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道路建設課の業務内容
道路建設課は、国土軸である高速自動車国道から県民の日常生活や経済活動に資する県管理の国道及び県道に至るまでの道路網の整備を推進しています。
また、有料道路室は、名古屋高速道路公社・愛知県道路公社の運営に関する指導監督、有料道路コンセッションに関する事務を行っています。
(1)道路整備方針について
社会資本整備の取組方針を示す「あいち社会資本整備方針2025」に基づき、「あいちを高める、あいちを守る、あいちが輝く」のテーマに沿って、主に以下の取組に資する道路整備を計画的に実施しています。
○陸・海・空一体の国際競争力の強化
○地域の活性化
○地震・津波対策
○山間・離島対策
○地域の魅力向上
(2)交付金・国庫補助事業について
事業名 | 事業内容 |
令和5年度当初予算額 |
施行箇所 |
---|---|---|---|
道路改良事業 |
現道の拡幅や線形改良またはバイパス等の建設を行う事業 | 19,416,000 |
一般国道247号 始め65路線 |
踏切除却事業 |
道路と鉄道との平面交差を除却し、立体交差とするほか、ルートを付け替えることにより原則として当該踏切を除却する事業 | 1,346,000 |
主要地方道岐阜稲沢線(苅安賀1号踏切) 始め5路線 |
橋りょう整備事業 |
現道の拡幅やバイパス等の整備にあわせ橋りょうを新たに建設したり、架け替える事業 | 3,351,000 |
一般県道羽島稲沢線(新濃尾大橋) 始め9路線 |
計 |
24,113,000 |
(3)県単独事業について
事業名 | 事業内容 | 令和5年度当初予算 | 施行箇所 |
---|---|---|---|
道路改築事業 |
地方生活道路の改良(現道拡幅・線形改良など)や幹線道路の調査・設計等を実施する事業 | 11,237,000 |
一般国道257号 始め39路線 |
山間道路緊急整備事業 |
山間地域の生活道路の改良(現道拡幅・線形改良など)や調査・設計等を実施する事業 | 1,051,000 |
主要地方道飯田富山佐久間線 始め19路線 |
橋りょう改築事業 |
比較的小規模な橋りょうの新設又は架替を実施したり、国庫補助事業の採択に向けた事前調査、委託を実施する事業 | 160,000 |
一般県道小坂井御津線(新白川橋) |
名古屋高速道路公社出資金 |
地方道路公社法の規定に基づき、名古屋高速道路公社に対して設立団体として基本財産のうち愛知県分の出資を行う事業 | 930,000 | |
名古屋高速道路公社貸付金 |
設立団体である愛知県及び名古屋市が国の財政投融資計画の一環として財務省資金運用部資金の融通を受け、特別転貸債として愛知県分を公社へ貸付ける事業 | 2,170,000 | |
計 |
15,548,000 |
(4)高速自動車国道及び直轄国道事業等の推進について
県内では、県が行う道路事業のほか、高速自動車国道、直轄国道等の幹線道路整備が行われており、当課では、これらの道路計画やその事業実施にあたり、県の事業計画との整合、地元や県の意向の反映、また、円滑な事業推進を図るよう調整を行っています。
なお、現在、整備が進められている主な事業は以下のとおりです。
ア 三遠南信自動車道(一般国道474号)
東三河、遠州、南信州地域を有機的に連絡する幹線道路であり、中央自動車道と新東名高速道路、さらには東名高速道路とネットワーク化が図られ、当該地域の交流、活性化の促進に大きな役割を果たす道路です。
東栄町~静岡県浜松市北区引佐町間約21km(県内約13.2km)の三遠道路については、平成24年3月に鳳来峡IC~浜松いなさ北IC間約13.4km(県内約6.1km)が開通し、浜松いなさ北IC~浜松いなさJCT間約0.5kmについては、同年4月に開通しました。
残る東栄IC~鳳来峡IC間約7.1kmについては、令和7年度開通予定であることが公表されました。現在、本体工事が行われており、早期開通を国に働きかけていきます。
また、三遠道路の北側、佐久間川合IC~東栄IC間約6.9km(県内約1.3km)の佐久間道路については、平成31年3月に開通しました。
イ 名豊道路(一般国道23号)
名古屋市と豊橋市を結び、東名・新東名高速道路、一般国道1号などとともに、名古屋港、三河港及び生産拠点を結ぶ東西軸であり、本県の物流を担う重要な幹線道路です。これまでに、全体約73kmのうち約64kmが開通(うち約31kmは完成4車線供用)しています。
残る未開通区間は、蒲郡バイパスの蒲郡IC~豊川為当IC間約9.1kmのみであり、令和6年度開通予定であることが公表されました。現在、事業の進捗が図られており、引き続き、整備促進を国に働きかけていきます。
なお、県では、本道路のネットワーク強化を図るため、一般県道豊川蒲郡線の整備に取り組んでいます。
ウ 西知多道路
西知多道路は、伊勢湾岸自動車道(東海市)と知多横断道路(常滑市)を結ぶ全長約18.5kmの自動車専用道路です。
東海JCT部約2km及び長浦IC~日長IC(仮称)間約1.6kmが国による権限代行、日長IC(仮称)~常滑JCT(仮称)間約8kmが県による国庫補助事業で事業化されています。また、大田IC(仮称)が県と東海市による交付金事業で事業化されました。
長浦JCT(仮称)~常滑JCT(仮称)間の整備を加速するため、令和3年12月に愛知県道路公社が国から有料道路事業認可を受けました。
引き続き、事業中区間の整備推進が図られるように、国土強靱化予算の別枠の確保や予算の平準化を図るための立替施行制度導入を国に働きかけていきます。
また、本道路は、国際拠点空港の中部国際空港と高速自動車国道の新東名高速道路(伊勢湾岸自動車道)を直結するとともに、名古屋高速道路を経由してリニア中央新幹線の名古屋駅ともつながる重要な路線です。
県としては、重要な空港・港湾と高速自動車国道のネットワークを形成する路線については、国により整備・管理すべきと考えており、引き続き、西知多道路の国による整備・管理について要望していきます。
(5)広域道路(高規格道路・一般広域道路)について
現状の交通課題の解消を図る観点と新たな国土形成の観点の両論を見据え、高規格幹線道路やこれを補完する広域的な道路ネットワークを中心とした必要な路線の強化や絞り込み等を行い、平常時・災害時および物流・人流の視点を踏まえた新広域道路交通計画(広域道路ネットワーク計画図)を令和3年3月に国と県・名古屋市それぞれにおいて策定しました。広域道路は、求められる機能・役割により次の階層に分類されます。
ア 高規格道路
高規格道路は、主要な都市や重要な空港・港湾を連絡するなど、高速自動車国道を含め、これと一体となって機能する、もしくはそれらを補完して機能する広域的な道路ネットワークを構成し、地域の実情や将来像(概ね20~30年後)に照らした事業の重要性・緊急性や、地域の活性化や大都市圏の機能向上等の施策との関連性が高く、十分な効果が期待できる道路で、求められるサービス速度が概ね60km/h以上の道路です。
愛知県内の高規格道路(うち、高規格幹線道路)
路線名 | 基本計画延長(km) |
県内状況 総延長(km) |
県内状況 基本計画(km) |
県内状況 整備計画(km) |
県内状況 供用(km) |
---|---|---|---|---|---|
東名高速道路 | 347 |
88.3 |
88.3 |
88.3 | 88.3 |
名神高速道路 | 189 | 18.1 | 18.1 |
18.1 |
18.1 |
中央自動車道 |
344 | 11.1 | 11.1 | 11.1 | 11.1 |
東名阪自動車道 |
55 | 11.6 | 11.6 | 11.6 | 11.6 |
名古屋第二環状自動車道 |
55 | 55.3 | 55.3 | 55.3 | 55.3 |
東海北陸自動車道 |
185 | 9.9 | 9.9 | 9.9 | 9.9 |
新東名高速道路(伊勢湾岸自動車道含む) |
300 | 87.0 |
87.0 |
83.0 | 87.0 |
新名神高速道路(伊勢湾岸自動車道含む) |
174 | 8.0 | 8.0 | 6.0 | 8.0 |
東海環状自動車道 |
154 | 30.5 | 30.5 | 30.5 | 30.5 |
三遠南信自動車道 |
101 | 14.5 | 14.5 | 14.5 | 7.4 |
※高規格幹線道路は、全国的な自動車交通網を構成する自動車専用道路
高規格幹線道路=高速自動車国道+(国土交通大臣指定に基づく)一般国道の自動車専用道路
路線名 | 起点 | 終点 | 路線名 | 起点 | 終点 |
---|---|---|---|---|---|
豊橋浜松道路 |
愛知県豊橋市 | 愛知県豊橋市 | 一宮西港道路 | 愛知県一宮市 | 愛知県弥冨市 |
名岐道路 |
愛知県一宮市 | 愛知県一宮市 | 名豊道路 | 愛知県豊橋市 | 愛知県名古屋市 |
名古屋高速道路 |
愛知県名古屋市 | 愛知県名古屋市 | 名濃道路 | 愛知県小牧市 | 愛知県犬山市 |
名古屋瀬戸道路 |
愛知県名古屋市 | 愛知県瀬戸市 | 名古屋三河道路 | 愛知県弥冨市 | 愛知県岡崎市 |
知多中央道路 |
愛知県名古屋市 | 愛知県知多郡南知多町 | 春日井インター道路 | 愛知県春日井市 | 愛知県春日井市 |
知多横断道路 |
愛知県半田市 | 愛知県常滑市 | 名古屋港道路 | 愛知県名古屋市 | 愛知県名古屋市 |
西知多道路 |
愛知県東海市 | 愛知県常滑市 | 浜松湖西豊橋道路 | 愛知県豊橋市 | 愛知県豊橋市 |
※起点・終点については愛知県内の地点を表示
イ 一般広域道路
一般広域道路は、広域道路のうち、高規格道路以外の道路で、求められるサービス速度が概ね40km/h以上の道路である。
路線名 | 起点 | 終点 | 路線名 | 起点 | 終点 |
---|---|---|---|---|---|
名浜道路 | 愛知県常滑市 | 愛知県額田郡幸田町 | 国道1号 | 愛知県豊橋市 | 愛知県弥冨市 |
衣浦豊田道路 | 愛知県豊田市 | 愛知県碧南市 | 国道19号 | 愛知県名古屋市 | 愛知県春日井市 |
豊橋環状道路 | 愛知県豊橋市 | 愛知県豊川市 | 国道22号 | 愛知県名古屋市 | 愛知県一宮市 |
名古屋豊田道路 | 愛知県名古屋市 | 愛知県豊田市 | 国道23号 | 愛知県豊橋市 | 愛知県弥富市 |
東三河環状道路 | 愛知県豊川市 | 愛知県豊橋市 | 国道41号 | 愛知県名古屋市 | 愛知県犬山市 |
岡崎衣浦道路 | 愛知県岡崎市 | 愛知県碧南市 | 国道153号 | 愛知県名古屋市 | 愛知県豊田市 |
名古屋岡崎道路 | 愛知県名古屋市 | 愛知県岡崎市 | 国道155号 | 愛知県知立市 | 愛知県瀬戸市 |
国道302号 | 愛知県名古屋市 | 愛知県名古屋市 |
※起点・終点については愛知県内の地点を表示
(6)道路環境対策について
自動車交通に伴う騒音、振動、排気ガス等に関する事項について、関係機関との連絡調整などを行います。
(7)名古屋高速道路公社について
法人名 | 設立年月日 | 目的 | 所在地 | 代表者 |
---|---|---|---|---|
名古屋高速道路公社 | 昭和45年9月24日 | 名古屋市の区域及びその周辺の地域において、その通行又は利用について料金を徴収することができる指定都市高速道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理を総合的かつ効率的に行うこと等により、この地域の地方的な幹線道路の整備を促進して交通の円滑化を図り、もって住民の福祉の増進と産業経済の発展に寄与することを目的とする。 | 名古屋市北区清水四丁目17番30号 |
理事長 松井 圭介
|
ア 基本財産 321,383,000 千円(令和5年4月1日現在)
出 資 者 愛知県 160,691,500千円 名古屋市 160,691,500千円
イ 職 員 数
区分 | 県派遣職員 | 名古屋市派遣職員 | 公社固有職員 | 合計 |
---|---|---|---|---|
現員 |
事務:4人 技術:16人 |
事務:5人 技術:17人 |
事務:68人 技術:104人 |
事務:77人 技術:137人 計:214人 |
(注)県派遣職員には、国派遣職員2人(技術2人)を含む。
ウ 事業概要
名古屋高速道路公社は、道路整備特別措置法(昭和31年法律第7号)に基づき、名古屋市及びその周辺地域において、指定都市高速道路を建設してきましたが、平成25年11月に整備計画に定められた全線81.2kmを供用し、現在、その経営を行っています。
今年度の建設事業としては、都心アクセス関連事業を実施します。
令和5年度収入支出予算
区分 | 収入 | 支出 |
---|---|---|
助成対象 |
出資金:1,860,000 (930,000) 無利子貸付金:3,100,000 (0) 特別転貸債:4,340,000 (2,170,000) 借入金:3,100,000 (0) 計:12,400,000 (3,100,000) |
高速道路建設費:11,653,000 調査費:0 一般管理費:688,000 業務外支出:59,000 計:12,400,000 |
助成対象外 |
料金収入:64,562,000 (0) 業務雑収入:132,317 (0) 受託業務収入:4,000 (0) 借入金:42,998,000 (0) 業務外収入:111,683 (28,336) 計:107,808,000 (28,336) |
受託業務費:1,909,000 維持改良費:29,026,000 業務管理費:11,528,000 一般管理費:1,829,000 業務外支出:63,516,000 計:107,808,000 |
合計 | 120,208,000 (3,128,336) | 120,208,000 |
(注)()内は県支出金
(8)愛知県道路公社について
法人名 | 設立年月日 | 目的 | 所在地 | 代表者 |
---|---|---|---|---|
愛知県道路公社 |
昭和47年5月16日 | 愛知県の区域及びその周辺の地域において、その通行又は利用について料金を徴収することができる道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理を総合的かつ効率的に行うこと等により、この地域の地方的な幹線道路の整備を促進して交通の円滑化を図り、もって住民の福祉の増進と産業経済の発展に寄与することを目的とする。 | 名古屋市中区丸の内三丁目19番30号 |
理事長 道浦真
|
ア 基本財産 73,579,525 千円(令和5年4月1日現在)
出 資 者 愛知県 73,530,525 千円 豊田市 49,000 千円
イ 職 員 数
区分 | 県派遣職員 | 公社固有職員 | 再任用等 | 合計 |
---|---|---|---|---|
現員 |
事務:3人 技術:9人 |
事務:8人 技術:12人 |
事務:10人 技術:0人 |
事務:21人 技術:21人 計:42人 |
ウ 事業概要
愛知県道路公社は、現在、道路整備特別措置法(昭和31年法律第7号)に基づく有料道路9路線及び道路運送法(昭和26年法律第183号)に基づく一般自動車道1路線の計10路線の資産管理等を行っています。
令和5年度収入支出予算
収入 | 支出 |
---|---|
業務収入:222,034 負担金収入:211,345 業務外収入:940,916 借入金:6,737,195 運営権対価等収入:5,708,695 |
業務費:6,990,921 維持改良費:984,189 業務管理費:194,905 運営権関連支出:1,741,162 一般管理費:572,136 業務外支出等:3,336,872 |
合計:13,820,185 |
合計:13,820,185 |
資産管理等路線
根拠法令 | 道路名 | 道路の区間 | 延長 |
---|---|---|---|
道路整備特別措置法 |
南知多道路 知多横断道路 知多半島道路 中部国際空港連絡道路 |
半田市~知多郡南知多町 半田市~常滑市 名古屋市緑区~半田市 常滑市内 |
19.6km 8.5km 20.9km 2.1km |
〃 |
猿投グリーンロード |
豊田市内 |
13.1km |
〃 |
衣浦トンネル |
碧南市~半田市 |
1.7km |
〃 |
衣浦豊田道路 |
豊田市~知立市 |
4.3km |
〃 |
名古屋瀬戸道路 |
日進市~長久手市 |
2.3km |
〃 |
西知多道路 | 知多市~常滑市 |
9.0km (整備中) |
- |
計(9路線) |
- |
81.5km |
道路運送法 |
三ヶ根山スカイライン |
西尾市~蒲郡市 |
5.1km |
- |
計(1路線) |
- |
5.1km |
- |
計(10路線) |
- |
86.6km |
(9)有料道路コンセッションについて
道路整備特別措置法は、民間事業者による有料道路の運営を認めていなかったことから、民間事業者のノウハウを活用し、低廉で良質な利用者サービスの提供や地域活性化等を図るため、平成24年2月に「民間事業者による有料道路の運営の実現」を目指し、構造改革特区を提案しました。
平成26年5月に、政府の構造改革特別区域推進本部において、道路整備特別措置法の特例を設けることとする方針が決定されました。
平成27年7月には、有料道路コンセッションを可能とする構造改革特別区域法の一部を改正する法律が国会で成立しました。また、9月には、本事業を含む国家戦略特別区域の愛知県の区域計画が、内閣総理大臣により認定されました。
これらを受け、愛知県道路公社が事業主体となり、平成27年10月にPFI法に基づく実施方針を公表し、11月から民間事業者の募集選定を開始しました。
平成28年6月に優先交渉権者を決定、8月に愛知道路コンセッション株式会社と実施契約を締結し、10月から民間事業者による有料道路事業の運営を開始しました。
現在、愛知県道路公社は、民間事業者に対する監督や道路管理者権限に関する業務等を行っています。