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1 病原菌
学名 Erysiphe pisi de Candolle
2 被害の様子
最初、下位茎葉に発生する場合が多く、発病初期は汚白色の小斑点から白色の菌叢を生じるが、拡がってくると葉全体が白粉状に覆われ、株の枯れ上がりを早める。病斑部分は黒褐色しみ状の斑点となるので、さやに発生すると商品価値が下がる。発病の後期には病斑部に小黒点をつくることがあるが、それは子のう殻であり、次作の第一次伝染源となる。
3 病原菌の生態
糸状菌の一種で、子のう菌類に属する絶対寄生菌のため、活きた植物体上でしか増殖しない。分生子、子のう殻を生ずる。分生子は無色、楕円形、単胞で、大きさ25~35×13~16μm、分生子柄上に単生、まれに短い連鎖状に着生する。子のう殻は黒色、球形で径約90μm。子のう殻内には数個の子のうを生じ、子のう内には2~8個の子のう胞子を内蔵する。子のう胞子は無色、楕円形、単胞で、大きさ19~25×9~14μmである。子のう殻の形で被害植物について越年し、伝染源となるが、暖地では分生子や菌糸の形でも越年する。子のう殻から飛散した子のう胞子が発病を起こし、さらに病斑上に形成される分生胞子によって二次伝染を繰り返す。
4 発生しやすい条件
露地、ハウス栽培ともに結実期になってから発生、蔓延しやすい。
密植で比較的湿度が低い時に発生が多くなる。
5 防除対策
・予防散布に心がける。
・発病初期に薬剤散布を行う。
・罹病植物、残渣は発見次第、除去し、処分する。
・風通しをよくする。
・窒素過多を避け、リン酸、カリ肥料を十分に施す。
エンドウうどんこ病発病葉
エンドウうどんこ病発病莢