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1 病原菌
学名 Phytophthora palmivora(E.J.But1er)E.J.Butler(卵菌類)
2 被害の様子
7月と9月を中心として主に果実に発生する。
はじめ果面が暗緑色~暗紫色の水浸状となり、のちに白色粉状のかびを生じる。多湿条件下では、軟化腐敗して落果する。
新梢や葉にも発生し、苗木や幼木では主幹が侵され、枯死することがある。
3 病原菌の生態
生育適温は27~30℃である。
病原菌は、土壌に混じった病果や病葉の中で厚膜胞子の形で越冬し、5月頃から遊走子のうを形成し、雨滴とともにはね上がる遊走子により感染する。
発病部位には遊走子のうが形成され、二次伝染を繰り返す。蓬莱柿やホワイトゼノアは発病が少なく、ブラウンターキー、桝井ドーフィン及びセレストは発病しやすい。
4 発生しやすい条件
6月中旬から7月中旬と、9月に降雨が多いと発生しやすい。葉の発病が多いと果実に多発する。
5 防除対策
・排水不良園では排水溝を設けて排水をよくする。
・発病した果実、葉は随時集めて園外に搬出し、土中深く埋めるなどほ場衛生に努める。 ・遊走子のはね上がりを防ぐため、樹冠の下にマルチ資材や稲わらなどを敷く。
・雨よけ栽培を行う。
・密植を避け、整枝・せん定等を適切に行い、通風採光を図る。
・薬剤による防除は、一般的には6月中旬~7月上旬、8月下旬~9月上旬頃に降雨程 度を考慮して予防中心に行う。特に降雨後の散布が重要であり、適期に防除できれば、薬剤による防除効果は高い。
6 参考文献
・岸國平編(1998)『日本植物病害大事典』全国農村教育協会.