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アスベスト(石綿)問題に関する取組について
1 アスベスト大気環境調査
本県では、毎年、一般環境中におけるアスベスト繊維数濃度を調査しています。
令和5(2023)年度の調査結果は0.097本/L未満~0.15本/Lの範囲にあります。(表1)
近年では、いずれの測定地点においても、アスベスト繊維数濃度は低濃度で推移しています。
調 査 地 点 |
令和5(2023)年度 |
平成30(2018)~ |
|
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夏季 | 冬季 | ||
東海市横須賀小学校 | <0.097 | <0.097 | <0.097~0.12 |
豊川市役所 | 0.097 | 0.15 | <0.097~0.68 |
田原市童浦小学校 | 0.097 | 0.097 | <0.097~0.83 |
津島市埋田町 | <0.097 | 0.12 | <0.097~0.12 |
稲沢市役所 | 0.097 | 0.097 | <0.097~0.15 |
小牧高校 | <0.097 | 0.12 | <0.097~0.12 |
半田市東洋町 | <0.097 | <0.097 | <0.097~0.097 |
安城農林高校 | <0.097 | 0.097 | <0.097~0.12 |
2 アスベスト使用建築物の解体等工事に対する立入検査等
大気汚染防止法に基づく特定粉じん排出等作業実施届出(表2参照)の対象工事(※)を中心に、立入検査、周辺環境調査を実施しています。
また、必要に応じ、国(労働基準監督署)と協力して合同立入検査を実施しています。
※建築物に使用されているアスベストを除去する場合などが該当します。
年度 |
令和元 |
令和2 (2020) |
令和3 (2021) |
令和4 (2022) |
令和5 |
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届出件数 |
269 | 258 | 156 | 154 | 170 |
作業件数 |
317 | 323 | 174 | 165 | 180 |
3 県有施設に係る対応
県有建築物に係る吹付けアスベストの状況を把握し、その対策に資するため、平成17(2005)年度以降、吹付けアスベストの使用状況のフォローアップ調査を実施しています。
令和5(2023)年3月末現在、吹付けアスベストが使用されている施設は59施設あり、毎年、損傷・劣化の状況(アスベストが飛散しやすい状況にあるか)を調査しています。また、アスベストの除去等を行う際には、法令に基づき、適切に工事を行っています。
アスベスト吹付け材の有無 | 損傷・劣化の有無 | 施設数 |
---|---|---|
アスベスト吹付け材あり(注1) | 損傷・劣化なし | 59 |
表3に掲げる県有施設(59施設)の内訳
4 愛知県アスベスト対策協議会の取組
(1)愛知県アスベスト対策協議会の概要
平成17(2005)年9月13日、県はアスベストに関係する各関係機関・団体とともに「愛知県アスベスト対策協議会」を設置しました。
ア 目的
イ 構成員
国 | 厚生労働省 愛知労働局、国土交通省 中部運輸局、環境省 中部地方環境事務所 |
---|---|
関係団体 | (公社)愛知県医師会、(一社)愛知県環境測定分析協会、(一社)愛知県建設業協会、 (一社)愛知県産業資源循環協会、愛知県商工会議所連合会、(一社)愛知県病院協会、 愛知県商工会連合会、建設業労働災害防止協会 愛知県支部、 中央労働災害防止協会 中部安全衛生サービスセンター、 (一社)中部経済連合会、(一社) JATI協会、愛知県経営者協会、 (独)労働者健康安全機構 愛知産業保健総合支援センター、 (独)労働者健康安全機構 旭労災病院、日本労働組合総連合会 愛知県連合会 |
市町村 | 愛知県市長会、愛知県町村会、名古屋市、豊橋市、岡崎市、一宮市、豊田市 |
県 | 愛知県 (議長:愛知県環境局長) |
ウ 活動方針(平成17(2005)年9月13日合意)
協議会は、以下の「アスベスト対策推進のための活動方針」に基づき、関係者が連携・協働してアスベスト対策を推進することとしています。
<アスベスト対策推進のための活動方針>
アスベストは、吹付け材、スレート板等の建材や断熱材等の工業製品などの原材料に使用され、現在も多くの場所で利用されていることから、アスベストの飛散による健康影響が懸念されている。
このため、国の「アスベスト問題に関する関係閣僚会合」による「アスベスト問題への当面の対応」を踏まえ、関係機関・関係団体が連携・協働し、アスベストによる被害の拡大防止や健康影響に対する県民の不安の解消に努める。
(ア) アスベストによる被害の拡大防止のための取組を推進します。
・アスベスト製品製造事業場、建築物解体作業現場、廃棄物処分場等でのアスベスト飛散防止の徹底
・アスベスト除去等の対策に当たっての支援措置の検討
・関係省庁が実施している吹付けアスベスト使用実態調査についての情報の交換・共有化
・アスベスト製品製造事業場等への立入検査、大気中のアスベスト濃度等の調査の実施
(イ) アスベストによる不安の解消のための情報提供に努めます。
・アスベストに関する啓発の実施(啓発資材の作成、講演会の開催など)
・建築物解体作業現場等でのアスベスト暴露防止対策内容の掲示の促進
(ウ) アスベストに関する相談窓口体制の整備を行います。
・アスベストに関する健康相談など各種の相談窓口体制の整備
・窓口相談員に対する情報の提供、研修会の実施
エ 幹事会における合意事項(平成17(2005)年9月28日合意)
協議会は、「アスベスト対策推進のための活動方針」に沿い早急に取組みを進めるための具体的な活動として、次の5項目を実施することとしています。
○関係構成機関・団体の情報の共有・相互提供
解体等現場などに関する情報の連絡や合同の立入検査などを行う。
○アスベスト飛散防止対策の推進
解体等現場などにおけるアスベスト飛散防止対策を徹底する。
○啓発用パンフレットの作成・配布
各分野の情報を集約し、アスベスト問題全般を網羅した資料とする。
○インターネットホームページの開設・リンク
各機関・団体のホームページを連携させ情報の一元化を進める。
○窓口相談員を対象に含めた講演会等の実施
相談員の研修、情報の提供を推進する。
(2)愛知県アスベスト対策協議会による取組
平成17(2005)年9月の幹事会による合意事項に基づき、構成機関・団体間の情報共有、解体等現場におけるアスベスト飛散防止対策の監視、パンフレットの作成・配付等を行っています。
また、毎年、アスベストに関する講習会を開催し、アスベストの飛散防止対策等に係る情報提供を行っています。
アスベストに関する講習会の開催状況
5 過去にアスベスト製品を製造していた工場
県内(政令市等を除く)には、アスベスト製品製造工場(大気汚染防止法に基づく特定粉じん発生施設設置工場)が8工場ありましたが、現在はありません。
なお、労働安全衛生法施行令により、平成18(2006)年9月以降、石綿製品の製造・使用・輸入等は禁止されています。
事業所名 | 所在地 | 施設廃止年度 |
---|---|---|
(株)エーアンドエー愛知(旧(株)アスク) | 大府市 | 平成7(1995)年度 |
東邦アストリー(株)扶桑工場 | 扶桑町 | 平成9(1997)年度 |
日本バルカー工業(株)新城工場 | 新城市 | 平成15(2003)年度 |
(株)大嶽名古屋 小牧スレート工場 | 小牧市 | 平成15(2003)年度 |
(有)新晃製作所 新城工場 | 新城市 | 平成17(2005)年度 |
日本油脂(株)愛知事業所 | 武豊町 | 平成17(2005)年度 |
6 東三河地域のアスベスト大気濃度調査
蛇紋岩はアスベストを含むことがあることから、蛇紋岩地域でのアスベスト大気濃度を把握するため、平成18(2006)年5月及び平成19(2007)年1月にその地域の一般環境と操業中の採石場敷地境界付近のアスベスト濃度を調査しました。
調査結果は、一般環境については0.1本/L未満、また採石場敷地境界について0.2本/L~1.2本/Lであり、いずれも低い濃度でした。(表6-1、表6-2参照)
測定地点 | 測定結果(単位:本/リットル) | |
---|---|---|
平成18(2006)年5月15日 | 平成19(2007)年1月9日 | |
新城市黄柳野(つげの) | 0.1未満 | 0.1未満 |
測定地点 | 測定結果(単位:本/リットル) | ||
---|---|---|---|
平成18(2006)年5月15日 | 平成19(2007)年1月9日 | ||
新城市 八名井 (やない) |
敷地境界付近・事業所外 (一般粉じん発生施設から 北方向、320m) |
0.2 | 0.6 |
敷地境界付近・事業所内 (一般粉じん発生施設から 東南東方向、145m) |
0.4 | 0.3 | |
敷地境界付近・事業所内 (一般粉じん発生施設から 南西方向、140m) |
0.7 | 1.2 |
問合せ
愛知県 環境局 環境政策部 水大気環境課
電話:052-954-6215(ダイヤルイン)