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研究報告第44号-抄録004
キクにおけるキクわい化ウイロイドの種子伝染
関西病虫害研究会報54:71-75(2012)
摘要
キクの重要病害であるキクわい化病の種子伝染について高濃度および低濃度感染株を親株に用いて調査した。
種子親が高濃度感染株の実生個体は高濃度感染(++)の割合が34~82%と高く、種子親がフリー株であっても花粉親が高濃度感染株であれば、実生個体の39%が(++)であった。
一方、低濃度感染株同士の実生個体では、(++)の割合は6%、種子親がフリー株、花粉親が低濃度感染株の実生個体では0%であった。
CSVdが高濃度に検出された実生個体をCSVd フリー「ピアト」と「セイアイシスピンク」の健全株に接ぎ木接種した結果、2か月後には接種した全ての株からCSVdが検出された。
また、「セイアイシスピンク」では、葉の小型化、節間長が短くなる、葉の着生角度が小さくなる等の病徴が現れた。
実生個体へ伝染したCSVd はキクへの感染力を保持し、病原性があると確認されたため、CSVdは種子を通じて伝染することが明らかとなった。
著者
服部裕美:園芸研究部
中村恵章:園芸研究部
平野哲司:園芸研究部
福田至朗:環境基盤研究部
桒山幸子:環境基盤研究部
大石一史:企画普及部
問合せ先
愛知県農業総合試験場
研究戦略部企画調整室
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