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野菜の難敵「タバココナジラミ バイオタイプQ」の検出キットが商品化されます
野菜の難敵「タバココナジラミ バイオタイプQ」の検出キットが商品化されます
愛知県農業総合試験場は、ウイルス病を媒介することによって果菜類に甚大な被害をもたらす、薬剤抵抗性が発達したタバココナジラミ バイオタイプQを簡易に識別する技術を平成20年度に開発しました。
この技術が実用化され、平成21年7月24日(金)に株式会社ニッポンジーンから「タバココナジラミ バイオタイプQ検出キット」として販売されます。
1 経緯
タバココナジラミは、トマト黄化葉巻病などのウイルス病を媒介することによって、果菜類に大きな被害を与える害虫です。以前のタバココナジラミはバイオタイプBでしたが、平成17年に、外見はバイオタイプBと変わらず、遺伝子型の異なるバイオタイプQが国内に侵入し、全国的に生息地域が拡大しています。
バイオタイプQは薬剤抵抗性が発達しており、タバココナジラミの登録農薬であっても防除効果の低い薬剤があります。そのため、タバココナジラミを的確に防除するためには、バイオタイプを正確に識別することが必要です。
そこで、農業総合試験場ではタバココナジラミのバイオタイプを現場で簡易かつ迅速に識別できる技術を平成20年度に開発し、このたびこの技術を利用した検出キットが商品化されます。これにより、タバココナジラミのバイオタイプ別に使用する薬剤を選択するなど、適確な防除が可能となります。
2 開発した技術
農業総合試験場が開発した技術は、目的とする遺伝子を増幅させるLAMP(ランプ)法を用いてバイオタイプを迅速・簡易・精確に識別する方法です。
採取したコナジラミをつぶした磨砕液を検査試薬に加え、60℃で1時間反応させた後、紫外線を当てて緑色に光ったものがバイオタイプQです。
簡易識別技術の特徴は以下のとおりです。
(1)短時間で識別が可能
これまでの方法では1日以上かかったのに比べ、1時間で結果が出ます。
(2)簡易な識別が可能
磨砕液に検査試薬を加え、目で見るだけで、極めて簡易に識別できます。
(3)現場での識別が可能
特別な機器が必要ないので、現場での識別も可能です。
ただし、試薬を調整するピペット、60℃を保つ保温器、紫外線を当てるランプなどは必要となります。
3 問い合わせ先
愛知県農業総合試験場環境基盤研究部生物工学グループ 主任研究員 福田至朗
所在地 愛知郡長久手町大字岩作字三ヶ峯1-1
電話 0561-62-0085(内線342)
タバココナジラミ バイオタイプQ検出キット
反応の結果
(左のチューブがバイオタイプQ)
参考資料
問合せ
愛知県農業総合試験場
環境基盤研究部生物工学グループ
担当 福田・浅見
電話 0561-62-0085(内線342)
愛知県農林水産部農業経営課
技術・営農グループ
担当 恒川・須田
内線 3662・3673
ダイヤルイン 052-954-6410