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1 病原菌
学名 Peronospora parasitica (Persoon:Fries) Fries (糸状菌/鞭毛菌類)
2 被害の様子
主として葉に発生する。葉に黄緑色の不規則な病斑を生じ、しだいに拡大して葉脈に限られた淡黄色の角斑となる。病斑の葉裏側に霜状のかびをうっすらと生ずる。10~11月の結球開始期以後に発生が多くなる。この症状の他に外葉1~2枚の中肋部と支脈を中心に表皮下に黒~褐色の病斑を生じる症状が黄芯系品種でみられる。通常のべと病菌との異同については不明である。
3 病原菌の生態
菌糸または卵胞子で越冬し、適温、多湿条件になると分生胞子を形成する。分生胞子は風雨などにより飛散して植物体に付着、発芽して細胞の境目や気孔から侵入する。罹病組織表面には分生胞子、組織内には卵胞子がつくられる。分生胞子は無色、楕円形で大きさは15~30×14~24μmである。病原菌は3~25℃で生育する。分生子は7~13℃で発芽管を出して、直接発芽する。第二次伝染は分生胞子のよって起こる。アブラナ科野菜のべと病菌には寄生性による数種の系統があり、ハクサイを侵す系統はコマツナ、カブなどを侵すが、ダイコンやキャベツは侵さない。
4 発生しやすい条件
結球開始期前後の気温が平年より低く、降雨が多く、日照が少ないと多発しやすい。
5 防除対策
・ほ場の排水をはかる。
・密植をさける。
・薬剤散布は葉裏に薬剤がよくかかるように行う。
べと病葉表の病斑(葉脈で囲まれている)
葉裏の病斑
べと病中肋部の症状(黒色のシミ状)