【記者】 |
本日から行われる産業廃棄物処理業者54事業者への立入検査は、いつ頃までに終え、具体的にはどういった検査を行うのですか。
また、54事業者には、ダイコー(株)が含まれるのですか。 |
【知事】 |
ダイコーを含む54社です。だた、ダイコーさんにはもう既に文書での報告を発出しておりますし、現時点で社長及び社員の皆さんとはコンタクトというか、接触ができないと聞いておりますので、54社の中にはダイコーは含んでおりますが、正確に言えばダイコーを除く53社ということなのかもしれません。
いずれにしても今日からですから、県内各事務所で対応しますので、7事務所で対応して分けていきますと、今日明日ぐらいには、大体一回り回れるのではないかなと聞いております。
立入検査をする場合、基本的にはまず持っている書類でもってちゃんと適正に処分されているかどうかといったようなことをチェックすることと、それぞれの事業所、工場の中を視察し、そして報告書どおりにちゃんとやられているかどうかをチェックするということになろうかと思います。 |
【記者】 |
ダイコー(株)が、廃棄物を適正に処理をしていなかったことを見抜けなかったことに関して、県の監督責任についてはどう考えますか。 |
【知事】 |
見抜けなかったというか、結局、いわゆる廃棄物の処理については、文書でもって、マニフェストという形でずっと送っていくわけですね。そういったもの、そこを偽造されれば、偽造されたことを全部チェックして把握していくということは、日々その会社に立ち入っていれば、常駐していればできますけれども、それは現実問題、そういった形で悪意でやられた場合には、なかなか難しいということが現状だと思います。
ですから、こういったものは法律でもって縛り、そして罰則を担保し、あとはそういった事業者の皆さんのモラルといいますか、事業者の皆さんの何といいますか、どちらかというと性善説に立って、こういった法律、法令に従って、そしてそもそも、適正に作られていないものを横流しして売るということは、まさに商売倫理といいますか、商業道徳に全くもとる話ですから、そういったものはないということの前提で色々な法律とか社会の仕組みは成り立っています。それが商売の信用ということだと思います。そういったことを、はなからそんなものは抜きで、だまして金をもうけるんだということを行政で、チェック機関で全部チェックして挙げるというのは、それは正直言って至難の業だと思います。
それをやるとすると、本当に超監視社会で、超監視、超密告の、一挙手一投足全部管理していく、そういう社会になってしまいますから、私はそういうことではないと。そういった本来あるべき姿、そしてこういう事業とかビジネス、そういったものは、やはり信頼が命ですから、そういったものをしっかり踏まえてやっていただくということを、法令とか我々行政のチェックで担保していく。こういったものが見つかった場合は、これはもう厳正に対処する、厳正に処分するということで担保していくということだと思っています。 |
【記者】 |
現時点で、県は、ダイコー(株)の会長を始め社長、社員には一度も会えていないのですか。 |
【知事】 |
最初に会って、その後病院に入ってしまい弁護士を立てて、一切電話にも出ないし、話にも応じないということなんだね。だから、この間、警察が家宅捜索に入ったのでしょ。家宅捜索ということは強制捜査ということですから、そういった形も含めて、事実関係は解明していくということになると思います。
我々行政は、廃棄物処理法では、罰則はありますし調査権もありますが、まさに強制捜査のような捜査権はありませんので、あくまでも事業者の協力がないと調査に入れないんですよね。警察は強制捜査権がありますから、同意なんか無くたって、令状を見せていけば入れますから。もう事態はそういったところまで行っているということだと思います。
社長も全然連絡が取れないし、会社に社員もいない。会社の前に報道陣のテレビカメラなど、皆さんおられるようですけれども、全然、中がもぬけの殻なので、取材もできない状況だとも聞いてますけどね。
ですから、先程の1月22日までの文書による報告でありますけれども、そういったことなので、内容証明付の郵便で送ったということでございます。 |
【記者】 |
会長、社長の居場所は把握していますか。 |
【知事】 |
連絡が取れないということです。 |
【記者】 |
当初は会えたが、その後の居場所は把握できてないということですか。 |
【知事】 |
雲隠れということですかね。だから、事実解明するには、我々行政の手法では難しいということではないでしょうか。警察がもう家宅捜索に入っていますから、捜査という形で事実関係を解明するしかないのではないかなと思います。 |
【記者】 |
本日から行われる立入検査は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条に定める立入検査ということですか。 |
【知事】 |
それはそういうことです。 |
【記者】 |
マニフェストが悪意をもって偽造された場合には、行政がそれを見抜くことができないという現在の仕組みについて、県としての手立ては何かありますか。 |
【知事】 |
正直言って、なかなか難しいと思います。はなから悪意を持ってマニフェストを、文書を偽造して報告、発注者に報告し、行政にも報告してくるということになると、よほど怪しいようなものとか、あり得ないような、1か所で処分し切れないような量を、1日で何万トンみたいなものを書いて適当に持ってくるとか、例えば処分したところが全然架空のところで、いかにもあり得ないような処分地だったとか、そういうものであれば別でしょうけれども、普通にやっているところで、本来処分が10トンだったものをマニフェストでは50トンとしてやったとかいうようなものを見抜くのは、これは正直言って難しいと思います。
これはどういうふうにこういう規制の法律、制度を作るかということによると思いますが、全部が全部きちっと、がちがちに管理してやっていくということは、その監視官とか、いわゆる行政の監督官みたいなものをボコボコボコボコ作って、毎日毎日、目を光らせてチェックするということはなかなか現実問題として難しいと思いますから、私はそういう意味では、守るべきものをきちっと決めて、ルールを決めて、それに反したら罰則がありますよと、きちっとした行政処分もありますよと、そういうことをやると業としての事業の継続も難しいですよということにしておいて、そのルールを守ってやってもらう。
あとは、当然発注者との間の事業、ビジネスですから、信頼関係がなければ仕事が来ませんからね。事業モラル、商業道徳とかそういった形でしっかりやっていただくということではないかと思います。
これはこの件だけではなくて、全てのこういう自由経済とか資本主義社会の中では、基本的には事業、ビジネスは自由な中で、それを違反した者は当然ペナルティーを受けて事業継続が難しくなる、商売できませんねということになる。あとは、守らなければいけないルールは法律などで決めて、それを反すれば当然ペナルティー、罰則もかかるという形でやっていくということではないでしょうか、と思っています。 |
【記者】 |
廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、産業廃棄物処理業者が適正な処理を行っているかどうかについて、排出事業者が現地確認等をするという努力義務があるようですが、排出事業者である(株)壱番屋の責任はどのように考えますか。 |
【知事】 |
これがどういう実態だったかということによると思います。それを先週、先程申し上げたように文書を発出して、今週末の1月22日までに文書で報告されたいということですから、その文書の報告を待って判断したいと思っています。ただ、今言われたように、努力義務をどう見るかということだと思いますがね。
ただ、取引されていたのは2001年からですか。もう15年も取引してきて、それも段々段々取引が拡大してきたということは、最初のうちというか、ずっときちっと対応されていたのでしょう。だから取引が拡大していったのだろうと思いますが、そういう意味では壱番屋さんも信頼していたのでしょうね。
ですから、実際にどういう対応だったのか、最後まで確認されていたのかどうか、それは今週末の報告で分かると思いますから、それを見て、我々としての対応をどうするかを判断したいと思います。 |
【記者】 |
横流しされたビーフカツについて、一部報道で、取引された段ボール箱に、みのりフーズが製造したとするシールが貼付されていたとありましたが、県は確認していますか。
また、製造者を偽装したシールを貼付したことは、不正競争防止法違反になりますか。 |
【知事】 |
また、そういうのは担当者に聞いてもらって。私に聞かれても、そこまでは一つ一つ全部やれませんので。
もちろん、製造していないものにみのりフーズのシールを貼って売ったということとか、そういったことで食品衛生法とか食品表示法に触れるところがあるということであれば、その法令に基づいて厳正に対処するということになると思います。それはあくまでも事実関係をきちっと抑えた上で、ということになります。
現地も確認に行っているから、今言われたそういうことにはなるのでしょう。文書での報告についても、それを両方突き合わせて、どういう実態だったのかを見て、厳正に対処するということになると思います。 |
【記者】 |
横流しされたビーフカツについて、先週金曜日に県が発表した以降、県内での流通量が積み上がっていれば数値を教えてください。 |
【知事】 |
また後で聞いてもらえますか。 |
【記者】 |
愛知県でもかなり有名な優良企業である(株)壱番屋でこのような問題が起こったことについて、改めて知事の受け止めを教えてください。 |
【知事】 |
私は、よく申し上げているのですけれども、壱番屋さんも被害者ですよね。長年取引をし、その廃棄物処分のあれも非常に良好だったのでしょう。だから取引が拡大してきたと思います。そういった事業者に、いわゆる裏切られたということですから。連日連日こういう報道で壱番屋さんの名前が出ていくということについては、私は大変な被害を被られたと思います。
ただ、一方で、先程の質問でありましたように、最後まで確認するということについてどうだったのか、それは報告を待ちたいと思います。
いずれにしても、壱番屋さんが作られたもので事件になっているということですから、その点についてはよくよく、何でこうなったのかを壱番屋さんとしても検証していただいて、二度とこんなことが起きないように対応していただきたいと思います。
壱番屋さんは、愛知県でも大きな会社と言われましたけれども、日本を代表するカレーの外食チェーンですよね。海外でも非常に展開を増やしておられるし、大手企業さんのグループとなられて、更に海外展開を加速する。日本を代表していく、日本の和食を海外に売り込んでいく、まさに先兵ぐらいの、それぐらいの勢いの会社、事業者だと思いますので、二度とこんなことが起きないように。
それだけの会社ですから、やはり社会的な責任は大変重いと思います。ですから、消費者の方にこういう御迷惑をかけるようなことが二度と起きないように、何でこんなことになったのかということを壱番屋さんとしてもしっかり検証してもらうということ、それからしっかり反省をしてチェックをしてもらうということ。それから今後二度と起きないような再発防止策、それはしっかり講じていただきたい、そのことは強、くこれから申し上げていきたいと思います。 |