【記者】 |
先日の、常滑市の空港島での大規模展示場整備についての知事記者会見の後、名古屋市の河村市長が会見を行い、「名古屋港空見ふ頭での展示場の建設を県と一緒にやっていきたい。」と話されました。
改めて、名古屋市からの提案についての知事の受け止めを教えてください。 |
【知事】 |
この間申し上げたとおりでありまして、河村さんには事前に、こういう形で我々としては平成26年度、27年度、2か年にわたって検討してきたと。河村さんにも、名古屋港、最初は稲永ふ頭でありましたが、そこでやりたいということであれば、やはり土地を、スペースを確保しなければ、どんな絵を描いても絵に描いた餅になりますから、昨年2月に、私は1年待つと、それを過ぎますと、もう2020年の東京オリンピック・パラリンピックのときに間に合わない。私が先週申し上げたように、2020年ではなくて、その前の年の2019年にできていないと、ほとんど意味がないということなので、1年前にそのことは申し上げておりまして。それが先週申し上げたとおり、1月の上旬になって新たな提案がありましたが、もうその段階では、我々も計画をほとんど固めておりますし、この2月議会に提案して、そして28年度から、とにかく具体的にどんどん進んでいって、そして2019年秋、9月といったものを必達の期限としてやっていきたいということを河村さんにも申し上げました。
そういったことについて我々の方針はもう変わりません。それでないと、もうできないということでございます。とにかく2019年4月に東京ビッグサイトが8万平米から2万9,000平米になって、そして2020年4月には全館閉鎖になるわけでありますけれども、その間、現在8万平米を、東京ビッグサイトは2回にわたって東と西を拡張して3万6,000平米を追加するんですね。2020年東京オリンピックが終わった後の、年末12月には8万平米プラス3万6,000平米で11万6,000平米という巨大な面積で東京ビッグサイトが復活するわけです。
そうなったら私は、ただでさえ一極集中一人勝ちのような様相を呈している中で、東京ビッグサイトが更に拡張して2020年12月に11万6,000平米というものがあるのが分かっているわけです。若干の、1、2か月のずれはあっても、間違いなく2021年にはスタートする。とにかく時間との戦い、時間との競争だと思います。2019年、2020年の間にいかに我々が実績を上げてアピールできるか、そこにかかっている。その1点なんです。
私どもが先週お示ししたスケジュールでも一杯一杯でありますから、私はその期限を徒過したら、この事業、プロジェクトにもう意味はないと思います。大体、事業とかビジネスというものは、そういうものではないですか。時間との戦いですよね。どんないいものを作っても、他の競合ライバル会社がいて、ほぼ同じ性能のものを1か月、2か月、半年早くライバル会社に出されたら、もうそれでアウトですよね。事業、ビジネスはそういうものだと思います。
私は、今回のこのスケジュールでも一杯一杯だと思います。本当はもっと早く、もっと早くやって、2019年の春ぐらいにはやりたかったという気持ちはありますが、何とか2019年の9月なら、色々な大きな見本市とかそういったものの受皿になれるのではないかと。それとて、私は、ぎりぎりだと思いますよ。そういう意味では、我々としては、とにかく決めた以上、このスケジュールを必ず達成できるようにきちっと、表現でいえばあれですけど、まなじりを決して、この目標に向かって進んでいきたいと思っております。 |
【記者】 |
タイムリミットの問題はあるとは思いますが、愛知県と名古屋市は、大阪よりも二重行政が少ないと言われる中で、このまま名古屋市が県とは別の展示場を作るという決断をした場合、県民にとっては、二重行政そのものではないかという見方もあるかと思います。これについて、知事はどう考えますか。 |
【知事】 |
全くその批判は当たらないと思います。結果を見ていただければ分かると思います。全くその批判は当たらないと思います。言うのは自由ですけどね。何を言っても自由ですけれども、結果を見ていただければそうなりませんから、そういうことでいけると思います。
我々はあくまでもあそこで、とにかく2019年の秋、9月必達を期限として造っていくと。周辺環境も含めて整備していくということを申し上げました。それを踏まえて、名古屋市さんがどうされるか、それは名古屋市さんが、それを前提に、それを一つの条件としてお考えになられることではないかと思います。
結果を見ていただければ、二重行政という形にはならないと思います。そういう一つの条件として、名古屋市さんがどういうふうにされるか、それは名古屋市さんの御判断だと思います。名古屋市さんというより河村さんの判断だね、河村さんの御判断だと思いますが、そこは私が申し上げる立場にはないと思いますから。そういうことにはならない、二重行政という、そういう批判は全く当たらない、そういうことには結果として全くならないということは申し上げたいと思います。
ですから、私は全く心配しておりません。 |
【記者】 |
河村市長は、空見ふ頭で県も一緒にやりましょうとラブコールを送っていますが、県として、計画の調整を図る考えはないということでしょうか。 |
【知事】 |
特にありません。河村さんには、そのことはないということは申し上げております。 |
【記者】 |
大規模展示場の整備については、東京ビッグサイト等の東京の展示場が一時期運営できなくなる中で、東京の展示会をどれだけ愛知に持ってこられるかということになり、MICE等の企画の内容が重要だと思います。
その辺りの体制づくりについて、どのように考えていますか。 |
【知事】 |
先週発表した28年度当初予算3億6,000万円余の中に、この大規模展示場を造った後の運営体制の検討ということで4,000何百万円というものを計上しておりますが、そこの中でどういうふうに運営していくか。これは県が、役所が直轄でやってうまくいくものではありませんので、公設民営という形で委託していくことになろうかと思います。その体制が一番のポイントだというのは、おっしゃるとおりだと思いますから、それをしっかりとやっていきたいと思っています。
できるだけ民間の視点を入れて、どちらかというとむしろ営業をかけてやっていく。日本ではそういうところはまだありませんが、海外ですね、アジアでもそうですし、シンガポールなんかも最たるものだと思いますけれども、あとアメリカ、ヨーロッパの各展示場、いわゆるコンベンション施設については、ハードはもちろんですが、それぞれ運営を、フランクフルトなんて1,000人規模の体制を組んで世界中に営業をかけて、そして自主事業もやって、そしてどんどんどんどん見本市とかイベントを誘致しているということなので。そこまでは、なかなかすぐにできるということにはなりませんが、できるだけ今までの、ただ単に貸し館とか貸し会場ということではなくて、できるだけ多くの事業を働きかけてやっていけるような体制を作っていきたいと思っております。
それと、先週私が水曜日に発表して以降ですが、平日は木・金の2日しかありませんけれども、もう既に大規模な展示会の打診、申込みが既に2019年、2020年とありましてね。こんな展示会がこちらに来るのかというふうに思うぐらい、正直言って、もしこれが可能になれば、これの受皿になれるのであれば、我々が今まで一生懸命にやってきた色々なイベントをはるかに凌駕するような、そういうものが次から次へとやれるのかという思いで、改めて大規模展示場、コンベンション施設の波及効果というか、反響の大きさに、自分なりに驚いているという感じであります。
そういう意味で、何としても2019年9月は必達の期限としてやって、そして19年20年で大きな大きな色々なものを呼び込んで、それで東京以外でもちゃんとやれますよと、きちっとアピール効果、PR効果がありますよということを示して、そして2021年の初頭なのでしょうか、東京ビッグサイトが復活する、巨大な恐竜が復活するような感じなのでしょうけれども、そこに対抗できる唯一の施設になるのではないかと思いますが、そういった形のことをやっていければと。
それが、ひいては東京一極集中、東京以外でもこういったことがやれるんだよということの一つの証左にもなろうかと思いますから、そういうものを含めて、これはしっかりと取り組んでいきたいと思っております。 |
【記者】 |
大規模展示場を整備する空港島と知多半島を結ぶアクセス手段について、短期集中的に交通量が増加することで、空港の利用に支障が出てくるのではないかという懸念も一部であります。アクセスに関して、現段階で何か考えがあればお願いします。 |
【知事】 |
空港島というよりも、その前にりんくうタウンの手前のところが、そこは前から申し上げておりますように、めんたいパークができ、コストコができ、そしてイオンモール常滑ができ、イオンモール常滑は最初の1か月で115万人が来たということでありますから、それこそ1,300万人とか1,400万人ペースでありますから、そこの大渋滞を非常に心配いたしましてね。我々としては、知多半島横断道路の常滑の市内ぐらいからりんくうICの出口のところまで、2車線のラインを少しずらして、左側に点々の待避、いわゆる路肩をちょっと広げて、出る人は左に寄ってねという感じの待避帯を900メートルかな、何千万円かかけまして、線をちょっとずらしたんです。それと誘導とか、それと駐車場をたくさん用意してあるということで今のところ渋滞が起きていないということでありますが。
あと、今度、有料道路コンセッションをした暁には、今のりんくうICの出口のところを左側から行って下をくぐって出て、すぐ信号という、そういう造りになっていますから、それでは出てすぐ信号なので、私は最初からこれは構造がおかしいのではないかと、その信号をずっとオーバースルーで行けということを。これは、りんくうIC対策としてね。まだ土地は空いていますから、この後まだイオンモール常滑の周りに、まだいっぱい引きがあるんですよ。まだ来られるので、それをずっとオーバースルーで、信号を越えて250メートルから300メートルかな、ダッーと行って、もう1本出口を造る計画になっています。それが25億円ぐらいかかるのかな。
それは有料道路のコンセッションで民間開放した後に、その事業者がやると。武豊のインターチェンジを新たに新設するとか色々な工事があります。そのうちの一つに入っています。ですから、それはやりますから。
とにかく一番心配なのは、りんくうICの渋滞でありまして、それに比べれば、見本市というか大規模展示場といっても、年間想定で250万人と言っていますから、それはイオンモールの5分の1とか、もっと少なくていいわけですよ。
現に中部国際空港は、今現在でも600万人を超えて利用者と観光客が来ていますから、そういう意味では、アクセスという点で十分能力はあるということなのですが、空港島に入ったところの、そこを降りたところにまた信号があるので、そこは少し考えて、改良ということも必要なのかなという感じがいたしておりまして、そういった意味でちょっと申し上げたんですね。それはまた引き続き、検討していきたいと思っております。
能力的には十分あると思っています。
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