本文
麻しん(はしか)患者の発生に伴う注意喚起について
平成31年1月15日、刈谷市内の医療機関(以下、「医療機関A」という。)の担当医から愛知県衣浦東部保健所に麻しん発生届が提出され、愛知県衛生研究所で遺伝子検査を実施したところ、平成31年1月15日に陽性であることが判明しました。
愛知県衣浦東部保健所が患者の疫学調査を実施したところ、感染のおそれがある期間(1月9日以降)に下記の交通機関を利用していたことが分かりました。
本公表は、接触者が特定できない次の交通機関を利用しており、患者と接触した方が麻しんに感染している可能性があるために、広く情報提供するものです。
記
【麻しん患者が利用し、不特定多数の方と接触した可能性のある交通機関】
患者が利用した時間帯 |
交通機関名 |
1月9日(水曜日) 8時00分~ 9時00分頃 |
名鉄三河線(知立駅経由)⇒名鉄名古屋本線(名鉄名古屋駅経由)⇒名古屋市営地下鉄桜通線 |
17時30分~18時00分頃 |
名古屋市営地下鉄桜通線(JR名古屋駅経由)⇒JR東海道本線(豊橋方面) |
※上記交通機関を利用して患者さんと接触した可能性のある方などで、麻しんを疑う症状が現れた場合は、事前に医療機関に連絡の上、速やかに受診してください。
1 患者概要
患者:20歳代 女性(知立市在住)
麻しん予防接種歴有り(1回)、海外渡航歴無し
主な症状:発熱、咳、発疹等
2 経過
1月9日 上記公共交通機関を利用して出勤
10日 発熱症状出現
11日 医療機関B(知立市)を受診※1
13日 医療機関A(刈谷市)を受診※2
15日 医療機関Aの担当医から愛知県衣浦東部保健所に麻しん発生届の提出
愛知県衛生研究所による遺伝子検査の結果、麻しんと確定
※1 徒歩で受診しており、あらかじめ麻しん疑いである旨を連絡し受診したことから、他の患者との接触はありません。
※2 受診の際は自家用車を利用しており、患者と接触した可能性のある方については、注意喚起を行っています。
【上記交通機関を利用された皆様へ(注意喚起)】
〇麻しん患者と接触した場合は、発病までの期間を考慮し、接触後最大21日間の健康観察が必要です。
〇発熱、発疹等の症状から「麻しん」が疑われる場合は、必ずマスクを着用し、事前に医療機関に「麻しんかもしれない」ことを連絡の上、速やかに受診してください。また、受診の際は、周囲の方へ感染を拡げないよう、公共交通機関等の利用を避けてください。心配なこと等ありましたら、最寄りの保健所にご連絡ください。
※本情報提供は、感染症予防啓発のために行うものですので、報道機関各位におかれましては、患者等の個人に係る情報について、プライバシー保護等の観点から、提供資料の範囲内での報道に、格段の御配慮をお願いします。
3 参考
(1)麻しんの発生状況
年次 |
平成25年 |
平成26年 |
平成27年 |
平成28年 |
平成29年 |
平成30年 |
平成31年 |
全国 |
229 |
462 |
35 |
165 |
189 |
282※1 | - |
愛知県 |
25 |
46 |
0 |
5 |
1 |
37 |
7※2 |
※1:平成30年12月30日時点(速報値) ※2:平成31年1月15日時点
本県における発生状況の詳細については、愛知県衛生研究所のWebページ(https://www.pref.aichi.jp/eiseiken/2f/msl/msl_2019.html)「本県における麻しん・風しん患者発生報告状況」に掲載しています。
麻しんとは
-
麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症で、空気感染、飛沫感染、接触感染によりヒトからヒトに感染が伝播します。その感染力は非常に強いと言われており、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。
※麻しんウイルスの空気中での生存期間は2時間以下と言われています
-
感染すると、約10~12日の潜伏期間の後、38℃前後の発熱が2~4日間続き、咳や鼻水といった風邪のような症状が出ます。その後、少し体温が下がり、再び高熱(多くは39℃以上)が出るとともに、発疹が出現します。発疹出現後3~4日間で解熱し症状は軽快、合併症のないかぎり7~10日後には症状が回復します。
-
麻しんは発熱が長く続き、体力の消耗が激しいため、合併症がなくても入院を要することが少なくありません。
-
近年はワクチンの2回接種が行われ、麻しんに感染する方の人数は減っていますが、海外の流行国への渡航歴がある人やその接触者で患者が発生しています。