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院内感染原因菌である薬剤耐性大腸菌の遺伝子解析キットが発売されます

ページID:0130083 掲載日:2016年5月31日更新 印刷ページ表示

 

 愛知県衛生研究所と中部大学が共同開発した大腸菌の遺伝子解析技術(平成27年8月28日特許出願中)が、関東化学株式会社により実用化され、平成28年6月1日(水曜日)から「シカジーニアス® 分子疫学解析POTキット(大腸菌用)」として発売されます。

 

1 開発の経緯

 愛知県衛生研究所ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)や薬剤耐性大腸菌等の薬剤耐性菌による院内感染の拡大防止に関する研究を行っております。

 薬剤耐性大腸菌による院内感染の拡大防止のためには、集団感染の範囲を正確に把握する必要があり、より迅速かつ正確な遺伝子解析に基づく検査方法が求められています。

 そこで、愛知県衛生研究所は平成24年から学校法人中部大学応用生物学部 倉根隆一郎(くらねりゅういちろう)教授と共同研究を開始し、感染経路及び感染範囲の特定に利用可能な新たな大腸菌の遺伝子解析技術を開発しました。

 この技術が実用化され、平成28年6月1日(水曜日)に遺伝子解析キットが発売(価格45,360円(税込))されます。

 製品のパッケージ写真

製品のパッケージ写真

2 開発した技術

 マルチプレックスPCR法(※1)を用いて複数の特定遺伝子を同時に増幅し、電気泳動パターン(写真)を元に大腸菌の遺伝子型を迅速に決定する技術を開発しました。

この技術の特徴は以下のとおりです。

 (1) 4時間以内に菌株の遺伝子型が判明 (従来法:パルスフィールドゲル電気泳動法(※2)は3日~5日)

 (2) 病原体遺伝子検査に必要な一般的な設備 (遺伝子増幅装置(※3)、ミニゲル電気泳動装置(※4)等) を用いて病院内での実施が可能

 (3) 電気泳動パターンの結果を数値化することにより解析結果の比較が容易

  用 語 解 説
用語解説
(※1) マルチプレックスPCR法  PCR法とはDNAを増幅させる手法である。一般的なPCR法は1組の特異的なDNA断片(プライマー)を使用して1種類の特定遺伝子のみを増幅するのに対し、マルチプレックスPCR法では、複数組のプライマーを使用して、同時に複数のDNAを増幅することができる。
(※2) パルスフィールドゲル電気泳動法  細菌ゲノムDNAの制限酵素(遺伝子の特定の配列を切断する酵素)切断パターンを利用して遺伝子型を決定する方法。菌株識別能力及び再現性が高い等の利点がある一方、結果を得るのに時間がかかる、特殊な機器が必要、結果の比較が難しい等の問題点がある。
(※3) 遺伝子増幅装置  PCR装置とも呼ばれるDNAを増幅する装置。遺伝子等のDNAを増幅することにより塩基配列を調べられるようになる。
(※4) ミニゲル電気泳動装置  主に寒天の主成分のゲルを使用した電気泳動という解析手法により、DNAをその大きさに応じて分離するための装置。

 

 電気泳動パターン

 電気泳動パターン

3 問合せ先

   愛知県衛生研究所 生物学部細菌研究室 室長 鈴木(すずき)(まさ)(ひろ)

     所在地 : 愛知県名古屋市北区辻町字流7-6

     電  話 : 052-910-5669(ダイヤルイン)

 

  製品についての問合せ先

   関東化学株式会社 試薬事業本部 バイオケミカル課 小林崇良(こばやしたかよし)

     所在地 : 東京都中央区日本橋室町2-2-1

     電  話 : 03-6214-1090

 

 

 

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  このページに関する問合せ先

   愛知県健康福祉部 保健医療局生活衛生課 検査管理グループ

     担  当 : 佐藤、山本

     電  話 : 052-954-6300(ダイヤルイン)

     E-mail  : eisei@pref.aichi.lg.jp 

 

 

 

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