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学名 Parnara guttata Bremer et Grey
1 形態
成虫は体長約18~20mmの褐色の小型の蝶で、翅に白色の小班が一列にみられるのでこの名前が付けられている。卵は直径約1mmのまんじゅう形でイネの葉に1粒ずつ産み付けられる。幼虫は頭部が褐色で頭部は穂長い紡錘形で背面に褐色の条があり、全体に緑色をしている。
2 被害の様子
早期栽培でまれに第1世代幼虫による被害もあるが、被害が大きいのは第2世代幼虫によるものである。若齢幼虫はイネの上位葉を食害するが、齢が進につれてイネをつづってその中に潜んで葉を食害するようになる。このため、イネツトムシという別名があり、発生量が多いと上位葉はすべてなくなり、出穂にも支障を来すことがある。
3 生態
愛知県では年3回の発生が普通であり、越冬態は幼虫で主にイネ科雑草内や刈り取り後の稲株などで越冬する。5月中~下旬頃越冬世代成虫が出現し、移植された水稲に産卵する。水稲でもっとも被害が大きいのは第2世代の幼虫で7月下旬~8月上旬にかけて被害がでる。
第3世代はイネよりも他のイネ科雑草を好んで産卵するため、あまり問題とならない。
幼虫は主にイネやイネ科雑草のススキやカヤを好んで食する。
4 発生しやすい条件
・一般的に本種が多発する年は、夏期が高温乾燥気味に推移するため、豊作の年に多発する傾向がある。
5 防除対策
・窒素過多のイネは、産卵されやすくなるので、これを避ける。
・麦後などのほ場では本種が発生しやすいので、第2世代の若齢幼虫期に防除を実施する。
・本種の多発生する年は、豊作のことが多いので、発生の割に被害が少ない害虫であり、あまり重要視されていない。しかし、麦作の後など恒常的な被害を及ぼすケースもあり、あまり軽視をすると思いがけない大きな被害となることもある。
イチモンジセセリ幼虫
イチモンジセセリによる被害
イチモンジセセリ成虫