本文
1 学名
Shevtchenkella sp.
2 形態
成虫は体長約0.15~0.20mm程度で、紡錘形をしており、淡黄色から黄色を呈する。非常に微小なダニのため、肉眼での観察は困難である。愛知県では、シソ(青じそ、赤じそ)、エゴマ以外での寄生を確認していない。
3 被害の様子
シソ、エゴマとも主に生長点付近の茎葉に寄生し、さび症状を引き起こす。また、シソモザイク病の病原ウイルスであるPerilla mosaic virus(PMoV)を媒介する。
4 生態
野外では、シソの発芽が始まる4月頃に越冬場所から野外のシソの葉上に移動してくる。徐々に本種の発生量が多くなり、7月から10月にかけて密度が高まる。本種は生長点付近の茎葉に多く寄生するが、花穂内にも寄生することが確認されており、シソが枯死するまで本種はシソ上に生息していると考えられる。
施設では、野外で本種が増加してくる6月頃から発生株が確認される。施設内では野外よりも温度が高いため、11月末頃まで発生することがある。
5 防除対策
・無防除の野良生えのシソ(赤じそ・エゴマを含む)などが発生源となることが多いため、除去や防除を行う。
・苗への本種の寄生を防ぐため、本ぽと別の場所で育苗する。
・施設栽培の場合は、開口部、サイド、天窓にできるだけ細かい目合い(0.6mm以下)の防虫ネットを展張する。
・さび症状を呈した株やシソモザイク病の感染株を見つけ次第抜き取り、ほ場外に持ち出して適切に処分する。その際、ビニル袋などに入れ密閉して、本種が健全株へ移らないように注意する。
・さび症状を呈した株やシソモザイク病の感染株を見つけたら、速やかに防除する。
6.参考文献
・平成27年度病害虫発生予察特殊報第1号
・【愛知県版】シソサビダニ・シソモザイク病防除マニュアル
多数寄生するシソサビダニ さび症状(青じそ)