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1 病原菌
学名(1)Candida sorbosa L.R. Hedrick &Burke ex Uden & Buckley
(2)Candida sp.
(3)Pichia kluyveri Bedford
(1)、(2)は担子菌類、(3)は子のう菌類に属する。
2 被害の様子
成熟した果実に発生し、腐敗を生じる。はじめ開口部周辺の果皮が軟化し、果肉はピンク色からアメ色に変化する。初期症状は黒かび病に酷似するが、本病は症状の進展が黒かび病より緩慢であり、菌糸や胞子を形成せず、発病初期の段階から発酵臭を伴うのが特徴である。発病部からは、果汁の漏出が認められ、やがて表面に白い水泡が見られるようになり、さらに進展すると、果汁の漏出とともに乾固していく。
3 病原菌の生態
ショウジョウバエ類により媒介される。果実の開口部に伝搬された病原菌は果汁を栄養源として増殖する。このとき、発酵臭を伴うため多くのショウジョウバエ類などを誘引し、発病果は二次伝染源となる。
4 発生しやすい条件
樹勢が強い樹では、果実の開口部が裂果しやすく、媒介昆虫が誘引されやすいために多発しやすい。露地栽培では、雨滴が開口部に入り、開口部の菌濃度が高まるため、降雨後に被害が急増する。
5 防除対策
・収穫を適期に行い、過熟果や腐敗果は早急に除去して、処分する。
・収穫期にショウジョウバエ類に適用のあるアーデント水和剤を散布する。
・雨よけ栽培を行う。
6 参考文献
・岸國平編(1998)『日本植物病害大事典』全国農村教育協会.