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設楽ダム現道・付け替え道路の見どころ~国道257号・2024春~

ページID:0523023 掲載日:2024年5月13日更新 印刷ページ表示

設楽ダム建設事業に伴い、国道は257号線が2.7km、県道は3つの路線計12.3kmが水没します。
そのため現在付け替え道路(水没しない新しい道路)の工事が進められており、現道からはやがて水没する風景や新しくできる道路を眺めることができます。

 

今回は国道257号の水没区間の現道を南側から辿り、見える景色を紹介します。
写真は全て2024年4月中旬に撮影しています。

 

大田口交差点の様子

新城方面から国道257号を北上し、設楽町田口地区に入ると設楽警察署が左手に見えます。
そのまま進むと写真の大田口交差点に出ます。
257号は直進、右折すると東栄町方面です。

 

左手にガソリンスタンド、少し進むと交差点が見える様子

大田口交差点を直進すると、左手にLPガス販売所(ガソリンスタンド)が見えます。
この150m先にある交差点を過ぎると水没区間です。

 

付け替え道路へと分岐する交差点の様子

交差点の様子です。
現道は赤色、建設中の付け替え道路は黄色で示しています。

現道は右へカーブしますが、付け替え道路はこの交差点を直進し、新しくできる橋(1号橋・田口添沢橋と言います)を渡ります。

なお、青色で示した右折する道は津具方面(県道設楽根羽線)への付け替え道路になります。
現在は暫定的に500m先の小松地区まで通ることができ、その先は工事が進んでいます。

 

257号の付け替え道路は交差点を直進し、現道は右へカーブします。

交差点を別角度から見た様子です。

 

へアポンカーブの様子

現道は仮橋で右へカーブし標高を下げながら、写真のヘアピンカーブに入ります。

サーチャージ水位の際はこのヘアピンカーブまで水が来ます。
(サーチャージ水位とは、洪水時にダム湖に限界まで水を貯めた時の水位です。)

 

小松地区の様子。右側に橋が見え、現道は左へカーブする。

更に標高を下げ、左へのヘアピンカーブが見えると小松地区に入ります。
この付近は常時満水位(平常時に水を貯めることができる最高の水位)の際も水が来ます。
写真右側の橋は津具方面への付け替え道路です。(県道設楽根羽線)

この橋脚付近にかつては酒屋、消防詰所、小松公会堂などの建物が並んでいましたが、ダム事業に伴い移転、解体されています。

 

先ほど走った仮橋と現道の様子

ヘアピンカーブを抜けると左側に先ほど通った仮橋が見えます。
カーブを利用してこれだけの高さを降りてきました。

 

針葉樹の中を走る様子

この先はまだ道の両側に針葉樹が残っており、伐採が進む前の現道の雰囲気を感じられます。
晴れていても日陰で暗く、森の中といった様子です。
ダム湖になる範囲の木材は順次全て伐採されるため、この景色もやがて見られなくなります。

 

木々の上に一号橋が見える様子

少し進むと上に付け替え道路の1号橋が見えます。
3枚目の写真の交差点を直進するとこの橋に出ます。

 

道路を挟んで右側に2号橋・添沢橋が見える

木々を抜けると視界が開け、右手に建設中の2号橋・添沢橋が、

 

工事用敷地の奥に伐採された山肌が見える

左手には伐採が進むダム湖の様子が見えます。

 

添沢バス停の様子。奥に2号橋が見える。

この小松地区、写真の添沢バス停の右側奥には『添沢温泉雲泉閣山の家』という老舗旅館がありました。
明治時代に創業し、5000坪の広大な敷地に総ヒノキ張りの大岩風呂、日本庭園、いくつもの離れがあったそうです。
ダム事業に伴い2012年に休止し、翌年には解体されています。

 

山肌と左下に水の流れが見える

少し進むと伐採が進み山肌と水の流れが見えてきました。
この流れは豊川の支流である境川の更に支流です。
写真奥側へ向かって流れており、この先さらに標高が下がることを示しています。

 

手前は伐採された山肌、奥には木々、さらに奥には川が見える様子

写真のエリアではまだ川沿いが伐採されていない様子です。
木材は建築用材として売却する、バイオマス発電用にチップ化する等、有効に活用されているそうです。

 

分かれ道を示す青い道路看板

再び道の両側に木々が現れると、津具方面との分かれ道を示す青看板が見えてきました。

 

設楽大橋東交差点の様子。丁字路交差点の形で、稲武方面、津具方面ともに片側一車線。

そして大きな交差点に着きました。「設楽大橋東」です。
直進すると津具方面へ、左折すると257号です。右側は山になっています。

写真に写る青い柱は建設中の4号橋(新設楽大橋)です。

 

オレンジと青のサイン

新設楽大橋をよく見ると写真中央にオレンジと青のサインがあります。
これはオレンジと青の境目がダムの常時満水位、標高437mを示すものです。
つまり、この交差点一帯が水面からはるか深くに位置することがわかります。

 

赤いトラス構造の設楽大橋

交差点を左折し、257号は赤い設楽大橋を渡ります。
この橋は1973年の完成で、これは愛知県が設楽町と設楽町議会に対し、設楽ダムの調査実施申し入れと協力要請を行った年と同じです。

 

新設楽大橋の2つの橋脚

設楽大橋から新設楽大橋を眺めた様子です。

 

橋脚から橋げたが伸びている様子

この新設楽大橋は橋脚からやじろべえのように左右に橋げたを伸ばす、カンチレバー工法で施工されています。
撮影当時は全体の3割ほどの長さまで伸びていました。

 

白い橋脚だけが見える

ところで、付け替え道路の橋梁を1号橋から順に紹介してきましたが、3号橋・奴田口(ぬたぐち)橋がまだ紹介されていないことにお気づきでしょうか。
3号橋は設楽大橋を渡る際後ろ(東側)を振り返っていただくと見つけられます。
白い橋脚だけが完成している様子でした。

 

連続急カーブを知らせる黄色い看板

橋を渡り右へのカーブを抜けると、「連続急カーブ」を知らせる黄色い看板が見えてきます。

 

川向公会堂前バス停

その少し先、「川向公会堂前」バス停が見えてくると川向地区の入り口に到着です。
川向地区はダム事業に伴い30戸が移転対象となり、2013年に閉区式が行われました。
バス停の名前にある川向公会堂はバス停の写真左側にありました。

 

川向地区の様子

右手側を見ると新設楽大橋の橋脚と、建物が取り壊され工事現場となった川向地区を見ることができます。

かつてこの付近は地区の方々が育てたしだれ桃が地区全体に咲き乱れ、「川向しだれ桃の里」として多くの方が訪れたそうです。
現在は工事現場でないガードレール沿いに数本残るのみですが、ダム完成後川向地区に整備される公園には、この遺伝子を受け継いだしだれ桃が植樹されるとのことです。

 

両側に木々が立ち並ぶ中を進んでいく様子

引き続き257号を稲武方面へ進みます。
道幅が狭く、小さなカーブが続くためお気を付けください。

 

5号橋の橋脚の様子

右手に橋脚が現れました。5号橋・力石橋です。
『設楽町誌教育・文化編』によると、力石とはかつて若者が力比べをした石を力石と言い、その特定の場所が地名化したとのことです。

 

道の両側の木々に青とオレンジ色のテープが巻かれている様子

少し進むと道の両側に、青とオレンジのテープが巻かれた木が連なっています。
これは先ほど紹介した新設楽大橋でも見られたダムの常時満水位を示すサインです。

 

テープが巻かれた木々と車

つまり写真の黒い車は、ダムが常時満水位であったらまさに水面に入っていくところ、と想像できます。

 

木々を抜けた付近の様子

サインが巻かれた木々を抜け、ダムが常時満水位ならば水面から上陸したことになります。

それでは、ダムがサーチャージ水位の時には、水面はどこまでなのでしょうか。
ちょうど「この先急カーブ」の看板が見えてきたので、この看板を使って表すと、

 

ダム湖の位置を示す図

このように、ヘアピンカーブに向かって道路左側までは水が来ます。

 

道路の様子

実際の景色を見ると道路が登り坂になっており、左側が低くなっていることがわかると思います。

 

ダム湖方面を見た様子

これで水没区間は終わりです。後ろを振り返り、今まで辿った方面の景色を見たのが上の写真です。

最後に、付け替え道路との合流について紹介します。先ほどの看板で表すと、

 

付け替え道路の位置図

このように2つ目のヘアピンカーブの間に道路ができます。

 

手前は平地だが、奥は山を切っている

緑の矢印地点から矢印方向に見た景色がこちらです。

 

手前から奥にかけて坂になっている

青の矢印地点から矢印方向に見た景色がこちらです。
写真手前中央から奥側に向かって道路ができます。

なおこの先も現在の257号はカーブが続くため、改良工事が行われる予定です。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

ご紹介した水没区間からの景色は、今しか見られないものばかりです。
ぜひ設楽町とこの道にお越しになって、事業にご協力いただいた地域の方々に思いをはせながら、設楽ダムのスケールの大きさを感じていただければと思います。

 

(交通量の多い山道です。運転される際はよそ見せず路肩に車を止めて、じっくりご覧になってください。)


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