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2024年度「ロボット未活用領域導入検証補助金」を活用したロボット導入に係る好事例を紹介します~国内初!終日無人の博物館ロボットガイドツアーが実現~

ページID:0607100 掲載日:2025年9月30日更新 印刷ページ表示

 愛知県では、2024年度から、「ロボット未活用領域導入検証補助金」を通じて、ロボットの活用が進まない領域(用途)において、その要因の一つとなっている技術面や費用対効果等の不透明さを解決するための事前検証に要する経費を支援しています。
 この度、2024 年度に本補助金を活用し、事前検証を行った「株式会社Mizkan Holdings」が、体験型博物館「MIZKAN MUSEUM」において自律移動型案内ロボット「Temi V3」を本格導入し、国内初の終日無人で自動運行できるロボットガイドツアーの取組を開始したため、御紹介します。

 

1  ロボット未活用領域導入検証補助金活用の背景

 株式会社Mizkan Holdingsは、体験型博物館「MIZKAN MUSEUM」の館内ツアーにおいて、スタッフの人員不足や提供するサービスの均質化といった課題を抱えていました。しかし、類似施設におけるロボット導入の事例が少なく、ロボットの動線設計や安全性、現場ニーズに最適なロボットの機種が不明確であったため、それらを明らかにするための実証実験を実施するにあたり、2024年度「ロボット未活用領域導入検証補助金」が活用されました。

自律案内型ロボットによるガイドツアーの様子

自律移動型案内ロボット「Temi V3」によるガイドツアーの様子

2  実証実験の実施       

 実証実験は以下の流れで実施されました。
 (1)既存業務におけるロボットによる代替可能な業務について分析し、館内ツアーの導入部における案内業務を対象に選定
 (2)複数機種の自律移動型案内ロボットを2週間ずつ試用
 (3)各機種における来館者の満足度と施設との適合性について評価、分析
 (4)ロボット導入時における課題の整理
 この実証実験を通じ、現場のニーズに最も適した機種が明らかにするとともに、ロボット導入による有効性を確認し、持続可能な運営体制の実現に向けた具体的な方向性を明確にしました。

実証実験の様子

実証実験の様子

3  本格運用の開始

 株式会社Mizkan Holdingsは、実証実験を通じて明らかになった課題を踏まえて、ロボット本体の改良、館内の環境整備、運用シナリオの再構築を行い、館内ツアーガイドとして「Temi V3」の導入を決定し、2025年9月1日から本格運用を開始しました。
 これまで専門スタッフが担当していた館内ツアーの導入部における約15分間の案内業務をロボットが担うこととなり、国内で初めて終日無人で自動運行できるロボットガイドツアーが実現されました。
 親子連れの来館者がロボットの愛称「みむみん」と呼びかけながらツアーを楽しむ様子が見られるなど、ロボットとの自然なふれあいが生まれており、ロボットによる案内が新たな体験価値の提供につながっています。

4  終わりに

 株式会社Mizkan Holdingsの事例は、現場課題の解決を目指してロボット導入を検討する方々にとって好事例となるものです。
 ロボットを「作り」「使う」世界的な先進地を目指す愛知県では、今後も引き続きロボット未活用領域導入検証補助金を通して、企業や団体の皆様によるロボット導入の取組を支援してまいります。

5  問合せ先

<ロボット未活用領域導入検証補助金に関すること>

愛知県経済産業局産業部産業振興課ロボット産業グループ

電話:052-954-6352 メール:sangyoshinko@pref.aichi.lg.jp

<事例に関すること>

MIZKAN MUSEUM

電話:0569-24-5111 メール:mizkanmuseum@mizkan.co.jp

参考

ロボット未活用領域導入検証補助金の概要

1 補助対象者等

補助対象者

「あいちロボット産業クラスター推進協議会」に加入している中小企業者等、大企業・大学・研究機関・その他団体

(ロボットの提供側・利用側※1のいずれも補助対象者になるが、双方が参画する体制を組むこと。また、ロボットの提供側・利用側のいずれかが県内に事業所を有すること。)

補助率

中小企業者等:2/3以内

大企業・大学・研究機関・その他団体:1/2以内

限度額

500万円以下

対象経費

(1)ロボットの関連機器の購入費用

(2)ロボット本体、関連機器等のレンタル・リース費用

(3)補助事業に従事する者の直接作業時間に対する人件費、旅費

(4)専門家への謝金、旅費

(5)委託及び外注に要する経費

(6)諸経費(消耗品、通信運搬費、施設利用料)

※1 提供側:ロボットメーカー、ロボットシステムインテグレーター、ロボットサービス提供者等

    利用側:ロボットの提供側が製造・構築・販売する機器又は提供するサービスを利用する者

2 補助対象事業

 以下の分野のうち、ロボット未活用領域(用途)において実施する事前検証※2

分野

未活用領域(例)

製造・物流

食品製造業や窯業における産業用ロボット等の活用や、ピッキング・搬送ロボットの活用による物流の自動化

医療・介護

介護ロボット(移動・移乗・排泄支援、見守り、コミュニケーション)やリハビリ支援ロボットの活用

空モビリティ活用

荷物搬送やインフラ点検業務におけるドローンの活用

業務用サービス

ロボット活用

自動配送ロボット、案内・コミュニケーション・警備ロボットの活用

※2 事前検証の例

・ユーザーへの導入の前段階として必要な技術検証、周辺設備との連携、固有の課題検証

・介護施設等の協力の下、機器のトライアル利用を行い、メーカーや大学等により業務効率や施設入居者への効果を検証

・具体的な地域課題やニーズに基づいた一定期間のトライアル利用による技術面・運用面の課題検証

2024年度ロボット未活用領域導入検証補助金の採択案件

 

分野

企業・団体名

事業の名称

1

製造・物流

大同マシナリー株式会社

〔名古屋市南区〕

金型磨き作業の自動化技術検証

2

製造・物流

槌屋スクリーン株式会社

〔小牧市〕

車載用メーターパネルに使用する『液晶パネル』への両面テープ貼り付け自動化の効果検証

3

医療・介護

株式会社FUJI(フジ)

〔知立市〕

在宅向け高齢者健康見守りロボットの健康状態検知精度の検証

4

空モビリティ

活用

三信建材工業株式会社

〔豊橋市〕

橋梁点検における、愛知県の地域特性に応じたドローンの導入効果の検証

5

空モビリティ

活用

有限会社森山環境科学研究所

〔名古屋市中村区〕

鳥かご型ドローンのインフラ点検への応用実証

6

業務用サービス

ロボット活用

一般社団法人新上五島町観光物産協会〔長崎県〕

未来のおもてなし-ロボット技術活用による観光業の革新と効率化の検証

7

業務用サービス

ロボット活用

株式会社Mizkan

Holdings〔半田市〕

ミュージアムでのお客様対応ロボット化にかかる技術面、運用面の課題検証

8

業務用サービス

ロボット活用

株式会社リビングロボット

〔福島県〕

やさしい案内ロボットの大規模病院への導入効果検証

※2024 年度ロボット未活用領域導入検証補助金の採択案件に係る事業結果の詳細は、以下のwebページから御覧ください。

 URL: https://robot.pref.aichi.jp/field/#point2

Temi V3の概要

 AI技術を搭載した自律走行型のアシスタントロボットで、案内・受付・接客・遠隔コミュニケーションなど、さまざまな業務をサポートする次世代ロボットです。人手不足や業務の属人化といった課題に対し、効率化と品質向上を実現するソリューションとして注目されています。

このページに関する問合せ先

愛知県経済産業局産業部産業振興課
ロボット産業グループ
電話:052-954-6352
メール:robotshien@pref.aichi.lg.jp