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学名 Pomacea canaliculata Lamarck
1 形態
ジャンボタニシとも言われる、リンゴガイ科の1種である大型の巻貝である。
成貝は殻高2~7cm程度、殻の色は黄褐色~黒褐色または黒色に近い。
他のタニシ類に比較して、螺旋の上部の長さが短く、殻径と殻高の長さがほぼ同じである特徴がある。
2 被害の様子
ほ場や用排水路の土中に潜って越冬した個体が、春以降、気温が上昇し、水田に水が張られると活動を開始する。
雑食性で主に植物質を食べるが、特に柔らかい植物を好み、田植え直後のイネ稚苗やレンコンの幼葉などを食べる。
イネは3~4葉期までが食害されやすく、被害にあった水田では欠株が生じる。被害が甚大な場合は、水田全体が欠株となる。
3 生態
産卵期間は4~10月で、産卵数は5月下旬から9月上旬に最も多くなる。
卵は濃いピンク色で、200~300個程度の卵からなる卵塊を形成する。
卵塊は水面より上の植物体(イネや雑草の茎など)や水路の壁などに産み付けられる。
ふ化までの期間は温度によって異なるが、25℃で2週間程度である。
ふ化後、水中へ落下し、藻などの柔らかい植物やウキクサなどを食べて成長する。
水中にあるものしか食べることができず、若い稲の葉は水中に引き込んで食害する。
摂食活動は水温15℃~35℃で行い、14℃以下になると活動を停止し、ほ場や用排水路の土中に潜って越冬する。
寒さに弱いため、低温や乾燥に弱い殻高1cm未満の貝や、土にうまく潜ることができない殻高3cm以上の貝は、越冬率が低くなる。
4 防除対策
・産卵直後の卵塊は、水中に落とすだけで、殺卵効果がある。
・冬期にほ場を耕起し、土中の越冬個体の密度を下げる。
・水田の取水口や排水口にネット等を設置し、貝の侵入を防止する。
・移植後3週間頃(食害を受けにくい5葉期)まで、浅水管理(水深4cm以下)する。
・常発地帯では、薬剤による防除を行う。
スクミリンゴガイ成貝
スクミリンゴガイ卵