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1 病原菌:Fulvia fulva (Cook) Ciferri(糸状菌 不完全菌類)
2 被害の様子
発病部位:主として葉に発生。まれに茎、花、幼果に発生する。
はじめ葉の表側に輪郭不鮮明の淡黄小斑点を生じ、その裏側には灰黄色から緑褐色のビロード状のかびを密生する。病斑は拡大して灰緑色から灰紫色に変化し、葉の表面にも同様のかびを生じる。
葉かび病に酷似した病徴を示す病害として、トマトすすかび病(愛知県では平成17年4月に特殊報発表)がある。葉かび病とすすかび病が混発することもある。葉かび病抵抗性品種で上記のような病徴が見られる場合は、すすかび病の可能性が高い。
葉表 葉裏
葉かび病とすすかび病の病斑の比較
葉表 左:すすかび病 右: 葉かび病
葉裏 左:すすかび病 右: 葉かび病
トマト葉かび病分生子
3 病原菌の生態
伝染源:温室、ハウスなどの各種資材、被害葉及び種子に付着した菌糸。
発育適温:20~25℃ 湿度95%以上
4 発生しやすい条件
・ハウス、温室では発生しやすい。
・多湿。
・密植。
・肥料切れなどにより草勢の衰えたとき。
5 防除対策
・抵抗性品種を用いる。
・種子伝染するので、種子消毒をおこなう。
・過度のかん水と密植を避ける。
・施設内の湿度を下げる。マルチ内灌水や通路に籾殻を敷く等するとともに、暖房機が稼働しない場合も換気や送風を積極的に行う。
・薬剤防除は予防に重点を置く。