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1 病原ウイルス シソモザイクウイルス Perilla mosaic virus(PMoV)
2 被害の様子
生長点付近の葉にモザイク症状が発生する。症状が進むと発病葉はモザイク症状とともに奇形を呈する場合がある。また、症状は枝単位で発生することが多い。
3 病原ウイルスの生態
病原ウイルスは、Emaravirus属の一種で、シソサビダニ(Shevtchenkella sp.)が媒介する。媒介効率が非常に高く、1頭でも保毒したシソサビダニが吸汁加害すると、シソモザイク病が引き起こされる。シソサビダニ以外での伝染方法は確認されておらず、土壌伝染や種子伝染、管理作業による汁液伝染の可能性は低いとされている。シソ(青じそ、赤じそ)のほか、エゴマで感染を確認しているが、その他の植物での発生は認められていない。
4 発生しやすい条件
媒介昆虫であるシソサビダニの発生が多い時期に発生しやすい。露地では6月頃から10月頃まで、施設では7月から11月末頃まで発生する。
5 防除対策
・媒介昆虫であるシソサビダニの防除を行う。
・施設周辺に生えている無防除のシソは発生源となる可能性が高いため、除去もしくはシソサビダニの防除を行う。
・モザイク症状の発生がなく、シソサビダニの寄生がない健全な苗を定植する。
・施設栽培の場合は、開口部、サイド、天窓にできるだけ細かい目合い(0.6mm以下)の防虫ネットを展張する。
・モザイク症状を呈した株は見つけ次第抜き取り、ほ場外に持ち出して適切に処分する。その際抜き取り株をビニル袋に入れ密閉するなどして、シソサビダニが健全株に移らないように注意する。
6.参考文献
・平成26年度病害虫発生予察特殊報第4号
・【愛知県版】シソサビダニ・シソモザイク病防除マニュアル
発病葉(モザイク症状) 発病葉(奇形を伴うパターン)