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愛知県独自のWell-being指標を作成しました
近年、国連や経済開発協力機構(OECD)といった国際機関において、幸福度指標の作成を通じて、国内総生産(GDP)という経済的な側面だけでは捉えられない幸福の全体図を描き出そうとする試みが活発化しています。また、国の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2023」においても、「個人と社会全体のWell-beingの向上」を目指すこととされています。
愛知県では、こうした動きを踏まえ、本県の経済社会の構造を県民の満足度(Well-being)の観点から多面的に「見える化」し、「あいちビジョン2030」の推進を図っていくため、Well-beingの観点から関連する指標をとりまとめた「あいちWell-being指標」を試行的に作成しました。
1 あいちWell-being指標の特徴
Well-beingは県民の暮らしや心のあり方に特に焦点を当てたものであることを踏まえ、県民への分かりやすさ、伝わりやすさ、共感の得やすさをコンセプトとしています。
このコンセプトのもと、Well-beingを構成する要素を既存の枠組みにとらわれず、分かりやすさを意識して体系化し、「幸福の要素」と名付けるなど、愛知県オリジナルの試みとなっています。また、愛知らしい指標とするため、県民に身近な指標や県民性を意識した指標等も選定しています。
2 あいちWell-being指標の概要
あいちWell-being指標の全体図は以下のとおりです。
総合指標を最上位指標として、主観指標が35指標、客観指標が50指標という構成になっています。また、あいちWell-being指標は「あいちビジョン2030」の重要政策の方向性と対応させています。
(1)総合指標
「あいちビジョン2030」の基本目標<暮らし>の進捗管理指標「県民の幸福感」としました。
(2)幸福の要素
Well-beingを構成する要素を「幸福の要素」として、9つの要素(「心身の健康」、「経済的なゆとり」、「安全・安心」、「生きがい・自分の時間の充実」、「自分らしさ・寛容性」、「つながり」、「生活の利便性」、「教育環境・子育てのしやすさ」、「自然環境」)を県民に分かりやすい表現で表しました。
なお、9つの幸福の要素は、Well-being実現の最低限の基盤、内面の豊かさ、生活環境の充実に大きく分けることができるため、「暮らし」をキーワードに、かつ「あ・い・ち」を意識して、「安定した暮らしの基盤」、「いきいきとした暮らし」、「地域の暮らしやすさ」の3つの領域に分類しました。
(3)主観指標
内閣府「満足度・生活の質に関する調査」やデジタル庁・一般社団法人スマートシティ・インスティテュート「地域幸福度(Well-Being)指標(ダッシュボード)」の愛知県居住者の回答データの分析結果に基づいて、幸福の要素に影響を及ぼす指標を地域幸福度(Well-Being)指標から選定しました。その上で、幸福の要素を表すのに必要な指標を追加しました。
(4)客観指標
幸福の要素と関連が深い客観指標を、地域幸福度(Well-Being)指標や内閣府「満足度・生活の質を表す指標群(Well-beingダッシュボード)」の客観指標群等を参考に、公的統計等から選定しました。なお、愛知らしい指標とするため、県民に身近な指標や県民性を意識した指標等も選定しました。
なお、計測単位の異なる指標を比較することができるよう、都道府県ごとのデータを偏差値化した値で把握することとしています。
3 あいちWell-being指標の現状
あいちWell-being指標の現状は以下の図のとおりです。
なお、一部の指標については、現時点でデータが把握できないものもあり、今後、県政世論調査などにより、データ取得を行う予定です。
4 あいちWell-being指標の活用方法
「あいちビジョン2030」の推進のための参考指標として、毎年度作成する年次レポート等を通じて、指標の状況を報告していく予定です。
参考
1 内閣府「満足度・生活の質に関する調査」
我が国の経済社会状況について、GDPだけでなく、満足度・生活の質に関する幅広い視点から「見える化」する観点から、主観的指標である満足度や、関連する生活実態の動向を把握するため、内閣府が2019年から毎年実施している調査。なお、政策運営に活かしていくため、調査結果及び統計データを一覧表示した「満足度・生活の質を表す指標群(Well-beingダッシュボード)」を公表している。
2 デジタル庁・一般社団法人スマートシティ・インスティテュート「地域幸福度(Well-Being)指標(ダッシュボード)」
デジタル庁は、デジタル田園都市国家構想の推進に当たり、地域で暮らす人々の心ゆたかな暮らし(Well-being)と持続可能な環境・社会・経済の実現に向けた取組の指標として活用するため、一般社団法人スマートシティ・インスティテュートに委託して、2022年に「Liveable Well-Being City指標(LWC指標)」を作成し、LWC指標の改訂版として2023年に作成したもの。
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