【記者】 |
二重行政については、愛知は他の地域と比べて減ってきているということですが、残っているのは具体的にはどんなところですか。 |
【知事】 |
いや、もともとすみ分けるところはすみ分け、そして一緒にやるところは一緒にやり、協議をしながらやってきておりますから、比較的ほかのところに比べればうまくやってきたんではないかということです。
結局色々な仕事がありますから、基本的にはそういうすみ分けみたいなのができているんだろうと思いますけれども、やっぱり完全に独立してやれということになっていないと、大きい小さいは別にして必ずそこのところは何らかの形であるわけですよね。
僕は個々の仕事は分けられると思うんですよ。例えば道路、この道路はここからここまでとか、目に見える形のハードの部分、それは分けられると思います。福祉の分野とかそういったことは基本的には政令市の中は政令市で、名古屋市でやってもらうとかね。教育についても、名古屋市の中は名古屋市がやってもらうとかいう形に、それは分けられると思うんですが。
私は世界的な標準から見て、愛知県がそんな大きな広さがあるのかと、そんなことありませんから、そういう意味では先ほど申し上げたように、今後この地域をどうしていくかという大きな大きな方向性を示す司令塔は、愛知・名古屋で一つにすればいいと。一番のところはそこだと思いますよ。
今のところ、愛知県といい名古屋市といい、全く別の方向を向いているかということではないので、そういうことはあれでしょうけれど、私は司令塔は完全に一つにしてしまった方がいいと前から思っておりますし、前からそう申し上げている。そのことが私が掲げる中京都構想であり、形としてどういう言葉を使うかはあれですが、ホールディングスという形で司令塔を一つにするということが、私はあるべき姿ではないかなと申し上げております。
それに近いような形の合意文書がもう4年前3年前にできているわけですから、そのことをベースに議論をしていくという、それ以上でも以下でもないということではないかと思います。 |
【記者】 |
日曜日に住民投票ということで、その結果いかんによってはということかも知れませんが、司令塔を一本化するという具体的な議論や協議を、これから加速していこうというお考えでしょうか。 |
【知事】 |
これは随時話し合いをしていけばいい話だと思いますから、色々な形で議論し、話し合いをしていくということだと思います。日曜日、17日の結果でどうなるかでありますけれども、いずれにしても注目が集まることは事実なので、そういう議論をしていく環境というか、そういう盛り上がりは出てくるのではないかなと思います。 |
【記者】 |
司令塔を一つにするというイメージをもう少し具体的に教えていただきたいのですが、誰がどのように選んで、誰が司令塔をつくれば良いと考えていますか。また、市を廃止して特別区をつくるとは考えていないということでよろしいですか。 |
【知事】 |
私は前から申し上げておりますけれども、今回の特別区をつくるということは、この愛知・名古屋ではそこまでする必要はないのではないかということはずっと申し上げております。具体的にどうするかは、これからの議論ではないでしょうか。色々な形はあると思います。とにかくヘッドクオーターを一つにするということが一番望ましいことだと。
私はここだけじゃなくて全国の政令市を持っているところは、きっとそういうことだと思いますよ。政令市で独立したいということを言われる方もおられると思うけど、私はやっぱり、グローバルスタンダードからすれば狭いんじゃないですかねと思いますけどね。全てのことをそこのところで完結できるかといったら、できないでしょう。シンガポールぐらいの、都市国家ぐらいのあれだけの力を、経済力を持っているところがあれば別ですけど、日本全国を見渡して、東京以外にそれだけの力を持っている政令市ってありませんよね、はっきり言って。ですから、そこが独立して全てをやっていくということは、あまり国益にはかなわないのではないかなという気がいたしますけど。
それはそれぞれの地域の方々のご判断だろうと思いますが、少なくともこの愛知・名古屋はそういうことではないのかな。やはりヘッドクオーターを一つにして、ベクトルを一つにしてやっていくということを多くの方が望んでいるといいますか、そのことが地域の発展にかなうということではないかと、私はそう思っています。 |
【記者】 |
知事は知事選挙の時にも、リニアの開業を見据えて、愛知・名古屋は西の横綱にならなければいけないとおっしゃっていましたが、都市間競争ということを考えると、大阪が司令塔を一つにするということがかなった場合は、東京という強い大都市があって、愛知・名古屋にとって大きなライバルとなる大阪が優位性を持つということはないのでしょうか。 |
【知事】 |
それは今後どういう形でなっていくかによるのではないでしょうか。ですから、17日の結果も出ていないのに先走ったことを言うことは控えますけども、それが今後そういう方向になるとしても、具体的にどういう形で仕立てをしていくかによって全く違ってくると思いますから、全てがこれからだと思います。
ただ、一つ申し上げますと、もともと大阪は、歴史的から何からいっても、愛知・名古屋よりは経済的には上位にあるわけですよ。人口も多ければ、街の仕立てだって、行っていただければおわかりでしょうけど、私は大阪の街はざっくり見て名古屋の街の仕立てからすれば倍だと思いますね。西日本は、基本的には鉄道網から道路網まで、大阪へ大阪へと集中するように明治政府以来ずっとつくってあるわけですね。明治政府以来、やはり特に戦前までは、大阪が日本一の商都、日本一の産業の都だったと。東洋のマンチェスターだったということは事実ですよね。それを戦後、この名古屋というか愛知が製造業の勃興で、自動車産業とか様々な産業の勃興で追いかけて、産業的にははっきり言って大阪を抜いたというところまで来たということだと、私はそう思っております。
ですから、まだまだ大都市の力、都市力というのは、やっぱり大阪の方が上でしょう。ですから、むしろ我々がまだまだ追っかけているということだと思っています。そういう意味では、いい意味での競争、切磋琢磨をやっていくということではないかなと思っています。
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