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平成22年度内分泌かく乱化学物質等環境調査結果について
平成23年8月2日(火)発表
愛知県は、国が行った生態系への内分泌かく乱作用による影響に関する試験結果で、魚類に対して内分泌かく乱作用を有することが推察された物質等について、環境中の状況を把握するため、県内河川7地点、海域3地点において、水質7物質、底質4物質、水生生物(魚類)2物質について調査を実施しました。
その結果、全ての調査結果で内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度*1等を下回りました。
1 調査結果の概要
(1)水質
・対象とした7物質のうち、4-t-オクチルフェノール、ノニルフェノール及びビスフェノールAについては、すべて国が示した内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度を下回っていました。
・p-ジクロロベンゼン、N,N-ジメチルホルムアミド、ペルフルオロオクタンスルホン酸、ペルフルオロオクタン酸についてはすべて国が示した生態リスク初期評価における予測無影響濃度*2 を下回っていました。
(2)底質
・対象とした4物質すべて、国が行った直近の全国調査結果の濃度範囲内でした。
(3)水生生物(魚類)
・対象とした2物質すべて、国が行った直近の全国調査結果の濃度範囲内でした。
*1 内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度
生態系影響評価のための試験により、メダカの性分化に影響を与えなかった最大濃度に安全係数(1/10)を乗じることにより求めた魚類を中心とする生態系に影響を及ぼす可能性はないと予測される濃度。
*2 生態リスク初期評価における予測無影響濃度
水生生物の急性毒性値及び慢性毒性値のそれぞれについて、信頼できる知見のうち生物群ごとに値の最も低いものを整理し、そのうち最も低い値に対して情報量に応じたアセスメント係数を適用することにより求めた濃度。
水 質 | |||||
No. | 調 査 物 質 | 調査結果 (μg/ ℓ ) | 調査 地点数 | 予測無影響濃度 | 全国調査結果 (H17年度) |
1 | 4-t-オクチルフェノール | < 0.01~ 0.03 | 2 | 0.992 | ― |
2 | ノニルフェノール | 0.2 | 1 | 0.608 | ― |
3 | ビスフェノールA | < 0.01 | 6 | 24.7または47 | ― |
4 | p-ジクロロベンゼン | < 0.01~0.05 | 10 | 10 | ― |
5 | N,N-ジメチルホルムアミド | <0.026~0.18 | 10 | 71,000 | ― |
6 | ペルフルオロオクタン酸(PFOA) | 0.00082~0.068 | 10 | 310 | 0.00024~0.047 |
7 | ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS) | 0.00024~0.017 | 10 | 23 | ― |
底 質 | |||||
No. | 調 査 物 質 | 調査結果 (μg/kg-dry) | 調査 地点数 | 予測無影響濃度 | 全国調査結果 (H16年度) |
1 | 4-t-オクチルフェノール | <1~2 | 2 | ― | <1~350 |
2 | ノニルフェノール | <10~120 | 2 | ― | <10~5000 |
3 | ビスフェノールA | <1~1 | 2 | ― | <1~30 |
4 | フタル酸ジ-2-エチルヘキシル | 57~300 | 7 | ― | <25~66000 |
水生生物(魚類) | |||||
No. | 調 査 物 質 | 調査結果 (μg/kg-wet) | 調査 地点数 | 予測無影響濃度 | 全国調査結果 (H10年度) |
1 | 4-t-オクチルフェノール | 2 | 1 | ― | <1.5~30 |
2 | ノニルフェノール | 28 | 1 | ― | <15~780 |
2 今後の対応
平成22年7月に策定された「化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省の今後の対応方針について-ExTEND2010-」を踏まえ、国が行った生態系への影響評価のための試験結果により魚類に対して内分泌かく乱作用を有することが推察された物質(4-t-オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビスフェノールA)や新たな科学的知見の得られた物質等について、環境調査を実施していくとともに、国等からの情報収集、科学的知見の集積に努めます。
*3 調査の概要及び調査結果の詳細は別添のとおり。
調査の概要及び調査結果の詳細
問合せ
愛知県環境部環境活動推進課
環境リスク対策グループ
担当:林、池本
電話:052-954-6212(ダイヤルイン)
E-mail: kankyokatsudo@pref.aichi.lg.jp