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粒子線治療について

ページID:0345395 掲載日:2024年6月21日更新 印刷ページ表示

 粒子線治療とは

 従来の放射線治療としては、エックス線、ガンマ線などを用いた治療が多く用いられてきました。

 エックス線の放射線量は身体の表面に近いところで強く、その後徐々に弱まっていきます。

 そのため、治療対象となるがん細胞(=病巣)に至るまでの正常組織に対する影響(=副作用)が大きく、病巣の後ろも止まらずに突き抜けていくため、身体への負担が大きく、場合によってはがんを治し切れる程の量の放射線を照射できないこともあります。

 他方、粒子線は身体の中をある程度進んだところで放射線量が最大となり、そこで消滅するという性質を持っています。

 この性質により、従来の放射線治療に比べると正常組織への影響が少なく、かつ病巣に対して効果的に放射線を照射することができるため、身体への負担を減らすことができます。

 また、身体への負担が少ないことから、通院で治療することができます。

放射線の種類:光子線と粒子線

 放射線とは、運動エネルギーを持っている小さな粒(素粒子)のことで、光もその1つです。

 放射線治療に使われる放射線については、以下のとおり分類されます。

 (1)光子線(エックス線、ガンマ線など)

   ・波長が短く(=エネルギーが高く)体内を通り抜ける性質を持つ電磁波のこと

 (2)粒子線(陽子線、重粒子線など)

   ・ミクロの粒子(=原子を構成している電子や原子核)を利用した放射線のこと

   ・水素の原子核を用いたものが「陽子線」、それよりも重い粒子(炭素原子核など)を用いたものが「重粒子線」と呼ばれています。

愛知県内の陽子線治療施設について

 県内には名古屋市に名古屋陽子治療線センター、豊橋市に成田記念陽子線センターがあります。名古屋陽子線治療センターでは、平成25年2月より前立腺がんの陽子線治療が開始され、その後治療部位が拡大され、現在は肝臓、肺、頭頸部、骨軟部及びすい臓等についても治療が行われています。成田記念陽子線センターでは、平成30年9月より陽子線治療が開始されています。

(詳しい治療内容等については、名古屋陽子線治療センター成田記念陽子線センターへお問い合わせください。)

 〇令和6年6月時点で陽子線治療において、下記のがんが保険診療の対象となっています。

  ・小児腫瘍(限局性の固形悪性腫瘍に限る。)

  ・限局性の骨軟部腫瘍※

  ・頭頸部悪性腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮癌を除く。)

  ・限局性及び局所進行性前立腺癌(転移を有するものを除く。)

  ・肝細胞癌※(長径4センチメートル以上のものに限る。)

  ・肝内胆管癌※

  ・局所進行性膵癌※

  ・局所大腸癌※ (手術後に再発したものに限る。)

  ・早期肺癌※(日本肺癌学会が定める「肺癌取扱い規約」における1期から2A期までの肺癌に限る。)

   ※ 手術による根治的な治療法が困難であるものに限る。