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愛知県陶磁美術館 市民ギャラリー特別展「やきものの秘密 どうやってできるの?この色・かたち」~愛知県陶磁美術館コレクションより~

ページID:0528373 掲載日:2024年5月28日更新 印刷ページ表示

 

概要

 ​現在休館中である愛知県陶磁美術館の充実したやきものコレクションから、選りすぐりの名品を、安城市民ギャラリーにて出張展示いたします。
 展示においては「第1部 やきもののひみつ」として、陶器、磁器、土器の違いや、釉薬(ゆうやく)、装飾の技法など、やきものに隠された「秘密」を作品とともに紐解いていきます。「第2部 スゴイぞ!やきものの世界」では、人間国宝の優れた技巧や現代作家の斬新な表現、華やかな瀬戸ノベルティの世界を展示し、やきものの持つ多様な魅力を紹介します。
 陶磁器は土で作り、炎で焼いて生み出される、いわば自然との関わりの中から生まれた芸術といえます。是非会場へ足を運び、奥深いやきものの「秘密」を知り、その魅力を堪能ください。

1 会期

2024年6月21日(金曜日)から2024年7月20日(土曜日)まで

休館日:毎週月曜日(ただし、7月15日(月曜日・祝日)は開館)

2 開館時間

午前9時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)

3 会場

安城市民ギャラリー 展示室B・C

(安城市安城町城堀30番地 電話:0566-77-6853)

4 出品件数

約95件(詳細は「12 主な展示作品」のとおり)

5 観覧料

200円(中学生以下無料)

6 主催

安城市・安城市教育委員会

7 共催

愛知県陶磁美術館

8 協力

安祥(あんしょう)文化のさと地域運営共同体

9 展示構成 

第1部 やきものひみつ

第1章 種類のひみつ 第2章 形のひみつ 第3章 釉薬のひみつ 第4章 デコレーションのひみつ

第2部 スゴイぞ!やきものの世界

第1章 人間国宝の技 第2章 瀬戸ノベルティってなあに? 第3章 現代作家の自由な表現

10 関連事業

(1)ワークショップ 安城市の土でお絵描きしよう

日時

2024年6月23日(日曜日)午後2時から2時間程度

会場

安城市民ギャラリー創作実習室

講師

愛知県陶磁美術館陶芸指導員

対象

小・中学生(小学3年生以下保護者同伴)

定員

15名(応募多数の場合は安城市内在住、在勤、在学者を優先に抽選)

参加費

100円

申込み

安城市民ギャラリー(ハガキ、FAX、HPから)

※6月8日(土曜日)締切り

(2)ワークショップ 現代金継ぎ体験講座

日時

2024年7月7日(日曜日)午後2時から午後4時まで

会場

安城市民ギャラリー創作実習室

講師

上村尚美(かみむらなおみ)氏(フードコーディネーター)

対象

小学5年生以上(小学生は保護者同伴)

定員

8名(応募多数の場合は安城市内在住、在勤、在学者を優先に抽選)

参加費

3,500円

申込み

安城市民ギャラリー(ハガキ、FAX、HPから)

※6月23日(日曜日)締切り

(3)ギャラリートーク

日時

2024年6月30日(日曜日)、7月13日(土曜日)午後2時から1時間程度

講師

愛知県陶磁美術館学芸員

対象

どなたでも

定員

各回15名
※当日観覧券が必要。開始5分前に展示室C前集合。

(4)ギャラリーコンサート

日時

2024年7月14日(日曜日)午後2時から30分程度

出演

池野文子(いけのあやこ)氏(オカリナ)、藤田理粧(ふじたりさ)氏(ピアノ)

場所

安城市民ギャラリーエントランスホール
※自由観覧、事前申込み・参加費なし

11 問合せ先

愛知県陶磁美術館

〒489-0965 瀬戸市南山口町234番地 担当 学芸課 大槻、宮川、鮫島

電話:0561-84-7474(代表)

ファクシミリ:0561-84-4932

メール:touji@pref.aichi.lg.jp

公式Webページ:https://www.pref.aichi.jp/touji/

安城市民ギャラリー

〒446-0026 安城市安城町城堀30番地 担当 谷村、峯村、永坂

電話:0566-77-6853

ファクシミリ:0566-77-4491

公式Webページ:https://ansyobunka.jp/

12 主な展示作品

展示作品の一部を紹介します
写真 解説

鎌倉時代の壺

珠洲(すず)(現:石川県珠洲市)「叩き目(たたきめ)壺」

鎌倉時代(13世紀)

第1部 第2章「形のひみつ」より

 やきものの原料である粘土(ねんど)は様々に形を変えることができます。こちらの壺は、粘土ひもを積み上げて成形する「ひもづくり」技法で形づくられています。また、壺の側部内側に道具をあて、外側から叩き具で叩くことで空気を追い出し、固く叩き締めながら成形されています。叩き具の向きに変化をつけることで、その痕跡が綾杉文(あやすぎもん)風の装飾となっています。

古代・中世の珠洲(すず)窯(現在の石川県珠洲市から珠洲郡)で焼かれた須恵器(すえき)です。青灰色に焼きあげられた器面に叩き具の文様が映えた、シンプルながらきりっとした美しい壺です。

昭和期の日本人作家による中国陶磁

宮下善壽(みやしたぜんじゅ)「鈞花瓶(きんようゆうみみつきかびん)

昭和期(1970-80年代)

第1部第3章 「釉薬のひみつ」より

 釉薬とは、主に灰や鉱物、金属などを調合したもので、作品に被せて高温焼成することでガラス状の被膜となります。やきものを丈夫にするだけではなく、美しい色合いや質感をもたらします。釉薬の配合や焼き方を工夫することで、緑や赤、青や紫など、様々な色や質感を作り出すことができます。

 鈞窯釉(きんようゆう)は、中国・宋代から元代にあった鈞窯に因んで名付けられた釉薬の名称で、失透性の青や赤紫色など独特の釉薬をほどこしたやきものを焼いたことで知られます。その美しさは後世の人々をも魅了し、20世紀前半になり中国だけではなく、日本やヨーロッパでも鈞窯風の釉薬再現のために研究に取り組みました。作者の宮下善壽(1901−88)も鈞窯をはじめとする中国陶磁の美しい釉薬に魅了され、研究のうえに独自の釉薬を生み出しました。卓越したロクロ技が生み出した美しいフォルムと鮮やかな釉薬が見どころです。

12から13世紀の中国陶磁

中国・磁州窯(じしゅうよう)系「黒釉掻落牡丹瓶(こくゆうかきおとしぼたんもんめいびん)

金時代(12-13世紀)

第1部第4章「デコレーションのひみつ」より

釉薬で色付けするほかにも、やきものには多種多様な装飾技法が用いられます。こちらの瓶は、素地に黒釉(こくゆう)をかけ、部分的に削り落として文様を描き出す「掻落(かきおとし)」と言う技法の一種が用いられています。

梅瓶(めいびん)とは、口が小さく、肩が張り、裾へ向かってすぼまっていく形をした瓶の呼称です。そのいわれには諸説あり、梅の枝をいけるのにふさわしいからという説もあります。梅瓶は定窯(ていよう)、耀州窯(ようしゅうよう)、鈞窯(きんよう)など各地の窯で焼かれ、こちらは中国の華北地域にひろがる磁州窯(じしゅうよう)系の窯でつくられました。牡丹の花が美しく咲き誇ります。

瀬戸焼のパンダと蝶

瀬戸(せと)・光和陶器(こうわとうき)株式会社

「ノベルティ《パンダと蝶(ちょう)》」

1983年頃

第2部第2章「瀬戸ノベルティってなあに?」より

「瀬戸ノベルティ」とは、陶磁器製の置物や装飾品の総称で、愛知県最大のやきもの産地・瀬戸の製陶業界から生まれた、地元特有の呼称です。瀬戸では明治時代の中頃から、ヨーロッパの置物「フィギュリン」を手本として輸出用のノベルティが生産されるようになり、1970−80年代にピークを迎えました。

その制作法は、泥状の粘土を成形型に流し込んで形作る「鋳込み成形(いこみせいけい)」という技法が使われています。瀬戸は特に「鋳込み成形」の高い技術を持つことで知られています。子どもパンダが蝶々と遊んでいる愛らしい姿に、キュンです。

 

現代作家の陶芸作品

中村錦平(なかむらきんぺい)

「日題(にほんしゅみかいだい) 漂体(ただようげんそうきょうどうたい)」 

1991年

第2部第3章「現代作家の自由な表現」より

日本のやきものは紀元前に始まり、基本的には生活のための実用の器として発展してきました。しかし太平洋戦争後の1950年代から、器としての用途にとらわれることなく、芸術的表現としての自由な造形作品を制作する陶芸家たちが活躍するようになります。

中村錦平(1935− )は、1980年代から活躍する日本を代表する陶芸家です。この作品は、岩や木などの自然物、工業製品など私たちが生きる現代社会の様々なモチーフが登場します。それらを大胆に積み上げ、日本の伝統文様を散りばめながら金や青などの極彩色(ごくさいしき)で飾り立てられています。「日本趣味改題」とは、作家が1987年から展開しているシリーズで、私たちが知らず知らずのうちに感じている日本的なもの、日本人の好み、そして混沌とした現代社会など、作家の心象風景が表現されています。

このページに関する問合せ先

愛知県陶磁美術館学芸課
担当:大槻、宮川、鮫島
電話:0561-84-7474
メール:touji@pref.aichi.lg.jp

愛知県県民文化局文化部文化芸術課
振興グループ
担当:藤井、中村
内線:2459、5667
ダイヤルイン:052-954-6183