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学名:Ctenoplusia agnata (Staudinger)
1 生態
ニンジンでは5月頃から幼虫が発生するが、8月以前は比較的少なく被害も目立たない。8月から増えだし、9月以降に多発して被害が大きくなることが多い。越冬は幼虫及び蛹で行い、休眠はないかごく浅い。卵期間5~6日、幼虫期間約20日。老熟すると葉をわずかにつづり、薄い繭をつ。
2 被害の様子
ニンジンの葉を食害し軸だけを残す。キアゲハの被害に似る。集団で発生し畑全体に分散することは少なく、集中的に食害しながら移動する。大発生するとヨトウムシが食害したように畑一面軸だけとなる。
キクキンウワバの加害状況も同じである。
3 形態
幼虫:体長35mm内外。頭部は光沢のある黄緑色。胴部は深緑から濃緑まで変異が大きい。頭は小さく、胴部は後方に太まり、第8節の背面が著しく膨れている。
成虫:開張32~35mm内外で、暗褐色で前翅中央に2個の小斑点がある。類似種が多く同定は難しい。
4 発生しやすい条件
・突発的に局地的に発生することが多い。
5 防除対策
・初期には軸だけになった被害葉がほ場内に部分的に現れるので、この時期が防除適期である。本種に対する登録薬剤はないが、この時期に同時に発生する他の鱗翅目害虫を対象とした防除を行えば、特に本種を対象とした防除は必要でない。