【記者】 |
旭化成建材(株)による杭工事の公表について、国や市町村とも連携したいとのことですが、市町村の発注した工事に関しては各市町村が各々で発表しています。少なくとも県内の公共施設に関して、県で情報を集約するという考え方はありますか。 |
【知事】 |
これは、愛知県内に、横浜のマンションの担当者がやったのは23件と発表されていますから、そのデータをこちらにいただけると。それが昨日発送した中にあるのかどうか、どういう情報なのかわかりませんが、まずそういうものがあれば、県内のものを全部我々に一括していただけるのかどうか、それとも県内市町村にそれぞれ行くのか。まずは元請の建設会社へ行くんでしょうから。建設会社にはすぐ報告してくださいよということを言ってありますから我々のところには来ると思いますが、市町村のところまで行くかどうかわかりませんので、我々のところに来れば、直ちにそれは市町村へ連絡させていただきたいと思いますし、そういった意味では、しっかり連絡は密にしていきたいと思っております。市町村にあれば、必ず我々の方にもいただけるようには言ってありますので、そういったことは形にはなってくると思います。
いずれにしても、どういう情報が来るのか全く何の情報もありません。本当にこんなことは、めったにありませんので、正直言って当惑しているという状態ですが、来た情報は市町村の皆さんとしっかりと共有しながら、認識しながら、県内の情報については、一括して把握していきたいと思っております。 |
【記者】 |
民間業者のマンション等についても同様に把握していくということですか。 |
【知事】 |
それはわかりません。旭化成建材から元請建設会社に行ったものが、県有施設であれば、発注者が我々ですから、発注者に対する報告ということで、施工者の責任として建設会社さんは我々に報告していただけることになると思います。
民間事業者、民間の例えばマンションとか民間の工場とかいった場合は、それは建設会社は、発注者、御施主さんですから、そちらの方に報告する義務はあるけど、我々に持ってくる、それはありませんからね。ですから、どういうふうな形の情報提供になるのか、それはこれからの話だろうと思います。
ただ、県有施設とか公共施設についてはやはり、特に性格上、不特定多数の方が使われる可能性が高いものが多いはずですから、それはしっかりと把握していきたいと思っております。 |
【記者】 |
県立常滑高等学校の杭工事については、愛知県としてはデータ改ざんは無いと判断されたということですが、横浜のマンションでは、巧妙な改ざんがされています。改ざんがなかったと考えていいですか。 |
【知事】 |
一つはまずは現場を目視し、そして機械で見て水平であると、現状異状は全く見られないということがまずあります。データとしては非常になだらかに下っている単純な地層であるということ、そこに対してきちっと杭が打たれているというデータがあるということでありまして、その書類そのものを見た上で、改ざんといった形跡はないということであります。
確かに言われるように、それまで全部でっち上げていたということであれば、それはわかりませんよ。わからないし、そもそもこれが、この常滑高校のものが23件に当たるかどうかわからないんですから。要は旭化成建材がやったということで3,040件でしたか、その中の一つではありますよということだけであって、23件かどうかはわからないので。そういう意味では、それ以上のことはこれからのデータというか、情報の提供を待ってということになろうかと思います。現段階では何ら問題はないということで、そういうふうに判断をいたしました。
他にも県施設はたくさんありますから、安全であったと我々が判断できるという以上、それはむしろ言わない方が、他の施設を利用している人に不安が出てしまうのではないかと。それはいかんねということで、今日その発表をすることにしたということでございます。 |
【記者】 |
国のリーダーシップを期待するとのことですが、県として調査や指導をする考えはありますか。 |
【知事】 |
まずは、何が該当するのかと、その対象物件になるのかという情報提供も今ありませんので、情報提供を速やかにしてもらいまして、そして適切に対応していきたいと思います。
まずは、この3,000件の内訳というのを建設会社に、いつ届くかわかりませんが、昨日発送したということですから、早ければ今日届くのかもしれませんが、それをいただいた上で、それがこれに当たると言えば当然直ちにきちっと調べるということ。
それから、11月13日までに全件を調べて報告しろということになっておりますし、41件の対象案件についてはそれより前に調査して報告しろということになっていますから、それらの情報は、これから順次我々の手に来ると思います。我々の手に来た次第、直ちにこれまで残っている資料、現地確認も含めて詳細に調べていきたいと思っています。 |
【記者】 |
民間のマンションに住んでいる方の中には、非常に不安を持っている方も多いと思います。住民の方の相談への対応など、県としてこれから考えていくことはありますか。 |
【知事】 |
先ほども少し申し上げたかと思いますが、我々には情報が全くありませんので、まずは旭化成建材から元請の建設会社に、これが対象だということが今日か明日にでも届くと思います。愛知県の公共施設については、我々発注者の方に情報があると思います。民間の施設の場合は、民間の発注者の方にあると思います。それをどういう形で集約していくか、これはまだまだこれからの話だろうと思います。
ただ、民間の施設の場合、愛知県内にあるものの全部の情報を、ここだというものを我々に提供があるのかどうか、まずそれが1点だと思います。それはわかりませんが、もしそれがあるとしても、ただ、やはり民間の施設の場合は、やはりまずは民間の事業者の方がどうするかということが、ここが最優先であります。
例えばマンションであれば、それはやはり資産価値とか、住んでおられる住民の方に対してどう対応するか。それはやはりマンションの所有者がまずおやりになることでありますので。例えば民間の施設の場合も行政が一方的に公表するとか、そんなことはできませんのでね。権限もなければ、むしろやってはいけないことになろうかと思いますから。
そこをどうするかは、これは正直言って悩ましい話だろうと思いますが、このことについては、愛知県だけの話ではなくて全国的な話だと思いますので、国の方針がどうなっていくのか、それから県民の皆さんのご意見がどうなのかということも踏まえながら、よくよく関係者と相談をして方針を決めていきたいと思っております。 |
【記者】 |
本日、県有施設の公表をしたタイミングについて教えてください。知事は、安全が確認できたとのことですが、情報は23日の夕方時点と同じだと思います。その時から公表するように要望していましたが、県は公表せず、その理由がいたずらに不安をあおりたくないからという説明でした。本日、情報が更新されていない段階で、判断が大きく変わった理由を教えてください。 |
【知事】 |
その時点その時点でベストな判断をしたということでございます。23日金曜日は、県で過去10年間の約950件を全て調べて、こちらの方から、これがそうだろうといって旭化成建材に聞いて、そうだということになったということで、1件あるということを発表した。それで現地確認もして、安全だということなので発表したというのが金曜日の午前11時。そしてさらに書類関係を、当時のデータを全て調べて、杭を打ったときの電気の電圧とか何とか、先ほど私申し上げたようなのを調べて、安全だと判断できた23日の夜7時に発表したということだと思います。
その上で、現段階では、ここまでは発表できたけれども、それ以上は、いたずらに不安をあおってもいけないということで、その時点ではそういう形で、公表は控えるということで判断をしたということでございます。
その後、最初旭化成建材は、とにかくまず我々で調査しますということでありましたが、国土交通省が11月13日までに各元請の建設会社に3,000件を全部報告しろということで期限を切って指示をしたというのは、これもあわせて23日でございました。そういう情報が輻輳(ふくそう)的に入ってきた。昨日の25日の夕方、旭化成建材から元請建設会社にそういった通知を発送したという情報が入ったのも昨日でありますが、こういう色々な情報が日々入ってきて、新たな段階に至ってきているということを総合的に踏まえて、これは安全だと判断できるということで、今申し上げましたように、書類関係、データからも安全だということを発表させていただいたのが金曜日の夜7時。土日を挟んで今日、月曜日の朝ですから、そういう形で、これは1件こういうところですと、問題ありませんと、さらに学校長からも生徒さんや保護者の方にしっかり対応させていただくということで、そういう対応を決めて、今朝この時点で発表しているということでありますから、その都度その都度、一番良い方向といいますか、我々としてできる最善の形で対応させていただいているということでございます。 |
【記者】 |
県立常滑高等学校の杭工事については、横浜物件の担当者が関わっているか分からないということですが、豊川市は独自調査により、23日に市有施設に旭化成建材(株)の杭工事が1件あると発表しました。豊川市の説明では、旭化成建材(株)側に「旭化成建材(株)の杭工事を行った豊川市の市有施設はありませんか。また、該当がある場合は、横浜物件の担当者は関わっていますか。」と尋ねたところ、「豊川市のこの市有施設が該当するが、横浜物件の担当者は関わっていません。」との答えを聞いたようです。一方、県は、今の時点で、この1件に関して、横浜物件の担当者が関わっているかどうか分からないと言うのは、他の情報と比べて遅いのではないかという気がしますが、いかがですか。 |
【知事】 |
それはどうしてなんでしょうね。そのあたり聞いてみたら。 |
【建築局長】 |
豊川市に対して、旭化成建材(株)からそういった回答があったことについては、全く知りませんでした。県の方からも、当然、横浜物件の担当者が関与していますかということは聞いていますが、それについてははっきりした回答がなく、今現在、正確な情報が得られていないという、それだけの事実としか言いようがありません。
いずれにしても、口頭でしかやりとりをしておらず、正式な文書とかそういったものは一切ございませんので、豊川市への回答が本当に正しいのかということなども含めて、昨日発送されたものの、通知された内容をまずは公表させていただくということが一番重要であり、一番正しい情報であると考えております。 |
【記者】 |
県立常滑高等学校の杭工事に横浜物件の担当者が関わっているかどうかを、最後に旭化成建材(株)に確認したのはいつですか。 |
【建築局長】 |
そのたびごとに確認はしております。昨日の夕方に発送するという情報を、昨日の午前中ぐらいに得ています。 |
【知事】 |
だから、どういう意味の質問かね。意地悪質問をしたいと思ってやっているのでしょうけれども、我々としては、これまで事実関係だけを申し上げているので、旭化成建材に我々から何か案件があるのかと聞いたら、一切教えてもらえない。これがそうかと言ったら、それをまた調べて。 |
【建築局長】 |
問い合わせたら、電話で、口頭でしか回答がない。 |
【知事】 |
電話で口頭で回答があったというだけであって、じゃあ23件と発表したけど、どれが当たるのかと聞いても、何も答えがないと。それは今はお答えできません、ということの対応があったということだけでありますから。それ以上のことがあれば旭化成建材に聞いてください。それ以上我々に聞かれても、答えようがありません。そういう意味では我々も被害者なんですよ。 |
【記者】 |
23日以降に尋ねても、旭化成建材(株)側の回答は、「お答えできない。」ということで、変わらないということでよろしいですか。 |
【知事】 |
もちろん毎日聞いております。 |
【記者】 |
民間のマンションの場合、現段階では県に報告するという仕組みになっていないため、県がどのように情報を集約するかが課題だとのことですが、仮に、県がどの施設であるか分かった場合、物件名は公表しないにしても、例えば、自治体名を公表するお考えはありますか。 |
【知事】 |
まずは、一つ、仮定の話にはお答えしません。現段階でどうするかというか、仮定の話に答えても仕方がないのでお答えできません。
基本的には、我々は、自分たちが発注している公共的なものは、やはり発注者として、そして所有者、運営者としての責任がありますので、それはしっかりと公表して対応をきちっとやっていきたいと思っております。
民間の施設については、我々のところに情報が来るということにもなっておりませんし、我々にそこまでの権限がないので、一方的に発表するというのはいかがなものかという気がいたします。いずれにしても、これは愛知県だけ発表してよその県が発表しないとか、逆にそっちが発表してこっちが発表しないとかいうことにならないと思いますから、一義的に全体としてどういうふうに、どういう枠組みというか、どういうふうなやり方でやっていくかということを、これは国がそういう方針を出すのか、国と旭化成が相談してやるのかということだと思いますが、いずれにしても、統一的なやり方が決まって、それに乗ってということになるんだろうと思います。 |
【記者】 |
県立常滑高等学校の杭工事の元請け会社はどこで、旭化成建材(株)は何次下請に入っていますか。 |
【建築局長】 |
平成17年度の県立常滑北高校の校舎増築建築工事についてですが、元請業者は常滑市の東海エコンという会社です。ただ、各社さんが殺到されるような状況になるのは適当ではないと思っています。しばらく待てば情報が入るのかなと思いますので、会社の方へ殺到されることはご遠慮いただきたいなと思っております。
また、旭化成建材(株)は横浜のマンションと同様に、1社が間に入った上での、2次下請です。
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