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「あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター研究試作展」を開催します ~繊維製品のAI疵検知システムなどを展示~

ページID:0565965 掲載日:2025年2月21日更新 印刷ページ表示

   あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター(一宮市。以下「センター」という。)では、繊維業界への技術支援の一環として、新技術に関する研究開発を行い、企業の方々への技術移転を行っています。
   この度、研究開発成果品や試作品の展示・紹介を行う「あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター研究試作展」を開催します。
   知の拠点あいち重点研究プロジェクト※1IV期の成果である、繊維製品のAI疵検知システムや、最新の素材、独自の技術を用いて試作した織編物(おりあみもの)などを多数展示します。
   これらの研究試作品に興味のある方を始め、多くの方々の御来場をお待ちしています。

1 日時

2025年3月5日(水曜日)及び3月6日(木曜日)  両日午前10時から午後5時まで
(「第22回 JAPAN YARN FAIR(ジャパン ヤーン フェア) & THE BISHU(ザ ビシュウ)~糸と尾州の総合展~※2」内において開催)

2 場所

一宮市総合体育館 いちい信金アリーナ
​(一宮市光明寺字白山前20番地  電話:090-6356-0436(会期中のみ))

3 入場料

無料

4 展示内容

   展示会では、以下のものを含む各種研究試作品を展示します。
(1)パターン照明※3による繊維製品のAI疵(きず)検知システム
   繊維産業を含む全ての製造産業において、製品のチェックを行う検品の工程は、製品の信頼性を担保するために重要です。繊維産業ではこの工程はほぼ全て人の経験に基づき実施されており、自動化・効率化の妨げとなっています。
   センターでは、「知の拠点あいち重点研究プロジェクトIV期」で採択された「繊維産業に於けるAI自動検査システムの構築に関する研究開発※4」において、繊維製品を撮像した画像をAIによる画像処理技術を用いて解析することで、自動的に繊維製品の疵を検知する技術の確立に取り組んでいます。
   繊維製品は照明の当て方や見る方向によって見た目が大きく変化し、疵の検知率の精度に影響を与えるため、最適な照明条件で撮像することが求められます。今回、照明として利用するディスプレイに照明画像のパターンを自動で切り替えながら表示して繊維製品を撮像するシステムと、繊維製品をリアルタイムで観察しながら、自動で疵を検知し、疵の位置と種類を表示するシステム(図1)を展示します。

パターン照明による繊維製品のAI疵検知システム

図1 パターン照明による繊維製品のAI疵検知システム

(2)高耐熱導電繊維による高温面状生地ヒーター
​   高耐熱性繊維にカーボンナノチューブをコーティングした高耐熱導電繊維「Qnac®-TH(キューナック ティーエイチ)」(図2)を開発した茶久染色(ちゃきゅうせんしょく)株式会社から、導電繊維の表面状態の評価や織物製造に関する相談を受け、技術支援を行った成果品です。高耐熱性繊維を織物へと加工することで、従来は不可能であった300℃に近い高温まで加熱することが可能な「高温面状生地ヒーター」を開発することに成功しました(図3)。このヒーターの構成要素は繊維のみであるため、軽量でかつ柔軟性があります。また一般的なニクロム線ヒーターと比較して、同じ表面温度を保つ場合、使用電気量は約60%と省エネルギーになります。
   「高温面状生地ヒーター」は、2023年度新あいち創造研究開発補助金※5の支援を受けて技術開発を行ったものです。
   クラウドファンディングサイト「GREENFUNDING(グリーンファンディング)」にて株式会社KALOS BEAUTY TECHNOLOGY(カロスビューティーテクノロジー)が2024年11月末より公開している「Dr.Beau(ドクター ビュー)ハイブリッドモバイルドライヤー」に搭載されています。

高耐熱導電繊維

図2 高耐熱導電繊維

高温面状生地ヒーター

図3 高温面状生地ヒーター

5  問合せ先

あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター
素材開発室(担当:田中、浅野、宮本、石川、加藤(一))
一宮市大和町馬引字宮浦35
電話:0586-45-7871
メール:owari-kikaku@aichi-inst.jp

 

【用語説明】
※1  知の拠点あいち重点研究プロジェクト
   付加価値の高いモノづくりを支援する研究開発拠点「知の拠点あいち」を中核に大学等の研究シーズを活用したオープンイノベーションにより、県内主要産業が有する課題を解決し、新技術の開発・実用化や新たなサービスの提供を目指す産学行政の共同研究開発プロジェクト。2011年度から2015年度まで「重点研究プロジェクトI期」、2016年度から2018年度まで「重点研究プロジェクトII期」、2019年度から2021年度まで「重点研究プロジェクトIII期」を実施した。2022年8月からは「重点研究プロジェクトIV期」を実施している。

※2  第22回 JAPAN YARN FAIR & THE BISHU~糸と尾州の総合展~「第22回 JAPAN YARN FAIR」は、「糸(YARN)」に特化した展示商談会で、商社、紡績、合繊メーカー、意匠撚糸メーカー、染色整理加工企業などが、機能性、意匠性に富んだ高付加価値の糸を提案し、染色整理技術や繊維関連機器を紹介。
   「THE BISHU~糸と尾州の総合展~」は、尾州産地に関連する様々な事業や企業、団体の活動などを紹介する総合展示会。14回目となる今回は「ジャパン・テキスタイル・コンテスト(JTC)2024優秀作品展」等の常設展示を実施。
主催:公益財団法人尾州ファッションデザインセンター
共催:一宮市、愛知県繊維振興協会
特別協力:日本毛織物等工業組合連合会
後援:中部経済産業局、愛知県、一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会、中部羊毛産業協会、愛知県撚糸工業組合、名古屋毛織工業協同組合、尾西毛織工業協同組合、尾北毛織工業協同組合、津島毛織工業協同組合、岐阜県毛織工業協同組合
協力:日本化学繊維協会、日本紡績協会、日本羊毛産業協会、日本毛整理協会、ハローワーク一宮

※3  パターン照明
   映像提示に用いられるディスプレイを対象(本研究においては繊維製品)を照らす光源として利用し、そのディスプレイに表示する照明画像を指す。ディスプレイに表示可能な照明画像のパターンは、ほぼ無限に近い種類が存在する。

※4  繊維産業に於けるAI自動検査システムの構築に関する研究開発
   研究リーダー:名古屋工業大学 准教授 坂上 文彦(さかうえ ふみひこ) 氏
   事業化リーダー:国島株式会社 伊藤 核太郎(いとう かくたろう) 氏
   内容:高効率かつ付加価値の高い繊維製品を生産するため、製品の自動検査(検反)に関する技術開発を実施。人の目に頼らずに繊維製品の検査が可能な自動検反装置を開発した。
   参加機関:〔企業〕国島株式会社(一宮市)、有限会社若林(一宮市)
                 〔大学〕名古屋工業大学
                 〔公的研究機関〕あいち産業科学技術総合センター、公益財団法人科学技術交流財団

※5 新あいち創造研究開発補助金
   愛知県が行う補助制度。次世代自動車や航空宇宙など、将来の成長が見込まれる分野において、企業等が行う研究開発・実証実験を支援し、本県における付加価値の高いモノづくりの維持・拡大につなげることを目的としている。

このページに関する問合せ先

​あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター
素材開発室(担当:田中、浅野、宮本、石川、加藤(一))
一宮市大和町馬引字宮浦35
電話:0586-45-7871
メール:owari-kikaku@aichi-inst.jp