【記者】 |
政府関係機関の移転に係る国の基本方針決定に関して、今回の農業・食品産業技術総合研究機構の花きに関する研究連携拠点の設置については、将来的な機構の移転につながっていくのですか。 |
【知事】 |
いや、それはないでしょ。全くそういうことではないので。この窒化ガリウムのことについては、元々はっきり言って、天野先生のパワー半導体の研究について、これを名古屋大学を中心としてオールジャパンで研究体制、コンソーシアムを組むということで進めていたところに、今回の機関移転の話があったので、並行的に進んでいったという色彩があったのでですね。
それと、炭化ケイ素を使ったシリコンの半導体の研究は、ほぼ峠は越え、山を越えてきたということもあって、それは、つくばに産総研のそういうところがあるわけですが、これからは、窒化ガリウムだということになって、それを天野先生を中心にこちらでやろうかということを進めていたところに、この話があったので、あわせて乗ったという感じがあるので、引き続きといいますか、比較的スムーズにですね。元々種があったので、そうするかという話で、名大の中にそういった建物、建屋も造りやっていこうということになったということでありますが、今回の農研機構の花き研究所については、元々全国に分散していたやつを、ようやくつくばに集約したということもあることもあるのでしょう。あとは共同研究で勘弁して、ということではないかなと思います。 |
【記者】 |
愛知県としては、共同研究をしていこうという提案だったのですか。 |
【知事】 |
違います。これは、政府機関移転の提案だから、政府機関の移転を提案したということでありますが、そこには至らなかった。これからもこれは至らないでしょう。我々としては、まずはこういった共同研究を、実を上げていくということでやっていくということではないかなと思っております。 |
【記者】 |
文化庁や消費者庁や統計局など、結果的には、行政機関を移さない方向に耳目がかなり移ったように思いますが、今回の政府の全体の流れに関して、知事の所見はいかがですか。 |
【知事】 |
先程も申し上げたように、我々としては、産総研については同時並行的に別途の観点から進んでおりましたので、これはスムーズにというか、元々進んでいたというところに、国もこれに乗っかってきたという感じだろうと思うんですが、我々としてはJAXAがね。この地域はMRJもあればロケットもこれからどんどん進んでいくということもありますので、そういった面で、一部でもどうかと。特にジェットの関係のものについてはどうかと。これは、つくばでもないし東京ですからね、調布市と三鷹市なのでどうかということを強く提案したのですが、はっきり言って、けんもほろろという感じでした。我々としては、交通の便が不便だとかそんなこともないと、十分全部段取りしますよということも申し上げたし、現に、飛行機の関係の研究者はしょっちゅう名古屋に来ているわけです。ここが製造の拠点なのでしょっちゅう来ているわけです。
何でですかと言ったら、東大を始め、結局、首都圏にある大学との共同研究が、もうネットワークができているので、なかなか難しい。そんなこと言われたら、どれもこれもできませんよ。そんなことを言うのだったら最初から言うなと、できもしないこと言うなと、私は言いたいですね。
私は研究機関の方が、今こういう時代だから、ネットもあればテレビ会議システムもあればですよ、研究者も色々なところ、全国ということもないでしょうけど、拠点を行ったり来たりしていると。その製造の拠点はここにあるから、ここでどうだと言ったのですけれども、それを一顧だにしてもらえないということについては、大変残念だと思います。あと、行政の機関は国会の対応があるとか、全国からみんな集まってくる、利便性がある、そんなこと言われたら、できませんわね。
自民党が先月ですか、全省庁の移転の社会実験をやったらどうかという提言を出したと聞いておりますが、是非、国の方から、自らそういった形で、移転ができるものを、むしろこういうものがあるということを出していただくような形にしないと、それは進んでいかないのではないかと思います。
発想の転換を是非していただきたい。民間企業の本社とか本社機能の地方分散、地方移転ということを言われるのであれば、やはり、政府の機能、機関についても、日本全国への、各地への分散、移転といったことを是非、率先してやっていただきたい、そのことを強く申し上げたいと思っております。 |
【記者】 |
医薬品医療機器総合機構(PMDA)関しては、薬事戦略相談の個別面談のオフィスが、数年前から大阪市と神戸市にもあります。
愛知県には、再生医療の先進的な器具があり、ライフサイエンスの分野についても、今後、伸びる見通しが強いと思いますが、今回、PMDAのサテライトオフィスの移転が認められなかったことについて、知事の所見があればお願いします。 |
【知事】 |
これは、一言で言うと特にコメントはありません。
正直言って、これは、我々としても、相談の実績とかそういったことについて、まだまだ、これからということがあるのは事実だと思います。ですから、そういった形のシーズとかニーズ、それから実際の相談件数とか、そういったものを含めて、産業研究開発、産業基盤、そういったもののベースを更に強くして、また提案をしていきたいということだと思っております。
正直言って、我々としてもまだまだ、これからだということだと思っておりますので、引き続き、我々自身がもっともっと力をためていくということが必要ではないかなと、そういう分野だと思っています。 |