【記者】 |
愛知県美術館での企画展に関する問題について、結果的に写真家さんの対応という形で作品に変更が加えられましたが、今もって、美術館と県警という県の機関同士で、違法性があったのか、なかったのか、意見が対立している状態ですが、知事はこの騒動をどうご覧になっていますか。 |
【知事】 |
今やっている、愛知県美術館における企画展としての「これからの写真展」というのは、大変レベルの高いといいますか、すばらしい展覧会だというふうにお聞きをいたしておりましたので、私も、ちょうど始まる直前に拝見をさせていただきました。短い時間ではありましたけれども、私、素人なりにですね、非常に内容の濃い、レベルの高い、写真というのはこういうところまでやれるのか、ということとかね。
日本の写真ということで、富士フイルムさんかな、持っている写真、100年ぐらいの歴史みたいなものもお借りしたりということで、本当にすばらしい企画だと思いますし、まだ夏休みですから、ぜひ多くの方にご覧をいただければというふうに思いますが、正直言って、今回の問題になった点については、私もちょっとびっくりしましたけれども、そうかこれは芸術なんだなと拝見をいたしました。今回警察の方からそういった指摘があったので、それを受けて、美術館と作者さんの方で、それについて対応されたと。
まず入口にこういう作品なんだというものについての注意書きがあって、あとは中学生以下は保護者同伴で鑑賞をしてもらうという表示があり、あと実際に、その作品についてはカーテンをつけたというふうに聞いておりますけれども。
そういう意味では、今回、警察からの指摘を受けて、美術館が作者の方と相談をして、こういった対応をしたということですから、そういった形で展示を引き続き観ていただけるということになっているということなので、私は、それはそれで結構ではないかと、そういうふうに受けとめさせていただいております。
色々な見方がありますのでね、それぞれにそういった意見の中で落ちつくところに落ちつかせて、引き続き観ていただくということは、それはそれで1つの結論ではないかと思っています。
|
【記者】 |
県警は、男性器が見えていれば違法だと美術館に説明したとのことですが、メイプルソープ事件の裁判では、局部が写った写真を含む写真集はわいせつ図書ではない、という最高裁での判例が確定しています。そのような判例との整合性がよく分からないまま、県警が表現の自由に介入する裁量権があるのかどうか、県警の予算を執行する知事としての見解を教えてください。 |
【知事】 |
多分、この写真展を、展覧会を観られた方から「ああいう形の展示はいいのか」というような話が美術館なり県警なりにあってですね、それはちょっと県警の方としては、いかがなものかというふうなことで、美術館の方に言って、そういう意見があるとすれば、できるだけ多くの方に観ていただきたいという趣旨から、そこは少し善処しましょうかねということで、作者と相談してやられたということではないかと思います。私は、色々な意見があるので、その意見を受けとめる中でこういう対応をされたということではないかと受けとめております。だから、それぞれの当事者のそういう判断ということで、こういうふうにしたということじゃないかと思いますけどね。 |