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「環境教育 協働授業づくり研修」を開催しました

ページID:0441783 掲載日:2023年1月20日更新 印刷ページ表示

環境教育 協働授業づくり研修

 愛知県では、持続可能な社会を支える「行動する人づくり」を目指し、地域の団体・企業・社会教育施設等が、学校と連携・協働して授業をつくり上げる「協働授業づくり」を推進しています。
 その一環として、地域と学校が協働して効果的な環境学習を行うための「環境教育 協働授業づくり研修」を下記のとおり開催しました。   

1 日時

令和5年1月6日(金曜日)
午後1時から午後4時まで

2 場所

愛知県環境調査センター 第1会議室(名古屋市北区)

3 講師

第1部 名城大学教職センター 教授 井中 宏史(いなか ひろし)氏
第2部 東邦ガスネットワーク株式会社 総務部部長付 倉橋 和宏(くらはし かずひろ)氏
    一宮市環境部環境政策課 主事 岩田 陽介(いわた ようすけ)氏
    豊田市立藤岡南中学校 校長 松山 貴久(まつやま たかひさ)氏
第3部 名城大学教職センター 教授 井中 宏史(いなか ひろし)氏

4 対象者

企業・行政の方、教員の方

5 参加者数

19名

6 内容

 第1部 講義 「環境学習分野における協働について」​

 名城大学教職センター教授の井中宏史氏から、「環境学習分野における協働について」と題してご講義いただきました。内容は以下のとおりです。
・学校現場では新しい学習指導要領が始まったり、SDGsの実現に向けた教育(ESD)が実施されたりと、教育の在り方が変わってきている。
・このESDの学びを現実社会での実践につなげるために、環境教育で答えのある個々の具体的事例を学ぶことで、必要な知識・技能を習得できる。
・具体的に学ぶことができる環境教育を実施するには、学校の先生だけでは難しく、実際に社会で活躍している人から学ぶこと、つまり学校と社会の協働が大切である。
・学校側は講師に丸投げにならないように注意する必要がある。

講義の様子

 第2部 事例講座

(1)東邦ガスネットワーク株式会社 総務部部長付 倉橋和宏氏

 「出前授業で心がけていること」と題して、東邦ガスネットワーク株式会社が行っている環境教育や、出前講座のポイント等について発表していただきました。
 出前講座のポイントは以下の3点とのことでした。
・「体験要素」を加える。 
・「プレゼンテーション(パワーポイント)を工夫する(平易な言葉・字を大きく・ルビ・アニメーション)。
・平易な言葉・親しみやすい話方。
 出前講座で実際に使用されている教材を見せていただき、上記ポイントがどのように生かされているのかご説明いたただきました。
 また、講座終了後のアンケートや教員からの聞き取りによって、内容を改善し続けているとのお話も伺いました。

事例講座の様子

(2)一宮市環境部環境政策課 主事 岩田陽介氏

 「多様な主体と協働する環境教育」と題して、一宮市が行っている環境教育について発表していただきました。
 一宮市では、コロナの影響でイベントが開催できない期間に、改めて今後の環境教育の方針について考え課題を洗い出し、以下のとおり新たな環境教育の方針を立てたとの説明がありました。
・多様な主体が参加できる場所づくり。
 →市民団体、学校、企業など環境活動を行っている団体と協働する場を作る。
・特色ある講座を開催する
 →地域の特色を見直し、オリジナルの講座を開催する。
 この方針をもとに実施した具体的なイベントについてお話しいただきました。

事例講座の様子

(3)豊田市立藤岡南中学校 校長 松山貴久氏

 「3年間の系統的な教育課程と外部との連携~SDGsを中心に据えた総合的な学習の時間における取組~」と題して、豊田市立藤岡南中学校で行っているSDGsに関連した教育について発表していただきました。
 総合的な学習の時間において、3年間の学習過程を子どもの学力向上を意識し、個人追究・SDGs・地域連携を重視して学習を実践しているとのご説明がありました。
 3年間系統的に学習に取り組んでいくためには、年間計画の作成が重要であり、以下の年間計画の作成と外部連携の在り方のポイントについてお話しいただきました。
・年間計画に合わせて、外部連携を検討する。
・単元の中で、複数回の交流を計画する。
・計画時期は、前年度末~年度当初になる。

事例講座の様子

 第3部 演習 「協働授業づくり体験」

 名城大学教職センター教授の井中宏史氏にファシリテーションしていただき、本課が協働授業づくりの実践事例集として作成した「学びを行動につなぐサポートBOOK」とそこに掲載されているワークシートで、実際に環境学習授業プラン作成の体験を行いました。

 グループ構成は、教員と企業等の受講者の混合となっており、まず教員から生徒たちの現状や学びのねらいについて話し、環境活動をしている企業等の方々から現状を踏まえた具体的な環境学習計画を提案、効果的な工夫等も考え、各自ワークシートを記入しました。

 最後に各グループから出来上がった授業プランの発表がありました。グループごとに課題も異なっていたため、課題の洗い出しに時間を割いたグループもあった一方、アイディアを出し合って工夫をこらした授業プランを作成したグループもありました。ワークシートの進行度合いはグループごとに異なりましたが、すべてのグループで活発な議論が交わされ、相互に学びを深めることができました。

「協働授業づくり体験」の様子
演習の様子1 演習の様子2 演習の様子3

 

7 参加者の声(抜粋)

【第1部 講義】
・ESD等聞いたことはあったが、SDGsと関連して考えてなかった。ESDの視点、取組み方として具体的にどう取り組むべきか分かりやすかった。
​・学校からの出前授業依頼があった際、きちんと授業の位置づけや目的などをもっと把握すべきと反省した。
・現在の教育事情を知ることができ、それをふまえた行動につなげたいと感じた。

【第2部 事例講座】
・他校、他企業、行政の方も共通した悩みがあることが分かりこれからの方向性も見えてきた。
・民間、行政、学校とそれぞれの実践を知ることができた。
​・体験的学びを進めることの良さを知った。

【第3部 演習】
・自ら取り組むことで、発見ができた。
・民間、行政の方と実際に考えることができ有意義だった。ぜひ実践したい。

​【全体を通して】
​・環境教育に関わらず、主体的に学ぶ人の育成という大きな意義を感じられた。また、この人を育てるということが学校の中だけでなく、地域も含めて行えることがわかりよかった。
・行政として教育現場とどう連携していくかは大きな課題。今回、学校の先生とワークショップで意見交換できたことはとても良い経験だった。
・違う業種の方の思いを聞いて、同じ思いを抱いていたり、全く違う見方をしていたりしていることに気づくことができた。
・次世代を担う子どもの教育を地域ぐるみで実行することが大切。
・ワークショップで実際に活動することは、何よりも自分事となる。新たな気づき、ご助言をいただく機会となった。

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