【知事】 |
これは議会でも何度か、今回もご質問いただきましたので申し上げましたが、私はかねてから、その地域に住まう子どもの教育については、選挙で選ばれた首長が、県知事もそうですが、特に小・中、義務教育は、やはり市町村の教育委員会といいますか、市町村の仕事になりますから、特に市町村長さんね、選挙で選ばれた首長さんがそこに住まう子どもたちの教育に責任を持つべきだということをかねてから申し上げてきておりました。したがって、その地域の教育の大きな目標とか進むべき方向、ビジョン、そういったものは首長が決め、目標とか計画とかそういったものは、方向は決めて、一方で、やはり現行の制度を踏まえながら、これも現行の教育委員会制度も、戦後60数年たちまして、なじんでいるというふうにも思いますので、日々の学校現場、学校での取組、実務の取組というのは教育委員会がやっていくという形で分担をしたらどうかというのを申し上げてまいりました。
今回の政府・与党の改革案の方向というのは、まさに私が申し上げてきたとおりのことで、極めてごく自然な方向ではないかなというふうに私は受けとめております。したがって、愛知県においては、今回の制度の改革の方向というのは、そのままスーッと入っていくということになるのではないかなというふうに思っております。
いずれにしてもね、個々の地方の自治体において円滑な実施が図られるように、特に現場の状況を踏まえた制度設計をやっていただきたいというふうに思っております。
私いつも申し上げているんですが、教育こそ地方分権なんで、そういう意味では、こういう制度改革も結構ですけれども、もっともっと教育の権限を各地方に分権をしていって、私は基本的には文部科学省は一切そういったものは関与しないと、全部任せると。国会議員のときからずっと、文部科学省は廃止したほうがいいということを、そういう本も書いてきた経過がありますから、基本的にはもっともっとおろしていって、国がどうのこうの言うというのは、大学とかね、高等教育機関とか国の研究とか、そういったことは国が国家の威信をかけてやるべきだということだと思いますが、私は高校生ぐらいの、小・中・高のまさに初等・中等教育というのは、そこに住まう子どもたちの教育、未来を考えることはね、地方自治体、分権で全部やるべきだと。国がああだこうだ言うのはおこがましいと。百害あって一利なしだということをずっと申し上げてきましたから、もっとそちらの方を踏み込んでいただきたいということは申し上げていきたいと思っております。
だから、そういう点でいくと、何か地方分権の話というのがどっかに飛んじゃったような気がしましてね。何かその辺は非常に残念だなという気がします。
逆に、国から、いろいろあった場合には国が是正命令するとか何とかというのは、それはちょっと違うんではないかなという気がしますけどね。そういう意味ではちょっと。
今回の改革の方向はこれでよろしいかと思いますが、分権という観点があまり見られないと言いますかね、そういった面での改革の方向性というか、踏み込みが足らないというどころか、分権の観点がほぼ見られないような感じがするというのは残念だなという気がいたします。
一体どこにいってしまったのかなという気がしますし、逆に言うと、教育はもっと中央集権でいいんだ、というふうに思っているんじゃないか、というふうにも勘ぐられてしまうんではないかという気がしないでもないんですが、それはやっぱり全く本来あるべき姿、方向と逆ではないかという気がいたしますね。もっともっと分権で、もっともっと地方に任せ、地方の特色に任せ、子どもたちの教育をもっともっと地方に、それぞれの地域、地域に任せていくということが、私はもっと必要ではないかというふうに思います。
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