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知の拠点あいち重点研究プロジェクトIV期 「電動野菜作業機」を開発しました ~キャベツ収穫の実証試験を公開します!~

ページID:20231201 掲載日:2023年12月1日更新 印刷ページ表示

 愛知県と公益財団法人科学技術交流財団(豊田市)では、産学行政連携の研究開発プロジェクト「知の拠点あいち重点研究プロジェクト※1IV期」を2022年度から実施しています。このうち「プロジェクトDX※2」の「愛知農業を維持継続するための農作業軽労化汎用機械の開発と普及※3」では、愛知県の主要作物であるキャベツの収穫時の労働を軽減するため、ロボティクスなどの先端技術を利用したスマート農業※4を目指しています。

 この度、キャベツ収穫運搬作業に利用する2種類の「電動野菜作業機」を開発しました。つきましては、12月14日木曜日、12月21日木曜日の2日間、「電動野菜作業機」の農業関係者を対象とした実証試験を、報道機関向けに公開します。この実証試験では、従来の野菜作業機と開発機を使用した作業効果を比較・実証します。

 キャベツ生産の盛んな東三河地域において実証試験を行うことにより、農業関係者への認知度を高めるとともに、社会実装を目指して意見収集を行います。

1 日時

1回目 2023年12月14日木曜日午後1時30分から午後2時30分まで

(受付時間:午後0時45分から午後1時15分)

2回目 2023年12月21日木曜日午後1時30分から午後2時30分まで

(受付時間:午後0時45分から午後1時15分)

※雨天の場合は中止します。当日午前10時に、以下の知の拠点あいち重点研究プロジェクトWebページの「お知らせ欄」において、開催又は中止について掲載します。

URL https://www.astf-kha.jp/project/

2 会場

農業総合試験場 東三河農業研究所

(豊橋市飯村町高山11-48  電話:0532-61-6235)

※駐車場には限りがございます。

豊橋駅前から豊橋鉄道バス「岩田団地線(大池経由)」「岩田団地」下車徒歩10分

豊橋駅前から豊橋鉄道バス「飯村岩崎線」「ひがし循環器クリニック」下車徒歩5分

 

3 内容

時間

内容

13:30~13:40

「愛知農業を維持継続するための農作業軽労化汎用機械の開発と普及」の紹介

 愛知工業大学 情報科学部  教授 塚田(つかだ) 敏彦(としひこ) 氏

  知の拠点あいち重点研究プロジェクトIV期で取り組んでいるテーマの内容を紹介します。

13:40~14:20

 

実証試験1 

既存野菜作業機によるキャベツ収穫運搬作業の実演

実証試験2 

開発機(GC1)定低速移動※5よるキャベツ収穫運搬作業の実演

実証試験3 

開発機(EV1)制御機構遠隔化※6の説明及び制御体験

  開発機と既存の野菜作業機との比較検討を行い、定低速移動による作業効率を測定します。また、遠隔操作による制御を体験していただきます。

14:20~14:30

質疑応答

 

4 開発の概要

 愛知県のキャベツの出荷量は全国1位(2021年)であり、県の主要な農作物の一つです。その収穫は、基準の大きさに達したキャベツだけを選定しながら収穫する「拾いどり」で行われています。大半が家族経営の農家にとって、重いキャベツの収穫は大変な重労働であり、高齢化、後継者問題と共に重要な課題となっています。

 本テーマでは、「拾いどり」の収穫回数を減らすために、キャベツの生育を揃える栽培管理システムの開発を進めるとともに、収穫時の労働を軽減するための作業機の開発を進めています。収穫を支援する作業機には、キャベツの外葉が覆う畑の中を、畝(うね)をまたがずに低速で作業者に追従する自律移動の機能が求められており、この機能を持った作業機は世の中にはありません。そこで第1ステップとして、電動化と遠隔操作化により定低速移動を可能にした2種類の作業機を開発しました。2024年度には、最終目標として畝をまたがずに低速で作業者に追従する自律移動可能な作業機を完成させる予定です。

 今回の実証試験では、2種類の作業機を用いて機能の評価を行い、キャベツ収穫用自律移動作業機の実用化のための技術要件を明らかにすることを目的としています。
開発機(GC1)     

 

  

 

 

 

 


                                           開発機(GC1)                     

開発機(EV1)

 

 

 

 

 

 

 


                                              開発機(EV1)

5 問合せ先

【プロジェクト全体に関する問合せ先】

あいち産業科学技術総合センター 企画連携部

担当:日渡、山田、藤田

電話:0561-76-8306

 

【実証試験に関する問合せ先】

公益財団法人科学技術交流財団 知の拠点重点研究プロジェクト統括部

    担当:佐野、安藤、金田

    メール:juten-dx@astf.or.jp

    電話:0561-76-8370 (*原則、メールにてお問合せ下さい。)

 

【用語説明】

※1 知の拠点あいち重点研究プロジェクト

 高付加価値のモノづくりを支援する研究開発拠点「知の拠点あいち」を中核に実施している産学行政の共同研究開発プロジェクト。2011年度から2015年度まで「重点研究プロジェクトI期」、2016年度から2018年度まで「重点研究プロジェクトII期」、2019年度から2021年度まで「重点研究プロジェクトIII期」を実施し、2022年8月から「重点研究プロジェクトIV期」を実施しています。

「知の拠点あいち重点研究プロジェクトIV期」の概要

実施期間

2022年度から2024年度まで

参画機関

15大学 7研究開発機関等 88社(うち中小企業59社)(2023年11月時点)

プロジェクト名

・プロジェクトCore(コア) Industry(インダストリー)

・プロジェクトDX

・プロジェクトSDGs

 

※2 プロジェクトDX

<第4次産業革命をもたらすデジタル・トランスフォーメーション(DX)の加速に資する技術開発に取組みます。>

分野テーマ・

研究テーマ

【分野】デジタルテクノロジー・ICT

D1 モノづくり現場の試作レス化 /DXを加速するトライボCAE開発

D2 DXと小型工作機械が織り成す機械加工工場の省エネ改革

D3 MIをローカルに活用した生産プロセスのデジタル革新

D4 IT・AI技術を結集したスマートホスピタルの実現

【分野】ロボティクス

D5 繊維産業に於けるAI自動検査システムの構築に関する研究開発

D6 〈弱いロボット〉概念に基づく学習環境のデザインと社会実装

D7 愛知農業を維持継続するための農作業軽労化汎用機械の開発と普及

【分野】自動車・航空宇宙等機械システム(ソフト)

D8 自動運転技術のスマートシティへの応用

D9 自動運転サービスを実現する安全性確保技術の開発と実証

 

※3 愛知農業を維持継続するための農作業軽労化汎用機械の開発と普及

研究リーダー

愛知工業大学 情報科学部 教授 塚田 敏彦 氏

事業化リーダー

株式会社マックシステムズ 吉田(よしだ) 正博(まさひろ)氏

個人農家 柴田(しばた) 隆夫(たかお)氏

株式会社戸倉トラクター 横井(よこい) 千広(ちひろ)氏

内容

 愛知県のキャベツ産出額は200億円弱(2021年)で県の重要な農作物です。その生産には、広大な耕作地の生育状況の見回りや管理、さらに重いキャベツを収穫する作業が伴うため、農家にとって重労働を伴うものであり、生産継続における大きな課題となっています。本研究開発では、見回り管理と収穫作業を軽労化するための技術を開発して普及展開に取り組むため、1 収穫作業と2 生育把握の支援技術を開発します。1 では、野菜作業車の電動化を行い、自律して収穫作業に参画する作業車開発を目指します。また、2 ドローンにより撮影された画像から生育状況を把握する技術を確立し、栽培管理に関するアドバイスを行うシステムを開発します。

参加機関

〔大学〕

愛知工業大学、名古屋大学

〔研究開発機関等〕

愛知県農業総合試験場、あいち産業科学技術総合センター、公益財団法人科学技術交流財団

〔企業〕

株式会社マックシステムズ、個人農家、株式会社戸倉トラクター、イーブイ愛知株式会社

 

※4 スマート農業

 スマート農業とは、ロボット・AI・IoT等の先端技術を活用することで、省力化・精密化や高品質生産等を実現する新たな農業技術のことです。日本の農業の現場では、担い手の高齢化が急速に進みつつあり、労働力不足が深刻となっています。スマート農業が実用化することにより、農作業における省力・軽労化が進むとともに、新規就農者の確保や栽培技術力の継承等が期待される効果となります。

 国内では農林水産省が経済界と連携して、GPS自動走行システムを搭載した大型農機などの研究開発、導入実証を推進しています。

 参照URL(農林水産省) https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/

 稲作では大型機械の導入が進んでおり、GPSなどを利用した自動収穫などの技術導入が進みつつあります。また、一定の環境が整っているハウス栽培では、収穫支援ロボットや環境センシングなどの技術開発が進みつつあります。一方で、キャベツのように屋外で栽培する露地作物においては、栽培環境が各々の畑で異なることもあり、他作物と比較すると農業機械の導入が遅れています。そのような中で高齢化が進んでいる状況であり、新たな技術導入が求められています。

 

※5 定低速移動

 定低速移動とは、作業者の移動速度に合わせて非常に低い速度で移動できる機能です。現状は、既存のキャベツ作業機には実装されていないため、こまめな発進・停止作業を行う必要があります。このためキャベツ収穫作業時には、作業機の運転を担う人員が必要となっています。開発機に自律走行などの知能化機能を搭載することで、キャベツ作業機の運転に要する労力を削減することを目指しています。

 

※6 制御機構遠隔化

 既存のキャベツ作業機を遠隔で制御可能にした車両です。

 

このページに関する問合せ先

​あいち産業科学技術総合センター企画連携部
企画室(担当:日渡、山田、藤田)
豊田市八草町秋合1267-1
電話:0561-76-8306