に強いということだと思っております。
特に、木くずとか可燃物が大分処理が進んできたということはあったとしても、例えば焼却灰の処分場、そして、先週も申し上げましたが不燃物についての処理の要請。これ、例えば岩手県の宮古なんかではまだその量がつかめていないと、だからまだ増えるということなんですよ。結局、あまりにも多過ぎて、まだ宮古で不燃物がどのくらいあるかというのはその数字に入っていないんですよ。だからまだ増えるんですよ。膨大な量があると聞いております。
と言うのは、先週も申し上げたように、そのものは一体何だというと、結局、ダーッとがれきを何カ所も集めますよね、集めて結局処分するときに分別をするわけですわ、可燃とか不燃とかね、大きいやつを。だから、可燃物は燃えるやつを分別して、不燃もコンクリの殻とかいろんなことで再生利用、再利用できるものはまた分別する。その網目でやるんだよね、網目の下に落ちるもの、これは何かといったら土、泥、それに砕かれたガラスだとか金属だとかプラスチックの細かいものが混じっているものですよ。だから、そういったもの、網目から落ちるやつはいかんともしがたいということなんですね。その泥というのは、多くがやっぱり津波で持ってこられた海底の泥とか土ということなわけですよ。だから、そういったものをやっぱり我々としては、これは放射性物質の値も非常に低いということでもありますし、そういったものは是非受入れを進めていきたいというふうに思っております。その辺については是非御理解をいただきたい。
とにかく個々のそれぞれの、実際に受入れということになりますと、それに近い地域、所でいろんな声が、御不満とか御懸念の声があるのは事実だと思いますが、そういった地区とかそういった方々に対しては、やっぱり我々は具体的な数字をもって丁寧に説明をして御理解を得ていきたいというふうに思っておりますが、とにかく全体として、愛知県全体として、まずは総論としてこの被災地の復興支援を進めていくんだと、これに支援を惜しまないんだということ。それから、その復興支援を進めていくために、このがれきの広域処理について、これもまず基本的には協力をしていくんだということの姿勢は、これは我々は、県当局の方はいささかも変わりません。是非県議会の皆さんにもその点は十分御理解いただいて、愛知県挙げて、愛知県議会挙げてですね、この復興支援、そしてがれきの広域処理についていささかも揺るぎはないんだと、しっかりやっていくんだという姿勢を是非示していただきたい。そのことをお願いしたいなというふうに思っています。 |
【記者】 |
県議会の自民党、民主党は、がれきの受入れについて、焼却炉を止めることになり前提条件が違ってきたので、補正予算案を修正すべきだと主張していますが、こういう意見をどのように受け止めますか。 |
【知事】 |
全く違うと思います。その論理が全く理解できない。だって、あくまでもこの試験焼却は、とにかく県全体で広く分かち合ってほしいということでお願いをしたいと。ただ、それをやっていただいた後に本格焼却をしていただければ、これはこんな有難いことはないですよ。だから、むしろそれはそれでまたお願いをしたいということなんですが、まずは広く分かち合っていただきたいということでお願いをしているので。県の焼却施設を作るということで、だから試験焼却お願いということは一度も言っておりません。そういうことは考えてもいない。だから、そういうふうに論を組み立てられるということがね、どういうふうにお考えいただいてもいいけど、それは全く理解できない。
だから、そういうふうに言われるということは、とにかく初めに反対ありきなのか何か知らないけど、がれきの処分に反対するのか、それとも復興支援に反対されるというそういうお気持ちなのかよく分かりませんが。だから、私は是非ですね、そうじゃなくて、私もそうだし県の事務方もそうだけど、まずは県内全域で広く可能なところで分かち合っていただきたいと。
その上で本格焼却をなぜお願いしないんだといえば、それはお願いしたいよ。したいけど、まずはやっぱり少しの量でも分かち合っていただいて、その上で、その結果を見た上でまた改めてそれはお願いができればというふうに思っていますけどね。まずこの試験焼却、こんなちょっとの試験焼却のことすらお願いできないのに、それの何倍もの量の本格焼却ってそれはお願いできないでしょ。ということで手順を踏んでお願いをしようとしているんですね。そこは是非理解をしていただきたいなというふうに思っていますけど。
最初に申し上げましたけど、我々はこの予算が現段階でベストだというふうに思っていますから、そのことをしっかり申し上げていきたいというふうに思っています。
ただ、先週あれだね、2人の県議会議員が言われたけど、あの2人は反対するのかね。あそこまで言ったらなら反対するんだろうな、きっと。反対したらどうなるのかよう分からんけど、あそこまで言ったもんな、と思いますけど。 |