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学名 Oulema oryzae Kuwayama
1 形態
成虫は体長約4~5mm、胸部は細くて黄褐色で全体に輝きのある青藍色の甲虫である。卵は黄褐色、長径0.8mmで数粒ずつまとめて葉面に産みつけられる。幼虫は洋なし型で成熟すると体長約5mm。いつも自分の糞を背面に背負っているのでこの名前がつけられている。蛹は体長4mmの黄白色で白い繭の中にいる。
2 被害の様子
成・幼虫ともイネを加害するが、被害がより大きいのは幼虫で、成虫はあまり問題とならない。孵化幼虫は産卵された株をかすり状に食害し、被害が著しい場合は、株全体が白っぽくなってしまう。
3 生態
寒冷地型の害虫で、東北地方や北陸では平坦地でも発生するが、本県ではほぼ標高500m以上の山間地域のみに生息している。年1回の発生で成虫越冬し、越冬成虫は5月上旬頃から活動を始める。畦畔の雑草や田植え直後のイネを加害する。越冬成虫の生存期間は長く、7月中旬まで普通にみられる。6月下旬頃には越冬成虫から新成虫まですべての生育ステージがみることができる。
4 発生しやすい条件
・梅雨期が長く、冷涼な夏が続く年は被害が多くなる傾向がある。
5 防除対策
・箱施薬剤による防除が確実で、効果も高い。
・被害は山間地域に限定されるため、被害面積は他の害虫に比べあまり大きくないが、山間の水田で集中的に被害がみられるので、常発地帯では発生状況には注意が必要である。
イネドロオイムシ幼虫
イネドロオイムシの蛹と被害葉
イネドロオイムシ成虫