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1 病原菌
学名 Glomerella cingulata (Stoneman) Spaulding et Schrenk(糸状菌 子のう菌類)
2 被害の様子
早いときは4月中・下旬頃発芽して間もない新梢に発病する。枝には5月頃から発病し、緑枝に暗褐色で楕円形の斑点が現れてくる。果実では6月下旬から7月下旬から9月から10月に発病が激しくなる。発病した果実は落下しやすく、成熟まぎわの果実は早く着色する。
3 病原菌の生態
・主に枝の病斑部で落葉。芽の病斑部でも越冬する。
・主として新梢、果実に感染する。
・枝で越冬した病斑が降雨によりぬれると3月下旬頃から胞子が形成され、第一次伝染源となる。さらに、新しくできた病斑上に形成された分生胞子が雨水で飛散し、伝染を繰り返す。台風などをのぞけば比較的近くに胞子は飛散する。胞子の発芽適温は22~27℃。潜伏期間は7~10日。
4 発生しやすい条件
・5~6月に降雨が多いと新梢・幼果に発病多い。
・9~11月に降雨が多いと果実に発病多い。
・排水・風通しの悪い園。
・次郎は発生少ないが、富有では発生が多い。
5 防除対策
・冬季せん定時に病斑を切り取る。
・徒長枝を発生させない。
・通常の発生年では、感染好適期の6月上旬~下旬に2回、8月下旬~9月上旬に1回の薬剤散布。
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