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1 病原ウイロイド
Chrysanthemum chlorotic mottle viroid, (CChMVd )
2 被害の様子
単独感染の場合は病徴を示さないことが多いが、小ギク(葉脈沿いの退緑症状)とスプレーギク(株全体の退緑症状)では病徴が認められた事例があり、下葉に退緑、黄斑症状が現れた後に、上葉に進展する。また、CChMVdによる症状は、品種や他のウイルスやウイロイドとの重複感染により大きく異なるとされている。
キククロロティックモットル病は昭和42年アメリカで発見された病気で、日本国内では、平成16年、秋田県の小ギク(品種:七夕まつり)で初めて確認され、愛知県では平成20年に発生を確認した。
3 病原ウイロイドの生態
CChMVdは、398~399の塩基で構成されている環状の一本鎖RNA。塩基配列相同性に基づいた分類によると、Avsunviroidaeに属し、葉緑体内で増殖するとされている。
伝染は、接触(汁液)伝染のみで、土壌伝染、虫媒伝染はしない。
4 防除対策
・無病苗を利用する。
・葉のこすれあいや、感染株を作業したハサミ等の刃物に付着した汁液により感染するので、摘蕾や切り花作業時の接触伝染、刃物を介した伝染を防ぐ。
・発病株は抜き取り、適切に処分する。
CChMVdによる葉脈沿いの退緑症状
CChMVd感染株