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2023年度公共用水域及び地下水の水質調査結果並びに大気汚染調査結果について

ページID:0533957 掲載日:2024年6月28日更新 印刷ページ表示

2024年6月28日(金曜日)発表

2023年度公共用水域及び地下水の水質調査結果並びに大気汚染調査結果について

 2023年度における公共用水域及び地下水の水質調査結果並びに大気汚染調査結果を取りまとめました。調査結果の概要は次のとおりです。

1 公共用水域及び地下水の水質調査結果

(1) 公共用水域の水質調査結果

○健康項目(人の健康の保護に関する環境基準項目)

  • 河川、湖沼、海域の122地点のうち、名古屋市内の河川1地点(荒子川ポンプ所(港区))で1,2-ジクロロエタンが環境基準を達成しなかったものの、その他の項目及びその他121地点における全ての項目で環境基準を達成しました。

○生活環境項目(生活環境の保全に関する環境基準項目)

<河川>

  • BOD(生物化学的酸素要求量)は49水域中48水域で環境基準を達成しました(環境基準達成率の長期的な推移をみると改善傾向)。
  • 大腸菌数は27地点中14地点で環境基準を達成しました。
  • 全亜鉛は42水域中38水域で、ノニルフェノール及びLAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩)は42水域の全てで環境基準を達成しました。

<湖沼(1水域:油ヶ淵(あぶらがふち))>

  • COD(化学的酸素要求量)は環境基準を達成しませんでした(水質の長期的な推移をみると改善傾向)。
  • 全亜鉛、ノニルフェノール及びLASは環境基準を達成しました。

<海域>

  • CODは11水域中5水域で、全窒素は6水域の全てで、全りんは6水域中5水域で環境基準を達成しました(環境基準達成率の長期的な推移をみるとCODはおおむね横ばい、全窒素及び全りんは改善傾向)。
  • 全亜鉛、ノニルフェノール及びLASは9水域の全てで環境基準を達成しました。

(2) 地下水の水質調査結果

 全体的な地下水の水質の概況を把握するため106地点で調査をした結果、97地点では全ての項目で環境基準を満たしていましたが、9地点で砒(ひ)素、ふっ素等について環境基準を超過しました。

 新たに超過が判明した地点については、汚染井戸周辺地区調査を行うとともに井戸所有者へ飲用しないよう注意喚起しました。これらの地点については、今後も調査を継続していきます。

2 大気汚染調査結果

(1) 大気汚染常時監視結果

  • 二酸化硫黄、二酸化窒素、一酸化炭素、浮遊粒子状物質及び微小粒子状物質(PM2.5)は、2022年度と同様に全ての測定局で環境基準を達成しました。
  • 光化学オキシダントは、2022年度と同様に全ての測定局で環境基準を達成しませんでした。
  • 大気汚染物質の年平均値の経年変化をみると、二酸化硫黄、一酸化炭素及び光化学オキシダントはほぼ横ばい、二酸化窒素、浮遊粒子状物質及び微小粒子状物質(PM2.5)は緩やかな減少傾向にあります。

 (2) 有害大気汚染物質等モニタリング調査結果

  ベンゼンなど15物質については、全ての測定地点で環境基準等を達成しました。

 

3 参考

(1) 公共用水域の環境基準達成状況及び経年変化

2023年度の環境基準達成状況
 

調査項目

類型指定水域数

環境基準達成水域数

環境基準達成率

河川

BOD

49(注1)

48

98%

大腸菌数 27(注1,2) 14(注2) 52%

水生生物保全環境基準

全亜鉛

42(注1)

38

90%

ノニルフェノール

42

100%

LAS

42

100%

湖沼

COD

1

0

 0%

水生生物保全環境基準

全亜鉛

  1

1

100%

ノニルフェノール

1

100%

LAS

1

100%

海域

COD

11(注3)

5

45%

全窒素

6(注3)

6

100%

全りん

5

83%

水生生物保全環境基準

全亜鉛

9(注3)

9

100%

ノニルフェノール

9

100%

LAS

9

100%

(注1) 河川の類型指定水域数について、調査項目により数は異なるが、対象河川は同一である。

(注2) 大腸菌数について、類型指定水域数は類型指定がされた水域の環境基準点数で、環境基準達成水域数は環境基準点における達成数である。

(注3) 海域の類型指定水域数について、調査項目により数が異なるが、対象海域は同一である。

 

環境基準達成状況の経年変化

BOD COD

T-N T-P
河川、湖沼、海域におけるBOD又はCODの推移(年間平均値)(注)
      BOD COD   
 (注) 全ての環境基準点における年間平均値の平均値

 

(2) 大気汚染常時監視物質の環境基準達成率及び全県年平均値の経年変化

環境基準達成率の経年変化

                               hosoku

SO2

NO2

CO

SPM

Ox

PM

(注)1973年度の環境基準達成率は、一般環境大気測定局及び自動車排出ガス測定局の合算。

 

全県年平均値の経年変化

SO2

   NO2

         CO

       SPM

      Ox

          PM

(3) 用語解説

  • 環境基準

 環境基本法第16条に「政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定める。」と規定されており、この基準を環境基準といいます。

 

  • 健康項目

 水質汚濁に係る環境基準において、人の健康を保護するために基準が定められているカドミウム始め27項目のことをいいます。

 

  • 生活環境項目

 水質汚濁に係る環境基準において、生活環境を保全するために基準が定められているBOD始め9項目及び水生生物の保全に係る環境基準項目である全亜鉛始め3項目のことをいい ます。

 

  • 1,2-ジクロロエタン

 塩化ビニル等の合成原料、フィルム洗浄剤、有機溶剤、殺虫剤、ビタミン抽出剤、燻蒸剤などに用いられます。臭気がある無色油状の液体で、揮発性が高く、引火性があります。発がん性が指摘されています。

 

  • BOD(生物化学的酸素要求量)

 水中の汚濁物質(主として有機物)が微生物によって酸化分解されるときに必要とされる酸素量で、河川の汚濁を表す代表的指標です。値が大きいほど汚濁の度合いが著しいことを表します。

 

  • COD(化学的酸素要求量)

 水中の汚濁物質(主として有機物)を酸化剤で化学的に酸化するときに消費される酸素量で、海域や湖沼の汚濁を表す代表的指標です。値が大きいほど汚濁の度合いが著しいことを表します。

 

  • 大腸菌数

 大腸菌は腸内細菌の一種であり、水域におけるふん便汚染の状況を把握するための指標として大腸菌数が用いられています。

 

  • 全亜鉛

 非鉄金属の中では銅、アルミニウムに次いで多く産出されている物質で、主な用途である亜鉛メッキが消費全体の6割程度を占めています。人にとっては必須元素で、欠乏すると様々な障害が起こりますが、一方で過剰な摂取は同じく必須元素である銅の吸収を妨げるおそれがあります。

 

  • ノニルフェノール

 難分解性の化学物質で工業用の界面活性剤として用いられるノニルフェノールエトキシレートの原料、印刷インキ材料、酸化防止剤の原料などに使われています。環境中では、ノニルフェノールエトキシレートが分解されることによっても生成されます。

 

  • LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩)

 合成洗剤の主成分などとして使われている界面活性剤の一種です。環境中への主な排出源は家庭で、ほとんどが河川や海などへ排出されています。

 

  • 全窒素

 水中の栄養塩類として閉鎖性水域の富栄養化の原因となる物質の一つです。生活排水、工場排水などにより供給され、過剰な栄養塩類は、藻類などの植物プランクトンの著しい増殖による赤潮やアオコ、苦潮(青潮)の発生の原因となります。

 

  • 全りん

 窒素とともに、水中の栄養塩類として閉鎖性水域の富栄養化の原因となる物質の一つです。生活排水、工場排水などにより供給され、過剰な栄養塩類は、藻類などの植物プランクトンの著しい増殖による赤潮やアオコ、苦潮(青潮)の発生の原因となります。

 

  • 砒(ひ)素

 砒素及びその化合物(砒酸、亜砒酸、砒化水素等)は、皮膚、消化器、呼吸器から吸収されると、体内に沈積して排出されにくく、慢性中毒を起こし、嘔吐、発しん等の症状を示すといわれています。生物に対する毒性が強いことを利用して、農薬、木材防腐などに用いられます。発ガン性が指摘されています。

 

  • ふっ素

 ふっ素は、刺激臭のある淡黄色の気体で、天然にはホタル石、氷晶石などに含まれています。ふっ素化合物は、鉄鋼、アルミニウム等の精錬用、ガラス加工用、電子部品の加工用などに使用されています。ふっ素化合物を高濃度に含む水を摂取すると、斑状歯(歯にしみが生じ、症状が進むと歯がボロボロになっていく。)などを起こします。

 

  • 大気汚染に係る常時監視項目

 大気汚染防止法第22条第1項の規定により知事が行う大気汚染の状況を常時監視する項目として、二酸化硫黄、二酸化窒素、一酸化炭素、浮遊粒子状物質、光化学オキシダント、微小粒子状物質(PM2.5)の6項目があり、環境基準が定められています。

 

  • 有害大気汚染物質

 大気汚染防止法第2条第16項に規定されており、継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれがある物質で大気の汚染の原因となるもののうち、ばい煙、特定粉じん及び水銀及びその化合物を除いたものを指します。このうち、物質の有害性や大気環境濃度からみて健康リスクが高いと考えられる優先取組物質21物質及び水銀及びその化合物について、常時監視を実施することとされています。(クロム及び三価クロム化合物並びに六価クロム化合物については、大気汚染防止法第22条の規定に基づく大気の汚染の状況の常時監視に関する事務の処理基準の一部改正に伴い、本県では2024年4月よりクロムの形態別測定を開始しています。)なお、これら優先取組物質のうち、ベンゼン等4物質に環境基準が、アクリロニトリル等10物質及び水銀及びその化合物に、「環境中の有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るための指針となる数値」(指針値)が設定されています。

 

  • 二酸化硫黄(SO2

 重油など硫黄分を含む燃料が燃焼するときに発生する硫黄酸化物の主成分です。高濃度のときは目の粘膜に刺激を与えるとともに呼吸機能に影響を及ぼすといわれています。また、金属を腐食させたり植物を枯らしたりするといわれています。

 

  • 二酸化窒素(NO2

 燃焼時の高温下で空気中の窒素と酸素が化合することによるほか、窒素分を含む有機物が燃焼するときにも発生します。発生源は、工場、自動車、家庭等多岐にわたります。高濃度のときは、目、鼻等を刺激するとともに、健康に影響を及ぼすといわれています。

 

  • 一酸化炭素(CO)

 有機物が不完全燃焼したときに発生するものです。発生源は、自動車によるものが多く、その他石油ストーブ、ガスコンロ、タバコ等からも発生します。人体への影響は、呼吸器から体内に入り、血液中のヘモグロビンの酸素運搬機能を阻害するといわれています。

 

  • 浮遊粒子状物質(SPM)

 SPMは、Suspended Particulate Matterの略。大気中に浮遊する粒子状物質であってその直径が10μm(1μm=1/1,000mm)以下のものをいいます。発生源は、工場、自動車、家庭等人為由来のもののほか、土壌の舞い上がりや海水の飛沫が乾燥してできた海塩粒子等自然由来のもの、燃焼等に伴い排出されたSOxやNOx、炭化水素などから大気中で生成する二次粒子や煙突から排出されたガスが大気中で冷やされてできる凝縮性ダストなどがあります。この粒子は、沈降速度が小さいため、大気中に比較的長時間滞留し、高濃度のときは呼吸器等に影響を与えるといわれています。

 

  • 光化学オキシダント(Ox)

 大気中のオゾン、パーオキシアセチルナイトレート(PAN)等の酸化力の強い物質の総称です。大気中の窒素酸化物、炭化水素等が強い日射を受け、光化学反応を起こして生じるものですが、その生成は、反応物質の濃度レベルのみならず、気象条件に大きく依存しています。高濃度のときは眼を刺激し、呼吸器、その他の臓器に影響を及ぼす一方、不快、臭気、視覚障害などの生活環境や植物にも影響を及ぼすといわれています。

 

  • 微小粒子状物質(PM2.5

 PM2.5は、粒径が2.5μm(1μm=1/1,000mm)以下の大気中に浮遊する粒子状物質をいいます。粒径が非常に小さいため、肺の奥まで入りやすく、肺がん、呼吸器系への影響に加え、循環器系への影響が懸念されるといわれています。

 

4 調査結果の詳細

(1) 2023年度公共用水域及び地下水の水質調査結果

 

 

(2) 2023年度大気汚染調査結果

 

国土交通省中部地方整備局が測定した結果はこちらです。

 国土交通省中部地方整備局名古屋国道事務所ウェブサイト(外部リンク)

2023年度愛知県内国土交通省管理の常時監視局における大気の測定結果

 

このページに関する問合せ先

愛知県環境局環境政策部水大気環境課
調整・計画グループ 中原、切通
電話:052-954-6221(ダイヤルイン)
水・土壌規制グループ 林、齋藤
電話:052-954-6222(ダイヤルイン)
大気調査グループ 藤田、高橋
電話:052-954-6216(ダイヤルイン)
メール:mizutaiki@pref.aichi.lg.jp

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