【記者】 |
あいち小児保健医療総合センターでは、重篤な小児救急患者を、愛知県内のみではなく、東海三県等から幅広く受け入れるのですか。 |
【知事】 |
それは救命救急センターですから。そういう御要請があれば、医療機関は応諾義務がありますから、とにかく、どんな患者さんでも受け入れるということになります。
もちろん、一杯一杯だったら物理的に難しいということはありますけれども、救命救急センターというのはバックアップのベッドも用意しながら、とにかく患者さんを受け入れるというのが一つの条件でありますから、それは受け入れるということになると思います。 |
【記者】 |
小児救命救急センターは全国に8か所あるとのことですが、地域的にこの範囲までは愛知県が受け入れるといった、すみ分けはありますか。 |
【知事】 |
いや、それはありません。
三次救急というものは大体、全県的な医療計画という制度の中での位置付けということでありますが、三次救急というものは、全県的な救命救急の元締めといいますか、受けるということなので、愛知県での救命救急、三次救急という形で指定し、もちろん今、交通網があれですから、三重県、岐阜県あたりから御要請があれば当然受け入れるということになろうかと思います。 |
【記者】 |
全ての県に小児救命救急センターが設置されるのが望ましいが、指定条件が厳しいので、全国で8か所に留まっているということですか。 |
【知事】 |
そうですね。これは国全体の話になろうかと思いますが、全県でということはちょっと難しいと思いますね。やはり先程申し上げたように、小児の医療はどうしても医療全体の中で不採算部門になりますから、そういう意味では小児の専門病院を持っているところも少ないので。
ただ一方で、昔、各県全て1大学1医学部ということでつくりましたから、全てのところに大学病院があるわけですね。そういったところで高度の救急医療、救命救急医療が提供されているということではないかなと思っています。 |
【記者】 |
東海三県で初の小児救命救急センターの指定を目指すとのことですが、小児集中治療室(PICU)に16床を備えるので、指定を受ける条件をクリアするということですか。 |
【知事】 |
そうです。6床以上ですから、これで十分です。国立の成育医療研究センターに次いで2番目の大きさということになるのでしょう。あとはマンパワーを確保しなければいけませんが。医師の確保は何とか充足しておりますので、あとは看護師さんを。オープン当初については確保いたしておりますので、更にこれを拡充し、体制整備をしていきたいと思っています。 |
【記者】 |
病床数が増加すると、医師始め医療スタッフを増員しなければならないと思いますが、マンパワーはどれくらい増やしますか。 |
【知事】 |
オープン当初は、救急棟は医師、看護師で88名、医師が13名に看護師が75名というところでスタートします。これでまず対応して、あとは20名ぐらい増やすということです。20名というのはほとんど看護師ということです。 |
【記者】 |
現在、愛知県内で小児集中治療室(PICU)を設置する病院と病床数は、名古屋第二赤十字病院の2床と、名古屋市立大学病院の4床のみとのことですが、現在の小児の救命救急医療の現状からすると、施設はどれくらい不足している状況ですか。 |
【知事】 |
これは一番新しい数字で平成19年度の医療実態調査を踏まえて、平成25年3月に愛知県の地域保健医療計画というものをつくって、12の二次医療圏ごとに、それぞれのベッドの目標とか、どれだけ受け入れてというようなものをつくるのですが、それは25年の3月だから3年前。そのときの数字として、愛知県内の小児の重症患者数は年間2,141人というのが19年度の実績なので、年間大体2,000人ぐらいの小児の重症患者の発生を見込んでいるということでございます。
あいち小児センターの救急の搬送受入れ数は、平成26年度で508人ということなので、2,000人を受け入れるということではないのですが。 |
【病院事業庁次長】 |
今まで、約2,000名の小児の重症患者については、従来の小児集中治療室(PICU)を設置した病院、あるいは、一般の集中治療室(ICU)を設置し、二次救急、三次救急の患者の受入れをする救命救急病院が受け入れていましたが、今回、あいち小児保健医療総合センター「救急棟」を設置することで、その受入れ枠が増えたと考えています。 |
【知事】 |
患者さんがどこに行くかということは、自由なので。そういう意味では、年間2,000人ぐらいの小児の重症患者がある中で、今まで500人を受け入れていたけれども、PICUが16床できたので、より高度な救急医療を提供できるという体制をつくった、受け皿をつくったということなので、より安心していただいて、こちらの方にも来ていただければということだと思います。2,000人のうちどれだけをということではなくて、その受け皿をつくった。
救命救急センターは愛知県内に22床ですけれども、どこの病院も一杯一杯なわけですよ。そういう意味では、小児の救急センターとして、これだけ受け皿つくったということは、その分、他のところの荷が少し軽くなるということなので、救急医療体制としてはトータルでプラスになることは間違いないと思っています。 |
【記者】 |
成人の集中治療室(ICU)と小児の小児集中治療室(PICU)との具体的な違いを教えてください。 |
【知事】 |
基本的には機械が小さいので、子供の体型に合わせたということになるんだと思います。 |
【あいち小児
保険医療総合
センター長】 |
子供と大人は概ね15歳で区別しています。小児集中治療室では、新生児治療室(NICU)に入るような非常に小さな子供さんから学童期の15歳の子供さんまで、幅広く対応できる体制を整えなければいけないということが、成人との大きな違いです。
そのため、ハード面としては、様々な機械が必要となり、ソフト面では、医師はそれら全てに対応しなければならないなど、様々な面で幅広く対応する必要があることが、大きな違いであると思います。 |
【記者】 |
受入れは、基本的には15歳までですか。 |
【あいち小児
保険医療総合
センター長】 |
15歳は目途であり、それを超えたら受け入れないというわけではありません。 |